たけすいでは毎年、ヤマトトックリウミグモは展示していますが、その他にもヨロイウミグモも展示できることあり、2種類の深海ウミグモの仲間を展示できるのですが、激レア的サプライズでウミグモの親玉のような種類ベニオオウミグモ(の仲間)がやってくることがあります。
それがコチラ。
この写真は搬入時にかろうじて生きていた個体です。
残念ながら展示まで至らないことがほとんどの超レア種。漁師さんありがとう、いつもスゴイよ。実物を見ると衝撃的であり、生きている状態で見ると、それはもうかなりの衝撃です。衝撃を通り越して格好良い。今回の個体も水族館に来た時には既に死んでおり、少しの間、冷凍保存をしていました。
なかなか無い出会い、貴重な機会なのでありがたく挑戦。漁師さんありがとう。
さて、食べるとなるとここからが悩むところ。調理と食べ方。いや、その前に冷凍してから食べるとなるまで躊躇していたのでしょうね、自ら冷凍庫に保存をして庫内で眠っているのは常に頭の中にはあったのですが見て見ぬふりをしているわけではないけれども、進まない、手を付けられない、躊躇している、悩んでいる。
ヤマトトックリウミグモの時は、恐怖心はありつつも悩むことなく調理へ進めたのですが、今回は悩む時間が長かった。ヤマトトックリウミグモは、まずは実際に食べて、自らも飼育と担当をして、エサは何を食べるのかなど情報が入って来たのです(後々、時間をかけて)が、本種は分かりません。
また見て見ぬふりをする期間が続いたのですが、ふとした時に急に食べてみようと思い、調理に進みました。急に思いつき、躊躇することもなく、この生き物を食べる自分を素直に受け入れるこの状況が不思議でした。
冷凍してあるということから食べるのならば茹でることが良いであろうと、すぐに決めて実行。
とにかく脚が長いため、茹でる時はパスタを茹でるかのように調理を行い、しっかり全体が茹で上がるようにして茹で時間は長めに3分ほど。これほどの細さであれば、もっと短くても良い気がしたのですが、やはり怖いのでしょう、しっかり茹でで3分。
そもそも大きなクモが苦手なので、茹でている間も時々クモに見えることがあって心が折れそうになりつつも茹で上がり完成。
まずはお皿に取り出し、食べる部位の選定ですが、やはり脚かなと。
ハサミで切り取り、食べる前に中身の確認ですが何も入っていないように見え、数か所で試しますが同じため、吸ってみることにしました。ヤマトトックリウミグモと同じで臓器が脚の方にまで収容されているはずと考えたのですが、臓器や身らしきものは出てきませんでした。外殻部分は硬いという訳ではなく、これもヤマトトックリウミグモと同様に柔軟性があり簡単に嚙み切れるようなものではなく、味も特に感じませんでした。
ただ、歩脚の根本近くには・・・
また次回にしましょうね。