huruhonzaka

間間雑記

「古本坂シマウマ変化」より改題。

ブログタイトルを変更しました。武田百合子「日日雑記」のパクリまたはオマージュ。「日日」には程遠いので「間間」。
23 6月

アステア自伝とロジャース自伝

『フレッド・アステア自伝 Steps in Time』と『ジンジャー・ロジャース自伝』を続けて読んだ。

しまった、ロジャース自伝は書影を撮っておくのだった。

図書館で借りて読んで、すでに返却済みで、記憶を頼りに書くので、じゃっかん不正確なところがあるかもしれない。
アステア自伝では「ロジャーズ」となっていたが、本稿では「ロジャース」としておく。

『フレッド・アステア自伝』は2006年の発行だが、原書の発行は1959年。その間、日本人でも英文の読める熱心なアステアファンは原書を読むことがあったのだろうが、五十年近く経ってやっと日本語訳で読めるようになったわけだ。ありがたいことで、出版した青土社はえらい。

フレッド・アステアのダンスはよく「華麗」と言われるが、アステアのダンスの魅力を一語で言い表すとしたら、私なら「軽妙洒脱」と言いたい。そしてこの本の文章もまた軽妙洒脱である。まるで、アステアの声が聞こえて来るかのような訳文。訳者はもともとアステアの大ファンだったそうで、そういう人だからこそできた訳業だろう。

アステアは映画界に入る前はお姉さんとのコンビで舞台で活躍していたのだが、この本を読むと、お姉さんのアデールが舞台のダンサー・俳優として傑出した人だったことが想像できる。

『ジンジャー・ロジャース自伝』は、なにか事件が起こったときの語り口にぐいぐいひきこまれてしまう。本人が完全に一人で書いたのか、手を貸した人がいるのかわからないが、この文章の力量はかなりのものだと思う。

ジンジャーには「有名なステージママ」がいたと言われ、そこにはいくらかネガティブなニュアンスが感じられたが、この本を読んだらそれは払拭された。風評よりもジンジャーの言葉を重んじたい。

ジンジャーと母のレラはクリスチャン・サイエンス(キリスト教の信仰治療主義の一派)の信者であり、精神療法師の祈りやアドバイスによって病気が治るような話が何度か出てくる。私は普段そのての話には距離をおきたいたちだが、読んでいてあまり抵抗は感じなかった。

アステアの自伝では、話題に出た人が不利をこうむるようなことがほとんど書かれてなく、これはアステアの人柄によるものだろう。それにくらべるとジンジャーは、冷徹にありのままを書いている。
たとえば。『ブロードウェイのバークレー夫妻』でアステアの相手役はジュディ・ガーランドが予定されていたが、ジュディが出られなくなりジンジャーが代わりを務めることになった。これをアステアはジュディが病気で出られなくなったと書いているが、ジンジャーはジュディが降ろされたと書いている(降ろされた理由には病気が関係しているかもしれないが)。こういうところは、(悪意はないのだろうけれど)ずけずけと書いているジンジャーの本のほうが、当時の映画界の機微が伝わってきておもしろい。

このような言い方の違いにすぎないものではなく、もっと大きなくいちがいもあったと思った。記憶が曖昧なので具体的な話は省略するが、そこがおもしろいところでもあり、肝要なところでもあるので、識者か熱心なファンが整理して書いてくれることを期待する。

アステア&ロジャースの映画を五本監督したマーク・サンドリッチはアステアにくらべてロジャースのことを軽んじるため、ジンジャーはこの監督が嫌いなようだ。アステアとの共演作でジンジャーが一番好きなのは『有頂天時代』とのこと。

ジンジャーはアステアのことを高く評価しているが、自分が「アステアの相手役」としてばかり見られることには我慢がならないようだ。ここではアステアとジンジャーのことを一緒に書いたが、そこは誤解してないつもり。

『気儘時代』より、ダンスシーン。

3 5月

伊藤銀次のウキウキミュージック[一覧]

伊藤銀次のネットラジオ(POP FILE RETURNS)とネットテレビ(ウキウキミュージック)がおもしろい。
その「伊藤銀次のウキウキミュージック」は、以前はFRESH LIVEで公開されていたが、2019年2月にYouTubeに引越した。
YouTubeのチャンネルの動画の一覧では、ゲストや内容がわかりにくいので、ここにまとめた。
自分の利便のために作ったが、同好の人に役立ててらもらえたらうれしい。

【VOL.1(2017/5/5)】
ゲスト:杉真理(1)
https://youtu.be/52MM9OenjNU
【VOL.2(2017/5/12)】
ゲスト:杉真理(2)
https://youtu.be/Oi_pwqrhRbI
【VOL.3(2017/5/19)】
ゲスト:杉真理(3)
https://youtu.be/VcJjR2S9-5g
【VOL.4(2017/5/26)】
ゲスト:杉真理(4)
セッション「Crying All Night Long」 「マイルドでいこう」
https://youtu.be/6KfKV-LBQi0
【VOL.5(2017/6/2)】
ゲスト:上原“ユカリ”裕・田中章弘(1)
https://youtu.be/1n8atkhcGz4
【VOL.6(2017/6/9)】
ゲスト:上原“ユカリ”裕・田中章弘(2)
https://youtu.be/tkG6K917678
【VOL.7(2017/6/16)】
ゲスト:上原“ユカリ”裕・田中章弘(3)
https://youtu.be/BeL2-DI55CU
【VOL.8(2017/6/23)】
ゲスト:上原“ユカリ”裕・田中章弘(4)
https://youtu.be/hXLpHBy4-fo
【VOL.9(2017/6/30)】
ゲスト:上原“ユカリ”裕・田中章弘(5)
セッション「風になれるなら」「こぬか雨」
https://youtu.be/a331TsdtNpc
【VOL.10(2017/7/7)】
ゲスト:中川浩行(1)
https://youtu.be/cC6flwtfeiI
【VOL.11(2017/7/14)】
ゲスト:中川浩行(2)
https://youtu.be/ezL4mJCoWAs
【VOL.12(2017/7/21)】
ゲスト:中川浩行(3)
https://youtu.be/oDxx6vsbU_Y
【VOL.13(2017/7/28)】
ゲスト:中川浩行(4)
https://youtu.be/R8WqghHFhjY
【VOL.14(2017/8/4)】
ゲスト:吉田健(1)
https://youtu.be/CsN03PzSIqI
【VOL.15(2017/8/11)】
ゲスト:吉田健(2)
https://youtu.be/Ljlvs1R89uk
【VOL.16(2017/8/18)】
ゲスト:吉田健(3)
https://youtu.be/YiFeNrZZkP0
【VOL.17(2017/8/25)】
ゲスト:吉田健(4)
https://youtu.be/wNkloY5qSqQ
【VOL.18(2017/9/1)】
ゲスト:吉田健(5)
https://youtu.be/dzlDT3k02X8
【VOL.19(2017/9/8)】
ゲスト:吉田健(6)
セッション「幸せにさよなら」「渚のラブレター」
https://youtu.be/lBmuWxlLu3s
【VOL.20(2017/9/15)】
ゲスト:松浦真也(1)
https://youtu.be/xwAkwURFVko
【VOL.21(2017/9/22)】
ゲスト:松浦真也(2)
https://youtu.be/gT2PwE40ve4
【VOL.22(2017/9/29)】
ゲスト:松浦真也(3)
https://youtu.be/KmMM4f0fA1M
【VOL.23(2017/10/6)】
ゲスト:松浦真也(4)
https://youtu.be/NlhP0HPsS1I
【VOL.24(2017/10/13)】
ゲスト:松浦真也(5)
https://youtu.be/Ul98wv0l_oM
【VOL.25(2017/10/20)】
ゲスト:松浦真也(6)
https://youtu.be/Zw0n-oihJUs
【VOL.26(2017/10/27)】
ゲスト:松浦真也(7)
セッション「12月の雨の日」
https://youtu.be/uyj7vdYp-5U
【VOL.27(2017/11/3)】
「MAGIC TIME」特集(1)
https://youtu.be/uuS3kF1eB4Q
【VOL.28(2017/11/10)】
「MAGIC TIME」特集(2)
https://youtu.be/SvWBK7wcNxE
【VOL.29(2017/11/17)】
「MAGIC TIME」特集(3)
https://youtu.be/JG5ox12ojwA
【VOL.30(2017/11/24)】
「MAGIC TIME」特集(4)
https://youtu.be/3W2VoMZew9o
【VOL.31(2017/12/1)】
「MAGIC TIME」特集(5)
https://youtu.be/G0notPS43zc
【VOL.32(2017/12/8)】
ゲスト:白井良明(1)
https://youtu.be/kdQOXQPuvbk
【VOL.33(2017/12/15)】
ゲスト:白井良明(2)
https://youtu.be/TWN4vMvXciE
【VOL.34(2017/12/22)】
ゲスト:白井良明(3)
https://youtu.be/Jo1CxMJXrI8
【VOL.35(2017/12/29)】
ゲスト:白井良明(4)
https://youtu.be/pKMm9QfnWmQ
【VOL.36(2018/1/5)】
ゲスト:白井良明(5)
https://youtu.be/M3crGbVy9t0
【VOL.37(2018/1/12)】
ゲスト:白井良明(6)
セッション「アルシオネ」
https://youtu.be/M-KA_rHxK1g
【VOL.38(2018/1/19)】
ゲスト:杉真理[二回目](1)
https://youtu.be/AAaaNQqfxkY
【VOL.39(2018/1/26)】
ゲスト:杉真理[二回目](2)
https://youtu.be/8ADn2QmiwV8
【VOL.40(2018/2/2)】
ゲスト:杉真理[二回目](3)
https://youtu.be/0M1PJxnMmyQ
【VOL.41(2018/2/9)】
ゲスト:杉真理[二回目](4)
https://youtu.be/PQYx8TdSq4w
【VOL.42(2018/2/16)】
ゲスト:杉真理[二回目](5)
https://youtu.be/oCMwgK-6S-o
【VOL.43(2018/2/23)】
ゲスト:杉真理[二回目](6)
セッション「恋をもう一度~Let's Fall In Love Again~」「バカンスはいつも雨」
https://youtu.be/VUdtEXOgg8Y
【VOL.44(2018/3/2)】
ゲスト:いまみちともたか(1)
https://youtu.be/IiCY2oWfl7A
【VOL.45(2018/3/9)】
ゲスト:いまみちともたか(2)
https://youtu.be/1YHWum88mbc
【VOL.46(2018/3/16)】
ゲスト:いまみちともたか(3)
https://youtu.be/RY_m9dBgL6Q
【VOL.47(2018/3/23)】
ゲスト:いまみちともたか(4)
https://youtu.be/V4IsCZ9VVjc
【VOL.48(2018/3/30)】
ゲスト:いまみちともたか(5)
https://youtu.be/Az-lydIvSA0
【VOL.49(2018/4/6)】
ゲスト:いまみちともたか(6)
https://youtu.be/L9l0L8z-NJA
【VOL.50(2018/4/13)】
ゲスト:いまみちともたか(7)
https://youtu.be/R3W0e5MPioM
【VOL.51(2018/4/20)】
ゲスト:いまみちともたか(8)
セッション「堕落の夏」
https://youtu.be/fNT73MQcBlI
【VOL.52(2018/4/27)】
ゲスト:いまみちともたか(9)
セッション「うまくやれ」
https://youtu.be/A6RzU9HYlMg
【VOL.53(2018/5/4)】
ゲスト:田中拡邦(1)
https://youtu.be/nitW7INreqE
【VOL.54(2018/5/11)】
ゲスト:田中拡邦(2)
https://youtu.be/5zTQCr9IWFk
【VOL.55(2018/5/18)】
ゲスト:田中拡邦(3)
https://youtu.be/GDeueRnr-OA
【VOL.56(2018/5/25)】
ゲスト:田中拡邦(4)
https://youtu.be/XgbP21vBBEo
【VOL.57(2018/6/1)】
ゲスト:田中拡邦(5)
https://youtu.be/668ZooRsams
【VOL.58(2018/6/8)】
ゲスト:田中拡邦(6)
https://youtu.be/3ZGPWXDNgxM
【VOL.59(2018/6/15)】
ゲスト:田中拡邦(7)
セッション「ウララカ」
https://youtu.be/_MxpVMeTiWA
【VOL.60(2018/6/22)】
ゲスト:田中拡邦(8)
セッション「春待ち顔 人待ち顔」
https://youtu.be/ffBcWDA7kt8
【VOL.61(2018/6/29)】
ゲスト:曽我部恵一(1)
https://youtu.be/4-XSIBxdaCk
【VOL.62(2018/7/6)】
ゲスト:曽我部恵一(2)
https://youtu.be/RUzEJBKw1Nc
【VOL.63(2018/7/13)】
ゲスト:曽我部恵一(3)
https://youtu.be/Tf-IYexhGds
【VOL.64(2018/7/20)】
ゲスト:曽我部恵一(4)
https://youtu.be/nMZKWQhcApY
【VOL.65(2018/7/27)】
ゲスト:曽我部恵一(5)
https://youtu.be/UYSyncA7kTU
【VOL.66(2018/8/3)】
ゲスト:曽我部恵一(6)
https://youtu.be/Covl6eyglQk
【VOL.67(2018/8/10)】
ゲスト:曽我部恵一(7)
https://youtu.be/C0qs4ySQ6vc
【VOL.68(2018/8/17)】
ゲスト:曽我部恵一(8)
セッション「春よ来い」
https://youtu.be/IDnijaDIFYg
【VOL.69(2018/8/24)】
ゲスト:曽我部恵一(9)
セッション「留子ちゃんたら」
https://youtu.be/ABeQtr17Qvs
【VOL.70(2018/8/31)】
ゲスト:リクオ(1)
https://youtu.be/9CSqYnBu3hw
【VOL.71(2018/9/7)】
ゲスト:リクオ(2)
https://youtu.be/RruEeSSL5E4
【VOL.72(2018/9/14)】
ゲスト:リクオ(3)
https://youtu.be/7cAZGM8z8CE
【VOL.73(2018/9/21)】
ゲスト:リクオ(4)
https://youtu.be/XxoHp1D9RN8
【VOL.74(2018/9/28)】
ゲスト:リクオ(5)
https://youtu.be/2xNEUaFVaAE
【VOL.75(2018/10/5)】
ゲスト:リクオ(6)
https://youtu.be/U3h4l1Gx7LU
【VOL.76(2018/10/12)】
ゲスト:リクオ(7)
セッション「永遠のロックンロール」
https://youtu.be/TFfaoCJIubI
【VOL.77(2018/10/19)】
ゲスト:リクオ(8)
セッション「愛はちょっと」
https://youtu.be/e7Uqjv4BVRs
【VOL.78(2018/10/26)】
ゲスト:桑田靖子(1)
https://youtu.be/Mbfi2v4zLgk
【VOL.79(2018/11/2)】
ゲスト:桑田靖子(2)
https://youtu.be/p0C45Wo1DFI
【VOL.80(2018/11/9)】
ゲスト:桑田靖子(3)
https://youtu.be/C6BeOdB8GJ4
【VOL.81(2018/11/16)】
ゲスト:桑田靖子(4)
https://youtu.be/89XpaSa6fZ8
【VOL.82(2018/11/23)】
ゲスト:桑田靖子(5)
https://youtu.be/ExEeWO--INk
【VOL.83(2018/11/30)】
ゲスト:桑田靖子(6)
https://youtu.be/eajdmOTYYXk
【VOL.84(2018/12/7)】
ゲスト:桑田靖子(7)
セッション「JUST」
https://youtu.be/OGsgizuhzxc
【VOL.85(2018/12/14)】
ゲスト:桑田靖子(8)
セッション「Desperado」
https://youtu.be/2YgCCLmD02Y
【VOL.86(2018/12/21)】
ゲスト:売野雅勇(1)
https://youtu.be/WqzHldc0ouM
【VOL.87(2018/12/28)】
ゲスト:売野雅勇(2)
https://youtu.be/A8XKCrq-ZBY
【VOL.88(2019/1/4)】
ゲスト:売野雅勇(3)
https://youtu.be/P067ZEGsxzw
【VOL.89(2019/1/11)】
ゲスト:売野雅勇(4)
https://youtu.be/3PZpJtSuIrE
【VOL.90(2019/1/18)】
ゲスト:売野雅勇(5)
https://youtu.be/pJVDkdgb64Q
【VOL.91(2019/1/25)】
ゲスト:売野雅勇(6)
https://youtu.be/p6K8VavCT5Q
【VOL.92(2019/2/1)】
ゲスト:売野雅勇(7)
https://youtu.be/Dk6etPzEbGo
【VOL.93(2019/2/8)】
ゲスト:売野雅勇(8)
https://youtu.be/5EmnnJ-GhN8
【VOL.94(2019/2/15)】
ゲスト:立川志らべ(1)
https://youtu.be/CNrBnlFLgR4
【VOL.95(2019/2/22)】
ゲスト:立川志らべ(2)
https://youtu.be/UrZx2K_B4H8
【VOL.96(2019/3/1)】
ゲスト:立川志らべ(3)
https://youtu.be/BPS8-AvSiBE
【VOL.97(2019/3/8)】
ゲスト:立川志らべ(4)
https://youtu.be/4-0dTO4IXF4
【VOL.98(2019/3/15)】
ゲスト:立川志らべ(5)
https://youtu.be/ab2Xhx2BwTU
【VOL.99(2019/3/22)】
ゲスト:立川志らべ(6)
https://youtu.be/puqYdkdv2G8
【VOL.100(2019/3/29)】
ゲスト:立川志らべ(7)
https://youtu.be/y1B1WETIkO4
【VOL.101(2019/4/5)】
ゲスト:立川志らべ(8)
https://youtu.be/uFJPKg8dCoA
【VOL.102(2019/4/26)】
ゲスト:金子マリ(1)
https://youtu.be/y99fuRmV75I
【VOL.103(2019/5/3)】
ゲスト:金子マリ(2)
https://youtu.be/cW-0fe4jAjM


10 4月

読みにくい

DSC_0117

これを作った人は、良かれと思ってこうしたのか、人をおちょくりたかったのか、何も考えていなかったのか。
12 3月

「NIAGARA CONCERT '83」+「THE FIRST NIAGARA TOUR」

以前このブログで、アマゾンの出品アカウントに行く途中に出てくるこれは
キャプチャ
こうするべきだ。
キ ャ プ チ ャ
ということを書いたことがあったが、その後これは改善された。べつにこのブログの圧力ではないけれど。

これは些細なことだが、このブログで書いた願望の一つが現実となりつつある(このブログの影響ではないけれど)。
それは、大滝詠一とシリア・ポールのライヴ映像。
(この記事の最後に書いた件。http://blog.livedoor.jp/huruhonzaka/archives/51476123.html
まさか、商品化されるとは思ってなかったかので驚いた。

大滝詠一の死後、大滝詠一関連の商品には1円も使っていなかったが、このCD+DVDは予約注文しよう。
SONYだから、伊藤銀次のネットラジオで取り上げてくれないかなあ。
5 2月

意図

アマゾンから送られてきた箱の中で中身がガタガタ動くことは珍しくなく、そのこと自体には驚かないが、この緩衝材の意図について思案中。
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精選版 日本国語大辞典(ウェブ版)より
い‐と【意図】
〘名〙 ある目的をもって、何か事をしよう、実現しようとすること。また、その目的、ねらい。


9 1月

ロビー・ロバートソン自伝

『ロビー・ロバートソン自伝 ザ・バンドの青春』を読んだ。

まず、序言に惹かれた。
はじめて本格的な物語(ストーリーテリング)に接したのは、まだ幼いころ、シックスネイションズ・インディアン居留地でのことだ。 ― ― (略) ― ― 居留地で聞いた物語は、どれもぼくに多大な影響をおよぼした。九歳の時、ぼくは母親に、おとなになったら物語る人(ストーリーテラー)になりたいと告げた。彼女はほほ笑み、「なれると思うわ」と言った。
というわけでこれがぼくの物語だ。ぼくの声、ぼくの歌― ―
そしてこれがぼくの思い出なのだ。
ロビー・ロバートソンはザ・バンドの作詞家として非凡なストーリーテラーであったが(歌詞をよく理解しないで言ってるが)、こんどは本で“物語り”をしたわけだ。

章名が数字だけなので、話のペース配分がつかみにくいが、ウッドストックのビッグピンクの出てくるのが全体の半分過ぎくらいで、ラスト・ワルツのコンサートをやり遂げたところで終わっている。
ザ・バンドが解散に至るきっかけは「結び」で少しほのめかされているが続きをもっと知りたいし、ラスト・ワルツの映画とサントラの製作過程の話も聞きたいところだが、話の切り上げ方としてはこれでよかったのかもしれない。

終始ドラッグの話がつきまとうのに辟易するが、それを抜きに語れば嘘っぽくなったのだろう。不品行な話、ヤバイ話は他にもあり、リヴォンと強盗をやりかけた話にはあきれた。

様々なミュージシャンとの交流の話がおもしろい。
ボブ・ディランの話は当然多く、ボブ・ディランのファンが読んでも興味深いものかもしれない。
私の趣味で言うと、ヴァン・モリソンの変人ぶりがおもしろかった。

ザ・バンドの他のメンバーとの間に徐々に溝が生じていく様子も書かれている(忌憚なく、かどうかはわからないが)。
リヴォン・ヘルムが著書に書いたロビーへの悪口にはちぐはぐなところがあったと思うが、ロビーの話は一応筋道が通っていて、ひっかかりなく読めた(真実かどうかは別として)。ロビーとリヴォンとの対立について、一部の人(もしかしたら多くの人)が、なぜ一方的にロビーを悪し様に言うのか、理解できない。私も一方的にロビーの肩を持つつもりはないが、もう少し公平に見たらどうだろうか。

“ロビーのスタンドプレー”ということを言いたいのか、ラストワルツではロビー一人だけがメイクをしていたと嫌みっぽく言う人がいるが、この本によれば、疲れで顔がまっ青だったのを見かねて、奥さんがロビーの顔にブラシを当てたようだ。それがなにか問題なのだろうか。

リヴォンはラスト・ワルツの〈ザ・ナイト・ゼイ・ドローヴ・オールド・ディキシー・ダウン〉について「おそらくザ・バンド最高のこの曲の演奏だった」と著書で言い、ロビーはこの本で「リヴォンが〈オールド・ディキシー・ダウン〉をあそこまでうまくうたい、演奏した夜が今までにあっただろうか?」と言っている。ここの部分での二人の一致を知って、二人の対立(と言われるもの)は、私にとってもはや大きな問題ではなくなった。

原題の「TESTIMONY」は英和辞典の訳語によれば「証言」で、ややカタイ言葉だが、日本語の語感で言えば、この書の内容はやはり「物語」だろう。
ご存命かどうか知らないが、ロビーの母親ならきっとこう言うにちがいない。
「ロビー、やっぱり、物語る人(ストーリーテラー)になったわね」
11 11月

だうせ

先日ミュージックステーションで椎名林檎と宮本浩次の共演があったので、見てみた。
曲は「獣ゆく細道」。
字幕で歌詞が縦書になっているのが変わっていたが、その歌詞が歴史的仮名遣い(以下「旧かな」)なのも変わっている。よく知らないのだが、椎名林檎は旧かなが標準なのか?
で、その歌詞に「だうせなら」とあるのが気になった。「どうせ」は旧かなだと「だうせ」になるのだろうか。 手もとの辞書では、そういうことは確認できなかったが。
ウェブの「歴史的仮名遣い辞典」では、「どうせ」の旧かなは「どうせ」となっている(信頼性のほどは不明だが)。
http://www5a.biglobe.ne.jp/accent/kana/jyhe8sh.htm
青空文庫内で検索すると、「だうせ」はヒットしない。一方、旧かなの文章の中に「どうせ」とあるものが複数ある(中原中也・宮沢賢治など)。
椎名林檎が作詞したものでは「薄ら氷心中」にも「だうせ」とあるようだ。
“遊び”でわざとそうしているのだったら、野暮なことを言って、すみません。どっちにしろ、椎名林檎を貶めたいのではなく、旧かなへの関心から書いてます。

Mステの話に戻ると、椎名林檎は歌うまえも歌ったあとも宮本浩次の“変なかんじ ” にウケて笑っていた。歌っている最中よく笑わないでいられたなあ、と思った。

1 9月

『伊藤銀次 自伝 MY LIFE, POP LIFE』

『伊藤銀次 自伝 MY LIFE, POP LIFE』を読んだ。図書館で借りて(すみません)。

喋ったものを文字に起こしたのかな、と思わせる文体。
この人は、喋りたいことがいっぱいある人、饒舌な人なんだな、とあらためて思った。
ディスコグラフィはもちろん、提供楽曲の一覧、編曲・プロデュース作品の一覧もあり、索引もあり、たいへけっこう。上原“ユカリ”裕との対談もおもしろい。

架空のレコード。
中学生のとき、友達との架空のバンドに「M&ザ・フィンガーズ」という名前を考え、シングル曲のタイトル「Get Hold Of Yourself」を考え(メロディは頭の中で鳴っていた)、「涙を抱きしめよう」という邦題を考え、「ミート・ザ・フィンガーズ」というアルバムタイトルを考え、アルバムジャケットを画用紙に書き、曲順も全部考え、初期のビートルズのアルバムにはカバー曲が入っているからカバー曲も入れ、ライナーノーツも書いたとのことで、おそれいった。伊藤銀次は子供の頃から創造力が豊かだったんだなあ。

ごまのはえとザ・バンド
いろんな音楽をやる五目味のザ・バンドは70年代のビートルズだと思い、銀次は好きだったそうだ。そして、バッファロー・スプリングフィールド路線のはっぴいえんどに対して、大阪の銀次たちは泥くささのあるザ・バンドのサウンドをひな形にしたとのこと。
そこで、ごまのはえの「留子ちゃんたら」を聴いてみたら、ああ、ほんとだ。イントロなんて、もろにザ・バンド。

さらに。ザ・バンドのファッションは現代のアメリカ人のファッションではなく、西部劇時代の恰好に見えるが、あれは盗賊団のイメージなんだろうということで、江戸時代、道中荒しのことを言った「ごまのはえ」をバンド名にしたとのこと。
伊藤銀次とザ・バンドに密接な関係があるとは知らなかったな。

銀次はシュガーベイブに途中から参加したが、ギターのテクニックの問題で山下達郎に馘首されたのだそうだ。きびしいなあ。

アレンジ・プロデュースの話もたっぷりしているが、その中では沢田研二の仕事が特筆に値すると思う。
その頃の沢田研二は、歌謡曲しか聴かないような人にも人気がある一方で、ロックファンの間でも人気がある、という特異な存在だった。渋谷陽一のラジオ番組で、「今年活躍した日本のロックアーチスト」だったか、「好きな日本のロックアーチスト」だったか、そんなようなアンケートがあると、一位RCサクセション、二位サザンオールスターズという順位の、八位か九位あたりに沢田研二が入っていたのを覚えている。
シングル曲で言うと、「おまえがパラダイス」「渚のラブレター」「ス・ト・リ・ッ・パ・ー」「おまえにチェックイン」あたりが伊藤銀次の仕事になるが、これらは歌謡曲としても成立していながら、ロックファンの耳をも惹きつけるものになっていて、その功績の第一はもちろん沢田研二自身にあるが、伊藤銀次のアレンジに負うところも大きいと思う。銀次がプロデュースした沢田研二のアルバム「G.S.I Love You」は名盤(「STRIPPER」は聴いていません)。

「渚のラブレター」ギターは白井良明。

もちろん、自身のソロ活動についてもたくさん語っている。このへんはコメントしたいことが多すぎて、かえって何も書けません。

最後の「「無邪気さ」から生まれるもの」という話が好き。要約すると、ビートルズは田舎にいて無邪気だったからオリジナル曲を作りはじめ、その影響でストーンズもオリジナル曲を作るようになり、そうしてロックの歴史が動いていった、大切なのは無邪気さ、ということになるのだろうか。

去年出た銀次のアルバム「MAGIC TIME」を未だ聴いてない人でした。
31 8月

「ラスト・ワルツ」(5) DVDの音声解説

映画「ラスト・ワルツ」のDVDには音声解説が二種類あり、一つはロビー・ロバートソンとマーティン・スコセッシ監督の対談だが、もう一つにはミュージシャンとスタッフが大勢出てくる。その出演者を、書き出しておく。
(登場順)

◯ジェイ・コックス
ジャーナリスト、マーティン・スコセッシの友人

◯グリール・マーカス
音楽評論家、著書に『ミステリー・トレイン ロック音楽にみるアメリカ像』がある

◯ジョナサン・タプリン
「ラスト・ワルツ」の製作総指揮、ザ・バンドの元ツアーマネージャー

◯スティーヴン・プリンス
「ラスト・ワルツ」の製作補

◯アーウィン・ウィンクラー
スコセッシの「ニューヨーク・ニューヨーク」の製作者

◯リヴォン・ヘルム
ザ・バンドのメンバー

◯ジョン・サイモン
「ラスト・ワルツ」の音楽監督

◯ロニー・ホーキンス
「ラスト・ワルツ」のゲスト・ミュージシャン

◯ガース・ハドソン
ザ・バンドのメンバー

◯ドクター・ジョン
「ラスト・ワルツ」のゲスト・ミュージシャン

◯マイケル・チャップマン
「ラスト・ワルツ」の撮影スタッフ

◯メイヴィス・ステイプルズ
映画「ラスト・ワルツ」の出演ミュージシャン、コンサートは不参加だがスタジオ撮影でザ・バンドと共演

◯マーディック・マーティン
脚本家、ドキュメンタリー作家、「ラスト・ワルツ」のインタビュー場面に関与


彼らが集まったのは、「ラスト・ワルツ」から25年後の2001年。

リヴォン・ヘルムは、1993年の著書ではこの映画にかなり手厳しいことを言っていたが、この企画に参加したということは、いくらか冷静に振り返られるようになったのだろう。
リヴォンの声は、喉頭癌のせいと思われるが、かなり枯れている。

ステイプル・シンガーズのメイヴィス・ステイプルズは、撮影のときロビー・ロバートソンに見とれていて、「ラブシーンじゃないんだぞ」と監督に叱られた。

最初、音は本編の音を再生して、音声解説は字幕で読むだけだったが、音声解説の音を聴いたら、最後にガース・ハドソンによるピアノ演奏(ジャズ風)があった。これがなかなか良く、気がついてよかった。


27 8月

『ザ・バンド 流れ者のブルース』

バーニー・ホスキンズ著『ザ・バンド 流れ者のブルース』を読んだ(図書館で借りて)。原題は「Across The Great Divide - The Band and America」。

この翻訳書の題名には「流れ者のブルース」と「ザ・バンド」の二つの要素があるが、どっちが先に来るのかわかりにくい。
カバーのオモテ面では横書き二行で「流れ者のブルース」が上、「ザ・バンド」が下になっているが、カバーの背では縦書き二行で右側に「ザ・バンド」、左側に「流れ者のブルース」となっていて、読む順序が逆になる。奥付では一行で「ザ・バンド 流れ者のブルース」となっているので、ここではそれに従うが、アマゾンのカタログとは逆だ。まあ、どっちでもいいのかもしれないが。

この本は、著者がメンバーにインタビューをして書いたわけではなく、既出の話を紡ぎ合わせて書いたようだが、著者独自の見解も随所にあり、曲について低評価をしたり、メンバーに辛辣なことを言っている部分もある。ただの“よいしょ本”ではなく、無味乾燥な記述が続くわけでもなく、読んでおもしろい本だ。

翻訳上のことだが、ロニー・ホーキンスのセリフの最後が「……だべ」となっているところがあって、おもしろかった。
参考図書


似た内容の本としてはリヴォン・ヘルムの『ザ・バンド 軌跡』もあるが、当然、リヴォンの本のほうが“かたより”が大きい。リヴォンの本はその“かたより”がおもしくもあるが、公平さには欠けるかもしれない。
こっちの本は、リヴォンとロビーの対立については、どちらか一方に肩入れするということはしていないように感じた。本全体を通してロビー・ロバートソンの発言の引用が目立ってはいるが、それは、ロビーが様々なインタビューに答える機会が多かったからだろう。

同じ事柄について書いていても、二つの本の間には所々にくい違いがある。たとえば、1969年のウッドストック・フェスティバル(以下ウッドストックと略す)についてーー
ザ・バンドはウッドストックに出演したが、映画には登場しないし、サントラにも収録されなかった。これはザ・バンド側がNOと言ったからのようなのだが、その理由をリヴォンは著書で、歌の不得手なロビー・ロバートソンのマイクの音量が小さくしてなかったからだと書いていた(手元に本が無く記憶を頼りに書くので、若干不正確かもしれませんが。以下、同じ)。
しかし、『ザ・バンド 流れ者のブルース』では、映画への不参加理由についてそういうことは書かれてなく、サントラへの不参加についてはこうした発言が引用されている。
「ぼくらのテープは、ほかのどのグループにも勝っていた」とロビーは語っている。「でもぼくらはあの場の雰囲気が気にいらなかったし、アルバムもかなりうさんくさい感じがした。クロスビー・スティルス・ナッシュ&ヤングなんて、スタジオでヴォーカルをダビングしたというからね」
※後のラスト・ワルツでは、ロビーが主導してオーバーダビングをしたと言われているので、この発言はラスト・ワルツとの関連でも興味深い。『ザ・バンド 流れ者のブルース』では、ラスト・ワルツのオーバーダビングについては何も書かれていない。
※リヴォンは著書で、ラスト・ワルツではウッドストックの二の舞にならないように、ロビーのマイクの音量を絞ったとも書いている。だが、ロビーは司会もしていたのだから、絞りっぱなしではないはずだ。また、通常のコンサートでロビーのバック・ヴォーカルがどういう扱いだったか(マイクの音量をどうしていたか)については、何も語ってない。萩原健太は、ラスト・ワルツでロビーは「マイクに向かって声を出さずに歌うふりを」していると書いている(レコード・コレクターズ 2002年6月号)。

YouTubeにウッドストックでのザ・バンドの映像があった。曲は「ザ・ウェイト」。リヴォンとリックとリチャードの三人の声の重なりがキモとなる曲である。
なお、ウッドストックのザ・バンドの「ザ・ウェイト」はウッドストック25周年の時に出たビデオに入っていたようだ(たしか、この本の巻末のフィルモグラフィーに記載があった)。
では、見てみよう。



(ここから先は、最初に一度アップしたものから大幅に書き換えました)
あれ? バックヴォーカルのリチャードのパートをロビーが歌っているぞ……と思ったが、イヤホンで聴き直したところ、リチャード・マニュエルの声が聴こえた。リチャードが全く映らず、リチャードが歌いそうなところでロビーが映るので、映像に引きずられて錯覚したようだ。ロビーの声がいちじるしく邪魔になっているとは思わないけどなあ。
このときの(この曲の)歌と演奏は鑑賞に値するものだが、リチャードが全然映っていないので、映像としては不合格なのかもしれない。
『ザ・バンド 流れ者のブルース』より
最終的にはザ・バンドの出番も、いちおうはフィルムに収められた。だが彼らは、それがどうなろうとまったく無関心だった。「全員が映ってるショットはない。2人か3人ずつ、バラバラに映ってるショットしかなくて」とリチャードは語っている。「それで、ボツになったんだ」
こういうことも書いてある。
夜の早い時間にようやくステージに立った彼らは、「少年説教師の集団」になったような気分だった。「客席は3日間、音楽と悪天候にさらされてたわけだからね」とロビーはローリング・ストーン紙に語っている。「なかなかノリがつかめなくて苦労させられたよ」。(中略)ジョナサン・タプリンのいう「攻撃型のバンド」――ザ・フーやスライ&ザ・ファミリー・ストーンのような――の煽動的なステージングに馴れきっていた客席は、これっぽっちも反応を示さなかった。「『ぼくらがここにいるのはまちがいなんじゃないか』と思ったね」とロビー。彼にとって、客席をのぞきこむのは、「煉獄をのぞいているようなもの」だった。
「客席の子どもたちは、なんだこいつらは、と思っているみたいだった。ぼくらはいつもリヴィング・ルームでやってるときのような調子でプレイしてたからね、そのせいで向こうには、場ちがいな印象を与えてしまったんだろう。(中略)ぼくらはまるで、嵐のなかに置き去りにされた孤児のようだった」
「ザ・ウェイト」の映像では、客の反応はけっこいういいようにも見えるが、ウッドストックの客とザ・バンドの間に相容れないものがあったとしても、不思議ではないかもしれない。



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