2024年3月28日(17号)
ジャック・ハンマーvs鎬昂昇は、ジャック・ハンマーの勝利に終わった。
噛みつきvs引っかき、噛道vs斬撃空手の対決である。
内容的にはジャックの噛道が圧勝だ。
美しく勝ちたいという武道の美意識に、勝つためなら尻穴を晒すことも辞さない戦闘術が勝ったとも言える。
徳川邸で範馬刃牙と徳川光成が今回の試合を振りかえって検証していた。
あのジャックに、刃牙は勝てるのか?
徳川さんに、そう問われるが刃牙は答えない。
一度勝った相手に負けると思ってないのだろう。
ジャックも強くなったが、刃牙はもっと強くなっているし。
自分は勝てるとも勝てないとも言わない刃牙は話題をそらす。
闘争への興味が薄れているようのか?
ジャックは他人の目を気にせず、勝つことだけ考えている。
だが、ジャックが野見宿禰に勝利した時は歓声を堪能していた。
「ジャック兄とて報われたい」
「とりわけ」
「父 範馬勇次郎からの「褒め」」
「どんな犠牲を払ってでも」
「我が物にしたい」
ジャックが真に欲しいのは父 範馬勇次郎からの「褒め」だッッッ!!
と言うのが刃牙の見解です。
異母兄弟の言う事だから合っているのだろう。
今日勝てるなら、明日死んでも構わない。
そんな刹那の勝利を求めるジャック・ハンマーのモチベーションがどこから来るのか謎だった。
範馬勇次郎に勝利したいのなら、明日も生きていないと闘えないから違う。
今日死んでも構わないというのは、勇次郎に認めてもらいたい必死のアピールだったようだ。
幼年編初期の刃牙と似たような状況だろうか?
その後の刃牙は勇次郎と闘争観の違いが原因で袂を分かつ。
さらにその後裏返って刃牙は勇次郎と和解する。
ジャックにはそういう反抗期が来なかったようだ。
ジャックは母親不在で心が満たされず、代替えとして父親を求めているのだろうか?
徳川さんはジャックと刃牙の異母兄弟が似ているという。
現在は似ているけど、昔は違ったよね。
刃牙は素手で範馬勇次郎を殺そうと誓っていた。
だが、現在の刃牙は勇次郎に褒められたいところが似ていると言われても反論しない。
パパに褒められたいボーイですよ。
しかし、刃牙の態度は勝者の余裕なんだろうけど……
……すごい上から目線な気がする。
まあ、範馬勇次郎から最大級の褒めをもらっちゃった息子ですからね。
ジャック君も、がんばって早く褒められると良いね。
ぐらいに思っていそう。
神心会では愚地独歩と愚地克巳が鍛錬をしていた。
克巳が考案したビニール袋を使った稽古だ。(範馬刃牙24巻 198話)
独歩も空中に浮くビニール袋を両断できる技量をもつ。
切った後は、天地上下の構えで「せいやッ」と決めのポーズだッ!
息子の前で独歩も張り切っているのだろうか?
最後の気合は、残心であり空手道の「見得」である。
いわば、空手の"見せ場"だ。
ここで格好良く決めないでどうすると。
たしかに倒した後の残心の所作は格好良い。
フランシスコ・フィリォが相手をKOした後に残心を見せたのは、まさに空手の見せ場だった。
ただ勝つだけではなく、美しく勝つ!
これが武道に課せられた課題ですね。
プロとアマの試合差みたいな所でもある。
アマチュアはどんなに塩っぱくとも、勝てばいい。
プロは勝つのは大前提として、お客さんを満足させなくちゃいけない。
より高度な勝利を要求されている。
だから給料も出るんだけど。
ただ勝てば良いと甘えたことを言う噛道などに、空手の歴史を教えてやる!
独歩と克巳は、次にジャックと闘う事になるのか?
やっぱ武道家との美意識対決になるんだろうか?
場面はかわり、高級ホテルらしき一室でとある親子が会食していた。
範馬勇次郎とジャック・ハンマーである。
珍しくジャックがジャケットを着ている!
ジャケットを持っていたんだ。
巨体だから特注品だろうな。
ジャックは、ちょっと緊張しているようだ。
表情が硬い。
まるで憧れの人と初めてホテルで食事をする初心(うぶ)な乙女だ。
わりと、そのままですね。
「たまには柔らかい物も食え」
範馬勇次郎からの教えが炸裂したッ!
急に父親ぶるから油断できん。
これはどういう意味だろう?
ストレートに食事と健康に気を使えと言う意味なのか?
過度の負荷は良くないという事なのかも。
どちらにしても、ジャックのトレーニングをやんわりと批判している。
明日なきファイターだけど、たまには明日のことも考えろ。
って事なのかも。
今回は 3組の親子対談っぽかった。
離れても深い絆がありそうな、刃牙と勇次郎、ついでに徳川さんだ。
仲のいい愚地独歩と克巳は義理の親子である。
そして、少しぎこちないジャックと勇次郎の親子だ。
今度は親子関係対決になるのか?
だとすると、出てくるのは愚地克巳かも。
そして、刃牙は強さ比べから逃げているっぽいな。
週刊少年チャンピオン2024年17号