以下ネタバレありますので、ご注意下さい。
゜゚*☆*☆*゚ ゜゚*☆゜゚*☆*☆*゚ ゜゚*☆゜゚*☆*☆*゚ ゜゚*☆゜゚*☆*☆*゚ ゜
S.S.ラージャマウリ監督と主演のNTR.Jr、ラーム・チャランの来日舞台挨拶で1度目を観て、さらに10日後IMAXで再度観て、ようやく自分の中に落とし込んだ。
というのはどうしても『バーフバリ』と比べてしまい、この作品独自の良さを模索していたからだ。
今回もけれんみたっぷりで劇画チックに満ちあふれていた。
「村から連れ去られた少女を助け出す話」
うわべだけならこの1行で完結してしまう話を、マーベル作品かと思わせるようなヒーローものにして、さらにインドの歴史や男の友情をヵらめて大河ドラマ1年分になりそうな内容を3時間に凝縮させたものだから、中身が濃すぎる。それは『バーフバリ』にも言えたことだが。
しかも主演人気俳優2人の演技の熱さ、ルックスも濃いものだから、絵力が強すぎる。画面からほとばしる熱量が半端ない。
この監督は時間や空間、重力や一般常識を飛び越えて、人の感情を映像化するのがとても上手い。二次元的に言えば絵のデフォルメを三次元で表現したイメージ。ヒーローが飛んでいこうが銃弾が止まって見えようが、大げさというのはヤボってものである。体感的にはそう見えるんだから。
インパクトある映像は言うまでもないが、個人的にはサウンドの使い方がすばらしいと思っている。無音が効果的と思われるシーン以外はほとんどBGM的な音楽や効果音が入っている。そしてその音に誘導されるかのように観客の気持ちが怒りや悲しみ、興奮、爽快感へと導かれる。『バーフバリ』を観た人は今回もあのエクスタシーにおぼれ、初めて観た人は度肝を抜くのではないかと思った。
とにかく今、インドでこれだけのお金をかけてこういう映画を撮ってしまうラージャマウリ監督は凄い。ボリウッドファンとしてはテルグに負けたというのはちょっと悔しいので、この監督がずば抜けているのだと思いたい。
しかしまさかクライマックスで神話のラーマが出てくるとは度肝を抜かれた。
作品の中で祭られていたのでインドを知らない人でも彼の存在の尊さがわかるだろうが、みんなついてこれたのか、ちょっと心配だった。
そういえばビームの生い立ちとラブがなかった。あの少女の家族とは血はつながっていないと思うのだが。「羊飼い」という名のラーマ神に仕える一種の髭の生えた天使だったのだろうか。
*・゜゚・*:.。..。.:*・゜
その他思いついたことをちょっと。
ボリウッドから参戦のアジャイとアーリヤーはなかなか良かった。
アジャイも主演2人に濃さでは負けてなかった。
アーリヤーは20歳そこそこくらいの設定だろうか。
若干厳しさはあったが(現在29歳)、赤い花の髪飾りをつけてなんとかセーフ。
サディストのマダムはどこからあんなトゲトゲ鞭を調達?
ラーマがラーマコスプレのまま帰還したのはちょっと面白かった。
振り付け最高の高速キレッキレダンスも良かった。
突然踊り出す論争はもう飽き飽きしてるので完全スルーを貫いているけれど、これはとても自然にダンスシーンに入っていて映画の流れが途切れない。
☆*゚ ゜゚*☆*☆*゚
ラーマ神かっこいい!の話で終わりかと思いきや、インド独立の自由の戦士の話だったというエンディングにこれまたびっくり。ラーマ神は実在していたんだなと。
最後に個人的な考察を。
『バーフバリ』もそうであったように、『RRR』も民衆と英雄の話だ。勧善懲悪ではあるが、どちらも権力あるものの崩壊であった。支配された民衆の、権力への抵抗の具現化が英雄、ラーマとビームだった。これがハリウッド映画だと偉大な国アメリカを脅かすエイリアンやテロリストなどを排除する話になる。大国をおとしめようとする者は許さん、という感じ。
日本は国としては支配されたことはないが、ごく一部の権力者と大多数の弱い立場の人々という構図は昔から、もしかしたら今もなお続いているかもしれないので感情移入しやすいのではないかと思う。(あくまでも個人の感想です。)
.。o○.。o○.。o○.。o○
極上エンタメとして観るもよし、CGやサウンドや言語を楽しむ、濃い俳優で楽しむ、
あるいはインドの歴史にふれるのも、神話の世界をのぞくのも、
ものすごくお金をかけた、いちインド/テルグ映画として観るのも
角度によっていろいろな表情を見せてくれる。
゜゚*☆*☆*゚ ゜゚*☆゜゚*☆*☆*゚ ゜゚*☆゜゚*☆*☆*゚ ゜゚*☆゜゚*☆*☆*゚ ゜
S.S.ラージャマウリ監督と主演のNTR.Jr、ラーム・チャランの来日舞台挨拶で1度目を観て、さらに10日後IMAXで再度観て、ようやく自分の中に落とし込んだ。
というのはどうしても『バーフバリ』と比べてしまい、この作品独自の良さを模索していたからだ。
今回もけれんみたっぷりで劇画チックに満ちあふれていた。
「村から連れ去られた少女を助け出す話」
うわべだけならこの1行で完結してしまう話を、マーベル作品かと思わせるようなヒーローものにして、さらにインドの歴史や男の友情をヵらめて大河ドラマ1年分になりそうな内容を3時間に凝縮させたものだから、中身が濃すぎる。それは『バーフバリ』にも言えたことだが。
しかも主演人気俳優2人の演技の熱さ、ルックスも濃いものだから、絵力が強すぎる。画面からほとばしる熱量が半端ない。
この監督は時間や空間、重力や一般常識を飛び越えて、人の感情を映像化するのがとても上手い。二次元的に言えば絵のデフォルメを三次元で表現したイメージ。ヒーローが飛んでいこうが銃弾が止まって見えようが、大げさというのはヤボってものである。体感的にはそう見えるんだから。
インパクトある映像は言うまでもないが、個人的にはサウンドの使い方がすばらしいと思っている。無音が効果的と思われるシーン以外はほとんどBGM的な音楽や効果音が入っている。そしてその音に誘導されるかのように観客の気持ちが怒りや悲しみ、興奮、爽快感へと導かれる。『バーフバリ』を観た人は今回もあのエクスタシーにおぼれ、初めて観た人は度肝を抜くのではないかと思った。
とにかく今、インドでこれだけのお金をかけてこういう映画を撮ってしまうラージャマウリ監督は凄い。ボリウッドファンとしてはテルグに負けたというのはちょっと悔しいので、この監督がずば抜けているのだと思いたい。
しかしまさかクライマックスで神話のラーマが出てくるとは度肝を抜かれた。
作品の中で祭られていたのでインドを知らない人でも彼の存在の尊さがわかるだろうが、みんなついてこれたのか、ちょっと心配だった。
そういえばビームの生い立ちとラブがなかった。あの少女の家族とは血はつながっていないと思うのだが。「羊飼い」という名のラーマ神に仕える一種の髭の生えた天使だったのだろうか。
*・゜゚・*:.。..。.:*・゜
その他思いついたことをちょっと。
ボリウッドから参戦のアジャイとアーリヤーはなかなか良かった。
アジャイも主演2人に濃さでは負けてなかった。
アーリヤーは20歳そこそこくらいの設定だろうか。
若干厳しさはあったが(現在29歳)、赤い花の髪飾りをつけてなんとかセーフ。
サディストのマダムはどこからあんなトゲトゲ鞭を調達?
ラーマがラーマコスプレのまま帰還したのはちょっと面白かった。
振り付け最高の高速キレッキレダンスも良かった。
突然踊り出す論争はもう飽き飽きしてるので完全スルーを貫いているけれど、これはとても自然にダンスシーンに入っていて映画の流れが途切れない。
☆*゚ ゜゚*☆*☆*゚
ラーマ神かっこいい!の話で終わりかと思いきや、インド独立の自由の戦士の話だったというエンディングにこれまたびっくり。ラーマ神は実在していたんだなと。
最後に個人的な考察を。
『バーフバリ』もそうであったように、『RRR』も民衆と英雄の話だ。勧善懲悪ではあるが、どちらも権力あるものの崩壊であった。支配された民衆の、権力への抵抗の具現化が英雄、ラーマとビームだった。これがハリウッド映画だと偉大な国アメリカを脅かすエイリアンやテロリストなどを排除する話になる。大国をおとしめようとする者は許さん、という感じ。
日本は国としては支配されたことはないが、ごく一部の権力者と大多数の弱い立場の人々という構図は昔から、もしかしたら今もなお続いているかもしれないので感情移入しやすいのではないかと思う。(あくまでも個人の感想です。)
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極上エンタメとして観るもよし、CGやサウンドや言語を楽しむ、濃い俳優で楽しむ、
あるいはインドの歴史にふれるのも、神話の世界をのぞくのも、
ものすごくお金をかけた、いちインド/テルグ映画として観るのも
角度によっていろいろな表情を見せてくれる。