2009年11月30日

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皆さま、いかがお過ごしでしょうか。
本来なら閉店後は、このブログを閉じるべきでしょうが、いまだ閉店をご存じない方もいらっしゃって、メールやらハガキやらをいただいております。もうしばらく残しておいたのち、撤去いたしたく思います。

「書肆月影」の活動は、新しいブログを立ち上げました。

伊那谷 ブラリひょうたんから駒

当ブログ同様、ご愛読いただけると幸いです

kaguradon at 21:06 

2009年11月06日

唐突に思われる向きもあるかも知れませんが、諸般の事情により、「高遠 長藤文庫」は、今月11月23日(月・祝)を持ちまして、閉店いたします。いままで弊店を支えていただいた方、弊店に足を運んでいただいた方には、深く感謝いたします。ありがとうございました。
弊店は、私「書肆月影」大塚と「れいど・ばっく」平野の共同経営にて、運営してまいりましたが、両者でよく協議した結果、上記の結論にあいなりました。

閉店後の予定ですが、私「書肆月影」は中信南信にて、本にかかわる新業態の運営を、仲間数名とともに始める予定でおります。これについては、近々またご報告できることがあるかと思います。

「れいど・ばっく」平野さんは、地元神奈川にて、従来どおり、古本販売を継続していく予定です。

コメント欄には書き込みができませんので、ご連絡等がございましたら、それぞれの店主宛にメールでお寄せいただけますでしょうか。

書肆月影 大塚清夫 kaguradon@yahoo.co.jp
れいど・ばっく 平野廣之 laidback@themis.ocn.ne.jp

※なお、閉店までこのブログの更新はありませんので、ご了承願います。

「高遠 本の家」の名称の時期を含めても、二年半ほどという短い期間ではありましたが、本当にありがとうございました。また、どこかで皆さまとお会いできることを願って、最後のご挨拶とさせていただきます。

kaguradon at 23:32 

2009年11月04日

定休日二日め。

このところの寒さはもう晩秋を通り越して、冬という感じである。杖突峠は一昨日あたり雪が舞ったそうだし、庭のメダカがいる漬け物樽も、朝には氷が張っていた。
冬の準備はいろいろあるが、今日はとりあえずクルマ関係のことを、スタッドレス・タイヤへの交換、クーラント液の交換、ついでにエンジン・オイルも交換しておいた。これで、もういつ積雪しても安心である。

長谷の「みらい塾」へ本を一箱届けに行ったのだが、電話をして行かなかったので、女将さんはお留守だった。途中、ふと「桑田薬師堂」という看板が目に留まって、気になったのでクルマから降りてみる。なかなか味のあるお堂であった。大きなイチョウの木が聳え、銀杏が大量に落ちている。だれも採集している気配がないので、少しお裾分けをしてもらった。ただし、もちろん匂いのオマケ付きで、クルマの暖房と相俟って、途中少し気分が悪くなる。

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▲おっとあぶない、子どもが飛び出すぞ

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▲いつもは見落としていた看板(毎日のように珈琲配達をしている野笹住人も、このあたりでは金勘定でうわの空のはず)

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▲手前の枯れた樹は枝垂れ桜、そのむこうが銀杏、右側にかやぶき屋根のお堂が見える

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▲枝垂れ桜は、推定樹齢千年とか。樹勢は瀕死の状態に見えるが、それでも毎年花が咲くそうだ

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▲ここは長谷溝口という地籍だが、いまだ地元の方の信仰を集めている気配がする

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2009年10月31日

※お知らせ
11月3日(火・文化の日)は、定休日にあたりますが、祭日ですので営業いたします。
営業時間は午前10時〜午後6時となります。
皆様のご来店をお持ち申し上げております。

店の外に人の気配がしたので、出てみると小学高学年くらいの男の子がひとりで立っている。当店は辺境の街道筋にあって、どこからか歩いてくるということはまず無理だから、あとから大人が遅れて現れるもの、と思っていた。しかし、少年はなかなか入ってこない。そんなできごとも忘れてしまった頃、店の扉が開いて、誰かと思ったら、さきほどの少年だった。今まで何をしていたのだろう。入りづらかったのか。私とて、少年の立場になってみれば、こんな重厚で暗くて、湿った匂いがして、訳のわからない活字本が並んでいる店は、威圧感があって、とても入りづらい。しかし、少年には少年なりの、当店を訪れた理由というものがあるのだろう。もっと子どもだったら、私もどこから来たの、くらいの声は掛けるかもしれぬが、相手の勇気に敬意を表して、黙っていた。当店は漫画本などはほとんどないし、彼がどの程度まで本のことを理解しているのかもわからぬが、それでも狭くもない店内をひととおり歩き回り、何冊かの本を手にとって眺めていた。そして、お願いします、と言ってレジのところに持ってきたのは、クッキーふたつだった。当店では、珈琲をご注文いただいた方に、駒ヶ根の「三澤焼菓子店」という店で焼いてもらったクッキーを一緒にお付けしているのだが、もっとクッキーを欲しい、という方のために、小売りもしているのである。少年はそのクッキーをレジに持参したのであった。本はちょっと敷居が高かったら、クッキーにしようと思ったのか、家にいる母と妹にあげようと思って、クッキーを買ったのか、それは私も知らないので、想像におまかせする。しかし、小遣いのなかから、帰り際にクッキーをふたつ買ってくれたことは、とても嬉しかった。思わず、「これオマケ」と言って、もうふたつみっつ袋に入れたくなったが、そこはグッと思い止まった。それは少年を大人として認めていない行為であるし、だいいち作り手にも失礼である。差し上げることと、安易に大盤振る舞いすることとは違うのだ。

この初期のつげ漫画のようなできごとに出会い、珍しく閉店後も気持ちがほっこりしていた。

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2009年10月28日

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定休日二日め。

朝から素晴らしい快晴、今日は神奈川から共同経営者にしてお目付役の「れいど・ばっく」平野さんが本の補充等に来る日だが、到着するのはたいがい夕刻、その前に久しぶりに守屋山に登ってみることにする。

守屋山は中腹までクルマまで行けないこともないのだが、たいがいの登山客は杖突峠側の駐車場にクルマを置き、そこから登攀を始めることが多いようだ。私ももちろん下から登る。体力に自信がないときは、ダラダラと舗装路を登っていくこともあるが、今日は中央突破の急坂コースを選択。足下が多少ぬかるんでいたが、落葉松の落ち葉が適度に滑り止めになり、それほど難儀することもなかった。
合計五六組の登山者たちとすれ違ったが、どの方々も私より年長、なかには七十代かとおぼしき人たちも混じっていた。私が七十代まで生きたとしても、この急坂を登るのはまず無理、何よりその気力が無いだろう。
頂上からの展望は、快晴のわりには霞がかかったようで、いまひとつだった。

平野さんが到着したあと、夕飯を兼ねて、上諏訪へ。風呂はいつもの「大和温泉」。温泉の主のような方から教わったのだが、やはりここの湯は朝五時の一番湯が最高なのだそうだ。というのは、源泉の温度が七十度近くあるので、いつもは水を差して、湯温を下げている。ただし、夜閉館する前には、当主がこの熱い湯を並々と浴槽に張って閉めるのだとか。朝五時の一番湯の頃には、ちょうど湯温が下がって、入りやすくなるという次第。水で薄めないので、温泉成分もそのまま、ふだんでもかなり硫黄臭があるのだが、一番湯はもっと臭いがキツイのだとか。

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▲落葉松は遠目から見ると黄色の階調が見事だが、近寄ってみると、こんな感じ。一本一本は葉も疎で、色も冴えない。しかし、まとまると俄然輝きを増すのが不思議

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▲守屋山山頂。快晴だが、少し霞みがかってしまった

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▲先週登った車山も、少し恥ずかしそうにしていた

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2009年10月27日

定休日一日め。

このところの朝夕の冷え込みにあわせるように、高遠も一気に紅葉が見頃になってきた。
昨年は確か訪れなかったので、箕輪の「もみじ湖(箕輪ダム)」に行ってみる。ふだんはこのあたりでクルマに行き会うことは滅多にないのだが、今日は紅葉を楽しみに来たとおぼしき何台ものクルマに行き会った。
ただし、今年の紅葉はいまひとつ、の声のとおり、ここも少し精気がなかった。まだ、少し早いのだろうか。
そのあと、ちょっと遠出し、安曇野の明科(あかしな)にある「明科温泉 長峰荘」というところに出向いてみる。もと町営の施設だったそうだが、建物は旧いものの、身の丈にあったというか、温泉施設として考えた場合、何の不自由もない。三四人の入浴客が順次入ってきたが、みな知り合いのようで、世間話を始めていた。愛されているのだ。受付の女性も(少し蔭のある)感じの良い方で、どこかの町の入浴施設も少し見習って欲しいものだ。

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▲高遠の集落でも、ここ「片倉」周辺の紅葉はもっとも見事なもののひとつと言えるのではないか。新緑の時もそうだが、まるで屏風のような樹木の階調が楽しめる

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▲もみじ湖に向かう途中で。むしろこのあたりの方が紅葉は見応えがあった

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▲湖畔にはこんな燃え立つような樹木もあるのだが

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▲全体としてはこんな感じでいまだし

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▲「明科温泉 長峰荘」のつましい正面

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▲裏山の中腹にある看板。いちばん左の「長」の文字が倒れたままで見えないのがいいぞ。「HOLLYWOOD」みたいだ

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▲夕暮れ時の北アルプス方面(?)の眺め。露天風呂からの眺めも、ほぼこんな感じである

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2009年10月21日

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定休日二日め。

朝から素晴らしい快晴、「信濃屋中米商店」Sさんのガイドで、車山から蝶々深山(ちょうちょうみやま)へ登る日。山々の重なりが青々と澄み、北アルプスの冠雪もくっきりと、何より富士山の均整のとれた円錐が眼福であった。
コースはほとんど立木がなく、眺望の良いゆるやかな道を上り下り、約四時間ほどのハイキング行。紅葉は一部終わりかけのところもあったが、いまが真っ盛り、平日なので人もまばらで、快適な一日であった。これで相手が違う人であれば、感動にヴェールのようにくすみがかかることもないのに、というのはお互い様。下山後、岡谷のCAMBIOに寄り、ガウチョ夫妻を拝顔。

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▲車山肩の駐車場にクルマを停め、いざ出発

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▲この時はこんな雲のかたちだが、風が強く、姿はどんどん変わっていった

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▲車山頂上までは、こうした石ころ道が続く。珍しく、休んでいないひと

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▲雲海から浮かび上がる霊峰富士

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▲木曽御岳山方面だろうか、山の重なりが青く澄んでいる

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▲車山の頂上。工事中の施設は、気象観測レーダーとか

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▲頂上から蓼科山を望む

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▲「乗越」とは、尾根を一方から他方へ乗り越す場所のことで、「のっこし」と読むらしい

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▲笹、下草などが枯れるラクダ色の草紅葉が見頃だった

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▲「蝶々深山(ちょうちょうみやま)」の山頂の標識。群馬から来たという女性二人組に、肖像写真を撮ってもらった

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▲頂上からは、まさしく全天パノラマ状態。北アルプス方面は冠雪が進んでいた

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▲蝶々深山の頂上から下山し、湿原に入っていく。足下には火山石が点在し、時々おぼつかなくなる。しかし、この変化がまた良い

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▲途中で見つけた隠れ家的な休憩所「ヒュッテ・ジャベル」。疲れたので珈琲を飲みたかったが、店仕舞いだった

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2009年10月20日

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定休日一日め。

今日は例の「信州山岳ガイド」のなかから、松川町にある「小八郎岳」に登ろうと思い、ルートマップまでプリントアウトして出かけたのだが、ちょっと到着が遅くなってしまい断念、周辺の寺院巡りに変更する。まあ、明日は車山から蝶々深山にかけてを「信濃屋中米商店」Sさんと登ることになっているので、良しとしよう。

高遠から南下するのに利用した三州街道およびフルーツラインは、いまがリンゴと柿の真っ盛りで、どの木も枝もたわわに実が成っている。途中、飯島町の道の駅「花の里いいじま」に寄り、寄れば必ず買う「石窯パン ガネッシュ」の天然酵母パンや産直野菜・果実・キノコなどを購入。この道の駅の隣にできた「信州 里の菓工房」にも初めて寄ってみる。売り場の奥で菓子を作っているのが見えるオープンキッチンスタイルの店舗で、カフェスペースもある。どら焼き、栗菓子、上生、クッキー、各種ケーキなど、扱う商品は多彩だが、地元で採れる新鮮・安全な素材で、というのが基本の考え方らしい。お土産用に「バタどら」(どら焼きの皮にバタが練り込んである?)とアンガディーネをいただく。

冒頭に書いたように、ここからさらに南下して「小八郎岳」を目指しているうちに、日が傾いてきてしまったので、あきらめ、高森町の牛牧という地籍にある「牛牧神社」へ。さらにそこから、少し下ったところにある「元善光寺」にも初めてお参りしてみる。本堂前には、まだ七年に一度のご開帳の年なので、回向柱が鎮座まします。これで「善光寺」「元善光寺」ともにお参りしたので、「片参り」ではなくなったことになる。

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▲「牛牧神社」の参道。脇の説明看板を読むと、この大杉は樹齢六百年ほどある、とか。大鳥居が建立されたは、大正十三年。不思議な眺めだが、この位置に鳥居を建てるしかなかったのだろう

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▲「元善光寺」の門前は、思ったよりこぢんまりとしていた

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▲境内の一角では、「菊人形飾り」が公開されていた。大正十四年から続いているらしいが、途中何度か中断、今年は復興の年とか

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2009年10月19日

ひとが亡くなって、すぐに皆がリスペクトし出すという風潮は、あまり気持ちのいいものではないけれど、映像で偲ぶ、というのなら許してもらえるだろうか。加藤和彦をサディスティック・ミカ・バンドで辿ってみたい。歴代ヴォーカルは順に、福井ミカ、桐島かれん、木村カエラ。







最後に、加藤和彦の愛称となった「トノヴァン」の由来であるDONOVANそのひとにも登場願おう。



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2009年10月14日

定休日二日め。

地方に住んでいると、たいがいの買い物を大型店でまかなうことになってしまうのが、シャクだ。広い店舗面積と駐車場、大量仕入れによる価格訴求、反復継続される広告宣伝など、強大なアドバンテージを持つ大型店に小規模な小売店が対抗していくのは並大抵なことではない。さらに、全国展開か地域特化かの違いはあるにせよ、資本力を背景としたチェーン・オペレーションに長けている大型店は、出店退店の判断も迅速で、よけい小規模小売店はその動きに翻弄されることになる。
しかし、食料品だろうが日用雑貨だろうが衣料品だろうがDIY用品だろうが、品揃えの境界が崩れた小売業の店舗は、同じハーバード流の「マーケティング理論」に則って運営されているので、どこをとっても金太郎飴、しばらく通っているうちに飽きてくる。レシートを何枚か並べて、上部の店舗名を隠してみたら、もうどこがどこかわからなくなってしまうのが、こうした大型店の特長ではないだろうか。こちらに引っ越してきて、買い物の楽しみというものはずいぶん減ってしまった。まあ、慢性金欠ということも大きな要因だが。今日は、少しそうした買い物の楽しみを味わいに知り合いの店を覗くことにした。

まずは、伊那市日影の酒店「いたや」へ。10月25日(日)に伊那市図書館で開催される「おいしいコーヒーの真実」上映会(まだチケットあります)の件でメールをいただいていたので、その件でご主人と立ち話。酸味のあるドイツパンや黒飴、布製バッグなどを買わせていただく。たまたま店内ですれ違った男性に挨拶されたので、誰かと思ったら「豆腐工房まめや」のご主人だった。まめやのご主人とは、じっくりお話したことがないのだが、よくお顔を拝見したら、イケメンじゃんか。これからは、もう少し点を辛くしよう、と決める。

「いたや」を辞し、まっすぐ岡谷のオーガニック食品&雑貨販売店「CAMBIO」へ。こちらの店は、いつも他人のクルマに同乗して来ているので、一度自分の足で周辺をじっくり見てみたかったのである。岡谷の市役所近くの一大ショッピング・モールから、こんなに近いことを今回初めて知った。このショッピング・モールができたので、駅前からイルフ童画館あたりにかけての商店街の客足がすっかり遠のいてしまった、と誰かに聞いたが、さもありなん。
「CAMBIO」に初めて伺ったときに驚いたのは、その品数の多さ。個人で生鮮品を扱う店としては、かなり多いのではないか。これはほとんど意地だろう。意地の強さに、品数が正比例したがために、どんどん増えていった感じ。また、仕入れ先の顔が見えているのも大きな要因ではないのか。生産者の努力に報いたい、という。しかし、これだけの品数だと、当然ロスおよびその予備軍も出てくるわけで、「半額」や「3割引」などの赤札も見える。お互いの利益のため、あらかじめこうした見切り品も買わせていただきます、と奥様にお断りしたうえ、買い物カゴに加えさせてもらった。
そのうち、ご主人の「ガウチョ」が、大きな野菜の箱を持って登場、商売の近況などを立ち話。

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