母・洋菓子研究家たけだかおるが 2022 年 4 月 19 日に天国に旅立ちました。
2019 年秋に膵臓癌が見つかり、手術や治療を続けながら、
最期まで希望を捨てず、お菓子を作り続けた人生でした。
葬儀は故人の遺志により、4 月 23 日に近親者のみで済ませました。
今後、お別れ会等を行う予定はありません。
また、自宅への焼香、香典、供花、供物等はお気持ちのみ頂戴し、辞退させていただきます。
生前はみなさまに大変お世話になり、本当にありがとうございました。
母は生前、親友のさくらいしょうこさんに、
「私に何かあったら、さくちゃんにメッセージを書いて欲しい」
とお願いしていました。
母への想いを綴ってくださった追悼文を掲載します。
〜 以下、さくらいしょうこさんより 〜
私は、2009 年に mixi の料理写真コミュニティでかおるちゃんと知り合いました。
洋菓子研究家と名乗る前から、かおるちゃんのお菓子が大好きで、
その活躍を側でずっと応援していた友人の 1 人です。
突然のお知らせで驚かれた方がほとんどだと思います。
2019年の手術前に、Facebook の友人向けに投稿をしただけで
その後の治療のことはほとんど誰にも伝えていませんでした。
それは多分、「みんなに心配かけたくない」という優しさと
「かわいそうだ」と思われたくない
みたいな意地のような気持ちなのだと思います。
かおるちゃんはほんとうに
いつでもお菓子のことしか考えてなくて
術後1年ほど経って再発が見つかって、あとは延命治療になるって言われた時にも
「いのちがなくなるよりお菓子が作れなくなる方がショック」
と言ってました。
だったら、今から頑張ればもう1冊本出せるんじゃない?って。
そこから自分で企画を提案して
出版時期はいつでもいいです、って出版社さんからOKもでて
抗がん剤の合間の元気な数日間を使って
幾度となく微妙な作り比べの検証を重ねて
撮影期間7ヶ月、出版まで約1年という異例の長さをかけてできたのが
今年1月に発売された「たけだかおる洋菓子研究室のマニアックレッスン凝固剤編」です。
元気な人がやっても相当大変なやつを
よくやり切ったよね。
かおるちゃんじゃないとできなかったと思います。
かおるちゃんとは週に4日くらい会ってた時が結構あったな。
カラオケ行ったり、料理教室行ったり、ごはん食べに行ったり
いつか本が出せるようにと、お菓子を食べてもらうイベントを企画したり
マジで思い出がありすぎる。
海外旅行も行きたかったし、友達のお店も行きたかったし、
かおるちゃんが好きなだけお菓子を作って、焼き立てのうまさに悶絶するお茶会も、もっともっとやりたかったよね。
いろいろ挙げたらキリがないけど
「お悔やみ申し上げて欲しくないよねw頑張ったって言って欲しい」
と言ってたし、そういうのはあんまり言わないようにするね。
かおるちゃんにはもう会えないけど
かおるちゃんが私たちに残してくれたレシピは
バトンとして渡されて
いろんな人々の中にずっと受け継がれていくことでしょう。
本を持っている人はお菓子作ってください。
まだ読んでない人はぜひ読んでください。(シリーズ3冊あるよ)
自分で作れない人は得意な人に作ってもらってください。
それで、おいしいって笑顔になることが
かおるちゃんが一番よろこぶやつだと思います。
まぁ今んとこ泣いちゃうけど。
しばらくは許してね。
2022年4月 さくらいしょうこ