日日保谷通信

April 14, 202400:13

カテゴリ: 写真; 日記

写真展の状況

12日、13日と幾つか写真展を巡ってきたのでかいつまんで感想を書いておく。

12日
第六回写真人会写真展「私の選ぶ三本 - Old Lenses Best 3 - 」 JCII Club25
これは友人達が開催してる写真展。もう六回目と言うのは早いものです。レンズに対する思い入れというのが、今回のタイトル「私の選ぶ三本」に良く表れてるなと思いました。

安井仲治　僕の大切な写真展東京ステーションギャラリーの展示は生誕120年記念でした
多彩な写真とプリントで戦前の芸術写真の時代の人は色々やってるなぁと感心することしきりですが、いかんせんビンテージプリントは変色というか退色というか茶色く古びていて、一部焼き直したモダンプリントのほうが良いかもなぁと感じてしまいました。ビンテージの骨董的価値よりもシンプルに綺麗なプリントで見たほうが好きかな。

Paper Pool 8周年記念展 - 後期
これは日ごろの感謝を込めて、Papar Poolに集うお客様の作品を展示するという試みの企画展。勿論オーナーグループの作品もあり。こちらは1人1点だけども、夫々に違うのでそういう雑多性が壁を埋め尽くす面白さがありました。（前期も同じ印象でした）

13日
町田良太「静寂に佇む」 Gallery TK2
サイアノプリントとインクジェット・プリントによる花をモチーフにした作品展。町田さんともお話したけれど、やはりIJプリントでは得られないサイアノ・プリントの色というのが魅力です。和紙とサイアノとか花とかの組み合わせは相性が良いみたいでした。

コムロミホ「猫のよう」 Rooney 247 Finearts
猫のように撮ったスナップ写真という事のようでしたが、ピエゾグラフィのプリントは色調が揃っているので統一感というか安定感がありました。15時からトークショーがあったようでしたが、それは時間帯があわずで拝聴できませんでした。

舞山秀一「A MOMENT 2008-2023」 MONO GRAPHY
こちらもモノクロプリントの展示。コムロさんのと同じピエゾかどうかは分かりませんでしたが、こちらも綺麗に色調の整ったシロクロのプリント群でした。

今回も振り返ってみるとカラー作品よりもモノクロ作品を見た方が多かったようです。
別にカラー作品が嫌いなわけじゃないけど、何故か気持ちが落ち着くのはモノクロのほうが多いかもしれないなぁと思ったりしました。
とりとめない感想でありました。

タグ：: #写真展; #モノクローム; #スナップ

April 10, 202422:15

カテゴリ: 写真; 日記

ステートメントを英訳する

今日はちょっとお勉強というかステートメントの英訳をした。

昨今はAIも花盛りなので、これを上手く活用しようと思うのです。
まずは日本文で作ったステートメントをChatGPTとDeepLとGoogle翻訳にかけて出力した英文を比べて見る。比較的ChatGPTがよさそうな訳文を出してきたので、それを採用。

その英文を今度は夫々の翻訳エンジンに戻してやって日本文に翻訳させ、出てきた日本文を元のステートメントと比べて見る。

ここでもChatGPTの翻訳が元の日本文のニュアンスに近いところになったようだ。それぞれの翻訳エンジンで使う単語(語彙)の傾向ってあるようだ。

この翻訳された結果をふまえて、元の日本文をちょっと修正などして日英文ステートメントの完成版とする。

元の文章のキーワード（ポイント）などを入力してステートメント自体をAIに書かせるって言う手もあるけど、基本的に自分の意図ってのを反映させるのには、自分でやったほうが良いと思ってる。

ステートメントてのは自分の考えの表明であって解説じゃない。だから書き手の個性を反映するところであるので、できるだけ自分で書きたいと思う。

それで英文も拙いながらも自分で作文したほうが、やはりその人らしさが出るとは思うのだ、でもちゃんと伝わらないとダメだから精度の高いニュアンスで伝えてくれそうな翻訳を選ぶことになる。これは日本文でもそうか。

ビジネス文書や論文だったら文章の論理性とか意味の伝わり易さなどでAI作文に分があるかもしれない。でも、いろいろ使ってみるとAIとか自動翻訳も進んだもんだと思います。

それで、これもまたステートメントあるあるだけど、ステートメントが出来てくると作品のセレクトが変わったりしてしまう。ステートメントを研ぎ澄ましていくと、セレクトの眼もそれに呼応して違うものを見るようになるのかもしれない。

Photo: Shakujii-kouen 石神井公園

タグ：: #ステートメント; #英訳; #AI

April 07, 202421:27

カテゴリ: 写真; レビュー

展示を見に行く

今日は天気も良いので、展示を見に出かけました。
昼食べて少しゆっくりしてたら3時くらいになってしまったので、駆け足になってしまい、あまり回れませんでしたが。

最初向かったのは、もうすぐ会期終了しそうなので、その前にと渋谷の宮下パーク。
南館3FのSAIでやってる深瀬昌久展を訪問。
宮下パークっていう所は、実は初めて行ったのですが、やはり凄い人出。
それに比べるとギャラリーには人は少なめだったので、ゆっくり見る事ができて良かった。
ちょっと驚いたのは、ワークプリントといって生のプリントを手に取って（手袋して）見ても良いよとテーブルに置いてあったのですが、見るのは良いけど、いちいちスマホで写し撮ってる人がいて、撮ってどうするんだろう？と思った事。きっと、後で見ないって方に1票だけどなぁ～、ワタシなら。
いや、ちゃんと熱心な方はひっくり返してみるのかもしれないけど。

私は写真の迫力とか、単にでっかいほうが迫力あるだろうと思ってしまう単純な方なので、カラープリントの大きな奴が展示されてるのが気になったのでしたが、ガラス越しで吹き抜けホールの反対側からじゃないと正面から見渡せなくて、それがちょっと残念。狭い通路で目の前に立って見る事はできなくはなかったけど、それは近すぎで鑑賞しずらかったのでね。

でも、こういう写真を撮るとスマホは上手いね～、同じ場所でカメラでも撮ったけどなんか上手くいかなかった。

Gallery

宮下パークへ行ったおかげで、何時もなら撮らないような写真を撮ってきたので面白かったかも。

そして渋谷からの帰りがけ、代々木でやってる戸田沙也加さんのMONSTER展に立ち寄りました。
今日までの展示というのをタカザワケンジさんがFB投稿してたので、行って見ました。

戸田さんは絵の人だけど、最近写真もやっていて、フィルムで撮る写真にハマってるそう。
それで絵と写真を向き合う壁に展示していて、絵と写真の境界を探っているかのよう。
「美と醜は表裏一体であり、醜は美と同等に私を魅了する。」と書かれたテーマのように境界線が曖昧になっていくところを見せてるんだなぁと感じました。ちょっと作家さんにお話伺って、何か狙ってるところに親近感を覚えました。話してて忘れてしまったのだけど、Monsterっていう展示タイトルは何を意味してるのか聞いてくればよかったw

彼女が私の夏の展示に来てくれそうなので、それも楽しみです。

代々木駅前(東口)のHOBOSHIN

これも何時もなら撮らない写真。これはデジカメで。
宮下パークで浮かれてたからかなｗ

やはり、いろんな方の展示を見に行くのは、刺激を受けて制作意欲が湧いてきますね。
てか、そういう展示を見にいかなくちゃね。

タグ：: #深瀬昌久; #戸田沙也加; #渋谷; #代々木; #写真展

April 04, 202422:45

カテゴリ: 写真; プリンターでプリント

ポートフォリオ・レビュー向けプリントその2

ポートフォリオ・レビュー用の作品プリントを行っているので、その続き

今回はモノクロームの作品をインクジェット出力する作業をしてるので、プリンターでの出力方法について私がやってる事の説明を少し。

今回のモノクロプリントはB&Wに少しトーニングしたような仕上がりを目指して、色を乗せているので（純粋なB&Wでは無い）カラー印刷でのモノクロプリントをしている。

そしてインクジェット・プリンターでの印刷のときに何時も問題になるのが画像解像度(dpi数の設定の事)は幾つに設定したら良いのか？という事だ。WEB等をあちこち探すと350dpiが良いとか400dpiが良いとか書かれてるけど、これは印刷時の線数(カラー印刷で175線/インチ)＝網点の数を基にする議論だけど、印刷線数に対して、いろいろ状況を加味して2倍の350dpiとするところで落ち着いてるようだ。
それで、それ以上に印刷解像度を上げても（人間の眼の解像限界を超えるから）意味が無いと喧伝されている。ところで以上はカラー印刷の場合で、モノクロ印刷(網点)の場合は1色ではギザが目立ちやすいので解像度を高めに設定してなめらかな出力を得るという事らしい。

ところで、これは紙に印出した時の「常識」なのだが、デジネガなどで使うフィルムにプリントするときは、必ずしも常識が当てはまらないのではないかなぁと思う。それは紙にインクの粒子を吹き付けるときは吸収するときに少しインクが滲むように思うのだが、これはフィルムの場合は殆ど滲みが出ないからなのだ。高倍率のルーペで見るとデジネガに進出した画像はインクの粒が分離してはっきりと見える。ということは、地のフィルム部分も良く判るということでもある。
これがどういう意味を持つかというと印刷のDPI数が同じでも、支持体（紙とかフィルムとか）の違いによって出力される画像の滑らかさも違って見えるようなのだ。

そして、階調表現という事になるとインクの場合、階調表現はインクがあるかないかの２値しかないので、あとはインクドットのまばらさ加減で表している。薄い色のときはインクドットの間の空間が多いという事だ。薄い色のところは当然ながら紙の地の色が出るという事だ。

例えば黒インクを取っても、最近では黒とグレーだけで３種類あるいは４種類のインクを装備しているプリンターがある。これは黒一色でグレーの階調を表すのは難しいという事に他ならない。
それでもまだ十分じゃないというので、黒だけで６色とか８色のインクを装備してモノクロ(黒白)の滑らかな階調表現を歌うインクセットもあった。ピエゾ・インクという奴だけど、これは自己責任でプリンターのインクを全交換しないといけないので一般的では無いなぁ。

あれこれ書いてきたけど、結論はDPI数の大きなプリンターを使って、且つインクの種類の多いプリンターに高画素の画像データを送り込む。そうすることで微妙な階調のところを画素数を基にプリントのドット数を多くして階調表現をスムーズに行わせるという目論見で行こうという事だ。

DPI数の大きなプリンターは基本、インクドットのサイズも小さいと思われるけれども、インクの種類を多くしてDPI数を実現しているならば、重ね打ちなどして、要するに「緻密な」描写になるだろうという理解だ。

ここでインクヘッドのノズル数はメーカーによっても異なるので、実はノズル数の整数倍ではないDPI数を指定してもノズル数の整数倍で割ったあまりの部分は切り捨てになって意味が無いという話もあるようだ。そこで、私はEPSONだと180の整数倍、CANONだと150の整数倍というところを目安にしている。

いろいろ書いてなんだか分からなくなってきたけど、まとめると、今回のプリントはEPSONを使ったので、カラーなら360DPIの設定だけども、モノクロ画像なので一応720DPIにして（実はカラー設定のモノクロプリントだけども）トーニングの為に幾つかカラーのインクも吹いている筈で、それは解像感と階調をだすための補強策という事でやってみた。

モノクロ画像をカラー設定で出力するのは階調表現を意識するからだ。印刷でいうところのリッチブラックに近いかも。Ｋインクだけを使う純黒調印刷だと黒が痩せて見えるようで避けてしまう。

とか、書きながら、どうやらレビュー用の10点+1点のプリントが済んだようだ。

タグ：: #モノクローム; #階調表現; #ファイン・アート; #インクジェット

April 04, 202401:07

カテゴリ: 写真; プリンターでプリント

プリント好調

ポートフォリオ・レビューに持っていくプリントを始めました。

モノクロの風景写真、といっても室内から窓の外を撮った写真、でマットの紙にプリントしようと思って幾つか紙を選んでみた。
私はどちらかと言うと光沢系よりもマット系のほうが好きなので、幾種類か在庫があるのだけど、さて絵柄とのマッチングはどうかなと考えます。
CANSON, EPSON, ハーネミューレ, ILFORDとあって、細かい絵柄が寝ぼけないようにプリントできて、あまり固くなりすぎない感じが狙いなので、CANSONのBFK RIVESを選んでみた。あっと、FOLEXのコントゥアというのがあったので、これも試して見る。コントゥアというのはハーネミューレの原紙を使ってるそうだけど、面質をみるとBFKと似てるようだ。

それでプリントしてみたところ、コントゥアがかなり良かった。比較のためにBFK RIVESにもプリントしてみたが、並べて見ても違いが分からないくらい。これって、コントゥアがBFK RIVESに似てるということか。コスト的には格段に安いので、これは嬉しい発見。

レビューには10枚持っていくところだけど、都合8枚プリントできた。明日残り2枚をプリントするが、予備？に＋2枚くらいプリントしようかというところ。
プリントを並べてみて、場合によっては画像の微調整をするかどうか。在庫の紙で間に合えば良いけども。使い切っちゃうと、コントゥアはすぐ手に入るか分からないからね。

EPSON LEGACY PLATINE
これはEPSONの最高級マット紙米国市場向け品で日本では手に入らない。
EPSONのUltra Smoothをもっと重厚にした感じ。風格を感じる、でもちょっとILFORDのどれかに似てるところもありそう。

CANSON BFK RIVESとEDITION Etching Rag
今回はBFK RIVESを選択したけど、FOLEXでも良さそう。面質が似ている。

ハーネミューレはPhoto Rag、Photo Rag Bright WhiteとDurerとTurnerとあるのだけど、今回はパス。
Photo Ragは安定していて何にでも使いやすい紙だけど、今回のテーマだと線が固すぎるかもと思って外した。DurerとTurnerはカラーの画像のときに使いたい紙だ。

FOLEXのコントゥア　ハーネミューレ社の原紙を使ってると書いてある。
310g/㎡と厚み（重さ）も適当で今回のプリントに使用
パッケージも金かけてないけど、上記の紙にくらべたら圧倒的にコスト安いのが魅力。
でも、プリントの仕上がり具合は画像とのマッチングもあるけど、コストでは判断できないと分かった。

プリントをiPhoneで撮影したもの。こうしてくらべても描写の違いっていうのも分かりにくいけれども調子(トーン)の出方はなんとなくわかるかな。

庭景1 Folex コントゥアにプリント

庭景2 BFK RIVESにプリント　トーンの出方だけでなく、面質(面のざらつき？）も似てる。

さて明日のプリント、セレクト考えよう。

タグ：: #CANSON; #EPSON; #ハーネミューレ; #FOLEX; #プリント用紙

March 18, 202417:22

カテゴリ: 写真; 日記

銘　不二山

完成までどのくらいかかっただろう？
アイデアをまとめて、モザイク画を作るための色片のデータを集めてプリント用原稿を準備した。
そこで、別のアイデアが下りてきた。そこで急遽方向転換をしたのだけど、試行錯誤しながら、色片をプリントアウトするのに数週間程要した。
それから色片のモザイクを台紙に貼り込んでいったのだけど、やはりこれも一筋縄では行かなかった。というかやりながら色々と見えてきたこともあった。

そうこうして、きっと着手してから1ヵ月ほどもかかって漸く一つの作品が完成した。

銘　不二山　という作品だ。

デジカメのエラーデータを使って制作した一枚の作品は、不二山という銘の茶碗へのオマージュ。
本阿弥光悦が作陶の時に失敗した釉の窯変を面白がって「不二山」と命名したものだと言う。
それは丁度、富士の山肌に雪が掛かったところのように見える景色だ。そして、二つとないところから不二と名付けたのも当に富士からインスパイアされた作品だ。
やはり、日本の文化は「見立て」にあると思う。

その地肌、いや画肌に仄かに富士の姿が浮かんで来るようだ。

不二山　One and Only 或いは Unique, Mosaic

今年の夏の展示に向けた作品。展示のテーマは「富士山」大変です
皆様、夏の展示をどうぞよろしく！

タグ：: #不二; #富士山; #テーマ; #モザイク; #写真展

March 08, 202420:49

カテゴリ: 写真; 日記

JCII 写真展に行く

東京画・東京好奇心の展示でご一緒した石山貴美子さんの作品展「マネキン」を見にJCII Photosalonに伺いました。
これは倉庫に置かれたマネキンを撮影した凄味のある作品でした。昔のマネキンは最近のちょっと抽象化されたモダンなマネキンに比べると人間に似せて作られているので、妙に生々しく、時に生きているかのような表情を見せます。それがフィルムで撮られた白黒のプリントとマッチしていて、面白い作品になっていると感じました。

実は、社会人になった頃（相当に昔の事ですが）デパートの展示で使われていたマネキンを1体もらい受けて家においてあったことがあります。裸のままのマネキンを夜中に愛宕神社の階段のところに置いて写真を撮ったりしたりとか、バラバラにして車に積んで夜の街を走っているときに職質を受けるんじゃないかとハラハラしたりとかバカをやってました。そして、人形だと分かっていても、部屋においてあって、夜などにドアを開けて姿が目に入るとドキっとしたりするのです。人形(ひとかた)というのはそういう不気味さがありますね。そんなことを思い出しました。

それからB1でやってる「Photo art展 4人で創るアートの世界」を拝見しました。
こちらは一転してカラフルな世界でしたが、お聞きすると何れも撮影時にカメラ内で合成した多重露光の作品で色のレタッチなどもすべてカメラ内で行っているとの由。
カメラ内で完結させるのは何故ですかとお聞きしたところ、撮影したその場での感動をそこに凝縮させるのだという趣旨だとの事。面白い取り組みだと感じました。

それからお隣へ移って、ちょっと市川さんにご挨拶。いろいろと面白い話を伺いましたが、ネタバレになるので、それは内緒ですｗ
今日は久しぶりに出かけていろんな方ともお話できて、収穫の多い日でした。

タグ：: #マネキン; #JCIIフォトサロン; #モノクロ写真; #カラー写真

February 29, 202416:34

カテゴリ: 写真; 日記

筆触分割

絵画に筆触分割という方法論がある。印象主義者が提唱したやり方だ。
僕が今やろうとしてるのは、それを写真の世界で実現することで、それは偶々デジカメのデータがエラーを起こしたことで得られた変な画像データが集まったのだが、それが面白い事に形を成していないけれど色だけがあるという状態なので、これを使って色のエレメント（画素）として見ようという試みなのだ。

それらの画素を使ってモザイク画を作る計画を進めている。
一見それは写真なのか？と言われると分かりにくいかもしれないが、それぞれの画素は写真のデータで、それを集めて構築するのだから写真のカテゴリーにあるものだろう。たとえ、エラー画像の寄せ集めで元の姿が判別できないものではあっても。
姿や形がはっきりしたものだけではなく、まったく焦点のあっていない何か判別しがたい物だって、抽象画のような写真であっても「写真」のカテゴリーに入るのだから。

ここにサンプルをお見せする。

デジカメのエラーデータからピックアップした三原色に近い画像だ。
160828-0056

B

それぞれRGBに見立てたデータで、純粋のRGBではないけれど、できるだけ単色に近くて色味の似てる物というサンプルだ。
エラーのデータには、何故か白も黒もなくて、他の色が混じらない単色というのも無い。センサーになにがしかの光入力があれば、必ず何かの色が作られるという事なのかもしれない。

そして今、画素のサンプル化を進めるために、似たような色の画素を並べて色見本のようなリストを作っているところだ。

これらが揃ったら、それらをモザイクのように積み上げて画像を構築するのだけども、それはまた、なかなか気が遠くなりそうだ。

タグ：: #筆触分割; #デジタルデータ; #エラーデータ; #デジカメ; #モザイク; #三原色; #RGB

January 31, 202422:50

カテゴリ: 写真; 日記

フィルムはポジが好き

この前、古いKodachromeのフィルムを探していて、そうすると当然他のフィルムも見る事になる訳だけども、気が付いた事がある。フィルムにはネガフィルムとポジフィルム（リバーサルとも言っていた）があるけど、私はどうやらポジフィルムのほうが好きなんだと思う。
それはモノクロでもカラーでも変わらなくてネガよりかポジが好きだ。

ネガじゃ何が写ってるのか分からないというか画像のコントラストがはっきりしないし、それは反転してるからというだけじゃなくて紙焼きの時に調整するからというのもあると思う。カラーネガに至ってはベースにオレンジの色が乗ってるから余計にわかりゃしないのだ。

で、もうひとつの理由は紙に焼いて出てきた画像とポジフィルムで見る画像の魅力の差だ。
それは反射原稿と透過原稿の違いという事になるんだけども、やはりあの光感というか輝きに惹かれてしまう。
写真はPhotographyの訳だから、光画と呼ぶのが相応しいという人もいるけど、光にかざして見るポジフィルムの色は魅力的だと思う。紙焼きしたのはいうなれば艶が無くった画像に見えてしまう。それで光沢紙とかテカテカと光った紙をつかったりするけど、あれは白マシマシとか艶マシマシみたいで自然じゃないし、変に反射を拾うのでホントつや消しだ。

ここでは、多少の色が違うとかなんとか言う議論は置いといて、輝きの魅力だけでいいなあ。
モノクロのポジフィルムの黒は綺麗だと思う。黒が濃い。でも、ネガフィルムを見たって黒の色なんかわからなくて、それはプリントする人の感性でできあがるというような部分が大いにありそうだし。

だから、もしかするとフィルムだデジタルだとあちこちで論争されてきた時も、意外とデジタルでもいいじゃないかと思ったのは、ポジで見るかネガで見るかの違いというところが大きかったのかもしれないな、僕の場合は。
それでポジ画像をプリントにして出すときは、紙がどうしたとかキャリブレーションがどうしたというのは置いといて、ポジを見て自分が感じ取った印象をどれだけプリントの上に出せるかというのに興味があるから、そちらの方が大事になる。
だからプリントというか展示をするのも、光るパネルで透過原稿的に展示するのに憧れてしまう。

Kodachrome KR64 2000年7月

Kodachrome KL200 2003年8月

タグ：: #kodachrome; #カラーポジ; #透過光

January 07, 202417:19

カテゴリ: 写真; 日記

富士山をテーマにする

新年最初のblog

今年は夏に「富士山」をテーマにした4人展をします。これは大変なお題で、実は4人展でお題を作るのは初めてなのですが、そこに大変なお題が登場しました。
なにしろ富士山ですから、富士山と言えば日本人にとっては山の代表であって信仰の対象で、まぁ日本のシンボルである訳です。フジヤマ、ゲイシャ、ハラキリかスキヤキかという具合にカリカチュア的に言われたり、田子の浦からうち出でて見ちゃったりする訳です。
ですが、なんで富士山かというと、世界中見渡してみれば富士より高い山は幾つもありますし、もっと完璧なコニーデ型の円錐形を誇る山もありますし、だいたいどこでも高い山は信仰の対象であったりする訳で、なにが日本人にとっての富士山を特別なものにしてるかというのは良くわからない事ばかりです。
新幹線で窓からふっと見上げたときに目の前に富士山が現れるとワァッと声がでてしまいそうになるのは、どうしてかという事ですが、それをちょっと考えてみました。

富士山をテーマにするなら、やはり富士山とはなんなのかというのを調べて見なくてはと思います。

そこで考えた事
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富士山は日本人の心に在り続けてきた存在です。

万葉集にも詠まれている古くから親しまれてきた存在であるのに、古事記・日本書紀には登場していません。これはどうしてなのか。

フジサンと読むのはやまと言葉ではなく、漢語由来の言葉です。

富士には山を信仰とする浅間神社があり、これは火山を意味するアサマという古い言葉からきたものですが、それならアサマで良いことになります。

なぜアサマをフジと呼んだのか？それは不二の火山と言う意味だったのでしょうか？そこに漢語をあてはめたのはどうしてか。

フジサンが歴史書である記・紀に登場しないという事は、なんらかのタブー、やまと政権にとっての禁忌があったと考えるのが妥当かもしれません。

それはもしかすると中国から蓬莱山を目指して渡来したとされる徐福伝説とも関係あるかもしれません。徐福が稲作をもたらし、他にも様々な文化をもたらしたとするなら蓬莱の地に自らの国を築いた事でしょう。その国はやまと朝廷とどういう縁があったのか。記・紀の中には書かれていない物語があったのか、いや記・紀に書かれている事がそうなのか。
そして、富士山はいかにして日本人の心と言われるようになったのか？
富士山は蓬莱山であるのか？

もうひとつ面白いことがあります。小さい子に富士山の絵を描かせると三つ峰のある山を描く子が半分くらいいると言われます。大人でもそうかもしれません。心の中にある富士山は三峰のイメージなのでしょう。

三峰として山を描くのは、神仏信仰からの三尊像を表すとも道教由来の神仙思想が脈づいているとも言われます。すると其処から蓬莱山に繋がるようでもあります。

富士山が蓬莱山だったかどうかは定かではありませんし、三峰の富士山も現実とは違うかもしれません。

ただ、この話はヒトが心の中に持つイメージを通して世界を見ているという事を示唆しているように思います。

アートは固定概念を捨てて、新しい視点や表現に美を見出す行為です。

富士山を主題としたこの展示では、各々が考える富士山という美を如何に新しい視点と表現を持って表す事ができるかというチャレンジをします。

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富士をテーマに新しい表現方法にチャレンジするって言ってます。

新年最初のblogなんで、今年の目標を掲げてみました。
本年もどうぞよろしく

タグ：: #富士山; #新年挨拶; #今年の目標