IMG_6975

最近職場で驚いたことは、Y氏の突然の入院である。
Y氏は私より1年先輩(65歳)、定年後5年の再雇用期間が今月末で切れる。
そして以前書いたように、さる団体に再就職が決まっている。
今Y氏は私と同じ短時間(週3日休)であるが、氏の再就職先はフルタイム勤務。
「今更フルタイムで大丈夫?」と聞いたら、Y氏「2か月ぐらいで音をあげるかも?」と笑って答えていた。
そのY氏が「脳出血」でしばらく入院するという。(もう1週間以上休んでいる)
周りの人に聞いてみると、入院前日激しい頭痛を訴えていたらしい。
そもそも、このY氏肝炎で肝臓を切っていると聞いた。満身創痍である。
無事回復し、元気に再就職先で活躍することができればいいのだが・・。

そして同じ時期、今度は同じ定年後再雇用のUC氏(62歳)が、何か変なメガネを掛けて出勤してきた。
工作などに使うような、目を保護するつくりの眼鏡である。
もしかして、今の流行?と声をかけると、実は白内障の手術後で目の養生用だという。

そして非正規の同僚N氏(66歳)は、数カ月前(原因不詳)5日間ほど入院のため仕事を休んでた。

入院ほどでなくとも、持病モチなどざらである。
「まだ」50代の同僚M氏などは、糖尿病で足を引きずり、視力が低下してきているのであろうか、パソコン画面に顔を擦りつけんばかりに目を近づかせて仕事をしている。
おまけに週に何回か透析を受けている。(それでも、この人は「出来る人」である。)

私と同じ種類の仕事をしているのは、56歳のA氏と、今年度から再雇用されている61歳のF氏である。
そして無事来年度も雇用されることになったF氏であるが、前立腺肥大症に苦しんでいる。
仕事中、顔をゆがませながらトイレに駆け込んでいる姿をよく目にする。

まるでダンテ『神曲』地獄編さながら?の職場である。
もちろん若手職員のはつらつさで、それはかなり中和されているのではあるが・・。

そしてわれとわが身を振り返ってみると・・。
体調は万全でないことは、このブログでもしばしば触れた。
一番の悩みは、肩から首筋にかけての筋肉のこわばりと、それに伴う頭鳴りである。
その他にも、季節的ではあるが、立つのも苦労するほどの足回りの突然の関節痛
定期健康診断での血液検査の指標は、尿酸、中性脂肪が基準値オーバーである。
血圧も160ほど。(今は少し改善したようだ。)

しかし、ふと気づけば、年配職員で入院経験も深刻な持病もないのも、ほとんど私だけ?
不思議なのは、なぜその少数の例外者が、40年以上、酒・タバコを続けている不摂生極まりない生活をしてきたこの私なのかということだ。

最近はタバコの本数と塩分をだいぶ控えるようにしているのだが、毎日欠かさず飲む酒の量はなかなか減らない。(休肝日なし)
なぜこの私が・・ほとんど私だけが健康なの?・・という不思議。

まさか、「日頃の行いがいい」からとも思えない。(笑)

きっと、ありがたいことに、親から健康な体をもらったのだろう。

まあ、これまでのツケが一挙にくることは覚悟しているのだが。
もうすぐしたら、こんなネタは使えなくなるな、早めに書いとかないと・・と思いながらこの記事を書いている。(笑)


(水曜日に久しぶりにオートテニスを楽しんだ。相変わらずバックハンド絶不調。無理して400球をこなしたが、3日後の今日になっても体がガタガタだ。少しは歳を考えないと。(笑))


◎読書:フィリップ・ロス『父の遺産』
中卒で保険会社へ入社し、たたき上げで大きな支店の支店長になった父ハーマン。
その厳しい人生を生き抜いて来たその老後は、頑固、奔放、変な吝嗇が入り混じった複雑なものだった。
長年連れ添った妻を思い出しては涙をこぼすハーマンが、晩年脳腫瘍に侵され、いよいよ人生の終盤を迎えることになる。
懸命に看護する息子フィリップに父が与えてきたもの、そして最後に残そうとしているもの。
ほとんどの人が「父」に対しては、愛憎半ばするいくつもの思い出があるかもしれない。
それを象徴するものがタイトルともなっている「父の遺産」であった。
決してもらって嬉しいものではないのだが、それはとても大きな皮膚感覚の遺産だ。
ノーベル賞候補とも言われたフィリップ・ロスのとても凄みのある作品である。

励みになります。
応援クリックお願いします。↓
にほんブログ村 ライフスタイルブログ 定年後の暮らしへ
にほんブログ村

にほんブログ村 本ブログ 読書日記へ
にほんブログ村


60歳代ランキング






mixiチェック

あと1年と3週間ほどで定年後の再雇用5年を終え、晴れて仕事から解放されてリタイア生活に入ることができる。
それを「解放」だと素直に感じるようになったのは、昨年ぐらいからだったと思うが、特に朝仕事に行くときにベッドから立ち上がるのが毎日とても辛く感じるようになってからだ。
このまま、ベッドに寝転がって本を読み続けることができれば、どんなに幸せなことだろう。・・少なくとも、ベッドから這い出して仕事に行くという「不幸せ」から逃れたいという思いが強くなった。
そして、通勤の約20分の自転車漕ぎがまたとてもつらい。
今直ちに仕事を辞めても、経済的に全く不自由することがないのに、なんでこんなつらい思いをしてまでも働き続け、更にもう一年働かねばならないのだろうか・・これが自転車の重いペダルを漕ぎながらいつも思うことである。
職場の駐輪場に自転車を停め、更に重い足取りで事務室に向かう。

ところが・・・。

仕事は人生の縮図だ。
いやなこと、難しい課題・難題・・そうしたものを何とか解決し、壁を乗り越えていくこと・・そのサイクルが人生だとしたら、職場ではそれが8時間のうちに多い時は数サイクル発生する。
苦しい思いと、それを乗り超えること・・人生の大波に比べれば普通は大した振幅ではないのだが、それでも「波を乗り越えた」ときの歓びは大きい。

場合にもよるが、大抵は仕事を終え帰宅する時の自転車のペダルは、朝の出勤時に比べればとても軽い。

こういう時、例のゲーテの言葉が自ずと頭に浮かんでくる。

<昼のいそしみ、夕べのまどい。汗の週日、楽しい憩い日。これを今後の呪文とせよ>

<困難な勤めを日々に果たす事。ほかに何の啓示もいらない>

あと1年もしたら、朝の出勤の辛さから解放されると同時に、この帰宅時の自転車のペダルを軽やかに漕ぐ快感からもおさらばすると思ったら、何か複雑な思いが去来する。

もちろん(誰でもそうであろうが)私もこうした「労働の歓び」的なもの、「労働によってこそ得られる歓び」的なものがあることはとっくの昔から知っていた。
労働は基本的にその9割が苦痛である。しかし残り1割しかない「歓び」の何と輝かしいことであることか・・ということを。

 <世界の苦しみは深い・・よろこび それは心の底からの苦悩よりも一層深い>というニーチェの言葉(『ツァラトゥストラ』)の、これも卑近な縮小版ともいうべき世界が「仕事」とも思えることもある。

IMG_6940

今度(5年の再雇用期間が切れる2025年3月)こそ完全リタイアと決意していたはずであるのだが。
ああ!私はまたしても見苦しくもモラトリアム(リタイアの断念)を心の深層で考えているのであろうか!?

励みになります。
応援クリックお願いします。↓
にほんブログ村 ライフスタイルブログ 定年後の暮らしへ
にほんブログ村

にほんブログ村 本ブログ 読書日記へ
にほんブログ村


60歳代ランキング




mixiチェック

私の職場では、60歳定年後65歳の年度末までの5年間は、普通に勤めていれば(1年ごとの契約更新はあるが)、再雇用がほぼ保障されている。
しかし、それを過ぎれば全くのフリーとなり、こちらから何らかの行動を起こさなければ直ちに無職となるのである。
このシステムの下、私の職場の1年先輩たちは、当然今月3月末を過ぎれば自動的にフリー(無職)となる。
そうした境遇にある人達で4人ほど、「卒業」後の彼らの身の振り方を知ることができた。
その内、再就職をせず「無職」になるのは一人だけ。
あとの人は、組織内で試験を受けて非正規職として働き続ける人が2人、ツテを頼ってさる団体に再就職する人が1人。
その他、風の便りなどの情報も含めると、もはや65歳で「楽隠居」するのは、例外的な存在であるようだ。

近年、70がらみのお年寄りが現役でバリバリ(?)働いている姿を街のあちこちで見かけることが多くなってきたように思う。
自転車通勤途中見かける建設現場では、交通誘導員の半分は白髪頭のお年寄りが、むしろ標準であるかのようにも見える。
最近、博多区の商業施設内にあるマックでも、職場近くにあるホットモットでも見かけた。

そしてそれはもっと身近にも見ることができる。
私の席から10mくらい離れたの席に座っている職場の同僚は75歳の非正規の(失礼ながら)おじいちゃん。
どこから見ても、誰が見ても、猫背姿の年相応の風貌である。
しかし、外勤も含め仕事をそつなくこなしているよう(たいぶ努力していると思う)で、毎年試験(非正規なので毎年競争試験を受けるのだ)を受けては合格しているようだ。
さらに私の職場に入っている清掃会社のスタッフに、多くを占める女性達に交じって、どう見ても70絡みのおじいちゃんが入り込み、せっせとモップ作業をしている姿を最近見かけるようになった。
こうした70絡みの現役労働者というのは、いまや当たり前となっているようだ。
マックで働く「おじいちゃん」を見た時は、ちょっと違和感を覚えたものだが、これもだんだん慣れてくるのであろう。そういう風に社会が変化しているのを確実に感じる。

私が今から1年後予定している「65歳で隠居生活」というのは、もはや肩身が狭い世の中になっていきつつあるようだ。
「人生100年時代」というプロパガンダ(?)は、確実に社会に浸透しつつあるようだ。

IMG_6917

(最近読んだ本:ジークフリート・レンツ『黙禱の時間』/フィリップ・クローデル『灰色の魂』)

励みになります。
応援クリックお願いします。↓
にほんブログ村 ライフスタイルブログ 定年後の暮らしへ
にほんブログ村

にほんブログ村 本ブログ 読書日記へ
にほんブログ村


60歳代ランキング



mixiチェック

↑このページのトップヘ