整備する:スピンフィーバー3の現状

コナミ スピンフィーバー3 夢幻のオーケストラこちらがボクのところに来たスピンフィーバー3です。
ボクの職場の建屋のゲーム機を入れている倉庫部屋に持ってきました。
この部屋は普通に事務所として使えそうな部屋です。
部屋には冷暖房もついてます。

で、今回、スピンフィーバー3のお話をもらった直後に、まだゲームセンターで稼働しているこのスピンフィーバー3を見に行きました。2020年9月頃だったと思います。
その時の感想ですが、

「うわっ、センターユニットがちゃんと回るやん!」
「あー、ステーション1のアクリル板にヒビ入ってる」
「おおーセンター払い出しできるんだ!」
「にしても、汚れてるし細かい部分、ボロボロやん」
「100円ユニットもついてるじゃん!」

というものでした。
そして、ボクの元に来たスピンフィーバー3はセンター払い出しが出来なくなっていました。

その後、色々と調べた結果、分かった不具合個所を列挙します。

・ステーション1のアクリル板に大きなヒビが入ってる
・センターユニットは回転するけど払い出しが出来ない
・2,3番ステーション側の払い出しホッパーの下側出口の様子がおかしい
・2,3番ステーションの液晶モニタが電源投入後1時間ぐらいしないと動作しない
・全てのステーションのセンターユニット側の横穴に落ちたメダルが払い出しホッパーまで流れず途中であふれて筐体内にバラバラ落ちる
・センターユニットの液晶モニタが純正じゃないので取り付け方が雑
・筐体内の何かを触るたびに手が真っ黒になるぐらい鉄粉で汚れてる

というわけで、これらの問題を解決すべく整備していきます。

ちゃんと整備すれば、スピンフィーバー3はこれからも稼働できます。
そんなことを思いながら、個人所有のスピンフィーバー3の整備記録を公開することが、今のゲームセンター業界に役立てればと思います。

メダゲー買った:コナミ スピンフィーバー3 夢幻のオーケストラ

皆さん、お久しぶりです。
ボクは生きてますよ。

9か月ぶりのブログ更新ですが、その間に入手したゲーム機が無かったかと言えば実はそれなりにあります。
そして、これはブログで発表してもいいかな?と思った機種があるので記事にします。

コナミのスピンフィーバー3、夢幻のオーケストラを買いました。
いや違う、買ったんじゃなくて貰い受けました。関係者の皆さんには本当に感謝です。

ブログ記事のタイトルについても説明します。
例えば、朝起きたら電話が掛かってきて「スピンフィーバー3あげるわ」と言われ、午後にスピンフィーバー3が突然届けられたなら、それは「メダゲー貰った」になりますが、このスピンフィーバー3がボクのもとに来るまでに、それなりの作業や手間を費やし、実際に経費を支払いました。
なので、今回は関係者の皆さんには申し訳ありませんが「メダゲー買った」というタイトルで行かせていただきます。

で、スピンフィーバー3がボクのもとに来たんです。
ただ閉店したゲームセンターから持ってきた機械なので、色々不具合があります。
いえ、閉店まで無事に稼働していたわけですから、普通に遊べる状態の機械です。
当たり前と言えば当たり前ですが、閉店する店舗のゲーム機というのは、最終日まで何とか動かし続けるというメンテナンスがされていることが多いです。
お金をかけず、手間をかけずに最後の日まで無事に稼働してくれー、というお店側の怨念を背負った機械です。(笑)

ボクのところに来たスピンフィーバー3は、すぐに遊べるかどうかと問われれば、確かにすぐに遊べる状態でした。
と言っても、それでも長距離移動したことによる問題や、本来あるべき姿からかけ離れた諸々の問題があります。
これらの問題に取り組もうと思います。

スピンフィーバー3を修理するという話題は需要がありますかね?

ま、今回はボクのところにスピンフィーバー3が来たというご報告まで。

雑記:今、ゲームセンターがやるべきこと 4

前回の記事で、ゲームセンター業界全体はゲームメーカーがリリースするゲームコンテンツの再販売だと書きました。
ゲームコンテンツは消費者であるお客さん、ゲームプレイヤーに消費されるものです。なのでゲームは消費財と解釈しました。
その消費財を再販売している小売店にあたるのがゲームセンターです。

再販売業と言う業態はずっと昔からありました。ボク自身その業態自体を否定するつもりはありません。
そもそも、今までのゲームセンターの店舗運営はずっと消費財のようなゲームの再販業でした。アーケードゲームの小売店です。
小売店であるゲームセンターが大きな利益を得ていたなら、それはそれで「成功」です。

ただボクが時に苛立ち、悲嘆し、絶望するのは、その「成功」の背後にゲームセンター運営会社がほとんど関わっていないことです。

ボクがこの状況に絶望するのには理由があります。
ボクの本業はシステム屋さんです。システム屋と言うのは、法人向けにパソコンやサーバ、ソフトウェアを売る仕事です。
パソコンメーカーからデスクトップパソコンやノートパソコン、サーバなどを仕入れて客先に納品します。
当然、パソコンの初期設定やネットワーク設定、業務アプリのインストールなどもやります。
多くのパソコンメーカーがネット通販をしている中、ボクの職場のような会社が生き残っているのは、パソコンの再販売に対して、パソコンメーカーがやらないような面倒な仕事を引き受けてるからです。

こういう業態の事を、VAR(Value Added Reseller)と呼びます。
日本語で言うと、付加価値再販業者です。
そしてボクの会社も付加価値再販業者です。

コンピュータ業界の小売りに面している会社は早い段階から「付加価値」の重みを理解していました。
多分、1990年代にはそういう認識が広まっていたと思います。
パソコンメーカーからパソコンを買えば会社内の業務の問題がすべて解決するわけではないんです。使い方、活用の仕方を知らないユーザーにとっては、使い方や活用の仕方を教えてくれる人や業者が必要でした。
それをやってきたのが付加価値再販業者でした。
ボクのいるコンピュータ業界には、何かを再販売する際に付加価値を付けてビジネスを成立させる習慣が以前から確立されてきました。

一方で、ボクのいるコンピュータ業界よりも遥かに古くからあるゲームセンター業界の人たちは「付加価値再販」と言う理念を全く持っていないように思えます。いや、そういう感覚を持っていなくても今まで商売できたのかもしれません。

その為、自社店舗(自社ロケ)の近所にライバル店が開店し自社店舗の売り上げが減り始めると、手の打ちようがありません。そして、商品価格の値下げ(ディスカウント)に走ります。
例えば、麻雀格闘倶楽部を100円1クレジットだったのを2クレジットに切り替えたり、メダルの貸し出し単価を1000円300枚から350枚に引き下げるなどの方法で対処しようとします。

ボクのいるコンピュータ業界の付加価値再販業者でも、売り上げの源泉であるお客さんの会社を失うことがあります。
多くの場合、ライバル会社がお客さんに対して同じサービスを低価格で提供できると提案した場合です。
コンピュータ業界の付加価値再販業者はそういう時、どう対応すると思いますか?

ボクの知る限り、コンピュータ業界の付加価値再販業者は、ライバル会社の提案に合わせて価格を下げることはしません。
価格を下げれば、今までの価格が不当に利益を乗せた「ぼったくり価格」だと認めることになりますから。

ボクと同業のコンピュータ業界の付加価値再販業者の人が以前こんなことを言っていました。

「ウチの会社が提供してきた様々なサービスを、価格のみで判断するようなお客さんは結局のところ、金勘定しかしてないし、金勘定で取引先を選ぶクソ企業なんです。そんな会社とこれから先、明るい未来を描けるとは思わないので、全取引を停止する勢いで値引き交渉を断ります」

何とも付加価値再販業のプライドが詰まった意見だと思います。
自分たちが必死に努力して加えてきた価値がどれほどのものかを理解していないと言えない意見ですよね。

何かの製品、商品、サービスを提供する大元の源流が、例えば食料品で言えば食品メーカーや農家(農協)だったとして、自動車やパソコンなどの工業製品を作るメーカーだったとして、さらには何かの自然災害や事故、事件を取材する一次的な報道機関だった場合、それらの源流の「価値」を再販売する全ての業種、業態は自ら「価値を付加する」べきなんです。

もちろん、ゲームセンターも自ら生み出した「付加価値」を意識すべきです。その付加価値を高める努力をすべきです。
ところが、現状のオペレータ(運営会社)に聞いてみたいことですが、自社ロケの付加価値って明確に言えますか?
例えば、数百メートル離れた近隣にライバル店が登場した時、自分のお店のお客さんがライバル店に流れないと確信できる「何か」がありますか?

ボクが見てきたゲームセンター業界には、その何か、つまり付加価値がほとんどありませんでした。
そして、その付加価値を探求しよう、構築しよう、想像しようという価値観がオペレータ(運営会社)にほとんど無かったんです。

ボクがゲームセンター業界の、小売業に位置する末端のゲームセンター運営会社に失望するのはそういう理由です。
いつまでも、いつまで経ってもお店の売り上げを上げるには、最新のゲーム機を導入することと、ライバル店よりも安い価格でゲームを提供する、程度のアイデアしかないんですから。

お店の店長レベルもその程度ですし、運営会社の経営サイドもその程度です。
だって、ゲームセンター業界自体が付加価値を作り出す経験が無いんですから当然です。

まずは、そういう現状をゲーセンオペレータの方には理解していただきたいです。
いえ、こんなことを言ってゲーセンオペレータの方々に対してマウントを取る(絶対的優位を確保する)つもりはありません。
ゲームメーカーの提供するコンテンツを再販売するゲームセンターと、パソコンメーカーの製品を再販売するボクのいる業界とを比較した結果の感想を述べたまでです。

現状のゲームセンターの店舗運営についても、付加価値が全くないかと言うとそんなことはありません。
ただ、その付加価値に目が向いていないように思えます。
付加価値と言うのは、何かちょっとした工夫でポンと登場するものではありません。
色々なことを試して、お客さんが気持ちよくお店にお金を落としてくれる方法を考え、工夫し、構築するものです。

ゲームセンターの経営陣が、店長が、頭に汗をかきながら努力して捻りだすアイデアによって、将来的にはそのお店を唯一無二の存在に押し上げることをことに気づいてください。

いえ、気づいて必死に努力したお店はあります。多分、そういう努力を続けてきたんです。
ゲーセンミカドさんは。
あと、メダルゲーム、シングルメダルに限って言えば、一番努力してきたのは埼玉のバイヨンさんだと思います。

ボクは前回、前々回の記事で「ゲーセンミカドに続け!」と書きましたが、ゲーセンミカドに続くにはその種の努力をしろと言うことです。

この記事を読んでくれているゲームセンター関係者の方にはその覚悟がありますか?

雑記:今、ゲームセンターがやるべきこと 3

前回の記事で、クラウドファンディングで成功したゲーセンミカドさんを紹介しました。そして、ミカドさんほどではないにしろ、それなりに資金を集めたゲーセンもそこそこあります。

ゲーセンミカドさんがクラウドファンディングに成功したことは、コロナショックと共にゲームセンター業界内で輝かしい成功体験として語られるかもしれません。いや多分、今後もずっと語られ続けます。(笑)

そして前回の記事では、ゲーセンミカドに続きたいなら情報発信に力を入れるべきと書きました。
ゲーセンミカドに続いて、成功を手に入れよう、と言うわけです。

ただその前に、その「成功」を定義しなおしましょう。

ボクの知り合いで、個人経営で小さなゲームセンターをやってるおじいちゃんがいます。
そのおじいちゃんに「もっとお店の事を宣伝したら?ネットを使えばお金を掛けずに広範囲に宣伝できるよ。宣伝してあげよっか?」なんて話すんですが、毎回「そんなことはしなくて良い」と怒られます。

このお店にはコナミの麻雀格闘倶楽部が数台置いてあって、常連客が毎日のように来てくれるんですね。
売り上げの柱は麻雀格闘倶楽部のみ。
それでも毎月20万円ぐらいの利益が出てるみたいです。
お店の土地も店舗も個人所有で固定費はほとんど掛からず、コナミが良い感じにイベントをやってくれるのでお客さんはそれなりにお店にお金を落としてくれるそうです。

首都圏や地方都市圏から遠く離れた地域の個人経営のゲームセンターが麻雀格闘倶楽部の売り上げだけで存続し続けてるのって凄くないです?
それだけコナミと言う会社は麻雀格闘倶楽部を通して、恐らく自身でも莫大な利益を上げつつ、こういう地方の個人経営店舗を食わせるだけのゲームコンテンツを提供しているということですよ。

嗚呼、コナミはなんて素晴らしいゲームメーカーなんでしょう!
コナミ様のおかげで、地方の田舎の弱小ゲームセンターは閉店せずに済んでます!


ボクの知り合いのおじいちゃんのような、麻雀格闘倶楽部で食わせてもらってるゲーセン店主はそう思うかもしれません。
でもボクは全くそうは思わないんです。いえ、コナミと言うゲームメーカーは素晴らしい会社だと思いますが。

少し話を戻します。
ゲームセンターが成功するというのは、簡単に言えば「沢山の利益を得る」ということです。
ただ、その利益が何から生まれるかをゲームセンター関係者が整理して、理解する必要があります。

これをボクなりに分類すると、消費財のようなゲームで利益を上げるか、文化財のようなゲームで利益をあげるかです。

消費財のようなゲームの代表格は、先に挙げた麻雀格闘倶楽部のようなゲームメーカー主導のゲームです。
多くがオンラインでメーカーに対して課金が発生するタイプです。
ゲームメーカーはゲームセンターからお金を徴収する分、季節ごとのイベントを開催したり、バージョンアップしたりと、お客さんがより多くお金を払ってもらうよう努力と工夫をします。
一方でゲームセンター側の手間はほとんどありません。

いい感じにゲームメーカーがブームを作りだし、そのブームに乗っかってゲームセンターが利益を得ます。
課金が無いタイプのプライズゲームも、大手ゲームメーカーの景品に大きく依存している点では消費財の再販売ビジネスに近いかもしれません。

そもそも過去を振り返るとゲームセンター業界は今の今までずっと、ゲームと言う消費財の再販売を続けてきたんです。断言できます。
1970年代の終わりのインベーダーブームの時も、ブームが来て社会現象にまでなるや否や、メーカーに対して「インベーダーを売ってくれ、今すぐにだ、金はいくらでも出す!」と業界関係者が大挙してメーカーに押し寄せたと聞きます。

1980年代、ゲームセンター業界はコンピュータ技術の進歩と言う後押しもあり、ビデオゲームを中心とした小さなブームがいくつも発生しました。その度にゲームセンター関係者は、最新の客付きの良いゲームタイトルを買いあさったんです。
1990年代は格闘ゲームのブームがやってきます。そしてゲームセンター関係者は格ゲー基板を買いあさりました。
2000年代も2010年代もゲームセンター関係者は、ゲームメーカーが発売するどのゲームタイトルを導入するか、どのタイトルが当たるのかを少ない情報から必死に予測して、その新作タイトルを導入するかを考えます。
その流れの中で、ネット課金のゲームが広まっていきました。

ゲームセンターの店舗運営をする運営会社(オペレータ)の歴史を尖った視点で解説すると、ゲームセンター運営の歴史はゲームメーカーが作ったゲームコンテンツの再販売業でしかなかった、と言うことです。
それに近いビジネスモデルを知ってますか?一番身近なところで言えば、近所にあるコンビニ経営と同じです。

コンビニ本部の用意した商品のうち、どの商品を店に並べるかで頭を悩ませる店長です。自分のお店の客層に合わせて仕入れる。その仕入れが正しければそれなりの利益を得られ、失敗すればライバル店に先を越される。

ボクに言わせれば、そんなしょーもないことで貴重な店長のリソースを消耗してるから、コンビニ本部に対して頭が上がらない状況がずっと続いてきたんです。コンビニ経営は本部に刃向えないビジネスモデルです。
そして、コンビニ店長たちの多くがそのことを理解しています。

ところが、同じゲームコンテンツの再販売、つまり小売業をしているゲームセンターの関係者はそのことを理解していません。
だから「S社の今期のアーケードタイトルは絶対に失敗すると思ってました。同時期のK社のアーケードタイトルを導入して正解でした」みたいなことを恥ずかしげもなく武勇伝のように語るんです。
さらに、ライバル店が売り上げを伸ばしていると「あそこは資本力があるからね」などと負け惜しみを言います。

ぶっちゃけ、同程度の店舗面積のライバル店に負けている時点で、そのお店は資本力ではない別の理由で負けているんです。もし好調な店舗運営をしているなら、毎月それなりの利益を確保できているはずですし、その利益が最新タイトルの導入費用を賄えるはずです。つまり資本力が上がるはずです。

考えてみてください。
資本力を持った企業が自分の業界に参入して自分のお店が吹き飛ぶというなら、そもそもその程度の商売をしていたってことです。
接客対応も品質も技術力も、お金を積んだ相手に軽く追い越される程度の商売をしていたということです。

いえ、このこと自体は悪いわけではありません。
一番悪いのは「その程度の商売をしている」と言う事実を店主が、経営者が気づいていないということです。

ボクがゲームセンター業界の、特に運営会社の人たちに絶望するのはそういう部分です。
コンビニ店長という立ち位置なのに、自分をそれ以上の存在だと勘違いしている。
しかも実際にやってるのはコンビニの店長程度の仕事なんです。

ゲームメーカーが出す新作をただただ待ってるだけ。
そのタイトルの内容についてメーカーに意見なんてしません。
まるでスーパーの生鮮食料品売り場で新鮮な食料品を必死に選ぶ主婦のように、ゲームメーカーのリリースするゲームタイトルのうち、自分のお店にどのゲームを導入するかを選ぶだけの仕事。

多くのゲームセンター運営会社がこういう仕事を続けてきました。そして、この仕事に価値があると勘違いしてきました。

ゲームセンター業界で、ボクが考える最も価値がある、最も尊い仕事があるとすれば、腐った魚を、傷んだ野菜を高値で売り捌く現場の販売スタッフの存在です。

ただ、そのようなスタッフの価値が分かっていないのも、今のゲームセンター業界の問題なんですよね。

(この話題、もう少し続きます。)

雑記:今、ゲームセンターがやるべきこと 2

コロナ禍の中、営業できないゲームセンターの多くが資金面で不安を抱えています。
そんな中で、クラウドファンディングを通して資金を調達した例も出てきています。
一番成功しているのは「ゲーセンミカド」さんです。

窮地のゲーセンが3700万の支援獲得できた理由 - 東洋経済 2020/05/17 7:50
https://toyokeizai.net/articles/-/349898

「ゲーセンミカド」が多くの支援者から資金を集められたのは、今までレトロゲームファンを中心に集客してきたという少し特殊な背景があるようですが、できればミカドさんに続いてより多くのお店がクラウドファンディングのような外部からの資金援助を得られれば、閉店を避けられるゲームセンターも増えるかもしれません。

ではミカドさんのどういうところをお手本にすれば良いんでしょう?

この点をボクも色々と推察し、考えを巡らしてみたんですが、今すぐミカドさんのように多くの支援を取り付けられるのは無理でも、近い将来、ミカドさんのように多くのファンに支えられるゲームセンターに成長させるには情報発信力を高める以外にない、と思いました。

ありきたりかもしれませんが、ネットを通した情報発信をすることです。

発信するだけのネタが無いならイベントを企画しましょう。
お客さんとの会話をなるべく多くすれば、色々なネタが見つかるかもしれません。
お客さん同士の交流を促進すれば、そこに新たな価値が生まれるかもしれない。
それはお店にとって大切にすべき「コンテンツ(価値ある情報)」である可能性があります。

Webサイト(ホームページ)を持っていないゲームセンターならWebサイトを開設しましょう。
店内の全てのゲーム機のリストを掲載しましょう。
イベントを企画してWeb告知しましょう。
メダルゲームを運営しているなら、Webクーポンを発行し集客につなげましょう。
(Webクーポンはスマホの画面にクーポン画像を表示させ、カウンターで店員に見せたらメダル30枚、50枚プレゼントというアレです。取りあえずお金のない中高生あたりをワラワラ集客できます。(笑))

Twitterアカウントを持っていないならこの機会に作りましょう。
お店の様子や新しく入ったゲーム機の情報を素早く発信できるようになります。
メダルゲームのジャックポット値を毎日伝えることも可能です。
どのゲーム機が現在故障中なのか、どのゲーム機が修理を終えて稼働中なのかも発信できます。

コロナ禍の中、一般の人たちは在宅勤務のテレワークになって、テレビ会議を使うことが多くなりました。
そして、気づいたんです。テレビ会議では「発言しない人は居ないのと同じ」と言うことを。

休業中のゲームセンターだって同じです。
お店がお休みだということは、それまでお店に通ってくれていたお客さんたちの日常から「ゲーセンで遊ぶ」と言うスケジュールが消え去ります。
どんなに立派な店構えでも、どんなに充実したゲーム機のラインナップでも、店が営業してなければ遊びにはいけません。
常連のお客さんの思いから、少しずつ少しずつゲームセンターと言う存在が薄れていきます。

そんな状況にクサビを打ち込むのが、ネットを通じた情報発信なんです。

休業中のゲームセンターなら、誰もいないお店の中で、ゲーム機を修理してますとか、店内を掃除してます、と言ったネタでも良いんです。
とにかく休業中でも営業再開に備えて頑張って仕事をしてます、と言うアピールを発信すべきです。

そして、情報発信できるかどうかは、このコロナ禍が終わった後も、ゲームセンター業界に課せられた課題だと個人的に思います。

以前から思ってたことですが、ゲームセンター業界は一般客を相手にしながら、一般客が受け取れるSNSメディアに積極的に情報発信すること自体に無関心なんです。
特に末端のゲームセンターの店舗運営者がです。

ゲームセンターオペレータ(運営会社)は今回のコロナショックで、情報発信の重要性に気づくべきです。
ゲームセンターの店舗情報を受け取る常連さんの中に、それを嫌がったり反対する人は絶対にいません。
そして、たぶんみんな、情報を求めてるんですよ。

それなのに、なんでゲームセンターの人たちは積極的な情報発信をしないんでしょうね?

雑記:今、ゲームセンターがやるべきこと 1

政府の緊急事態宣言が39県で解除され、さっそく営業を始めているゲームセンターも出てきています。
ちょっと一安心ですね。

一方でゲームセンターが集中している首都圏や関西圏は依然としてゲームセンターは自粛要請中で、どこも営業していないみたいですね。
あっ、埼玉のバイヨンさんは営業しているみたいですが。

ボクはこういう特殊な状況下で店舗運営とか会社経営に携わる人たちは、とても難しい判断に迫られていると思うんです。

目に見えない感染症との戦いの中で、どういう対応が正解なのかなんて誰にも分かりません。
本当に誰にも分からないんです。

そんな中、ゲームセンターを休業にするという判断をしたオペレータさんには賛辞を送りたいですし、こんな状況下でも営業し続けたゲームセンターの関係者には違う意味でのエールを送りたいと思います。

と言うのも、今の状況下でゲームセンター業界が一番求めている答えと言うのは

どういう対策をとればコロナ禍の中でも店舗運営ができるのか?

という点につきます。
その答えが分からないから、自主休業するという判断も英断です。
とにかく、今の感染拡大を抑えるためにお店を休業するわけですから。

自粛要請が出ている中でも営業していた店舗は、自分たちが講じた感染症対策を広く公開して欲しいです。
そして、それらの対策を分類分けして、データ化して共有して欲しいです。

その上で業界として感染症対策のカテゴリ設定をするべきだと思います。
例えば

0.従来通りの運営
1.入店時にアルコール消毒とマスク着用確認
2.店舗内の大規模な空気の入れ替え
3.入店時の体温計計測
4.隣り合ったゲーム機の感覚を離すか、隣りのゲーム機の電源を落とす
5.隣り合ったゲーム機の間に防護壁を設置
6.30分おきに店員が回りアルコール消毒をさせる
7.お客にフェイスシールドの貸し出し
8.店舗内感染に備えて全てのお客の個人情報を伴う会員登録の実施
9.お客に対して前身防護服の貸し出し
10.店舗休業

と言った感じです。
より厳重な感染症対策と、それより緩めた感染症対策をレベルごとに設定して、今回のコロナウィルス対策に業界全体として対応するという方法です。
そして、これらのレベルを落としていくためには、ある程度、ドラスティックな思い切った判断も必要になります。

ある意味、チキンレース的な話なのかもしれませんが、実態がつかめないコロナウィルスに対する現実的な対応を模索するには、これらの対策のうち何が現実的なのかを判断する必要があります。

最終的に、こういう対策をしていればゲームセンターで安全に安心して遊べますよ、と言う答えを導き出す必要があると思うんですね。

もちろん、地方で通用する感染症対策モデルが首都圏で通用するとは思えませんが、答えのない感染症対策にゲームセンター業界全体が取り組む為の判断基準を作り共有する仕組みは必要だと思います。

39県のゲームセンターは近いうちに営業を再開することでしょう。
それらのゲームセンターが様々なコロナウィルス対策を講じて、その情報を共有して首都圏や関西圏のゲームセンターの営業再開のための情報を共有することは業界全体の利益になると思います。
ゲームセンター業界のみなさんには、是非、新型コロナウィルス対策の情報を共有して欲しいです。

雑記:前向きに、前向きに!

皆さん、コロナウイルス渦でも元気に過ごされてますか?
ボクやボクの職場はこんな状況でもほとんど影響を受けていないので、なるべく普段通りの生活と消費活動を続けてます。
仕事も減ってないですし、個人の収入も減ってないので、コロナコロナで将来の不安があったとしても、なるべくいつもの生活行動を維持してます。いつも通りに買い物をして、欲しいものを買って、毎日を過ごしています。

ボクが思うに、実際のところ今回のコロナショックで影響を受けている世の中の人は、実は思ってる以上に少ないんじゃないかと思います。
いえ、大なり小なりみんな影響を受けています。でも、致命的な打撃を受けているのはごく一部の人だと思うんですね。
そう思うのには理由があります。
まず、ボクの個人的な身内や友人関係には今のところコロナウィルス感染者がいません。
ボクの職場にも取引先にも感染者が発生していません。取引先には数千人規模の事業所や工場もあります。人数にして軽く1万人を超える関係者に感染者が出ていないんです。感染者が出たら社内報で一斉に報じられますし、ボクら出入り業者も社内報ぐらいならいくらでも閲覧できますから。そんな状況で感染者が出てないのが事実です。

それらの人たちは普段通りの生活をしています。
トヨタ系の企業について言えば、今回のコロナショックを受けて、4月中旬頃から出社制限を始めました。
偶数日と奇数日に分けて出社させることで会社で働く社員の人数を50%を削減しています。
出社しない人たちは自宅でテレワークです。

そんなトヨタ系の人たちも本音を聞けば「感染者が身近に出ていないのにこんな対応をするのは無意味だ」と言います。
世の中に蔓延する大きな不安に対しての「念のため」の対応に過ぎず、今回のテレワーク導入の効果すら事後に検証できないと愚痴を漏らします。

しかしながら、テレビや新聞報道では毎日新型コロナウィルスの脅威と将来の不安を報道しています。
今のところ実生活に全く影響がない人たちでも、日々報道されるコロナウィルス関連の報道を見ていると不安になりますよね?
ただ、そもそもメディアと言うのは社会の不安を煽って商売してる人たちですからね。その点を忘れちゃいけないと思います。
穿(うが)った言い方をすれば、今回のコロナショックはメディアにとっての最優良コンテンツなんですよ。
注目度が非常に高く、不安を煽れる。体制批判をすれば「正しいことを言ってる」ように演出できるんです。
そんなメディアに煽動されたところで良いことなんてありません。
だから、メディアからの情報収集は最低限に抑えたほうが良いです。
本当にそう思います。家で暇にしてても、取りあえずテレビは消しましょう。(笑)

先週、連休中だったんですがゲームセンター業界の知り合いに電話をしました。
オペレータの方たちが話してくれたのは、とにかくお店が開けられないのが辛い、ということ。
当たり前ですが売り上げゼロですからね。現金商売はお店が開けられなければどうしようもありません。
一方で固定費は当然掛かります。
店舗や駐車場の家賃も掛かりますし、最低限の人件費も掛かります。
小さな個人店のゲームセンターなら、固定費は月に20万円とか30万円で収まるのかもしれませんが、大規模店舗で駅前立地のゲームセンターなら1000万円以上の支出が売り上げゼロの中、続きます。
大規模店舗を複数運営しているオペレータさんにもなれば、月々の赤字額が1億円を超えるなんて珍しい話じゃないそうです。
大手のオペレータなら一桁違った赤字額になるんでしょうね。

そして、毎月の赤字を払い続けられるオペレータは生き残り、払えないオペレータは撤退、廃業、倒産することになります。
2020年5月中に営業再開できれば、生き残れるゲームセンターはそれなりにあると思いますが、それが6月になり、7月になったら、運転資金のないオペレータは倒産するかもしれません。
また、運転資金があるオペレータの中には、先の見えない状況を精査しゲームセンター事業から撤退したり廃業したりするかもしれません。

メダルゲームが大好きなボクにとっても、ゲームセンターが大好きなゲームファンにとっても、そして、ゲームセンターに通っていた様々な全ての人にとっても、お店が無くなることは耐えがたい損失です。

加えて、ボクが電話で話したゲームセンター業界の関係者の多くが、このコロナショックが収束した後、以前と同じようにお客さんが戻ってくれるかが不安だと言っていました。
もう今まで通りの店舗運営ができないんじゃないか、と危惧している様子でした。
そのため、現状の赤字垂れ流し状態を凌ぐために、銀行から借り入れをする気にもなれないと言います。

ボクはゲームセンター業界に片足を突っ込んでいるような立場ですが、ボクの本業のIT業界で感じるコロナショックと、ゲームセンター業界のコロナショックの乖離(かいり)に驚きました。

あまり言いたくありませんが、実はIT業界の一部は今回のコロナショックによって発生した「テレワークバブル」に沸いています。
3月と4月は企業相手のシステム屋さんは結構な売り上げを記録していると思います。

そして、世の中はコロナ以前と以後とで大きく変わるかもしれません。
テレビ会議やテレワークの仕組みが一気に普及しましたから、コロナ以後はそれらを活用し、無駄な打ち合わせや出張が減ると思います。いえ、減るべきです。
会議自体も減る傾向になるでしょうね。必要な情報は事前に共有して生産性の低い会議自体を無くように、企業内の意思決定のプロセスはシンプルに明快に決められるようになります。きっと。

でも、レジャー産業は当面変わることはないと思います。
ゲームセンターに近い業態のパチンコ業界の様子を見れば想像できませんか?
パチンコ屋が休業すると、営業しているパチンコ屋にお客さんが遠征するんですよ。
なんだか面白いですね。それだけパチンコというのは手軽なレジャーなんです。
手の込んだレジャーや計画立てて旅行するようなレジャーとは別のカテゴリにあるのが、パチンコのようなレジャーだと思います。

そして、ゲームセンターもそういうレジャーです。
仕事終わりの1,2時間を小遣いの許す範囲で遊び、そのあと家に帰るという生活習慣はそうそう変わりません。
同じ意味で、夜の飲み屋街の需要もコロナショックが終われば復活するでしょう。
世の中には一定数の「おねーちゃんがいるお店に行きたくて仕方がない勢力」がいるんです。(笑)

パチンコやゲームセンターに行く人たちの多くはレジャー産業以外の業界で働いている人たちです。
そのお客さんたちの生活が、経済状況が大きく悪化しているでしょうか?
もちろん悪化している人たちもいるかもしれません。でも大半の人たちは大きな変化なく今も自粛生活をしてます。
交友や遊びを我慢してます。これらの人たちは、コロナ収束後に必ず手軽なレジャーに戻ってきます。お金を使って遊ぶというのはある種の喜びなんです。楽しみなんです。ストレス発散なんです。

なのでゲームセンター業界の人たちは、過度に将来を悲観しないで欲しい。
コロナショックが終わればそれまでゲームセンターで遊んでた人たちは戻ってきますよ。
先日の電話では「今のゲームセンター業界に前向きな話なんてない」なんて話も聞きました。
でもこんな時だからこそ、せめて思いは前向きに前向きに。
あと、テレビはもう消しましょう。(笑)

雑記:緊急事態宣言

お久しぶりです。
2020年に入ってから新型コロナウィルス関連の報道が盛んにされ、とうとう今日、4月7日に7都府県に緊急事態宣言が発表されました。

この宣言によって、人が集まる業態の営業自粛が呼び掛けられました。
その中に「ゲームセンター」も含まれています。

ただでさえここ最近は経営基盤が脆弱になり、今にも閉店しそうなゲームセンターが多かった昨今、今回のコロナショックは大きなインパクトになることは火を見るより明らかです。

もしかしたら、今回の7都府県に展開する中堅のゲームセンターは、先の見えない営業自粛を前に廃業を決めてしまうかもしれません。

それを回避する方法がないものか、ボクもボクなりに考えました。

で、考え付いたのがこちら。

「いつも遊んでるゲーセンを独り占めプラン!」

要は一個人にゲーセン丸ごとレンタルするというプランです。
店内で遊ぶのは一人だったり、友達同士だったり家族だったりするんでしょうけど、とにかくそういう「ゲーセンを貸切で遊びたい」人たちにお店丸ごと貸し出しちゃうというアイデアです。

ただ考え付いてみて、そのあと少し冷静になって考えて気づきました。
「ゲーセンを独り占めするというニーズがほぼほぼ無い」ことに。(笑)

例えば丸一日ゲーセンを貸し出す料金を10万円と設定しましょう。
利用する人は10万円以上のメリットを得ようと考えますよね。
UFOキャッチャーのようなプライズ機で遊ぶなら、1プレイ100円のプライズ機を1000回以上プレイしないと元は取れません。
朝9時にお店に来て夜の12時まで、50秒に一回の感覚でプライズゲームを遊び続けてトントンです。
景品をとれるかどうかは別として、とにかく50秒に一回の感覚でプライズ機のアームを動かし続けるというのは、何ていうかプライズ機のエージングテスト(耐久動作テスト)に近いですし、遊びと言うより労働に近いです。(笑)

麻雀格闘倶楽部のようなネット麻雀や、ネット接続されたアーケード機も貸切プランは難しいでしょうね。
大体、ネット課金があるので時間貸しするのは難しいですし、普通に遊んでいても1時間に数千円使うようなゲームじゃありませんからね。

そういうことを色々考えると、今回の新型コロナウィルスと非常事態宣言が発せられた地域のゲーセンを救う唯一の方法は、メダルゲームの時間貸しなんじゃないかと思えてきました。(いえ、最初からそう思ってましたけども)

具体的には、2時間1万円でメダルを無限に使える時間貸しサービスをやるわけです。
非常事態宣言によって、ゲームセンターは営業できません。
でも、メダルゲーム機の動作確認をするという名目で希望者を募ります。
2時間1万円で遊び放題、でも機械の不具合は報告してね、と言うプランを作り「お金を出してでもお店の機械のメンテナンスをしたい」人たちを集めるわけですね。

1プランの許容人数は2名までとします。
そして、そういう人員を1時間あたり5組まで募集します。
つまり、時間当たり最大で10人がゲーセン内にいることになります。

グランドクロスが好きな人にとって、2時間以内なら好きなだけメダル入れ放題と言うのは魅力的だと思いません?
Youtuberなら、喜んで参加する企画だと思いますよ。

お店自体はお休みです。なので、店員はお店の清掃をしたりします。
エアコンなどの設備業者が修理作業をしたり、店舗の内装を修繕する業者が入って、脚立を立てて作業する中、時間貸しされたメダルゲームプレイヤーが、好きなだけゲーム機にメダルを投入して遊び続ける。

緊急事態宣言が発表された地域のゲームセンターの生き残りをかけた方策としては全然ありだと思いますけどね。

ま、こんなアイデアが本当に採用されるかどうかは別として、今回の新型コロナウィルスによって無くなるゲーセンが一つでも少なくなることを心から願います。

メダゲー買った:アルゼ フレーフォーハリウッド

aruze hooray for hollywoodアルゼのフレーフォーハリウッド(Hooray for Hollywood)を買いました。

あっ、皆さんお久しぶりです。
ええ、ボクは何とか生きてます。

以前、冗談で「すべてのシングルメダル機は最後に名古屋を目指すんですよ」って言ったことがあるんですが、それはあながち間違いではありません。

最近、ゲームセンター業界の中古業者さんから「シングルメダル機を欲しがるのは貴方ぐらいしかいないから」と言われます。
なので、色々なところから「シングルメダル機買わない?」と言われます。

まぁぶっちゃけ、倉庫はパンパンだし、最近は自分の倉庫に行く暇すら無いぐらいに仕事が忙しいし、ゲーム機いじってる時間なんて全然ないんです。
そういう状況で「シングルメダル機買ってもらえません?」と言われても対応できないし、ゲーム機運ぶの大変だし暑いし汗ダラダラになるので、ほんとここ最近は全部お断りしてました。

ただ今回だけは違ったんです。
アルゼのフレーフォーハリウッド(Hooray for Hollywood)って見たことあります?
ボクは無いです。
何処で稼働してたの?ってぐらい見たことない機種です。

アルゼのミレナリーアップライト、ミレナリースラント筐体用のゲームタイトルは実は結構な数あるんですが、世の中に出回ったのって大半が、ボーナススピンZツインジョーカーズとボーナススピンAばかりです。
その陰にひっそり存在しているのが、今回のフレーフォーハリウッドを初めとするタイトルです。

ミレナリーシリーズ以前のEmaxJ筐体にも、恐らく販売台数が極端に少ない希少タイトルが散見されますが、こういうタイトルはネット上にほんの一握りの情報があるだけで、実際どんなゲーム内容だったのかさえ分からないというのが現状です。

フレーフォーハリウッドもそういうカテゴリのタイトルだと思います。

ただ、今回の機械はボクの倉庫へは入りません。ボクの倉庫、パンパンなので。(笑)
この写真は関東のある会社の倉庫です。

じゃあこの機械、どこへ行くか?
どこへ行くんでしょうね。
詳しいことはまだ決まってないので、まだ内緒。

今週から、また仕事で大きなプロジェクトが始まるので、この機械がどうなったのかをご報告するのはずっと先になるかもね。
ブログ更新を楽しみにされてる方、色々すみません。

雑記:シグマのP/O設定リスト

sigma-po-list書類を整理していたら出てきた資料です。

シュレッダーにかける前にスキャンして体裁を整えて、画像ファイルとして保管しようと思ったんですが、どうせ後から「どのファイルサーバに保管したんだっけ?」と探すことになると思うので、ここにアップしておきます。

リールスロットの資料は含まれていないみたいですね。

プログレ機種の(1to10 bet)と書かれているのは、アドアーズの自社の運営店舗向けの機種です。
一般向けのは 1 to 5 betなので。
そして、設定ペイアウトも微妙に違うのが面白いです。

この資料を誰が作ったのかは分かりませんが、ファックスで送られてきた資料のようで、少し文字が読みにくいですが、こうしてまとめられているとゲーセンの店舗スタッフは助かるんじゃない?(笑)

ということで、ご自由にお使いください。

整備する:コナミ 麻雀格闘倶楽部のワイドモニタの修理

皆さん、生きてますか?
ボクはかろうじて生きてます。
いや、むしろ忙しすぎて死んでます。(笑)

ということで、唐突に修理ネタです。

コナミのゲーセン向けオンライン麻雀ゲームの麻雀格闘倶楽部ってありますよね。
「マージャンファイトクラブ」って読みます。大きなゲーセンには大抵置いてます。結構ファンが付いてるみたいです。
赤いやつです。ボクは全く遊ばないので「あー、あの煙草臭い赤いやつね」ぐらいの印象です。(笑)

その筐体の液晶モニタが壊れたから見てくれない?と言われたのが今回の修理ネタの発端です。

まぁ見るぐらいは見てあげるけど、今忙しいから当面は無理ですよ、と言ったんですが

「全然、急いでないからいつでもいいよ!」

と言うので預かったものです。
その後、1か月ほど放置してました。


fight-flub-lcd-1で、先日、本業の方で、ある組み込み系の液晶モニタの修理を依頼され、そのモニタは無事に修理できたんですが、その時に「そういえば麻雀格闘倶楽部の液晶モニタを放置してた・・・」と思いだし、職場の修理ブースに持ってきたのがこちらのモニタです。

台湾のYING TCHIN ELECTRONICという聞いたこともないメーカーの液晶モニタです。
パネル面の大きさは21.5インチで、解像度は1920x1080ドット(フルHD)みたいです。(これは修理後にPCに繋いで分かりました。)

モニタの型番は、RLMV215H-0FC6LNWE7です。
恐らく型番自体はRLMV215Hで、0FC6LNWE7というのは細かな仕様や採用した液晶パネルの種類などを示す枝番だと思われます。

ちなみに、これと同じ型番の液晶モニタは、コナミのウィニングイレブンの21.5インチ液晶モニタを採用した筐体に取り付けられているようです。
多分、同時期に大量に仕入れた液晶モニタなんでしょうね。

fight-flub-lcd-2今回の修理依頼のモニタの症状は「画面が全く映らない」というものでした。

全く映らない液晶モニタの故障原因はバックライト系の故障であることが多いです。
バックライト用のインバータ回路が壊れてるんだろうな、と言う理解で液晶モニタを持ち上げたら、何やらカラカラと何かが移動する音がします。

で、分解したところ、インバータ基板から部品が外れていました。

表面実装の大きな部品です。
最初に見た時は、大きな表面実装積層セラミックコンデンサかな?と思ったんですが、たぶん違います。
詳しく調べたわけじゃないんですが、多分これは表面実装インダクタだと思います。
と言うのも、インバータ基板なのにコイルが見当たりませんからね。

一般的な液晶パネルの冷陰極管のインバータ基板には、結構ちゃんとしたインダクタが取り付けられています。
インバータ基板に不具合が発生し、インダクタが発熱して熱エネルギーが過大に発生した場合に備えて、電源入力ラインの最初にヒューズチップが取り付けられています。
ところがこのインバータ基板は、インダクタが表面実装で、しかも部品面が下向きに設置されているんですね。
下向きに設置されている点がとても面白いところです。

fight-flub-lcd-3インダクタに過剰な負荷をかけた原因はこちらでした。
電解コンデンサが「ご懐妊」(容量抜け)を起こしています。
その結果、インダクタが発熱するような状態になったんだと思います。

インダクタが発熱して、その限界まで達して半田を溶かして、その結果、インダクタ自体が下に落ちたというのが、今回の故障の原因です。

液晶モニタのバックライト用のインバータ基板は今まで沢山見てきましたが、色々な構成部品の不具合によって、インダクタに負荷が掛かり消費電力が上がるという事態に備えて、ヒューズチップが取り付けれているのが普通ですし、インバータ基板の故障個所はヒューズチップであることが一般的だったんですが、今回の事例は発熱したインダクタが自ら離脱するという、結構稀な、そしてとても面白い事例になっていました。

恐らく、この液晶モニタのメーカーのYING TCHIN ELECTRONICも、こういう事態を予想していなかったでしょうし、この液晶モニタを採用したコナミもこういう状況を想定していなかったと思うんですが、様々な偶然により、発熱したインダクタが筐体火災を起こすこともなく自ら基板から離脱するという安全装置が人知れず動作しているというのは、なかなか面白いです。

fight-flub-lcd-4ということで、無事にバックライト用インバータ基板を修理しました。

容量抜けを起こしていた電解コンデンサは100V 22uFというものでしたが、この先、出来るだけ稼働時間を稼ぐために、160V 47uFの電解コンデンサに交換しました。
この判断が間違っているかもしれませんが、そもそも、このインバータ基板の設計自体がアレなので(笑)、こういう修理でもOKでしょう。
万が一、問題が発生した場合は、再びインダクタが熱によって離脱するか、ヒューズチップが切れるかで、安全は担保出来ると思うのでね。

あと、ボクが思うのは、今回の液晶モニタのインバータ基板の設計はお世辞にも立派なものだとは思いません。
コナミをはじめとするアーケードゲームメーカーは、調達コストだけで仕入れ先を判断するのではなく、ちゃんとした国内メーカーの部材を選ぶべきだと思います。
国内の調達コストが掛かるには、それなりの理由があると思うんですよね。

整備する:クロン プレミア筐体のマザーボード不具合対応 その1

先日から整備しているクロンのプレミア筐体ですが、次はゲーム基板の問題に対処します。

今回のプレミア筐体に搭載されていたゲーム基板、その中のマザーボードには不具合がありました。
いえ、不具合があったというか整備している中で発見された不具合と言う感じです。
具体的には、ゲームのペイアウト率設定などを変更した際には、一旦電源を切って、再度電源を入れなおす必要があるんですが、電源を切って、その後電源を入れてもゲーム基板が起動しないことがあるんです。
いえ、毎回確実に起動しないという不具合が発生します。

ただ、電源を切った後、1分ぐらい時間をおいて電源を入れなおすと、正常にゲーム基板に電源が入ります。

起動してしまえば全く問題なくゲームがプレイできます。
問題が発生しているのは、設定変更時の電源再投入による再起動の時だけです。

何度もこの問題を経験していく中で発見したのは、ゲーム基板上の奥まったところにあるLEDランプが点灯している間に電源の再投入をしてもゲーム基板が起動しないという動作条件です。

クロンのプレミア筐体のメイン電源は、メダルホッパーの上の奥まったところにあります。
純正構成でゲーム基板のボックスに入っているニプロン製のATX電源にも電源スイッチが付いているので、ゲーセン関係者の中には「クロンのプレミア筐体のメイン電源はATX電源についてるスイッチ」と思っている人がいるかもしれませんが、本当のメインスイッチはメダルホッパーのある部分の奥にあるスイッチがメインスイッチです。

今回はゲーム基板のボックス内のATX電源が故障していたので、代わりのATX電源に交換しました。
そして、その交換したATX電源には電源スイッチが付いていませんでした。

その為、電源を交換した後、ちゃんとゲームプログラムが起動してゲーム画面が出るようになった状態でゲーム設定を変更する度に、メイン電源を切って、再び入れていたんです。
ところが、電源を入れてもゲーム基板が起動しません。
ATX電源ユニットの故障かと思い、合計3つのATX電源を試してみましたが、どれも同じ症状でした。

その為ボクは、ゲーム基板自体が故障しているんだろうと思ったんです。
多分、故障しているのはゲーム基板、マザーボード上の電源ラインのコンデンサに関わる部分なんじゃないかとね。

ところが違ったんです。

雑記:さよなら、ビバーチ大府店

vivace-oobu広いフロアにプライズとメダルゲームが広く設置されていたビバーチ大府(おおぶ)店(愛知県大府市)が閉店するというので、慌てて行ってきました。

このビバーチ大府店は、リソラ大府ショッピングテラスという大型ショッピングモールの中にあるゲームセンターです。

床面積は、詳しくは分かりませんが、たぶん500坪とか700坪クラスの店舗だと思います。

客観的な印象は、先にも書いた通り、プライズとメダルに力を入れている感じです。
一方でアーケードや音ゲーはほとんどありません。
(Jubeatが1台ありましたけど)

恐らく、ショッピングモールに来たファミリー層のお客さんが楽しく遊べるゲームセンター、地元のメダルゲーマーが喜ぶゲームセンターです。

メダルゲームコーナーは、主にプッシャーメダルが充実している感じです。
スピンフィーバーは1,2,3が稼働しています。
加えてスターホースシリーズも、1,2,3と揃っています。

閉店より少し前の情報ですが、公式サイトの稼働マシンリストはこんな感じになってました。

もっとみんなでダービー
グランドクロス ドリームスフィア
原始人がビンゴでワアア!
ホルカXトルカ
アラビアンジュエル
衝撃の妖怪退治
アニマロッタ2
スターホース3 Season7
スターボートプログレス
カザーン!!
グランドクロスクロニクル
スピンフィーバー夢幻のオーケストラ
スターホース2FINAL DESTINATION
スターホースプログレスリターンズ
ビンゴギャラクシー
フィッシュハンター
セガネットワークカジノ3
他各種スロット・キッズメダルコーナー等多数設置

レッツゴーアイランド3D
機動戦士ガンダム戦場の絆 REV.4
スコット
マリオカートアーケードグランプリDX
jubeat
太鼓の達人

ディズニーマジックキャッスル
妖怪ウォッチ
モンスター列伝オレカバトル
仮面ライダーバトルガンバライジング
アイカツフレンズ!
イナズマイレブン
ポケモンガオーレ
ガンダムトライエイジ
スーパー戦隊
スーパードラゴンボールヒーローズ

麻雀格闘倶楽部ZERO
MJ Arcade

ヒロインフェイス
Hello 80s

恐らく最新の稼働マシンリストではないと思いますが、大体こんな雰囲気のお店です。

シングルメダル機については、以前は25台ぐらいあったと思います。
先日、お店を訪れた時は少し減っていました。

多くのマシンにプレミアムメダルの投入装置が取り付けられていて、それなりにシングルメダルの活用にも目を向けていたお店でした。

閉店日は2019年1月6日だそうです。
同日、従業員とアルバイトはすべて退職するそうです。
こんなことをお店の閉店案内に書くこと自体、何か異様な感じがしますが、察するに今回の閉店がイレギュラーづくしなんだろうな、とも思います。

一部では「運営会社のエッグボックスが倒産する(した)」という話もあるようですが、現状では倒産はしていませんし、倒産することが確定している訳でもないようです。
ただ、1月6日にお店が閉店するのは決定事項で、今後の事は順次決まっていくような印象を受けます。
今回閉店するのは、エッグボックスが運営するビバーチの全店舗(5店舗)のようです。

実際に店舗スタッフの方から少しだけお話を聞きましたが、とにかく確定事項は少ないという話でした。
決定しているのはお店が閉まることだけで、その後のことは良く分からないらしいです。
どこかのオペレータが業務を引き継ぐとか、店舗自体を他のオペレータが買い取る、みたいな話も聞こえてきません。
最悪な場合、運営会社が倒産してお店は閉店、ゲーム機は業者に買い取られるか廃棄されてしまうことになるようですね。

ボクはビバーチ大府と言うお店については、一人のお客さんとして遊んでいただけの立場なので、こういうお店が生き残ってくれるためにも、どこかのオペレータさんがこのお店だけでも買い取ってくれるといいな、なんて思ってしまいます。

買収が得意な共和コーポレーションさんとか、ワイドレジャーさん、どうです?(笑)

整備する:クロン プレミア筐体のボタンの修理 その3

クロン純正のボタンはクロンの代理店のスタンバイという会社から購入できます。
以前は東京都江戸川区にある他の会社から購入できたんですが、今はスタンバイがクロンの修理部材の窓口になっているようです。

なので、今回はスタンバイからクロン純正ボタンを購入することにしました。
注文したのは3つのボタンです。
1つ、1900円(税別、送料別)でした。
何気にお高い気がしますが、それはそれ。
クロンの純正ボタンを買うんだから仕方ありません。
今回は3つ購入しました。

cron-button1で、届いたのが右側のボタンです。
壊れたのが左側のボタンです。

ボタンの表面の文字はボタン表面のプレスチックカバーを外せば交換できるので問題ないんですが、問題なのはボタンの裏側の構造が全く違くと言う点です。

上の写真の左側のボタンは壊れたボタンです。
マイクロスイッチを押し込むプラスチック部品が折れてしまってます。

そして、右側のクロン純正のボタンは、マイクロスイッチを押し込む構造が違うんです。
しかも、黒色のボタン本体とスイッチ部分を接合する構造が違います。取り付け方が違います。

その為、クロン純正のボタンを購入したのに、スイッチ部分の取り付け方が違う別々のボタンが混在する筐体が出来上がってしまうわけです。

cron-button2この写真を見れば分かると思いますが、プレイヤーが押すボタン部分は同じように見えても、その裏側の構造が全く違います。
最初に壊れたクロンの純正ボタン(左側)に比べて、プラスチック部材の過度な負担を軽減したのが右側のボタンのように見えます。

可能な限り前向きに解釈するなら、不具合部品に対する対策品と言うことです。

ただ、ボクが欲しかったのは対策品ではなく、従来のボタンだったんですよね。
しかしながら、クロンの純正部品として1900円で売られているボタンは、右側の対策品ということです。

対策品が生まれた理由は詳しくは知りませんが、恐らく何らかの理由があったと思います。
問題なのは、従来のクロン純正ボタンはスイッチ部分を垂直真下に引き抜けば取り外せたのに、対策品は右か左にスイッチ部分を回さないと引き抜けない点です。

従来のクロン筐体ボタンスイッチ交換に慣れているゲーセンスタッフなら、スイッチ部分を外すときに、垂直にスイッチ部分を引き抜こうとします。
しかし、今のクロン純正スイッチは左か右にスイッチ部分を回さないと取り外すことはできません。

無理やり外そうとすれば、ボタンのスイッチ部分のプラスチック部品を破損させます。

整備する:クロン プレミア筐体のボタンの修理 その2

クロンのプレミア筐体の整備を続けているんですが、前回は接触不良のボタンをなんとかする作業をしました。

その結果12ボタンのうち、9ボタンは何とかなりました。
問題なのは残りの3ボタンです。

この3つのボタンはマイクロスイッチの接触不良と言う問題ではなく、マイクロスイッチを押し込むプレスチック部分が折れているという症状でした。
その為、スイッチごと新品に交換することにしました。

シングルメダル機が好きな人なら分かると思いますが、クロンのプレミア筐体のボタンに近いボタンを採用しているゲーム筐体は沢山あります。

例えば、サミーのアップライト筐体とか、アルゼのミレナリー筐体(アップライト・スラント)、そして、ドラゴンのビデオスロット、メカスロ筐体などです。

これらの多くは、22mm x 22mmの四角い穴にボタンを取り付けるタイプなので、お互いに互換性があります。

ところが、同じように見えるボタンでも、裏側のスイッチ部分を取り付ける部品の形状が違っていることが多いんですね。

一方で、かつてのシグマは、こういうプレイヤーが触れる数少ないパーツには妥協を許さなかったようで、シグマのシングルメダル機のボタンはすべて米国スターポイントと言うカジノゲーミングマシン用のボタンメーカーの製品を採用し続けました。
その為、シングルメダル機に限っての話かもしれませんが、1980年代の機種のボタンも、2000年代初頭の機種のボタンもすべて互換性があります。
プレイヤーの手に触れるボタン部分はスターポイント製で、マイクロスイッチはオムロン(旧立石電機)製と言う拘りが見られました。

今回、整備しているのプレミア筐体のボタンが3つ必要になったため、手持ちのシングルメダル機の同じ形状のボタンを確認して回りました。

そして、クロンもサミーもアルゼも同じように見えるボタンなのに構造が別ものだと分かったんです。

ボクとしては、故障したクロンのプレミア筐体に取り付けられたボタンと全く同じ構造のボタンを入手したかったんですね。
全く同じ構造のボタンなら、例えば「1BET」ボタンが故障した時に、他のボタンの部品を流用できるかもしれません。

今回修理しているクロンのプレミア筐体が「あるべき姿に戻せる」なら、手元に余っている他社製のボタンを流用するよりも、クロン純正のボタンを購入する価値はあると思ったわけです。

クロン純正のボタンを新品で購入し、元々のあるべき姿に戻せるんじゃないかと・・・

故障したボタンを同じような他社製のボタンに交換するのではなく、元々クロンが採用していたボタンに交換できれば、このクロンのプレミア筐体を最初に導入した状態を再現できます。

そういう意味で、クロン純正のボタンを購入することにしました。

続きは次回です。

整備する:クロン プレミア筐体のボタンの修理 その1

クロンのプレミア筐体の整備を続けています。
電源ユニットを交換し、液晶モニタを取り付けて、照明関係をすべて復活させました。
この時点でゲーム画面が表示され、遊べるような雰囲気になっていますが、実はボタンの接触が異常なまでに悪いんです。
中には全く反応しないボタンもチラホラ。

程度が良いボタンでも、5回ぐらいぶっ叩いてやっと反応するような状態です。
でもまぁ、酷い状態と言っても接触不良ですからね。
何とかなるところまで何とかしましょう。

クロンのプレミア筐体と言うのは、ゲーム基板部分はクロンが設計、製作しています。
それ以外の筐体と内部の配線、電気部品などは海外メーカーが作っています。
その為、ゲーム基板の作りはとても良くできているのに対して、筐体側の作りや使用部品が色々とツッコミどころの多い内容なんですね。

先日のコネクタ部品も互換品が使われてたでしょ?
つまりはそういうことです。(笑)

今回はその海外製のボタンを修理します。

接触不良を改善するには「接点復活剤」を使うのが便利です。
でも以前、ゲーム機の修理屋さんの師匠が「接点復活剤を使うのは素人のやることだ!」てなことを言われてから、なんとなく接点復活剤を使うのを避けていました。特にゲーム機の修理の際は。

で、今回は「CRC KURE 5-56」を使いました。よくCMなんかでやってるアレです。

接点復活剤がダメでKURE 5-56が良い理由があるとすれば、KURE 5-56の主成分は揮発性の高いオイルなんですね。
その為、油膜が残りにくいんです。
その分、再び錆びる可能性は高くなりますが。

マイクロスイッチ自体の接触不良がボタン故障の原因なら、マイクロスイッチを交換する方法もあります。
恐らく、このプレミア筐体のボタンはオムロンのD2Fシリーズのどれかが元々の設計段階でのスイッチで、量産段階になって互換品を使ったように思えます。

そんなことを考えつつ、マイクロスイッチごと交換するかどうかはさておき、今ある接触不良のマイクロスイッチを可能な限り修理しましょう。KURE 5-56を吹きかけてボタンを連打するだけの作業ですが。(笑)

プレミア筐体には、12ボタンタイプと14ボタンタイプの筐体がありますが、今回修理しているのは12ボタンタイプです。

そして、12個のボタンのうち、9個は何とか正常に動作するようになりました。
残りの3つは、ボタンのプラスチック部分が破損している状態だったのでこれ以上は無理でした。

KURE 5-56は意外と使えますよ。

整備する:クロン プレミア筐体の蛍光灯のLED化 その4

照明系の修理で最後にするのは、メダル投入口の右側にある何か光るところ。(笑)
なんでこんなところが光るんでしょうね?
恐らく、何かカードリーダーとかが付くのかもしれませんが、クロンのプレミア筐体の標準構成では、この裏側に12Vのウェッジ球(電球)は入ります。
電球切れを起こしていたので電球を新品に交換します。
ただ、ここでも問題が発生。

電球ボックスを留めているナットが外されていて無いんです。
そして、プレミア筐体で使われているビスやナット類は、ほとんどが海外規格のものなんです。
ね、面倒臭いでしょ?

でも大丈夫。
以前、サミーのアップライト筐体を解体廃棄した時に将来のことを考えて、海外規格の特殊なビス、ナット類を取っておいたんです。

cron-premier-led9それらを使って無事に元通りの状態に戻したのが、この写真の赤丸のところです。

この筐体の内部はいたるところで足りないナットやビスがあったので、それらも全部、手持ちの保守部材で元通りにしました。

あと、この電球の取り付けられた上の部分にも光源があるんですが、そこだけは奇跡的に壊れてなかったんですね。
「MEDAL PLAY MAX BET」って書いてる部分です。
なので、ここはそのままにします。

cron-premier-led10そしてついに照明系が復旧した様子がこちら。

おおー、見た感じ完全に直ったようにも見えますね。
しかし、やっぱりというか蛍光灯が入ってた部分が妙に明るい。
液晶モニタの明るさを超えてるような気もします。

まぁ、あんまりバランスが悪いようなら、LEDテープの本数を減らしますかね。

この後、修理するのはボタン系です。接触が悪すぎるものばかりなので。
そして、この時点で発覚したことなんですが、ゲーム基板のマザーボードにも不具合があります。
あとホッパーの動作も怪しいです。

週に2時間ぐらいしか整備の時間が取れないので、作業進捗が遅くて仕方ありませんが、コツコツやりましょう。

整備する:クロン プレミア筐体の蛍光灯のLED化 その3

プレミア筐体の蛍光灯をLEDテープに置き換える作業をしています。
今日は筐体の下の部分の、ゲームタイトルのシートが入っているところです。
ところが、ここに来て問題が。

いやいや、この筐体、どう見ても問題だらけなんですが、今回は部材の外部手配が必要な事態になりました。
筐体下部の蛍光灯用のインバータが取り外されていたんです。
多分、廃棄予定だったこの機械から、取れる部品を取ってしまえ、みたいなノリで取られちゃったんでしょうね。
いえ、別にそれは良いんです。インバータは使うつもり無いですし。
ただ、インバータから伸びている電源供給用のコネクタが無いとLEDテープに電源供給できません。

じゃあ、そのコネクタってどういうメーカーのどういう品番のものなんでしょう?

面倒臭いから筐体側の電源コネクタをちょん切って、直接線を繋いじゃおうかな?なんて思ったりもしたんですが、それはボクのポリシーに反します。
あくまでLEDテープ化は一つの方法論であって、将来いつかインバータ駆動の蛍光灯に戻すときには、コネクタを差し替えるだけで戻せるような、そんな修理方法を目指しているのでね。

ということで、このコネクタが何なのかを調べる作業に入りました。

名古屋の電気街の電子部品屋さんに、配当表部分のLED化した蛍光灯パネルを持ち込んで、色々なコネクタメーカーのカタログと照合する作業です。

普段はこんな面倒な作業はしません。
だって、コネクタ部分に小さい文字でメーカー名や型番が記されていることがほとんどだからです。
でも、今回のコネクタは分かりやすくいうと「パチモン」だったんです。

海外製品に多い「勝手に互換品をつくっちゃった」というパターンです。
クロンのプレミア筐体はもともと海外製なので、こういうことになっちゃってるんですね。
無記名のコネクタ(コネクタハウジング)から、元々のメーカーと型番を探す作業をしばらく行い、分かったのがこちら。

cron-premier-led6モレックス 5559シリーズです。

ちなみに、シグマの筐体内で使われているのは、AMP(アンプ/アンフェノール)というメーカーのコネクタでした。
一方でクロンのプレミア筐体の中で使われているのは、モレックス製のコネクタの互換品だったということです。

本当は1個しか必要ないんですが、答えが出るまでに結構苦労したこともあり、少し多めの40個を購入しました。中のピンは100個です。

今後も、この手の「コネクタの型番探し」をする可能性はありますが、おそらくほかのコネクタもモレックス製なんじゃないかと。
いや、モレックスであって欲しいと願います。(笑)

cron-premier-led7ということで、無事にコネクタを取り付け、筐体下部のLED化も完了しました。

こちらもLEDテープはちょっと多めで光の加減は明るめになっています。

LEDテープは蛍光灯やインバータ回路に比べて高寿命なので、この作業はもうしばらくすることはないと思います。

cron-premier-led8あと、注意書きをテプラで印刷して貼っておきました。

本来、蛍光灯を交換する裏蓋の部分を開けると、LEDテープが剥がれてしまうので、開けちゃダメよん、と貼っておきました。

これで全ての蛍光灯がLEDテープへと置き換えられたわけです。
ちょっとした達成感がありますね。

次回は照明系の仕上げを説明します。

整備する:クロン プレミア筐体の蛍光灯のLED化 その2

cron-premier-led3今回は、クロンのプレミア筐体の上部行燈内部の蛍光灯パネルをLED化します。

と言っても、LEDテープを張り付けて配線をつなぐだけです。

LEDテープはネット通販で普通に買ったものです。
色は白色です。
写真を撮ると電球色に見えますが実際は白色です。

LEDテープの裏面は両面テープになっていますが、こういう素材は4,5年も経てば粘着力が無くなるものなので、そんな状況でもテープが剥がれ落ちないようにホットボンドで補強しました。
黒く映っているのがホットボンドです。

cron-premier-led4裏側はこんな感じ。

四角いアルミ製の箱に入っているのがインバータ回路です。
DC12Vが供給されるコネクタは、インバータ基板から外して流用しています。
結線は絶縁閉端子でかしめています。

もし将来、インバータ駆動の蛍光灯に戻したくなった場合、新品のインバータを用意して蛍光灯側のコネクタを繋げば蛍光灯の光に戻せます。

cron-premier-led5こちらが実際に取り付けた状態です。

配当表部分は6本のLEDテープから4本に減らしました。
それでも結構明るいです。
恐らく、ゲーセンに並んだクロンのプレミア筐体に並べたら、今回の筐体だけが妙に明るく光って目立ってしまうでしょうね。

ただ、これにはボクなりの考えがあります。
今回使用したものを始め、LEDテープのLEDチップは高輝度タイプが使われています。
高輝度タイプのLEDは、スペック通りに使うと寿命がそれほど長くありません。
寿命を考えるなら、駆動電圧を下げたほうが良いです。

一方で、電圧を下げる一番簡単な方法は固定抵抗を入れる方法ですが、場合によっては熱源になる恐れもあります。

色々考えると面倒臭くなってくるので、とりあえず規格通り12Vで駆動させて、5年後に3分の2のLEDが明るく光ってたら良いかな?
それまでにATX電源の12Vラインも電圧低下してるだろうし、という見通しで今回は若干多めのLEDテープで蛍光灯の置き換えをしました。

これで行燈部分と配当表部分は完了です。

整備する:クロン プレミア筐体の蛍光灯のLED化 その1

液晶モニタの取り付けまではできたので、次に「光らない蛍光灯」をなんとかします。
クロンのプレミア筐体には標準構成で3つの蛍光灯が使われています。

上の行燈部分、ゲーム画面の上の配当表部分、そして、メダルが払い出されるお皿の上の部分です。

cron-premier-led1今回はとりあえず、配当表の裏側の蛍光灯をなんとかしたいと思います。

クロンのプレミア筐体の内部は、外部から供給されたAC100Vの電源がATX電源に入り、その後はDC12Vで色々な個所に分電されます。
蛍光灯もDC12Vが供給されます。
蛍光灯自体は直流電源では光らせられないので、インバータ回路が蛍光灯の裏側に配置されています。
稼働時間が長いプレミア筐体は、大抵、このインバータが壊れています。それだけ消耗しやすい部品だということです。

今回はインバータを交換する方法ではなく、もともと筐体内で供給されているDC12Vから直接LEDテープを光らせる方法を取りたいと思います。

cron-premier-led2というわけで蛍光灯を取り付ける板の上に6本のLEDテープを付けてみました。

ええ、明るすぎです。
目がやられる明るさです。
LEDテープの本数をもう少し減らした方が良さそうです。

でもまぁ、光っていなかった部分が元通り光るのは嬉しいです。

次回は具体的な実装を説明します。
記事検索
最新コメント