平井美帆 MIHO HIRAI BLOG

思ったこと、感じたこと、ぼやいてます。



























Worn-out thoughts and words will kill you someday.

刑訴の別件逮捕

実体喪失説で書いたらうまくいかなかったので、これからは別件基準説でいこうと思う。

……あらためて『刑事訴訟法判例ノート』を読んでいたら、1-29神戸まつり事件がやけに気にかかる。

結局、別件逮捕・勾留中の本件取調べは違法となったのだが、……なんだなんだ?となった。短い事件の要約ではよくわからない。ネットに判決文がのこっていた。

いろいろ裏がありそうだなあと思った。

神戸新聞のカメラマンを轢いたのは警察車両。

暴動中に複数人が押したということで、別件逮捕してから殺人罪で起訴しているのだが……無理筋感満載。

国会での質疑もネットにちらりと残っていたが、行政側(管理・警察)のミスもありそう。報復起訴みたいだがどういう状況だったのだろう、自白ってどういうものだったのだろうと想像が膨らむ。亡くなられたのが、報道カメラマンだったのでよけいに興味がわいた(かわいそすぎる)。



となる結論は、事件を知ると「あぁ、そういう状況か」となることがある。不自然さには裏がある。

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おまけ知識
神戸まつりはまだ続いていて、今月にもあるんですね いまじゃ考えられないけどこんな事件があったとは……。
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つまりは弁護士(より強く倫理がもとめられる)、裁判官(さらにより強く公平性・中立性が求められる)の女性性に対する言動にかんして、同胞の男性法曹らがろくに利益考慮さえしようとしないのは、女性への人権意識が低いからですよ。どこがどう低いかも、自覚がないほど、息を吸うように男性性の優位性のなかで生きている

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こちらも恐ろしい……
法律事務所代表から性被害、女性弁護士自殺「あまりに衝撃的かつ屈辱的」…2審も賠償命令支持

かつての私は本気で、本当に、「弁護士は他の職業の男性よりかは、男女平等の意識を高く持っているべきだし、実際にそうなんでしょ! だって、『弁護士』だよ!?」くらいに思っていたのだった。……実体験やさまざまな事件をとおして、そんな見方は打ち砕かれたけど。

法律を勉強していると、弁護士は信頼に値するということを前提とした判例等がある。そろそろ、一般社会の認識と、内輪の認識がずれつつあることに目を向けたほうがいいように思う。

はっきりいってしまうと、
依頼者やまわりが「先生」といってくれるのは、立場の違いからですよ。弁護士の機嫌を損ねてしまったら、「ちゃんと法的なアドバイスをしてくれないかも、味方してくれないかも」って不安が困っている側にはある。実際、「先生」と呼んだ途端に、弁護士の態度がコロッと変わったことがあったからね。あるいは単に慣習からか、「~さん」と呼ぶのも失礼かなあ~くらいの気持ち。

もちろん、めっちゃいい人達がいるのは知っている。司法試験の受験生も、まじめでストイック、実直なかんじの人が多い。でも、全体としての信頼や品位は、SNS上の言動や現実の事件もあいまって、下がっていると思う。唐突に一部の弁護士のふるまいが悪くなったのではなくて、女性の社会進出がすすみ、前よりはジェンダー平等にかんするニュースが報じられるようになって、元々あったものが可視化されるようになっただけなのだろう。
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もう3年くらい前にこんなエントリーをした「娘を殺された家族の気持ち

本日岡口基一判事が罷免。
遺族のコメントが記事になっていた
「心の傷」「許すつもりない」 殺人事件の遺族がコメント―岡口判事弾劾

長年にわたって、岡口判事を支援してきた大手予備校「伊藤塾」の塾長・伊藤真氏、さらにはその親衛隊のような弁護士たちは、少しは遺族側の気持ちに寄り添う心境にはいたらないのだろうか。
(答練で伊藤塾には課金しているのだけど、それとこれとは別)

また、先日レイプ(不同意性交)で逮捕された男性弁護士。伊藤塾に通い、さらには塾長ファンのメッセージを過去SNSに挙げていたようだ。

彼は、ホモソーシャルな受験界・法曹界で生きてきて、ろくに反対意見をのべる女性には出会わなかったのではないか。

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伊藤塾にいくと、人権尊重を啓蒙するイベントのチラシやポスターが目につく。

それはすばらしい。それはもっともだ……。

ただ、……塾長とそのまわりは、一般女性の人権、男女平等には疎いんではないかと感じている。典型的な家父長制思想を埋め込んだ日本人の健常男性たちである。+そういう人達に囲まれて育った人たち。塾長は少なくとも、女性の権利・人権・尊厳を訴える女性は苦手なんではないかな。彼のまわりの男性弁護士の面々みてたらそうでしょう(平裕介氏とか←こちらもゼミを聴講しようとしているのだけど、それとこれとは別)

ちなみに私は複数の予備校のテキスト買ったり、答練をとったりしてます。ほかの受験生と同じく……。他の予備校は伊藤塾と違って、次世代教育の取り組みや党派性が弱いので、そういう意味では批判する点がないだけ。

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伊藤塾の塾長は、予備試験や司法試験の会場などに現れるので、複数回すれ違ったり、見たことがある。正直なところ、緊張している本番直前の最後の最後に、伊藤氏の目と声ーー、「がんばってください!」を欲しい受験生と欲しくない受験生がいると思う。私は別の人の気持ちを試験直前には思い起こしたいので、会場への入り口に伊藤氏が立っているのは迷惑でしかない。

塾長とは一度、予備試験の会場前で目が合ったことがある。笑みどころか、さっと目をそらされたんだよね……。こちらはマスクしていたし、もちろん向こうは私のことなどは認識していない。

ただ、印象として、自分のまわりを選んでいるなと感じた。
伊藤塾長とって応援したいのは、既存の社会構造・男性優位性を保ったままの法曹界のように感じる。派遣だの、片親だの、なんだか踏まれたゆえのド根性だの、色々抱え込んで司法試験受験生になった年配の女性、さらにはジェンダーセンシティブな主張をする女性は苦手なように思う。

あの笑顔から強めに主張される「人権」「憲法論」……けっこうです。

でも、今回の逮捕や罷免で、……ちょっと「狭い世界に自分たちはいないか」何か感じてくれないかな。「女性の尊厳や人権、性的な権利について」、無視している部分がないか考えてくれないかな。民主主義下の「人権」の大きな枠には、もちろん……日常生活で男性から性的虐待されたり、意に反する性行為を強いられる女性も含まれているんでしょ? そこの利益衡量はあえてせずに、大きな括りだけで人権や表現の自由、職業の自由を世間にアピールしているのは……やはり塾長シンパなのだよね。男女平等について、きちんと塾長は考えたことあるんだろうか。言葉だけではなくて。

弁護士が性犯罪に手を染めてしまう土壌は、深く長く社会に根付いてきた男性優先の思想にある。法曹界の住民が被害者よりも、加害者に寄り添ってしまうのも、深く長く社会に根付いてきたステレオタイプにある。

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下のエントリーを見ても、こんなことばかり書いているが、弁護士会や法曹界にはもっと自浄作用があってしかるべきだと本気で思う。なんのための権力なの? いち依頼者として味わった悔しい理不尽な実体験の数々から、これめざしているようなもんだからね。

そのうちに日本の「弁護士」は改革をせまられる。改革せざるを得なくなる。

時間のある中高年女性の皆さん、法曹界をめざしましょう。法律に触れたことがなくても、ステップバイステップでなんとかなります。男性による権威付けは、もう古いです。
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まず、能登大地震でお亡くなりになられた方々、被災者の方々に心よりのお悔やみ申し上げます。

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前々から、日本の男性憲法学者、憲法好きの弁護士については、国内の男女差別には鈍感というか、視点が男性中心的なのにそのことに気づいていないな~、と感じている。あたかも、現代的に「ジェンダー構造」の問題が持ち上がったように書いているが、戦前から続く家父長制家制度がメンタル的には継続しているからでしょ~、なんでそこには知らんぷりなのかな~、結婚したときに自分の氏が変わるなんて想像したことある~? などなど憲法学者がつくった問題や参考書にモヤることが多い。

エリートの学者界では権威主義が渦巻いていて、ろくな批判が飛んでこないのかもしれないが、私のなかでは日本の憲法学者の女性観はミソジニーだと思う。まわりの男性講師等はそんなことを思いもしないで、先輩学者をはは~と崇めているように見える。

憲法学者が女性の生徒に司法試験の問題を漏らしたのも、「たまたま」ではなくて、自浄力の弱い男性憲法学者の男社会が招いたと思う。学問的にはとにかく、はは~何々先生!の世界だから。*ミソジニーはえこひいきと表裏一体。

だから、予備試験の平成23(2011)年度みたいな憲法問題も作れちゃうし、ろくなことを憲法24条にたいして言わない(ページを割かない)。憲法論とはまさに人権が専門の分野なのに、日本の歪んだ家父長由来の構造問題についてたいしたこと言う人がいないのは残念。

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なぜ上のように書きだしたかというと……
下記の教材を合格者から「良い」と聞いたので読んでいた。
憲法Ⅰ 第2版 基本権
日本評論社
2023-03-27


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本の中で、「なに言ってるねん」と思う箇所があったので、さんざんツッコミを入れておいた(笑・フリクションの消えるボールペンです)。「これ、書いたの誰やねん?」とチェックしたら、その章は東大の宍戸常寿氏でした。検索したら、とっても権威ある的な先生だった。たぶん、実際に話したら、「いい人」なのだろう。知らなかったからこそ、素直に感じたこと。

ただ、記載内容もさることながら、どうもこの「ポルノグラフィー」「ジェンダー構造」といった文言の使い方は、実際に日本社会で起こっている様々な性被害の実態をきちんと捉えていない。ここでまた、同じく前に東大にいた某先生が、痴漢で捕まったことを思い出してしまうのだ。ちなみに、この某先生はローで習ってたけどいい人ですよ。講義で言ってることはもっともだし、わかりやすいし、おもしろいし、学業面ではよい先生。問題は、そういう「頭のキレる良い先生」が別の人格を持つ人間に対して、相手が女性身体を持つからといって、たやすく個人の尊厳を踏みにじれてしまう現実なのだ。

日常的に性被害を受ける層の人達がいて、自分とは質の異なる社会を生きている。執筆者が「ジェンダー構造」という抽象的な文言を用いてる際、この現実は頭の中で結びついていないだろう。「再生産」される前に"すでに存在している現実”については、目をつむっているある種の(硬さ)が文章から感じとれた。(硬さの正体は、視点。想像力のなさ)ーー若い時、電車や街中にいて、性被害に遭いました? 捕まえるどころか、固まってしまって訴えることもできなくて、悔しい思いをいまも抱えて生きてます? ーーーどこか女性のリアル人権とは切り離せる余裕があるのではないだろうか。そして、その余裕は日本社会で自分が男性であることから来ている事実には鈍いのではないか。

「ジェンダー構造」の行間にある種の前提、つまり許容を感じてしまう。
男性は男性権威・ヒエラルキーには弱い。弱いから迎合する。
その鈍さがいま様々な業界で問われている。

せめて非対称なジェンダー構造ぐらいははっきり書けないものか。
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令和5年の司法試験では、短答の刑法に没問が出た。

人の人生を左右する試験において、4点分も「なかった」ことになってしまった(全員正解扱い)。

短答式試験の3日前に、「不同意性交等罪」が施行されたのに(令和5年7月13日)、旧法の強制性交罪で出題してしまったからだ。

厳しめのいいかたをすれば、試験を作る側の学者や実務家が、刑法性犯罪の改正の動きに気が回っていなかったからではないか。

……なんといおうか、刑法性犯罪のこれまでの性加害者寄りの視点をかんがえれば、人権侵害されてきた被害者側のこのうねりはある意味、革命的ともいえる。新法にエリート層の専門家たちが揃いもそろって無頓着だったのは、この改正の流れを象徴しているような気がしてならない。

来年の短答には「不同意性交等罪」がでるかもしれないと、改正点をチェックしているのだが、見れば見れるほど、画期的といおうか、大きな法改正だなと感じる。改正にいたるまで、どれだけ多くの性犯罪被害者が沈黙を強いられ、生涯にわたる心の傷を負わされてきたか。その一方で、どれほど多くの者が性加害をくり返し、責任を問われないまま、"普通の人生”なるものを享受してきたか。今回の改正によって正義が実現し、卑劣で陰湿な性犯罪、とりわけ子どもを狙った性犯罪が少しでも減ることを願う。

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とくに画期的だなと思ったのは、被害当時に未成年だったならば、時効は18歳になったときから数えるという点。それから、夫婦のあいだでも「不同意性交等罪」が成立する点。日本社会ではこの視点・認識が低かったからこそ、明文化されたのだと思う。新しい法律によって、性犯罪被害にあう機会・頻度が多い女性、子どもの人権がもっと守られる社会になってほしい。

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他方、共同親権も近いうちに導入されるかもしれないことを併せて考えると、日本社会・日本の夫婦のあり方、家族のあり方は変わっていくだろうなあとしみじみ思う。その人の状況によってメリット・デメリットがあるかもしれないが、ジェンダー間の対等・平等がより実現されていく方向ではある。

親権は女がとりやすいとか、正社員で稼ぐのは男とか、台所まわりは女の場所(キッチン独占)みたいな感覚とか、男の仕事にあわせてまわりが振り回されるといった様々な慣習や「常識」は、徐々に淘汰されていくと思う。……選択的夫婦別姓制度もはやく実現すればいいのに。

自立の覚悟が要るのである。性別にかかわらず、物理的、精神的な脱・依存。

自立した上での個人間の関係性は、もっと深くて楽しくて、明るいと思う。
男(の子)だから、女(の子)だから、~だからと平然と封建的規範を押しつける親が減り、親戚が減り、そういう認識を植えつけられる子どもが減ることを願う。ひいては、そういう型を人に強いたり、人から強いられたりする大人が減ることを。

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いまはあけられる時間は勉強に「全振り」しなくてはならないのだけど……

はやく夏がきて、また書き溜めているテーマの続きを書きたい。書くこと自体しんどいけど、はやく書いて仕上げたい。民法、国際私法の判例の勉強をしてても、自分のテーマの核心とつながることが多々あって、ムズムズする……。

それに関連して、この記事を読んだ。区域指定のところは行政法の試験問題に出てくる。
同性パートナーを亡くした女性、町から「赤の他人」扱い。引き継いだ畑をめぐって「権利も資格もない」

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いかにもありがちな「日本の地方の「長」」issueはブログでは割愛するとして……

気になったのはここ↓
「2021年末に、tack farmのある場所が「産業系区域」に指定されるという通知が鳩山町から祖父の家に届いた。通常、区域指定する場合は関係者を対象にした説明会が開催されるが、コロナ禍を理由に開かれず、郵送での通知のみだったという。小早川さんによると、畑周辺の地主が役場に赴いて説明を求めたところ「今すぐ何か変わるということではない」という説明のみだった。祖父や小早川さんたちも具体的にどうなるのかよくわからないまま、土地は2022年2月に産業系区域に指定された。」

問題にだされたら、裁量権の逸脱・濫用として違法にできそう。

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日本の家父長制イエ制度、相続、家族(婚姻制度)、戸籍制度、夫婦同「氏」は一直線の問題なのだ。このところの同性パートナーの婚姻等とも大いに関係してくる。そこにがっつり、行政が絡んでくるから。

一般の日本人男性(性的マイノリティではない。「普通の家族」を持つことや「男女の役割分担」に安心するタイプ)は、本当にこうした差別構造に鈍感だし、上世代の高齢男性と平然とタッグを組んでしまう人はまだまだ多いよ。その構造に依存しつつ強化している女性も、同数程度いるのかもしないけれど。

↑これをえぐい体験としてずっと味わってるから(on-going), もうはやく自由な文を書きたくて仕方がない。
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成績表の見方がいまいち分かりづらい。

総合得点が746.98なので、合格点(770)まで、あと23.02点。司法試験は0.01の差でも合否がわかれるので、惜しくもない。その一方で、「悪くもない」とローの先生(派遣検察官)に言われた。あと2,3つの論点を拾えてたら受かってたとのこと。

いまでも時々、「もう無理だ」「来年ダメなら諦めるか」などとヘコむので(やはり)、この意見には励まされた。でも、あの究極のモーメントのなかで、瞬時に数個の論点が出るか否かは大きな差だと思う。

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私のイマジナリーライバルは、自分とは対照的な立場にいる受験生。

実家暮らしの専業受験生で、体力のある20代の男性。さらに家が裕福でそれほどバイトも家事もしなくていい人。東大京大等の法学部を出てて、東大・京大・早稲田・慶應のロースクールに通っていて、同等レベルの仲間がたくさんいて、四六時中自習室で勉強できる人! A君と思っておこう。

「あ~疲れた」
って時には、「A君はまだ自習室で勉強している!」と思うように心がけている……。

仕事があるとか、年齢的にきついとかは考えない。考えてもムダ。(考えても、変えられないものについては。)
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