書き逃げ旅団

兵は詭道なり

■対戦ロスター■
Tank Duel (GMT Games)
Wild Blue Yonder (GMT Games)

The Halls of Montezuma (GMT Games) 「古いゲームの新しい面白さ」

ファーストタッチはいまいちだったけど、10年寝かせたらどうなるだろうかシリーズ。
米墨戦争カードドリブンの『The Halls of Montezuma』になります。

当時封印した理由としては、
・システムが複雑
・何をどうすればいいのかわかりにくい
・ドローやロールによる振れ幅が大きい

というあたりですが、いま改めて見るとそんなに複雑ではないですね。
ゲームの流れがだいたい掴めたことで、作戦的な理解も進みました。
まあ、振れ幅が大きいのはその通りかと思いますが、プレイ時間がさほど長くない手軽なタイトルなので、問題がないように思います。

言い方は悪いですが、この程度の軽さのゲームであれば、多少荒っぽいくらいの味付けがマッチしているかと思います。

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序盤の様子。
アメリカ側は早期開戦のペナルティ払ってでも、さっさと宣戦布告するのがよさそう。
小規模の部隊をアルタカリフォルニアとソノラ州、西海岸の制圧に送り出し、軍編成したスタックで中部の都市群を占領するのが基本じゃないでしょうか。

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亡命していたサンタ・アナが帰還して軍スタックを編成。
米軍のスコットによる強襲上陸が中盤のハイライトですが、サンタ・アナ軍にぶつかるといかにスコットでも危うい感じですね。
フォートブラウンの本軍と連携して、サンタ・アナの動きを止めないといけない。
橋頭保から追い出されると補給切れになるので、上陸地点に塹壕を構築して、退却拒否できるようにしておくことも重要かと思います。


でも、そうと分かっていれば次からはスムーズにプレイできるはず。


想像以上に好感触だったので、また機会があれば稼働させたいと思います。

2023年の総括

まあ今年も、日常生活に支障が出るほどいろいろプレイしました。
デジタルアナログひっくるめまして、お付き合いいただいた皆様、ありがとうございました。来年もよろしくお願いします。

という次第で、今年プレイして印象に残った作品をシェアしていきたいと思います。


まずはデジタルから。

シージの面白い部分をつまんで、エイリアンと戦うPvEシューターに作り替えた傑作。
任務のバリエーションとオペレーター能力のシナジーが面白くて、なんかひたすらプレイしていた。

DEATHLOOP
偏執的なまでに作り込まれたマップと、シューターとして気持ちのいい動作感。最高の吹き替え。これは良かった。

ミステリ系は、投げっぱなし犯罪捜査シミュレーターの『The Painscreek Killings』、音だけで事件を解明していくアイディアが秀逸な『Unheard ー罪の代弁ー』と当たりが多かったが、これはやはり別格。
シナリオの完成度がほかとは一味違う。

職業系シミュレーターなら、これが今年のベストかしら。『ハウスフリッパー』もそうだけど、いったん破壊してから再構築していくプロセスが面白い。


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この程度はヒヨッコである。



そしてアナログ

Pacific War (GMT Games) 
いろいろ誤解していた部分もありますが、シナリオは十分にプレイアブルだし、ちゃんと面白い。
フルキャンペーンもやってみたいけど、ライフタイムイベントって感じですね。

1812! (Compass Games) 
米英戦争をフルマップ2枚で? という意外性からの想像以上の面白さでした。

Seas of Thunder (GMT Games) 
大胆なデフォルメで、WWIIにおける海洋での戦いを再現した野心的なタイトル。万人にはオススメできないけど、とにかく個人的には最高でした。

D&Dスターターセット (WotC) 
1〜3レベルまでのキャンペーンと必要なルールをセットにした、現代版の赤箱。
値段の安さに「とにかく1人でも多く沼に突き落とす」という執念を感じる。

Downfall: Conquest of the Third Reich (GMT Games) 
ユーロゲーム仕込みのタイムトラックを採用した、たいそうアバンギャルドなETOゲーム。大変に面白いけど、どえらい時間がかかるので、これまた人にはすすめにくい。

上記タイトルは、来年も引き続きプレイしていきたいですね。

Pacific War (GMT Games) 「象をなでる」

初見では問題があるシステムに思えていましたが、6回ほど反復して読み込んだところ、さまざまな誤解に気づきました。

今さらなんではありますが、これは相当に面白いですね。

言い訳をさせていただきますと、マニュアルの記述がわかりにくいうえ膨大な分量があるので、非常に難解に仕上がっています。
どれくらい難しいかと言うと、BGGのフォーラムにおけるルール質問の項目が500件を突破しているレベルです。

まだ細かい部分の謎は残っていますが、およそどう動かせば良いかの基本は掴めたんじゃないかと思います。

より大規模なシナリオを目指してプレイを継続していくということで、また次回。


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珊瑚海シナリオ。
索敵の事故率がそれなりにあるので、空母戦は互いに神経をすり減らします。

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米軍は主力の航空隊をクラークフィールドではなく、零戦の届かないマニラに置くこざかしい配置。

ルール上、コレヒドール要塞を回避してマニラを艦砲射撃できるので、そこを検討するのがよさそう。
空爆より効果は薄いですが、対空砲火は受けないし、スクランブルで逃げられることもないので。

ルールブックの不思議な世界

本エントリーは「War-Gamers Advent Calendar 2023」参加企画となります。


ご存じの通り、ウォーゲームのメカニズムそのものは日進月歩ですが、ルールブックに関しては大きく変化することなく、過去からのスタイルが踏襲されている印象を受けます。
19世紀ドイツの原型はともかく、少なくとも戦中のウォーゲームのルールブックを見る限り、すでに現代に近いものが完成していたと言えるのではないでしょうか。

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こちらは1940年に出版された、西部戦線をテーマにしたゲームですが、すでに章番号の記載が見られます。

ちなみに、40年にこんなものをイギリスで出版しているのは余裕というか物凄いヤセ我慢に思えますが、ルールブックに関して言うならば、いまでもこういうスタイルのものはよく見ますよね。

ルールブックの進化におけるエポックメイキングといえば、(おそらくは)『Tactics II』の発売に前後する、複数レベルの章番号を活用した階層的な文章管理手法の登場ですが、文章を「章」や「節」で分割していくのは論文のテクニックなので、そちらからの流用なのでしょう。

ルールブックの参照、検討、議論においても、論文と同様に章番号が有効であるという気付きが、どこかであったわけですね。

章番号の起源をもっとさかのぼると聖書になってしまう気もしますが、このあたりは本論ではないのでおいておくことにします。

でもまあ、ルールブックの体裁というものが、ここ60年ばかり劇的には変わっていないという点に関しては、同意いただけるのではないかと思います。


ところがここ数年、大きな変化ではありませんが、ちょっと新しい表現手法を採用したルールブックを見るようになりました。
というわけで今回は、読んでいて印象に残ったルールブックをいくつかご紹介したいと思います。


英文88ページと、とんでもない物量を誇るマニュアルなのに、実際に読むと意外な軽さに驚きます。
普通の作品では省略するような定義や手順を丁寧に、厳密に記述しているがゆえにこの物量になっているのであって、圧縮して表現できることをあえて圧縮していない感じ。

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各章の頭に「ベテラン向けサマリー」というものがあり、「ベテランはここを読み飛ばしてもいいよ」とか書いてあるのが斬新です。
とにかくあらゆることが明快に書いてあるので、非常に迷いにくい。

コンサバなスタイルのルールブックの完成形じゃないでしょうか。
本作は、慣れればチャート1枚参照するだけですべてのプレイが可能なシンプルな作品なのに(口頭インストも1時間程度)、なんと50ページ弱のルールが付属しています。
全部ひっくるめると、タウンページのごとき厚みになりますね。

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ルールブックなのでルールを記載するのはもちろんなのですが、そのコンセプトや実際の適用を豊富な図版で事細かに説明しており、図版の割合が半分近くを占めています。
また1ページで1項目を説明するのが原則となっており、同じページに複数の項目が詰め込まれていないのが大きな特徴になっています。

こういうレイアウトの冊子は、はじめにキッチリ台割を作り込んで、どのページにどの項目を落とし込むか設計しておかないとできないですよね。
多くのルールブックのように、まずは必要な記述を流し込み、あとは折丁に合わせてデザインノートをつけるみたいな作り方はしていないはず。

見出しの立て方にも特徴があり、単なるルールの要約ではなく、記憶すべき重要なフレーズになっているのがミソかと。
キャッチを疑問形で立てているのも上手いですね。

しつこいほどの図版、テーマ性の強い見出し、そしてカラフルでデカい字。
読んでいる感覚としては、一昔前に流行ったワードやエクセルの入門書に近いものがあるんじゃないでしょうか。

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目次のレイアウトにも個性が強い。

機会があってSKの世界に入門してみましたが、初見の印象としては読みにくい。とにかく読みにくい。
ASLを含めたファミリー全体では、世界でもっとも査読されアップデートされているルールのはずなのに、初出の用語で用語を説明するといった、初見殺しの箇所が目に付きます。

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三段組で、冒頭からみっちり書かれる用語の洗礼。
慈悲も図版もない。

ところが実際にプレイしてみると、リファレンスとして非常に優秀であることに気づきます。
要はリファレンス機能に重点を置いているわけです。

そのため、ルールのコンセプトに関しては別途チュートリアルが出ており、そちらを読むことが推奨されています。
こういう思い切りの良さも、ルールブックには必要な要素かと思います。
『The Last Hundred Yards』シリーズも同じようなルール構造なので、やはりLOSとか地形とか、複雑であるがゆえの宿命なのでしょうか。

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LHYシリーズの教科書ガイドことBasic Training。オススメです。

ちなみにルールブックとしての読みやすさと、リファレンスとしての機能を上手く両立させることを狙い、基本的なルールの流れを説明する「ルールブック」+細則について個別に記載した「リファレンスブック」という構成にしている例も見ますが、必要な情報が分散しているため、あまり読みやすくはありませんでした。

複雑なウォーゲームの場合、プレイ中にルールブックを参照することが多いため、いかに必要な情報を素早く探し出せるかが重要ということを痛感させられます。

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なんと冒頭に小説というか、イメージストーリーのようなものが書いてあります。
こういうイントロは・・・アリですな!

ユーロではたまに見るけど、ウォーゲームでははじめて見ました。
小説とまではいかなくても、マニュアルポエムは大好物なので、積極的にどんどん増やしていただきたいと思います。



ついでなので、具体的な名前は挙げられないのですが、ダメな意味で記憶に残ったものをいくつか。

4人がフルに知恵を絞っても、正しいシークエンスはおろかセットアップすらわからなかった作品A。
おそらくデザイナーさんの頭の中にはきちんと機能するルールがあるのでしょうけど、それを文章化することに、致命的なまでに失敗しています。
誰もルール査読しなかったの? という意味で、ものすごくびっくりしました。

「まったく同じことが3回書いてある! しかも違う章に!」と読んだ全員に言わしめた伝説の作品B。
まったく同じことが3回も書いてあるんですよ、しかも違う章に。
おかげで80ページ超あるけど、半分は無理でも60ページには圧縮できると思う。
なにせまったく同じことが3回も書いて・・・もうやめよう。
(↑冗談抜きで、こんな感じの構成です)

ゲーム中の特殊なコマや機能を表す用語として、普通にラテン語が用いられている作品C。
相当な教養がないと、意味が分からないどころか正しい読み方すら分かりません。
正しい読み方や意味を理解をさせることより、歴史的な正確性や雰囲気を重視しているのだと思いますが、とにかくルールが頭に入りにくいので困ったところ。

この手の作品は意外と多くて、たとえばGMT Gamesの『The Barracks Emperors』のカードタイトルには、がっつりラテン語が使われています。
まあ同作の場合、カードタイトルを読む必要がないので、プレイアビリティには影響ないですけど・・・。

初出の用語で初出の用語が説明されおり、あまつさえ循環参照になった作品D。
ルールブックさん「10.6 リットについて: オフチョベット[12.1]したテフ[14.2]をマブガッド[8.3]してリットにします」
僕「うーん、オフチョベットの説明がないから、リットの意味がいまいちピンとこないな。[12.1]を参照してみるか」
ルールさん「オフチョベットは、テフをリット[10.6]したものです」
僕「おい!」

タイムマシンでやってきた未来の自分に、タイムマシンの作り方を聞くような話でございました。


最後に、ヤバいマニュアルを見たときに口を突いて出るさしすせそ。

 索引がついてないじゃないですか!
 シナリオブックにもエラッタあるんですか?
 すごく分かりやすいけど、大事なことは書いてない!
 セットアップの説明からしてダメ。
 その疑問に対するルールは存在しない。

ではまた来年

Dawn's Early Light (Lock 'n Load Publishing) 「夜明けに輝くは」

冷戦期NATOとWPの衝突を描いた架空戦の『Dawn's Early Light』やりました。
攻めるWPが3個師団、守るNATOが2個師団を指揮して戦う大隊規模のタイトル。

世界設定はWaWタイムラインだと思いますが、詳細は書いてないのでわかりませぬ。

ハーフマップの手ごろなタイトルなんですが、シューティングゲームのボムのように強烈な効果を持つアセットチットの存在や、殴る側が物凄い勢いで溶けていく独特の戦闘メカニズムもあり、非常に面白い作品。

サポート誌で発表されたミニシナリオを追加した新版も出ていますが、こっちは古いやつです。
まあ、本体は同じだからいいでしょう。


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WPはアイゼンバッハの占領(フルダギャップに似た架空の地域)、スタールハンメル航空基地の占領、マップ外への突破のうち2つを達成すれば勝利。

WPは幸先よく、薄く戦線を引いた米軍の戦車大隊をケミカルウェポンで吹っ飛ばして突破する体制に。

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なぜならスタールハンメル方面は戦線正面が狭く、性能的にも優れた西ドイツ第1装甲師団が待ち構えているから。
これは無理じゃろ?

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4個大隊が突破し、増援のソ連師団もアイゼンバッハに襲い掛かる体制。
これは・・・マジでやばい。

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スタールハンメルを郷土防衛隊のパットン戦車に任せ、レオパルトがソ連の側面を突く。

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だがそのころ、航空基地にはソ連の空挺が降下していた。順調に守りすぎたがゆえに、前線との連絡を断たれる守備隊。

しかもマルダーじゃなくてゼルダを装備した郷土防衛隊ですよ。
空挺が来るかどうかはアセット次第なので、少し油断していました。

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怒涛の砲撃アセットを食らって瀕死のアイゼンバッハに、BMPの歩兵大隊が突撃する。
しかし包囲する側のソ連も、度重なるガンシップ攻撃でボロボロ。

どうなるソ連?
(LnL先生の次回作にご期待ください)

1812! (Compass Games) 「フェリーとバトーとトランスポート」

米英戦争をテーマにした、Compassの準新作『1812!』をやりました。

この手のやつだと水上戦か陸戦のどちらかを抽象化するのが一般的だと思いますが、あえて細かい水陸連携描写をやるのが面白いところ。
陸上部隊が水上移動する方法が3種類もある・・・。

なんとなくEmpire of the Sunを思い出しました。
マップが2枚で横に広いので、湖で艦隊がエンゲージするのもなかなかに大変ですね。


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イベント攻勢で英軍がフォートマッキナックを占領。
イベントによる誘導は割と強めですかね。


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補給制限がキツくて、フォートマルデンを攻めあぐねる米軍。

喫水の浅いガンボートで河川に沿って走る道路の補給を切る戦術が強いのですが、それをやられたらやられたで、アボルダージュでガンボートを焼けたりします。


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いつもながら、守る場所が多いくせに兵力が足りないナイヤガラ戦線。
先に動いた方がやられる!


というわけで、だいたいの流れは分かったので、また次回。

Red Winter (GMT Games) 「野戦服と機関銃」

ひさしぶりに冬戦争のトルヴァヤルヴィ戦をテーマにした、Red Winterやりました。

やっぱりこれはいいですね。
射程やLOSの概念がある中隊規模のタイトルなんですが、戦線の押し引きに独特のリズム感があって、いろんなドラマが生まれます。

ただし、攻める方にも守り方にも独特のテクニックが必要で、初見だとなかなか難しいかもしれません。
ソ連側は進撃路が限られているうえに狭いので、凍結した湖の上を進軍する必要があるのですが、湖の上で殴られると4シフトという冗談みたいな補正がかかるので、オッズ1:2があっという間に4:1ですよ。

あとT-26が鬼神のごとき働きをするゲームって、ちょっとほかにないんじゃないでしょうか。


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序盤の争点であるヘヴォサルミ橋失落。
ソ連が歩兵中隊2つをスタックすると、氷上に進出しても5ヒットくらいはギリギリ耐えられるので、氷上の部隊を叩いて戦線を死守するか、撤退するかの二択を相手に強いることができます。

フィンランド側もあんまり攻勢に出ている余裕はないですし、ソ連が火砲をバカスカ撃ってくると、低確率とはいえ、制圧される可能性があってけっこう危ないです。

でも大丈夫、氷上での戦いはワイルド・スピード ICE BREAKで学習した。

2023-11-23 16.00.45
補給路が設定できないトルヴァヤルヴィを直接強襲することはないと思いますが、無防備にもできないので自転車部隊が薄く守備。

湖が凍るほどの厳冬なので、さすがに自転車は装備してないと思いますが。


2023-11-23 16.01.07
ソ連の別動隊に、ボコボコにされるフィンランド軍。
このあと、のらりくらりと逃げているところで時間切れ。


そういえば、Red Winterのシリーズの話になって、現場ではすっかり忘れていましたが、『Operation Dauntless』ですね。
今後の企画としては、『Red Winter 2』と同様に『ガダルカナル』の名前も挙がっているようですが・・・。

Downfall: Conquest of the Third Reich (GMT Games) 「ハードマップを買うべきか」

Downfallまたしても。

オプションのハードマップを使用しましたが、いい感じですね。
ソフトマップだと重要な戦線が折り目の上を通っていたりして、あっちこっちで崩落事故が起こるので。
でもまあ、あれを2枚持ってあるくのは本当に大変そうだ。

2023-11-06 16.49.13
意外としぶといOKH。
ソ連側の増援にさほどの爆発力がないこともあり、実質的に戦線を支える力があります。
ソ連としては、とにかくステップ数の損耗で優位に立たないとダメですね。
43年後半まで、余計なリスクを取らなくてもいい気がします。

2023-11-06 16.49.18
OKWは北アフリカから駆逐されましたが、イタリア降伏のトリガーには間に合わなかった模様。

イタリア防衛には、ドイツ軍が最低でも2個必要(メッシーナとナポリ)に思えますが、1個は北アフリカから早期撤退させるとして、もう1個はどうしますかね?
悩ましい。

Downfall: Conquest of the Third Reich (GMT Games) 「シンプルだけど終わらない」

2023-10-12 16.47.09
新作のDownfallやりました。
いつ以来でしょうか?

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基本的なルール自体は、テストプレイキットとほとんど変わっていない印象を受けます。
前回の感触だと1ターン5時間、キャンペーン終了までに40時間という計算でしたが、相当に熟練してノータイムで判断を出せるようにならないと、公式が言うところの1ターン2時間の線は難しいんじゃないでしょうか。

ぶっちゃけ、1アクション3分とかでやらないと無理なのでは?



出し惜しみして申し訳ないのですが、詳細は紙にて。

Stalin's War (GMT Games) 「第6軍の生還」

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前回までのSW。
スターリングラードを伺う第6軍だが、ショックアーミーの登場でモスクワ前面の攻防にケリをつけた赤軍増援が、包囲の輪を縮めつつあった。


ということで、第6軍スタックはアグレッシブに弱体なスターリングラードを強襲して占領。
すかさず大増援で締め上げる赤軍でしたが、さんざん居座ったうえ、1本だけ残った補給路を使って悠々撤退されましたとさ。
何回も補給切れになりつつ、結局は自力で突破していったのが凄い。
特大の釣り針をつついて、エサだけ持っていった。

ただし、その間に中央部で別のドイツLCUが包囲壊滅していたのは内緒。

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44年春終了時点での状況。
ソ連がバラけているのは、増援出したり突破した後に戦線整理してないからですね。
たるんどる。

南部は弱体なルーマニア軍スタックを突いてドニエプルを渡河し、オデッサ方面に包囲のプレッシャーをかける狙い。
イタリアでムッソリーニ政権が崩壊して装甲が引き抜かれ、ドイツは一気に苦しくなりました。

しかし満を持して実施されたバグラチオン作戦は、カウンターイベントにより不発。
なぜ・・・

2023-10-07 17.16.06
ドイツはいい位置で守ってますけど、素直にミンスク、ワルシャワ、上シレジアの攻略線で進めて正解じゃないですかね。
海沿いの攻略はいろいろ面倒なので。

ソ連の優位は圧倒的ですが、時間もさほど残っていないので、勝てるかどうかはイベントの引き(特にオーバーロード作戦)にかかっているんじゃないかと思います。


今回のご教訓。
・パルチザンを活用できる機会はそんなにないので、あまり出し惜しみしないで活性化してよいかと思う。
・リシャッフル後の再ドローを期待するのは、戦略としてちょっと危うい。
・ソ連は出さなくても良い増援カードがある。


またやる。

2040: An American Insurgency (Compass Games) 「アメリカまっぷたつ」

何をしていたのか?

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まあ『2040』ですね。
またアメリカが分裂しちゃう!

ちょろっと書きましたが、基本はCOINシリーズとLabyrinthのキメラ。
詳細は某誌で紙になるので、よろしければご覧ください。

2023-09-04 21.59.08
ジョージ・パットン7世が出てきて、反乱軍を掃討します。
落ち着いてください。だいたいこういう味付けです。

2023-09-04 14.16.17
箱が派手に割れてたので、いつもの補修しました。



2023-09-12 16.48.58
チャデク先生の新作『Aegean Sea』もやりました。
PnPと変わっている部分はなさそう。
ついでに言うとデザインもシンプルなまんまですね。

バランス的に飛ばしてる部分もあるけど、けっこう好き。


2023-09-12 15.25.46
『応仁の天下』
「ヒストリー・オブ・ザ・ワールドに外れなし」のお言葉をいただきました。
面白いです。

前後半の2部構成で前半の手札をドラフトするんですが、後半にドラフトしないのはなぜなのだろう。
展開の意外性を高めるためかな。


あと、カバーアクションシューターの金字塔ことDivision2の新シーズンが始まったので、ひたすらダメな人間になっていました。

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(強カバーを取っていたら、後ろから敵がスポーンしてきたときのイメージ)

NATO DSE (Compass Games) 「冷戦は熱を帯びて」

NATOのDSEやりました。

1日かけて半分といったところでしょうか。
増援が到着して戦線は落着きつつも、互いに損耗が大きくなり新しい展開に入ったところ。
除去されたユニットの補充が一切ないので、このあたりの状況変化は面白いかと思います。

とにかく航空攻撃が圧倒的に強いのと、3対1程度のオッズでは攻撃側にリスクが高い調整もあって、ほかにないプレイ感じゃないでしょうか。

「元のNATOは売れたけど、自分では好きになれなかった」みたいな書き出しではじまるデザインノートも必見。

2023-09-16 16.33.37
ポーランド軍による北部の攻勢は概ね順調ですが、これからハンブルクとデンマークの攻略なので、なかなかに大変。

2023-09-16 16.33.40
バルトの海兵隊はどうした?
コペンハーゲン強襲に失敗して壊滅。再編成ののち半島に空挺降下。
やっぱり、初手コペンハーゲンは悪手ですね。失敗の確率が無視できないくらい高い。

2023-09-16 16.33.47
フランス軍と共同してチェコに圧力をかける米軍主力。
アメリカの対戦車ヘリは防衛戦に強いので、なかなかに厄介です。

2023-09-16 16.33.52
3818ヘクスの西ドイツのハイスタックに注がれる熱視線。
戦術核の恰好の標的ですが、使うごとにサドンデス敗北のチェックが入るので難しいところ。
報復で戦車師団か司令部を持っていかれるのも確実なので、どうしたものか。



作戦級として抜群の面白さなので、またやりたいです。

Amateurs to Arms! (Clash of Arms Games)「原野に道路を造るべし」

米英戦争キャンペーンのカードドリブン。
南はフロリダまで入っていて、クリーク戦争の要素を取り込んでいるのが特徴でしょうか。

150枚近くのカードを1デッキにまとめるシステムなので、非常に重要なイベントであっても史実通りに発動するとは限らない・・・というのが、なかなかに難しいところ。
ドローによる揺らぎは、それなりに大きそうですね。

2023-09-03 12.18.15
五大湖周辺は静かな展開。ただし、フォート・マルデンとデトロイト周囲の小競り合いは終始きな臭い感じに。

相手の戦力は戦闘で当たってみない限り不明ですし、当たって負けると悲劇的なことになるので、互いになかなか積極的になれないですね。

2023-09-03 16.55.58
クリーク戦争は、とにかく原野を切り開いて戦場にたどり着くまでが大変だった模様。
理由は、米軍最優秀指揮官の1人であるアンドリュー・ジャクソンが左遷されたから。

アンドリュー・ジャクソンがいつまでたっても出で来ないこともあり得るので、そういう場合も含めてなかなか大変ですね。
かといって原住民の反乱を放置してしまうと、あまりにもペナルティが大きい。

2023-09-03 16.56.06
どこが変わった? 何も変わっていない。
3年間、築城しかしない米軍と、コストの安い現地兵だけを投入する英軍のやる気のない戦い。

特に英軍はイベント以外で正規兵を動員する手段がないので、リスクを取ることがなかなかに難しいのであります。

2023-09-03 18.40.35
よーし、この正規軍のハイスタックで米軍の東部諸州を火の海にするぜ!
(なお緊急動員の民兵にボコボコにされた模様)

戦闘システム上、民兵と正規兵の戦力評価にさほど違いはないというのが大きな特徴だと思います。
1d10で解決するせいもあって戦闘におけるダイスロールの揺らぎは大きく、民兵の緊急動員数もダイスロール一発で決めるので、とにかく波があります。
何もない都市に正規軍のフルスタックが進入して、緊急動員民兵に負けるという事態も、ない話ではないです。


さて、結論としては大変面白いけど難儀なところもあるというのが正直なところでしょうか。
まずマニュアルの精度があまり良くなく、細かい処理に入ると具体的な手順に不明点が多いですね。
カード用語の揺らぎも多く、マップ地形要素の説明も不十分。

手札枚数に上限がなく、任意の枚数のカードを次のターンに持ち越せる点にも、少し違和感があります。何枚のカードを持ち越してもドロー枚数に影響がないため、双方の陣営が大量のカードを抱え、いざ戦闘が起こるとリアクションカードが乱れ飛ぶことになります。
そのため攻撃が、非常にリスクの大きい行為になっています。
とにかく、攻撃の成否を計算できないです。

手札上限を設けるか、持ち越し枚数に制限を加えればいい気もしますが、普通のメカニズムにはしたくなかったということなのでしょうか。



米英戦争マラソンも、次はいよいよCompassの1812になりますでしょうか。
マニュアル40ページですけど・・・。

Victory in Europe (Columbia Games) 「遅すぎたD-DAY」

またやりました。

1日で終わったとはいえフルに9時間はかかって疲労困憊したので、まああんまり無茶はいかんかなと思う次第です。

今回の外交状況としては、ノルウェーが連合側参戦、トルコとスウェーデンが枢軸側参戦、フィンランドが中立といったところ。
スウェーデンの鉄鉱石をめぐる小競り合いはありましたが、トルコは終始穏やかな感じ。

ドイツがトルコ方面からコーカサスを食い破るにはそれなりの戦力が必要なので、そんなことやってる暇があったら戦線を正面から押した方が効果的な気もします。


2023-08-27 16.56.02
終盤、ワルシャワに楔を打ち込むジューコフ。
チェコで東西の戦線が連結しましたが、ベルリンを完全包囲するには至らず。

2023-08-27 16.56.04
フルスタックでノルマンディに上陸する連合。
ベルリンまでやや遠いので、ベルギー直撃でも良かったですかね。

2023-08-27 19.01.10
最終局面。要塞都市ベルリンがカッチカチ。

2023-08-27 19.01.12
第一波が撃退された瞬間。

2023-08-27 19.01.26
第二波の成果やいかに・・・(ジューコフ先生の次回作にご期待ください)

Space Empires 4X (GMT Games) 「はるか彼方の銀河で」

2023-08-19 15.06.04
SE4Xやりました。

SFテーマの4Xゲームをアナログで再現する作品。
同種のゲームは多々あると思いますが、ストラテジー専門パブリッシャーならではのきめ細かいルールと複雑なテクノロジーツリー、豊富な拡張が特徴じゃないかと思っています。

まあテクノロジーの優劣というのは、だいたいジャンケンのような関係性なので、なるべくその選択肢が多い方が面白いということじゃないでしょうか。

ひたすら内政と開発に励む序盤、エンタープライズのような探査巡洋艦を送り出して深宇宙のルートを探る中盤、開拓された航路から艦隊を送り込む終盤という流れもまたいいですね。

ちなみに今回はバニラでの対戦。
正直言って、拡張1「接近遭遇」ではナーフされている機雷戦術と大艦巨砲ルートがやや強いので、どうするか悩みました。

クローキング艦は、相変わらずあんまり収支バランスが良くないなぁという印象。
機雷でもある程度は止められますし、防御が弱いので割と脆弱。
MSパイプライン(通商路)を寸断できるような良い位置関係にあるかどうかが、投入の判断基準でしょうか。

拡張2「レプリケーター」と発売迫る最終拡張もやりたいので、またいずれ。
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