2011年01月10日

別字衝突

字体が偶然一致してしまうこと。

別々の字種なのに字体が一致してしまうことを、別字衝突といいます。

身近な例では、「芸」の字があります。
日本語で一般に使われる「芸」の字は、「ゲイ」と読み、「藝」の字の新字体です。
しかし元々、中国語で「芸」の字は「ウン」と読み、「蕓[艸*雲]」の字の簡体字です。
「芸香」と書けば、日本語でも「うんこう」と読み、ヘンルーダという植物の名前になります。
中国語で「藝」の字の簡体字は、「艺[艸*乙]」と書きます。
「ウン」と読む「芸」の字の草冠を真ん中で切り離して書くことで両者を便宜的に書き分けている書物もありますが、厳密にはそのような区別はありません。

このように、異なる漢字が同じ字体になってしまった例が、他にもあります。

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Posted by nrudt at 22:52Comments(0)TrackBack(0)言語、コトバブックマークに追加する

2011年01月02日

服忌

親族の死で、喪に服すること。

喪中でいることです。
「ぶっき」と読みます。

「服」の字には音読みが「フク」「ブク」とあって、「ブク」と読むときには喪に服していることを意味しています。
服者ぶくしゃ」と書けば、喪に服している人のことです。

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Posted by nrudt at 22:47Comments(2)TrackBack(0)社会事象一般ブックマークに追加する

2010年05月22日

ボックスカルバート(box culvert)

ボックスカルバート断面がボックス型の鉄筋コンクリート地下通路。

道路や鉄道などの下を通る、断面が四角形になっている鉄筋コンクリート製の通り道を、ボックスカルバートといいます。
略して「BC」!

カルバートは、直訳すると「暗渠あんきょ」となります。
地下通路とか、排水溝のことですね。

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Posted by nrudt at 23:41Comments(1)TrackBack(0)道路関係ブックマークに追加する

2010年04月10日

則天文字

則天武后が創作した漢字。

西暦690年、中国の歴史上唯一の女帝とされる、武則天が皇帝となりました。
彼女は、権力を誇示するため、あるいは個人的な好みや考えのため、漢字を新たに創作し、これを使用するよう国民に強制しました。
これが、則天文字と呼ばれるものです。

則天文字は、武則天が退位した後には使われなくなり、中国には残りませんでした。
しかし、日本などの外国に伝わったものが、今も残っていることがあります。

有名なところでは、「圀」の字が則天文字です。
水戸黄門こと「徳川光圀」の「圀」の字です。
この字は、二つの説がありますが、「国」の旧字体「國」の中にある「或」が、限られた領域を表すため、または「惑」に通じるために不吉と考えられ、代わりに「八方」を中に入れて作られた漢字といわれています。
それが日本に伝わって、使われたものが今も残っているわけです。

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Posted by nrudt at 14:41Comments(0)TrackBack(0)言語、コトバブックマークに追加する

2010年02月24日

ラブハラスメント(love harassment)

恋愛や結婚に関する考え方を押しつけること。

日本語には、多くのハラスメント(嫌がらせ)があります。
人を性的に不快にさせる、セクハラ(セクシュアルハラスメント)。
職場などの権力関係を利用して嫌がらせを行う、パワハラ(パワーハラスメント)。
飲酒を強要するなど、アルハラ(アルコールハラスメント)。
人のいる場所で喫煙するなど、スモハラ(スモークハラスメント)。
血液型で人の性格を決めつける、ブラハラ(ブラッドタイプハラスメント)。
カラオケを強要する、カラハラ(カラオケハラスメント)などなど。

日本人は、他人に迷惑をかけることには敏感なのでしょうか。
そしてここにもう一つ、ラブハラ(ラブハラスメント)が加わります。

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Posted by nrudt at 21:44Comments(0)TrackBack(0)人間と行動と精神ブックマークに追加する

2010年02月14日

IDS(Ideographic Description Sequence)

既存の漢字を組み合わせて別の漢字を表現する方法。

Unicodeには多くの漢字が含まれていますが、それでもどんな漢字でも表示できるわけではありません。
そこで、Unicodeに収録されていない漢字をコンピュータ上で表現するための手段として、既存の漢字を組み合わせて別の漢字を表現するという方法が編み出されました。
それが、IDSというものです。

方法としては、以下のような記号を使用して表現します。
「⿰⿱⿲⿳⿴⿵⿶⿷⿸⿹⿺⿻」
これらの記号は、IDC(Ideographic Description Character)、日本語で「漢字構成記述文字」と呼ばれるものです。
(Unicodeが表示できる環境でご覧ください。よく分からない方は筆者までご一報ください)

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2010年01月21日

返報性

お返しをしなければと思うこと。

人間が持つ心理の一つに、返報性の原理というものがあります。
人から何か良いことをしてもらったら、何か同等のお返しをしなければと考えます。
この心理を、返報性の原理あるいは互恵性の原理といいます。

人に借りを作ったままでは納得できないという人もいるでしょうし、自分に関わってくれた人には幸せになってほしいと考える人もいるでしょう。
心理的なプロセスは人それぞれでしょうけれど、たいていの人は何かしてもらったらそれと同程度あるいはそれプラスマイナスいくらかのお礼をしたいと考えるものです。
人から何かしてもらうことに慣れて当たり前と思い込んでしまい、何も返そうとしなくなってしまった人もいるかもしれませんけど。。。

自分に好意を持ってくれている人に対しては、好意的に接しやすいですよね。
自分に好意を与えてくれた人には、好意をお返ししたくなります。
逆に自分に敵意を持っている人に対して好意的に接するのは、仕事でやらなければならないときもあるでしょうけど、かなりしんどいものです。

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2010年01月20日

一日一チベットリンク運動

ブログや日記サイトでできる、ちょっとした運動。

(参考リンク:一日一チベットリンク / Eyes on Tibet 運動 - アンカテ
ブログを書いている人に、しばらくの間、一日に一つ、なんでもいいからチベット関係のURLにリンクしようという運動を提案したい。
別にチベットについて書く必要はなくて、エントリ本体は普段通りにいつも書いていることを書いて、最後に何か一つリンクを貼るだけ。「一日一チベットリンク」か「Eyes on Tibet」と添えて。


チベットについて、何となく気にはなっていても、だからといって何か大きな行動を起こすほどの精神的余裕や経済的余裕はないという人はいると思います。
そんな人が、何もしないよりは、毎日少しずつでも何かできることがあれば、という思いを満たすための手段の一つが、ここに提案されています。

普段から書いているような記事の最後に、チベットに関するリンクを一つ貼るだけ。
リンク先は厳選する必要はなく、とりあえず見つかったものを貼ればいいのです。
そこに強いメッセージを添えるでもなく、ただ緩い関係性の中でまったりと、チベットについて一人でも多くの人に知ってもらえる機会になれば有意義ですよね、というもの。

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2010年01月11日

把握可能感

SOCの構成要素の一つ。

SOC(sense of coherence)という概念が提唱されています。
日本語では「首尾一貫感覚」と訳され、心理的ストレスに対処できる能力を指します。
SOCの指標が高い人ほど、ストレスに負けず健康的に生きられると言われています。

このSOCは、次の3つの下位概念から構成されています。
1. 把握可能感・・・何が起こっているのかを理解できる(と思える)かどうか。
2. 処理可能感・・・降りかかった出来事を自分で処理できる(と思える)かどうか。
3. 有意味感・・・・自分のやっていることに意味がある(と思える)かどうか。

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Posted by nrudt at 01:17Comments(2)TrackBack(0)人間と行動と精神ブックマークに追加する

2010年01月06日

コミュニケーションメディア(communication media)

いつまでも完結しない目標。

完全に達成したと言える状態に永遠になりえない目標や課題のことを、コミュニケーションメディアといいます。
(参考リンク(PCのみ):コミュニケーションの連鎖による創造 - 慶應義塾大学
「コミュニケーション・メディア」は、コミュニケーションの成果の不確実性を補強するメディアであり、ルーマンは、このメディアの重要な例として、真理、愛、所有権/貨幣、権力/正義をあげており、このほかにも、宗教的信念、芸術、基本的価値も含まれる。

例えば、人を愛すること。
どれだけのことをすればその人を愛していると証明できるなどという線引きはなくて、愛し続けている限りその気持ちを相手に伝えるためにあらゆる試行錯誤を繰り返して万策尽きることがないわけです。

例えば、強くなりたいという願望。
完璧な人間などいなく誰でも何かしら人より劣る要素や克服したい要素を持っていて、そういう点をなくそうと努力することは生きている限りいつまでも続けることができます。

例えば、「確かな学力」。
これからの時代に生まれ育つ子どもが身に付けるべきとされる「確かな学力」(知識や技能に加えて、学ぶ意欲や自分で課題を見付け、自ら学び、主体的に判断し、行動し、よりよく問題解決する資質や能力等まで含めたもの)ですが、これが身に付いたといえる最低条件があるわけではなく、いつまでも継続的に向上心を持ち続けることが要求されているように受け取れます。

コミュニケーションメディアを持つことで、人は永遠にその目標とコミュニケーションを取り続けることができるわけです。

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Posted by nrudt at 00:06Comments(0)TrackBack(0)人間と行動と精神ブックマークに追加する