小保方晴子さんへの不正な報道を追及する有志の会

私たちは小保方晴子さんへの人権を無視した科学的根拠に基づかない不当な報道に抗議する、有志の会です。 小保方晴子さんへの不当な報道について抗議、糾弾するとともに、その背景、責任を追及して行こうと行動を起こしました。

「婦人公論」1月24日号より、「あの日からの記録」ということで「小保方晴子日記」の連載が始まりました。
http://www.fujinkoron.jp/number/003522.html

まだまだひとりで外出も出来ない状態は続いているようですが、「何かを始めたい」と一歩を踏み出した小保方晴子さんに有志の会からもエールを送りたいと思います。皆様からも温かい声援をよろしくお願いします。

※本エントリーでは、小保方さんへの応援コメントのみ受け付けます。(議論不可)
2017年1月7日


【2018年3月13日更新】
 本日3月27日号が発売されました。今号で最終回となった小保方晴子日記は、2016年2月19日から3月24日までの出来事が書かれています。この年の1月末に手記「あの日」が出版されてから色んな人達から様々な反応があった中で、瀬戸内寂聴氏との対談のオファーがあり、寂聴氏が婦人公論の中で書いた小保方さんへの手紙を読み、一連の騒動で凍り付いていた心が溶け出したところで日記は終わります。「あの日」を書いたことで瀬戸内寂聴氏との出会いのきっかけとなったことが、小保方さんにとって何よりも大きく大切なことだったのかも知れません。こうして新たな一歩を進み始めた小保方晴子さんの次のステップは……

 3月22日には、連載された日記に大幅加筆されたものが304ページの単行本となって出版されます。http://www.chuko.co.jp/tanko/2018/03/005064.html


【2017年12月12日更新】
 本日12月26日号が発売されました。2015年11月2日から11月14日までのことが書かれていて、その中で、小保方さんが翻弄された見えない大きな力について触れられています。

『11月3日(火) 間違って私の元に送られてきて、たまたま入手した書類から、今回の学位はく奪の決定は早稲田大学よりさらに上の外部機関の意向も強く反映されていることも伺えた。(中略)
 そもそも私の理研への就職、論文発表の記者会見、検証実験までその組織からの声がいろんな形で反映されてきた。でもその組織の名前が出ると「そんなところまで直接関わってくるの?」と皆一様に驚く。私だって名前を知ってはいても、人生を左右されるほどの接点ができるとは思わなかった。当事者でも若手の私には交渉する余地などなく、ただ決定事項に従うしかなかった。表に出ない思惑が多すぎた今回の事件。重要なことは隠され、つぎはぎの情報から作られた間違ったストーリーばかりが先行してしまった。私自身、その組織の関与について言及しなかったのは、誰かに言ったところで解決できない、と思っていたのかもしれない。
 私個人に国民の非難を向けることで得られる、目くらまし効果などの利益を考えると、私一人の人生なんてどうなってもいいと判断されてしまうのだろう、と冷めた気持ちになる。』


【2017年7月25日更新】
 本日8月8日号が発売されました。2015年6月2日から6月7日までの出来事が書かれていて、入院中の最悪な体調の中で博士論文再指導の打ち合わせが始まり、早稲田の生命医科学科の「強硬に反対している先生たち」によって合格の見込みのない形ばかりの修正作業となることを知ることとなります。そしてちょうど同じ時期に大手新聞社から手記の提案がありました。『昨日連絡して来た新聞社から、系列の出版社から手記を出す提案とその章立ての提案が来た。』(6月5日)

 この「昨日連絡して来た新聞社」からは、小保方さんはこのような話をされています。
『6月4日(木) 某大手新聞社から、これまでの私に関する報道を覆すような内容の記事を7月2日に出す予定だという連絡があった。その記事が出れば、理研が請求している60万の支払いも、私にだけ求められている博士論文の再審査もいかに不当であるか、社会は理解するだろうと伝えられた。
 記事の内容は衝撃的で、全国版の一面を大幅に割いて掲載される予定。確実に嘘をついている関係者がいることと、その人の責任について記事にしたい。取材は独自に進めてきたもの。記事を事前に見せることは出来ないが、小保方さんにとっては必ず救いとなるものである。小保方さんを陰から攻撃していたその関係者からは、新聞社にも小保方さんを追い詰めるための情報提供がたくさんあった。その人は社会から責任を追及されるはず。(後略)』

 しかし実際には「嘘をついている関係者」のことが報道されることはありませんでした。大手新聞記者の独自取材によるスクープも、上の判断でボツにされたのでしょう。手記出版も新聞社系列ではなく講談社から出されることとなりました。

【2017年5月23日更新】
 本日6月13日号が発売されました。2015年4月14日から5月18日までの日記が掲載されています。
 2015年3月20日と3月24日のNHKの悪質な印象操作報道(有志の会より
公開質問ー未回答)に対して弁護団から抗議文が出され、小保方さんの体調について「ダメージを受けて動けない状態」と伝えられていましたが、その頃の小保方さんの様子が記されています。

『小保方さん弁護団がNHKに抗議文――代理人「本人はダメージを受けて動けない状態」』
https://www.bengo4.com/other/1146/1307/n_2921/

 薬の副作用などもあり本当に最悪の状態になっていて、4月26日から入院することとなり、そういった何も考えられないような状況の中で刑事告発受理のニュースを知り、早稲田からは博士論文再提出についての話を聞くことになり、理研のメールアカウント停止に伴う転送作業をすることになったとのことです。この中には調査委員会に提出していたら事態は違っていたという「証拠メール」もあったようです。


 次号は2017年5月現在の日記が掲載されるそうです。

【2017年2月28日更新】
 本日3月14日号が発売されました。2015年1月11日から1月24日までの毎日、辛い日々が3ページにわたって掲載されていますが、近況報告もちょっとだけあります。

『「2017年2月4日 立春。紅葉の枝の先が膨らんでいた 。寒い冬の間、あなたはただ休んでいたわけじゃなかったのね。』(小保方晴子日記「最近の私」より)

  
NHKから受けた人権侵害もBPOによって救済されました。
 春はもうすぐそこまで来ています。 

STAP報道の人権侵害勧告について、在京キー局との意見交換会が行われ、BPOホームページでその内容が公表されました。NHK側は人権侵害の再発防止勧告を受けた番組の印象操作についてこんなことを言っています。

『申立人が主張してきて初めて、ああ、そういうふうに見られているのだということが分かった。』
http://www.bpo.gr.jp/?p=9201&meta_key=2017


 NHKは悪意ある編集で人権侵害をしたことについて反省する気持ちは微塵もないようです。あれだけ悪意に満ちた番組構成をしていながら、あれほど甚大な報道被害を招いていながら、平気ですっとぼけています。

(NHK)『最高裁判決でいうと、ホウレンソウの値段が暴落しているので、一般視聴者も多分そう見ただろうと思う。ただ、今回のSTAPについては、我々はモニターからリポートを取っていて、この番組が終わった後、視聴者の皆さんからモニターを取ったが、その100件余りの中でも、要するに盗んだという決定と同じように番組を見たという人はいなかったし、そういう抗議も来なかった。申立人が主張してきて初めて、ああ、そういうふうに見られているのだということが分かった。』

 NHKがここで挙げているダイオキシン報道でのホウレン草の値段の暴落と対比されるべきは、番組放送翌日にアゴラの池田信夫氏が書いた『小保方氏はなぜES細胞を盗んだのか』に代表される泥棒呼ばわりの風評被害や、石川智久氏による窃盗罪での刑事告発(※註)という結果であって、価格暴落同様の実害(番組放送に起因する名誉棄損と、これら言われなきバッシングによるストレス障害)が起きているのに、言い訳するにもピント外れが過ぎます。結局、NHKは自分たちが犯した間違いがあまりに大き過ぎたが故に、すっとぼける他ないのでしょうか。

 NHKスペシャルで不正の黒幕扱いをされた笹井芳樹氏が亡くなった201485日には、こんなニュースがありました。

 『これまで事実に反する答えをしてきたことを率直に謝罪する。』袴田事件の証拠隠しに関する検察の謝罪)

http://megalodon.jp/2014-0805-2155-36/www3.nhk.or.jp/news/html/20140805/k10013573281000.html
 『吉田氏が済州島で慰安婦を強制連行したとする証言は虚偽だと判断し、記事を取り消します。』従軍慰安婦問題に関する朝日新聞の訂正)

http://www.asahi.com/articles/ASG7L71S2G7LUTIL05N.html

 袴田事件での検察の証拠捏造も、従軍慰安婦問題での朝日新聞の捏造記事も、ずっと前から分かっていた嘘を告白するのに30年もかかりました。NHKが自分達の犯した過ちを認めるのはいつになるのでしょうか。


石川智久氏による刑事告発は、当初は小保方氏を名指しで窃盗犯とした告発状が神戸水上署に提出されていましたが、それが不受理となった後、兵庫県警本部で「被疑者不詳」の窃盗事件に変更された告発が受理されていました。そしてその1年後に神戸地検は不起訴とし「事件の発生自体が疑わしい」と異例のコメントを出しています
http://blog.livedoor.jp/obokata_file-stap/archives/1057520851.html

 人権侵害勧告を受けてのNHKの「対応報告」に対して、BPOが「意見」を出しました。NHK側のあまりにいい加減な対応にBPO委員の方も唖然とされたのでしょう。大変厳しい意見が出されています。NHKの対応の問題点について、私たち有志の会が指摘したことがほぼ言い尽くされたものでした。
http://www.bpo.gr.jp/wordpress/wp-content/themes/codex/pdf/brc/determination/2016/62/20170703_Iken.pdf

以下全文(赤字強調は有志の会によるもの)

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2017年(平成29年)7月3日

NHKの「STAP細胞報道に関する勧告を受けて」に対する意見

 放送と人権等権利に関する委員会 委員会は、「STAP細胞報道に対する申立て」に関する委員会決定第62号(以 下「本決定」といいます)について、当該局(NHK)から2017年(平成2 9年)5月9日付「STAP細胞報道に関する勧告を受けて」との報告(以下「本 報告」といいます)を受けましたので、2017年5月16日開催の第247回 委員会と6月20日開催の第248回委員会でその内容を審議した結果、次のと おり意見を述べます。

 

1. 本報告の位置付け

 本報告は、NHKと民放連による「BPOの設置等に関する基本合意書」 の3として「NHKと民放連加盟各社は…3委員会から指摘された放送倫理 上の問題点については、当該放送局が改善策を含めた取り組み状況を委員会 に報告し」と明記されていることに基づいてなされたものです。
 これまでNHKの「勧告を受けて」と題する報告においては、「対応や再発 防止の取り組みについて」の報告であることを明記されていたところ、本報告ではことさら「対応や見解について」と記されるのみで、本決定で人権侵 害ありと指摘を受けた点についての「再発防止の取り組み」については記さ れておりません。

 

2. 本報告の内容

 本報告は、本決定のうち番組の制作過程で生じた取材上の行き過ぎについ てはこれを重く受け止めるとし、場面転換のわかりやすさや場面ごとの趣旨 の明確化などの配慮を欠いたとの指摘については今後の教訓と受け止めると しながら、第5項で「今回の勧告についてのNHKの見解」と題し、約2頁 半を費やして、本放送が委員会の勧告で人権侵害にあたると指摘されたこと に対しNHKとしては人権侵害にあたらないと考えていること等を述べてい ます。
 しかしながら、取材上の行き過ぎについては本申立て以前にNHK自身が申立人からの抗議を受けてこれを認め直ちに謝罪していたものであり、本決定を受けるまでもなく、当然重く受け止めるべきものです。
 また、場面転換のわかりやすさや場面ごとの趣旨の明確化などの配慮を欠 いたとの点については、本決定においては、それによって人権侵害の結果が もたらされたとしているものですから、人権侵害とことさら切り離して今後 の教訓とするのでは意味がなく、それによって人権侵害がもたらされたと判 断されたこととの関係において教訓とされるべきものです。
 そして、本決定が人権侵害ありと結論した点については、本決定を真摯に 受け止めるとしながら「人権侵害をしたものではないと考えます」とするの みで、人権侵害ありと指摘された点についての「改善策」や「取り組み」に ついては何ら記されておりません。結局本報告では、人権侵害があると勧告 した委員会の結論に関しては何らの取り組みもしないとしているものと理解 されます。

 

3. 決定についての委員会の考え

 委員会決定の結論に対し放送局に異論が生じるという事態はもとより想定 されるものです。それは、申立人と放送局の立場が相いれないという前提で 申立てが受理される制度である以上、委員会の判断次第で、放送局または申 立人のいずれかに不満が残る事態は当然に予想されるからです。
 しかし、放送業界自らが自主的な第三者機関として放送人権委員会を設置 した以上、放送局は異論があったとしてもまずは委員会の判断に耳を傾け、 人権侵害と指摘された場合はそれを受けて「改善策」や「取り組み」を行う などして真摯に対応すべきではないでしょうか。放送業界自らがBPOを設 立し、そこで選任された第三者委員9名が真摯に審理を重ねた委員会の結論 を放送局が尊重しないことになれば、それはBPO放送人権委員会の存在を否定するに等しいとは言えないでしょうか。
 委員会決定に異論がある場合でも、まずは委員会決定に真摯に対応し、そ のうえで、異論があるとすればそれはなぜか、委員会と放送局の見解にどの ような相違があるのかを検討することが、より良い放送を実現していくこと に資するのではないでしょうか。しかしNHKは、後述するとおり本決定に ついての不十分な理解のもとでこれを批判するに止まっています。
 委員会の前身であるBRO・BRCが設立され、さらにBPOが設立され るに至る経緯においては、放送内容に対する法的規制の必要性が議論される状況がありました。これに対して憲法21条、放送法1条に基づく放送の自 主・自律を守るため、NHKと民放連が基本合意書を取り交わし、両者と民 放連加盟社を構成員としてBPOが設立されました。
 BPO規約第3条では、「言論と表現の自由を確保しつつ、視聴者の基本的 人権を擁護するため、放送への苦情や放送倫理上の問題に対し、自主的に、 独立した第三者の立場から迅速・的確に対応し、正確な放送と放送倫理の高 揚に寄与することを目的とする。」とされています。
 このように、放送業界全体が、自ら表現の自由を守るため、自主的な機関 としてBPOを設立して放送人権委員会を設置し「独立した第三者の立場か ら」放送への苦情や放送倫理上の問題に対処するとしていることは、NHK を含む各放送局自身が、自らの放送について第三者機関である放送人権委員 会の決定を尊重すると宣言していることを意味するでしょう。
 もし各放送局が、自ら構成員となってBPOを設立したにもかかわらず、 委員会の決定に対し異論があるときは何らの「改善策」も「取り組み」も行 わないと言う姿勢を取るのであれば、放送業界が自主的・自律的に放送倫理 上の問題に対処できないことを示すものだという批判を招くのではないかと 委員会は危惧します。

4. 本決定の不十分な理解

 NHKは、本報告書第5項において、「今回の勧告では、そうした具体的な 放送上の事実がないまま、編集上の印象を最大の根拠として、『摘示事実』を 認定し、人権侵害だと判断しています。印象という個人差があるものを軸として『摘示事実』が認定されていくことに、現場は不安を感じていますし、 現場の納得感に欠けるBPOの認定が行われると、報道の萎縮につながりか ねないと言う懸念も広がっています。放送現場で働く者たちにとって、より 納得性の高いかたちで『摘示事実』の認定を行っていただければ、と思います。」としています。
 しかしこの点は、以下のとおり、本決定に対する理解が不十分なことによ るものです。

 本決定では、本報告も引用するいわゆるテレビ朝日ダイオキシン報道最高 裁判決の基準によることを明記し、約4頁を費やして綿密な分析を行ったう えで摘示事実を認定しているのであって、本報告が述べるように「印象という個人差のあるものを軸として」摘示事実を認定してはいないからです。
 「印象」という言葉は、上記最高裁判決にも用いられていますし、本決定 において「印象」という言葉を用いている部分も、その最高裁判決の判断基準に則ったものです。本決定は、最高裁判決の判断基準にしたがうことを冒頭で明記し、そこに挙げられた複数の判断要素に基づいて綿密且つ詳細な検 討を加えて摘示事実を認定したものであって、決して「印象」を「最大の根拠として」摘示事実を認定したものではなく、したがって報道の萎縮を招くようなものではありません。
 同様に、本決定において委員会が「STAP研究に関する事実関係をめぐ る見解の対立については立ち入った判断を行うことはできない」とした趣旨 についても理解が不十分であると思われます。
 最後に、NHKは本報告での主張を正当化するような文脈で、引用の形式 をとりながら不正確に要約して「BPO10年のあゆみ」における堀野紀元 委員長の発言に触れているので、その点に付言します。
 まず、このインタビューの表題は「人間の尊厳が損なわれることがあってはならない」というものです。そして「決定に不満があっても、それはもう 済んだことだと言って通り過ぎてしまうとなると、委員会の存在意義はあま りないんじゃないか」とされています。そして本報告で触れられた部分は、 正確には、「むしろ、決定において委員会がこの番組についてはこう考える、 ここは直してほしい、これはいけないことだと言ったことに対して、局側の意見、見方、そして例の『真摯に受け止めます』以上に何らかの具体的な意見や見解があるのかそのあたりはこちらも是非知りたい。」としたうえで、 その後に「我々も神様じゃないから、間違った認識をしている場合もあり得 る。そういう場合はこちらが学ばなくてはいけないし、委員会が言ったこと が正しいとすれば、それは局の中で定着させてもらわなくてはいけない」とされているものです。
 このように、堀野元委員長も、局側に異論があれば委員会決定が指摘した 問題についての「改善策」や「取り組み」などの対応をしなくて良いとしているものではなく、委員会の本意見と異なるところはありません。

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BPO放送倫理・番組向上機構ホームページより
http://www.bpo.gr.jp/?p=8946&meta_key=2016#iken2

 以上のように、BPOは勧告内容を無視したNHKのヌルヌルとした言い逃れに対して、NHKには理解力がないのか?とバッサリ切り捨てています。
 NHKはどうしてこれほどの醜悪さを晒してまでも、自分たちの過ちに向き合うことを拒むのでしょう。NHKの経営陣は、放送業界が自主的・自律的に放送倫理上の問題に対処できないことを世に示して、国が規制に乗り出すのを待っているのでしょうか。マスコミ各社は、NHKのこの無法な振る舞いを野放しにすることが、逆に放送業界の手足を縛られる道に向かう危険性にもっと敏感であるべきです。これはまったく他人事ではないのです。

 今から4か月前の2月10日、1年半もの時間をかけた審理を経て出された、NHKスペシャルの放送には名誉毀損の人権侵害が認められるという決定に対して、NHKは脊髄反射で「人権を侵害したものではない」と言い張って、勧告の主旨も理解出来ないのかと呆れるほど支離滅裂な反論でBPO(放送倫理・番組向上機構)の決定にケチを付けましたが、そのNHKから先月9日付でBPO勧告に対する「対応報告」が提出されています。

3.「STAP細胞報道に対する申立て」 NHKの対応報告
本事案で「勧告」として「名誉毀損の人権侵害が認められる」との決定を受けたNHKから、対応報告(5月9日付)が委員会に提出された。
報告内容について意見が出され、次回委員会でさらに検討のうえ対応を決めることになった。
http://www.bpo.gr.jp/?p=9098&meta_key=2017


 BPO勧告では、編集上の問題つまり事実と事実の繋ぎ方に悪質な印象操作があったために名誉毀損の人権侵害に当たるという厳しい勧告が出されたのに対して、「事実を積み重ねたので人権侵害ではない」というまるで反論の体を成さないトンチンカンな反論をしてしまったNHKが、自分達が制作した番組の問題点と向き合わないまま、いったい何をどのように「対応」すると言っているのか非常に気になるところです。BPOでは『報告内容について意見が出され、次回委員会でさらに検討のうえ対応を決めることになった。』とのことですが、NHKは自らの過ちを認めていないのに、反省も改善もあったものではないでしょう。

 BPOで審理されたのはNHKスペシャルですが、NHKはその他にも2015年3月20日と3月24日にも悪質な印象操作報道を行っており、NHKはもともとSTAP細胞問題に関する基本的な報道姿勢に問題ありました。弁護団から抗議声明も出されているこの報道に関しては、有志の会からは公開質問を出していますが、NHKは抗議声明にも公開質問にも完全無視の構えを貫いています。

『NHKの報道に対する公開質問』

http://blog.livedoor.jp/obokata_file-stap/archives/1023340333.html

印象操作報道に対する弁護団からの抗議声明

https://www.bengo4.com/other/1146/1307/n_2921/


 
こうした経緯があった後にBPOへの小保方晴子さんからの人権侵害申し立てとなっていて、つまり直接の抗議を無視したNHKについて放送倫理を審査する第三者機関BPOに直訴して、やっとSTAP報道に問題があったと認定されたはずでした。ところが、1年半に及ぶ審理の末に決定された委員会勧告に逆らうというNHKの無法な振る舞いに対して、BPOから声明を出すこともなく未だに何のアクションも起こしていない状況です。
 そもそもNHKから委員会に提出されたという「対応報告」の内容も直ちに公表する必要があったのではないでしょうか。BPO委員が容認できる中身でないために決着がつくまで公表を控えるということかも知れませんが、BPOには強制力がないので、NHKがこのままBPO勧告を無視した形でウヤムヤに終わらせることもあるのではないかと危惧しています。

 
 NHKは公共放送局であり、視聴者=国民に対する説明責任があるはずです。この問題は個人に対する人権侵害の問題であると同時に、事実を歪曲して報道した
「報道倫理」の問題であり、NHKの対応報告は本来は国民に向けて出されるべきものです。番組クレジットを出さずに制作関係者を匿名化して個人攻撃をした異常な番組が、どのような経緯で制作されたのかをちゃんと調査して説明しなければなりません。しかしNHKはBPOの人権侵害認定を受け入れない表明をしたきり、一向に視聴者に対して責任を果たす様子がありません。マスコミがNHKの人権侵害問題について沈黙を続けているお陰で、NHKは手の付けられない無法者に成り下がっているようです。

 それに対してBPOがどのような対応を取るのか、BPOが出す結論を待ちたいと思いますが、その際にはBPOは、勧告を受け入れなかったNHKとBPO委員との間で交わされた議論の詳細を公開して、NHKの対応を国民のチェックの目に晒す必要があるでしょう。


 【NHKはBPOの勧告に反論】

 
BPO放送倫理・番組向上機構)がNHKの科学報道番組 NHKスペシャル「STAP細胞 不正の深層」に対して小保方晴子さんへの人権侵害があったとして、再発防止に務めるように勧告したが、NHKはこれに反論した。

 
毎日新聞 「NHK  異例反論「人権侵害ない」 小保方氏番組でBPO」より、引用「「真摯(しんし)に受け止めるが、番組は、関係者への取材を尽くし、客観的な事実を積み上げ、表現にも配慮しながら制作したもので、人権を侵害したものではない」とのコメントを出した。人権侵害を認めた勧告は同委員会では最も重い判断で、勧告への反論は異例。」引用終わり。

 【当時の会長も謝罪した取材方法。番組内容には真実性・相当性が認められない】

 BPOはNHKの番組には
「真実性・相当性が認められない」として「※具体的な証拠を示さない小保方さんへの断定的な決めつけ」や「表現方法に問題があった」から「人権を侵害した」と裁定した訳で、小保方さんに怪我をさせた取材方法も、当時の会長が「誠に申し訳ない」と謝罪している。

 放送内容に「真実・相当性が認められない」という事は
「STAP細胞 不正の深層」の放送内容が「虚構」「虚実」であったという事で、放送局としては大反省しなくてはいけない勧告だろう。しかも「STAP細胞 不正の深層」はタイトルに「調査報告」とある。
人がやってもいない事をやったように、言ってもいない事を言ったかのように「調査報告」として公共の電波で放送する事は重大な人権侵害そのものだ。


 【BOPは放送被害を審査する最高裁判所】
 
 BPOが報道による人権侵害、及び報道被害を審査する「裁判所」のようなものである事は小保方さんの代理人である三木秀夫弁護士が書いた記事に示されている。

 現代ビジネス「NHKの『BPO勧告への反論』は報道機関の自殺行為である」より〜国会質疑(
元民放連・広瀬道貞会長)「放送業者は言わばBPOの判断というのは最高裁の判断みたいなもので、ここが判断を出したら、いろいろ言いたい事はあっても、すべて守っていく、忠実に守っていく、そういう約束の合意書にNHK及び民放各社がサインをしてBPOに提出しております。私たちは、皆さんとともに、BPOを立派な組織に育て、放送業者の自浄機能を確実なものにしていきたいというふうに思っております」(2007年6月20日衆議院決算行政監視委員会)引用終わり〜

 この記事から解るように、BPOは表現の自由に配慮しつつ、放送業者の人権侵害を監視し、その自浄機能を正常に保つために存在する。しかし、NHKは「最高裁の判断」と国会で述べられたBPOの厳正な裁定に対し反論した。その論拠は上記したように、なんら正当性を感じない。

 【放送業界は今後「無法地帯」になるのか?】

 公共放送であるNHKの権威、権力は「絶大」だ。放送局としての信用度は他の民放各社に類を見ない。これを看過すると放送による人権擁護の箍が外れ、NHKは「放送による暴力装置」となる可能性がある。今、NHKは一般市民が「危険視」するような重大な「放送倫理の規約違反」を犯している、と断定しても過言ではない。

 さらにBPOの権威の失墜にも繋がりかねない。もしも民放がNHKに習ってBPOの裁定を無視しだしたら?NHKのBOP勧告への反論、居直りは巡り巡って、いとも簡単に放送による被害で我々の人権が侵されてしまう。そんな未来が、すぐそこまで迫っている事を真剣に考えなくてはならない。

 そう、NHKの居直りによって、今後、放送業界が無法地帯化するかも知れないのだ。NHKは放送業界の雄としてガバナンスを示し、「放送業界の最高裁判所」であるBPOの勧告に従い、早急に反論を撤回し「STAP細胞 不正の深層」は「真実性・相当性」のない人権侵害番組だったとして、今すぐ小保方晴子さんに謝罪すべきだ。

 アジアの先進国として、今、日本の放送倫理のあり方が問われている。


 ※「小保方晴子氏が多能性のあるES細胞を窃盗して、STAP細胞であるかのように偽装していた」とする内容。NHKの示すその証拠は冷凍庫から出て来たES細胞の写真と電話インタビューだけ。ナレーションでは写真のES細胞を「引越の時に持っていくはずだったものだ」と紹介している。
何度かここのブログでも検証されたように、小保方さんが引越の時に盗むと、実験終了後になってしまうので、時系列が合わず「非科学的」だ。

 従って、小保方さんが細胞の窃盗犯であるかのようなイメージ誘導の番組内容は「真実性・相当性」を持たない「虚構」そのものだ。我々は放送被害による人権侵害を認めないNHKを許してはならない。


 
 



 

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