2024年01月01日

ブログ統合のおしらせ

いつも、本ブログをご愛読ありがとうございます。
さて、開設以来、本ブログはlivedoorとgooの2サイトで、同一内容を掲載しておりましたが、2024年1月1日以降は、gooに一本化させていただきますのでなにとぞよろしくお願いします。(なお、本ブログの過去記事はそのままにしておきます)

統合先:おおた葉一郎のしょーと・しょーと・えっせいとなります。  
Posted by ota416 at 00:00Comments(0)市民A

2023年12月31日

Honda ウエルカムプラザ青山

青山通りを散歩していて、いつも前を通るだけのホンダのビルに入ってみた。もうすぐ、ビルの建て替えがあるので、青山通りで最も見栄えがいいビルがなくなる前に一階を見ておこうかなという気持ちだった。1985年に建てられてビルで2025年春から解体が始まり2030年に完成するはず。もちろん、その時に単独の会社であればだろうが。

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1985年のビルは当初の設計ではガラス張りの外観だったそうだが、創業者が地震の時に歩道にガラスが飛び散るのは危ないと鶴の一声を発声し、各階にベランダが設置されたマンションのような建物になったそうだ。現在ではガラスと建物が密着しない構造が開発され、都内にはガラス張りの建物が増えている。たぶんそうなるのではないだろうか。

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展示されていたのは、NSXという希少なスポーツカーとN-BOXという軽自動車。儲かる車と売れているクルマということだろうか。そしてHONDAのルーツとも言える二輪車のDax125。2022年に復活したモデルのようだ。タイ国製。レジャーバイクというらしい。

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展示からいうと、Hondaはスペシャリティのメーカーに向かっているような感じもある。もっとも国内では軽自動車シェア1位がコケたので、千載一遇のチャンスということでもあるわけだ。
  

2023年12月30日

公認パンフレットに欠陥が

将棋連盟の普及指導員の中の「棋道指導員」という資格を頂いていて、ホームグラウンドなしで、いくつかのカルチャーや小中学校や大会の審判長に出向いていて、それなりなのだが、超初心者(入門者)に対して教える小道具として将棋連盟が作っている将棋パンフレットがある。

公認指導員でないもぐりの人が使えないようなので、公開しないが、表面は「駒の並べ方」と「駒の動き方」になっていて、裏面には基本ルールとして「駒を成る」と「駒を取る・打つ」があり、さらに難しいルールとして「千日手」と「持将棋」が解説され、さらに反則として「二歩」、「行きどころのない駒」「打ち歩詰め」となっている。

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実際に多い反則は「王手に気付かず取られてしまう=王手放置」だが、王様を取られてしまえば、対局は終わるので知らなくても実害はない。

問題は、千日手のところ。「連続王手の千日手は反則」という特殊ルールがある。大会でこのルールで勝ってこともある。しかしパンフレットではこの反則は書かれていない。ルールが変ったのだろうか。調べてもやはり反則らしい。

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実は、年度末に近く、将棋から足抜けする子もいるので、このルールを教えてみた。実はあるところで指導対局している時に、連続王手千日手が発生したので、それを例に説明。

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ところが、その後の一斉対局の中で、別の連続王手千日手が発生。自玉が必至のため詰ませるしかないわけで、反則に迷い込んでしまった。よくあるのかもしれない。


12月16日出題作の解答。

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本日の出題

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龍年らしく、登り竜問題(正確には「上り、竜」)。

解ったと思われた方は、コメント欄に最終手と総手数とご意見をいただければ正誤判定します。

なお、1月1日以降は、解答は出題後1〜2週間後に出題日の問題の下に掲示いたします。
  
Posted by ota416 at 00:00Comments(0)しょうぎ

2023年12月29日

キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン(2002年 映画)

スピルバーグ監督による犯罪映画だ。フランク・アバグネイルという有名な詐欺師の自伝がもとになっている。

少年時代から、信用詐欺、小切手詐欺、身分詐称、脱走などを繰り返し、パンナムの操縦士、ドクター、などになりすますなどやりたい放題。コックピットの中では操縦可能な状態だったらしい。

映画では、運が良くて捕まらなかったようになっているが、実際には運が悪くて捕まりそうになっていたようだ。要するに、ウソがばれそうになると、トンズラするわけだが、そのギリギリ感がすばらしい。

映画ではフランクをレオナルド・ディカプリオ、追いかけるFBI捜査官をトム・ハンクスが演じる。二人の俳優を比べると、トム・ハンクスの方が正統な格好良さがあって、ディカプリオの方がヤンチャ的なのだろうが、スクリーンの中ではディカプリオの方がスマートで、トム・ハンクスはいつも失敗をしているダメ男になっている。

実際にはそもそも一人の個人捜査官が捕まえられるような男ではなかった。

世界中で犯罪を繰り返し、フランスで逮捕された後、いくつもの国で有罪になり米国へ送還された旅客機からは着陸の時にトイレの壁から荷物室を通って滑走路から脱走。結局、禁固刑となるが、小切手などの偽造技術を買われ、FBIの職員になり偽造書類の捜査官となる。

実際のフランクは、その後、犯罪防止のためのアドバイザー会社を興している。

さすがに、アメリカは「敗者復活可能な国」だ。たぶん犯罪歴の中に「殺人」とか「麻薬」がなかったからだろう。日本でも再チャレンジのため職業訓練校が必要と言う提言があるのだが、「ニセ札偽造技術」とか「合い鍵作成技術」とか「私人逮捕トレーニング」とか・・
  
Posted by ota416 at 00:00Comments(0)映画・演劇・Video

2023年12月28日

ペロー童話集(シャルル・ペロー著)

17世紀後半にフランスで活躍した文学者のシャルル・ペローが伝承されている童話をまとめ直した中で有名作を集めている。子供向けには書かれていない結末が多い。

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1. 眠れる森の美女
後に姫君になる少女は、生まれた時から将来百年の眠りにつき、王子が起しに来ることになっている。ところが、王子はやってきたのだが、百年前の王権は滅び、新しい王の元も国になっている。王子は優しいが、王の妻、つまり姑は人食い族出身で、王子が留守の時に王子の妻とこどもを食べようとするわけだ。

2. 赤ずきんちゃん
グリム童話では、狼に食べられてしまった赤ずきんちゃんは、ハサミで狼のお腹を切り裂いて救出されるのだが、ペロー版では、救出されることがない。おばあさんも赤ずきんちゃんも狼の栄養分となってしまう。他人に騙され大失敗しても、誰も助けに来ないという教訓だ。

3. 青ひげ
これも、ホラーだ。うっかり秘密の部屋をあけたら死体の山。それで青ひげの正体がわかっても、時遅し。犠牲者がさらに増える。怖い話であるが、何のための教訓なのかもわからない。ペローの童話には救いがないことが多いし、異常に人食い族が多発する。

4. 長靴をはいたねこ
これは、平和な童話だ。物語の始めには登場人物の紹介があり、筋書き通りになっていき、八方美人な話として終了。

5. サンドリヨン
サンドリヨン=シンデレラだ。基本構造は普通でカボチャの馬車やネズミの召使。シンデレラの姉たちは、さほどひどい目には合わない。ペローの当時でも欧州では有名な話だったそうで、ガラスの靴ではなく、リスの皮の靴に変わる話もあるそうだが、どう考えてもガラスの靴の方がロマンティックなのは間違いない。リスを殺して皮を剥ぐ?

その他にもちょっと怖い話が多数。少し思ったのだが、人食い人種が結構登場する。欧州であることから、古来伝わる寓話の中の人食い族はネアンデルタール人ではないかと思ったりする。

来年は、童話も読んでみようかと思ってみる。
  
Posted by ota416 at 00:00Comments(0)書評

2023年12月27日

キャットウーマン(2004年 映画)

キャットウーマンは基本的にバットマンシリーズの脇役陣として、ジョーカーとかペンギン、リドラー、トゥーフェイスといった敵対グループと味方側のロビンの中間にいて、協力したり、敵になったりと気まぐれな位置にいる。猫というキャラにふさわしいのかもしれない。

ところが、2004年作の『キャットウーマン』はまったく異なっている。

バットマンは登場しないわけだ。その代わり、バットマン的立場になるのが、キャットウーマン(演:ハル・ベリー)ということ。

危険な化粧品を売り続ける会社の秘密を知った彼女は社長の指示で工場の廃液とともに海に流されて亡くなってしまうのだが、かねてから彼女を古代エジプトの時代から続く超人猫女にしようと画策していた猫神の力でキャットウーマンとして蘇る。

あとは、バットマンと同じように大暴れするのだが、化粧品会社の社長側も、社長夫人(シャロン・ストーン)が社長を殺して社長の椅子に座る。悪人の上を行く大悪人だ。二人の女同士の格闘といっても猫女の方が強い。人間の大きさの猫と言うと、チーター以上虎以下ということでピューマサイズかな。

バットマンと違うのは、町や車を破壊しないことかな。予算の関係もあるだろう。

主演のハル・ベリーはこの映画で、栄えあるゴールデンラジー賞の主演女優賞を受賞。3年前のアカデミー賞と二冠を受賞したことになる。
  
Posted by ota416 at 00:00Comments(0)映画・演劇・Video

2023年12月26日

JR上野駅公園口(柳美里著 小説)

「JR上野駅公園口」は2014年、柳美里の渾身の作品だろうか。

視点を、上野公園のホームレス男性に置く。ある意味、親の代からのファミリーヒストリー。貧困と不幸とが彼に降りかかってくる。それも生きるために限界的生活を続けているのに、少し嬉しいことがあっても、その百倍ぐらいの悲しみが襲ってくる。東北で生まれ、鹿島(茨城)という決して豊かではない場所に住み、親も子も妻もそして孫さえも消えていく。

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そして表のストーリーとは別に天皇家のファミリーヒストリーとリンクがある。天皇家の慶事の時は自身に凶事が降りかかる。それでも天皇の御用車両があれば嬉しそうに手を振ってしまう。

著者は長い間「日本」という国について作品で問い質し続けてきたが、この作品では、書き手としても、主人公としても感情を抑え込んで、先へ先へと筆を進める。生き続ければ、いいことが起こるはずだという気持ちを捨ててはいないのだが、上梓されてから既に9年。多くの日本人も日本国の未来に不安を感じてきたわけだ(遅すぎるが)。
  
Posted by ota416 at 00:00Comments(0)書評

2023年12月25日

富山湾を寿司で味わうと

富山湾は海底が深いということで、さまざまな魚が漁獲されているそうだ。有名なのが、白エビとかホタルイカとかブリとかカニとか。

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ということで、ガイドブック等の情報で、富山駅の地下のような場所にある『回る富山湾 すし玉』へ。回るということは、以前は回転すしだったのかな。タッチパネルで注文する方式に変わっている。

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で、にぎり11貫セットを注文する。おそらく、左から中トロ、イカ、甘えび、ブリ、タコ、アジ、タイ、紅ズワイガニ、?、ホタルイカ、白エビというところだ。

白エビはいつも揚げたのを食べているので、新鮮だ。ブリも旨い。

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そして追加したのは、ノドグロ・アナゴ他。ノドグロはアブルと表面に浮きだした油分が香ばしい。ノドグロは高級魚だが、サイズが小さなものは地元では格安で売られていて、小さくても大きくても味はあまり変わらないからお徳用ということのようだ。

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そして、売店でマス寿司を買って、旅は終わる。
  
Posted by ota416 at 00:00Comments(0)あじ

2023年12月24日

富山市ガラス美術館はガラスの館

ガラス美術館は、全国各地にあるが、富山市ガラス美術館の特徴の一つは、建物である。同じ建物内に図書館も同居しているが、大部分を美術館が占めている。

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外装の特徴だが、表面がガラス張りなのだが、多くのパーツや窓になっている。以前、AGL社(旧旭硝子)に銀座のガラス張りにビルの見学会に連れて行ってもらった折に受けた説明では、最近のガラス張りビルの特徴としては地震対策として建物本体と外装のガラスは別構造になっていて、上の階から下の階まで縦につながっていて吊るしているとの話だった。富山県美術館の方はそういう構造に見えたが、ガラス美術館の方は一つ一つの窓が独立している。地震がないことにしているのかな。あるいは、ガラス造りの建物らしく、総ての建材が木っ端みじんの破片になるようになっているのかもしれない。夢の世界だ。

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さらに、館内が壮大だ。6階まで吹き抜けで高所恐怖症の人は症状を克服するのに適当な高さかもしれない。

富山がガラス工芸で有名なのは、もともとは薬瓶を作っていたからだそうだ。それがもとで戦後の復興期に富山市がガラス産業を興したそうだ。先に書いたが、富山の薬業は二代藩主の時の産業振興によってであるので、細く糸が繋がっているわけだ。

瓶を活用したガラス産業で有名なのは、沖縄のガラス製品だが、それは戦後、日本に返還された後、県内に大量にゴロゴロしていた資源が、アメリカ人が残していったコカ・コーラの空瓶だったことによる事案と似ているが、少し違う。

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日本のガラス工芸といえば人間国宝の藤田喬平に極り、本館にも多く収蔵されているようだが、なぜか氏の作品を目にすることがなかった。出張中だったのかもしれない。

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常設展(グラス・アート・ガーデン)はイタリアのアーティストの方の作品。こちらもムラーノ島に工房があるような記載があった。

富山の旅も、もう少し。
  

2023年12月23日

富山県の棋士

富山県は人口の比で言うと将棋棋士を多く輩出している。年齢順だと、
故山本武雄、中田章道、田村康介、千葉涼子、村田顕弘、服部慎一郎

そして、注目は、野原未蘭女流。実質的師匠は金沢在住の鈴木英春氏のようだ。

なにしろ、「入玉宣言法」をプロ棋界で初めて使ったわけだ。2022年7月18日。

入玉宣言法は2013年にプロ棋界に導入されたのだが、なにしろルールが複雑(条件がいくつもある)で、宣言する方は「勝ち」、あるいは「持将棋成立」を宣言するのだが、そこでルールと確認した上、もし条件が一つでも未達なら「負け」ということになる。

対戦相手は竹部さゆり女流。213手目で宣言した。

実は伏線があって、2018年の野原さんのデビュー戦で対戦相手の中井女流と相入玉となったものの点数が未達状態で、中井女流が宣言するのではないかと考えていたそうだ。実際には宣言を待たずに投了している。その時の記録係が竹部女流だったそうで、二人ともその後、ルールを確認していたそうだ。

先日の王座戦でも、終盤で入玉枚数勝負に出た藤井七冠(当時)に対し、駒数不足の王座(当時)が投了しないで粘っていて、中継視聴中の方々の中には「七冠の宣言ミスを待っているのではないか」という疑惑が漂っていたのだが、入玉寸前に詰まされてしまい、疑惑の真偽は藪の中になってしまった。インタビュアーが聞けばいいのにと思った。

どうも「宣言法」というのは、切腹を申し付けられたのに、ぐずぐずしている人間を槍で突き刺すような感じがある。


さて、12月9日出題作の解答。

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今週の問題。

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富山県にちなんで、とやま問題を作ろうとしたが、雰囲気だけかな。

解ったと思われた方は、コメント欄に最終手と総手数とご意見をいただければ正誤判定します。


解答。

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Posted by ota416 at 00:00Comments(0)しょうぎ

2023年12月22日

ギャルリ・ミレーは美術館だった

富山市はなぜか美術館が多い。富山県全体で100万人位の人口だそうで、しかも美術館の入館料が安い。数百円というところだ。

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ギャルリ・ミレーとは何だろうかと思って歩いていたら、ガラス越しに画家ミレーの絵画が見える。よく見ると外から見えるところにあるのは複製画のようで、本物のミレーを見るには入館する必要がある。

ミレーの名を冠してはいるが、ミレー美術館ではない。ミレーも含まれるバルビゾン派の絵画をコレクトしているようだ。印象派の一つ前の時代だ。バルビゾン派ではないが同時代のクールベも収集対象になっている。写実主義に光を取り込み主に農村の風景を描いた。

つまり技法的には印象派へと確実につながっている。

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絵画のほぼすべてが「北陸銀行所蔵」となっていて、それでこの美術館が北陸銀行が買い貯めた絵画の展示室になっているということがわかる。

そもそも銀行は資産を安定運用すべきなのに絵画を集めているということに、若干の疑念は感じられる。

というのもいざ経営危機となった時に資産売却で資金をしのごうということだが、同じカテゴリー(バルビゾン派とか)の絵画ばかり売り出しても共食いの安値になってしまうからだ。
  

2023年12月21日

若い女子が富山脱走中

富山のテレビで聞いたのだが、人口減少の中でも特に若い女子の県外への流失が多いそうだ。手近なところでは隣の石川県の金沢市。そして東京。

原因としては、富山県は工場の誘致が盛んだった結果、若い女性の好む就職先がないということが一因だそうだ。工場勤務ということ。

別の原因だが、アンケートの結果では、「遊ぶところがない」という理由が多いそうだ。確かに美術館や博物館ばかりでは飽きてしまう。

こちらの原因は、日本全国、多くの場所で起こっているのだろう。関東や大阪周辺なら友達と日帰りで遊びに行けばいいだろうが往復新幹線は高いし。市内にホストクラブでも誘致した方がいいのかな。
  
Posted by ota416 at 00:00Comments(0)たび

2023年12月20日

富山ブラックには驚く

富山のソウルフードのベスト7というのがあるらしい。

1 富山ブラック
2 氷見牛
3 氷見うどん
4 バイ飯
5 大門そうめん
6 富山やくぜん
7 タラ汁

第4位のバイ飯はバイ貝を使った炊き込みご飯。

そして、最も謎めいているのが「富山ブラック」というラーメン風。

「西町大喜本店」昭和22年開業の富山ブラックの元祖。濃口醤油味の中に濃厚なうまみがあると有名で、食べ続けるとクセになると言われている。店舗はガラス美術館の隣だ。

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ということで、探しに行くと、あまりにも特徴的ですぐわかる。店舗からしてソウルフル。

店舗は若干のテーブルはあるが細長の店内の両側がカウンターという造りになっている。客席数を最大限にしようというのだろう。お昼を少し過ぎた時間だったが、満席で少し待った。

看板メニューを頼むが、既に多くの客が丼に取り組んでいる。二つ隣の席からは、「醤油の継ぎ足しお願いします」との声が。

どうもみかけは黒いが、さらに塩辛くしようというのだろう。ということは、あまり塩辛くないのだろうと想像。辛いのは、塩方向も唐辛子方向もあまり得意じゃない。

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ということで、目の前に富山ブラック登場。

忙しいのだろうかネギの刻み方がラフだが、これもソウルフルか。

それでスープを一口飲んでみると、これが塩辛い。塩味にも激辛という表現を使いたい。というか、醤油そのもののような味だ。さっき継ぎ足し注文した方は、旨そうに麵を啜っている。麺はラーメンと言うかうどん的方向だが、本当のところはわからない。予め調べた能書きでは醤油味の中にうま味があるということだが、軟弱な舌で立ち向かおうとしたのがいけなかった。一口で言えば、門前払いかな。顔のゆがみを修正してから外の空気を吸う。

もっとも、東京のインド大使館のそばで最初に本場のカレーを食べた時も、意識を失いそうになったのだから、何回か試せば病みつきになるのかもしれない。
  
Posted by ota416 at 00:00Comments(0)あじ

2023年12月19日

江戸城腹痛事件と富山の薬売り

富山は薬売りで有名だった。昭和の時代でも全国の家庭を回って置き薬を販売していた。各家庭に置いてある薬の減った分だけ販売することになっていた。少し前のビジネスホテルの冷蔵庫のようなもので、飲んだ分だけ払うわけだ。年に一度回ってきて、おまけに紙風船を置いていく。

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一年後に訪ねた時に、引っ越しているかもしれないし、家そのものがないかもしれない。ロス率も含んだ単価だったのだろう。

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その起源は17世紀後半、富山藩二代藩主の前田正甫(まさとし)の時代。富山藩は越中にあるのだが、藩主の住む富山城は、当時は加賀になっていた。そのため、城を越中にするため、加賀と越中で換地を行ったそうだ。しかし、その結果、良田が加賀の方が多くなり富山は貧しくなる。ということで、産業振興として始めたのが売薬業だったそうだ。

そして、富山の薬が全国区になったのは、ある事件からだった。

江戸城腹痛事件。

時は元禄3年(1690年)12月15日。参勤交代で江戸城大広間で綱吉将軍に歳暮のあいさつへ行った後、ある部屋(大名控室)で陸奥三春藩(福島)藩主の秋田輝季が腹を押さえて苦しんでいた。そこに駆け寄ったのが前田正甫。腰の薬篭の中から『反魂丹』の丸薬を取り出し、一服飲ませると、しばらくして苦しみが去っていった。

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それを目撃した多くの大名が丸薬の名を尋ねると、『越中反魂丹』とのこと。そして全国に富山の薬の情報が拡がったそうだ。反魂丹というのは魂が反ってくるという意味で、死んだ人間も生き返る薬という意味だそうだ。11年後に同じく江戸城内で浅野内匠頭の癇癪玉が破裂した。切腹してから飲む薬はない。

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富山市内で反魂丹の製造販売をしている池田屋安兵衛商店では、丸薬の製造を公開している。

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なお、購入した反魂丹飴だが、舐めてみると悪くはない味だ。死んでから舐めるより、すぐに舐めた方がいいだろう。

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Posted by ota416 at 00:00Comments(0)たび

2023年12月18日

富山地鉄と富山城址

富山市内の交通に大きく寄与しているのが「地鉄」。今回の富山市内の観光でも地鉄フリー乗車券を購入して使い倒した。

ところが地鉄といえば、中国では地下鉄のこと。先日、都内で中国からの観光客に道を聞かれたときも、都内の地鉄路線図で案内した(というか、案内できなかった)。

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富山の地鉄は富山地方鉄道株式会社といって、鉄道、市電、バス(含空港バス)ははを運行している。今回、鉄道は使わなかったが、市内電車とバスは6回乗車した。多くの都市が市電の塗装を全面広告に使っているは、残念ながら、収益向上になるからだろう。看板が動くわけだから効果は絶大だろう。その中でも有名なのが、県警が広告を出していて、いわゆる『パト電車』と呼ばれている。

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といっても、パトカーではなく、スピード違反車を追いかけたり、銀行強盗の容疑者の護送に使ったりはしない。最近では無実の人でもパトカーに押し込んで、1日がかりで自供に追い込もうとした警察があるようだが。普通の人はパトカーには近づかない。市民を威圧しているような感もあるのだが、来たのに乗らないのも怪しいので乗車した。


ということで、富山城のこと。

富山城前史は、佐々成政が中心になる。盟友の徳川家康とともに豊臣秀吉を南北挟撃しようと企むが、老狸の家康は応じない。しかも冬の間に命がけで雪の立山を超えて家康に面会に行って帰ってみると、愛妾の小百合が美少年と不倫をしていたと讒言を耳にする。短気な成政は信じ込み、二人を惨殺してしまう。9か月後に秀吉軍に包囲され成政は頭を剃って出家するも、数年後に自刃したが、その後も富山城には亡霊がでているようだ。

現在の模擬天守閣は犬山城に模して昭和29年に建てられている。

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富山城後史。富山は一般に越中の国と言われる。となりの石川県は加賀の国と能登の国。富山藩は金沢の前田家から分離して富山城に居を構えたのだが、当初、城のある場所は、加賀の国の中だった。それはまずいので、城のある場所(つまり富山市街)周辺などを越中藩にすると同時に、同じぐらいの越中の土地を加賀と交換したそうだ。つまり換地。

ところが、越中がもらった土地は加賀に渡した土地よりも生産性が低い(地味が悪い)ということになり、それが石川県より貧乏な原因と、「富山側」は言っているようだ。ある意味、親会社と子会社という関係と同じか。その生産性の低さから全国での売薬業を創意したということになっている。
  
Posted by ota416 at 00:00Comments(0)The 城

2023年12月17日

富山県美術館自体がアート

前々から行きたかったものの、チャンスがなく、最近は富山ガラス美術館の人気の前に影が薄くなっていた富山県美術館に行った。多くの文化施設が駅の南側に位置するが、県美は北側、と言っても日本海にはかなり遠い。地鉄市内電車に乗るか、環水公園からの運河にボートも運行している。このボートも魅力的で、パナマ運河のように、途中で水面の高低差を調整する場所があるらしい。パナマ運河に行くのはなかなか大変だが一つの方法は、この運河で妥協する方法。もう一つはパナマ、スエズの両運河を通過する世界一周クルーズ船(航海日数100日間)を利用すること。

知人は、この100日コースに行きたいと奥様に相談したところ、「帰ってこなくていい」といわれたらしい。

話を戻すと、富山のクルーズ船は乗船時間は1時間弱だが、あいにく運休日だった。ということで、環水公園のそばにある富山県美術館に向かう。その日は市内をあちこち巡るので、最初に地鉄フリー乗車券を650円で購入。結局6回使ったのだが、最初は県美術館まで。

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外観はスマートだ。ガラス張りで外光を取り込んでいる。ガラス会社の人に以前教えてもらったのだが、ガラス壁面は建物に埋め込まれているのではなく、カーテンのように上から吊るす方法が開発されて一気に普及したそうだ。4階までガラスが縦に吊るされていて、地震の時は建物と別に動くはず。

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まず、行くべきは屋上。絶景だ。南側には立山連峰が見える。また眼下には運河や河川、北側には遠く海も見える。

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さらに、遊具のようなアートが並ぶ。きのこだけは解るが、他は何かよくわからない。

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そして、館内には申し訳程度に普通の美術館にあるようなシャガールとかモネの絵画が展示されているが、ほとんどが20世紀後半に起源を持つ現代美術。もっと新しいのは映像表現だが、それは見えなかった。

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とかく現代美術は難解と思われるが、ここでは現代美術に容易に近づけるような工夫が多い。本来は狂暴な白熊君だが、かわいいといいたいが、やはりちょっと目つきが怖い感じがする。北極の氷がなくなる前に、なんとかしてほしいと切実に訴えているように見える。

全体としては「クール」というのが適切だろう。
  

2023年12月16日

パー券売らずに将棋指す?

世間はパー券ロンダリングの話題が尽きないが、その中で、パー券売れずに派閥を出る代議士が注目されている。柏市を地元とする選挙区で選ばれている櫻田義孝氏である。Wikipediaでは将棋四段と紹介されているが、調べると2018年12月14日に将棋連盟から将棋五段の免状を贈られている。記念撮影には石田九段も入っているが、免状にも九段石田和雄と書名がある。石田和雄九段に将棋を教わっているそうだ。

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贈五段ということだろうが、「贈」という漢字には、なにか危険な匂いが漂う。

四段免状も「贈」だったのだろうか。


さて、2月2日出題作の解答。

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今週の問題。

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解ったと思われた方は、コメント欄に最終手と総手数とご意見をいただければ正誤判定します。
  
Posted by ota416 at 00:00Comments(0)しょうぎ

2023年12月15日

「笠碁」と「茶の湯」

『笠碁』(演:柳家さん喬)
商家のご隠居二人は長い間の囲碁友達。きょうは「待ったなし」ルールで対局していたが、悪手を指した一人が、「一回待った」をしようとした。そこで喧嘩が始まる。囲碁や将棋では特に「待った」でもめ事になる。

私も将棋教室の講師をしているのだが、将棋を始めて指すこどもたちに指導するときに最初に「待ったなし」を徹底させる。楽しいはずの将棋が、大げんかの場になるからだ。

大の大人でも子供と同じで待ったを認めるとか認めないとかの話に過去の因縁の話なんかが持ち出される。金を借りて返せなくなったときは一月待ってくれたのに、碁の待ったは認めてくれてもいいじゃないかとか。そのうち、相手を「ヘボ」とか「ザル」とか言い合うわけだ。

そして、もう来るな!というところまでエスカレート。売られた喧嘩は買うのが江戸の流儀だったようで冷却期間が始まる。

ところが、3日ほど雨が続き、外にも出られず、隠居達はやることもなく、なんとなく碁を打ちたくなるのだが、碁会所に行くほどの腕前でもない。喧嘩別れした隠居も同じような状態だろうが、まさか別の相手をみつけてはいないかと、偵察に行こうとするが、あいにく家に一本の傘は連れ合いが使っていて、旅芸人がかぶるような陣笠しかない。傘と言うより帽子に近い。

それで相手の家の前を伺うが、ばつが悪くて家に入れない。そのうち、家の中から「このヘボ!」と声がかかり「このザル!」と言い返すと、ヘボとザルのエールの交換が始まり、どちらが弱いか試してみようということになり、碁を打ち始めるのだが、気が付けば、やってきた隠居の濡れた陣笠から雨水がぽたぽたと落ちてきた、と結ばれる。

人情噺というところだろう。哲学的に言うと「友情の破綻と再生の物語」ということか。

落語を少しまとめて聞いていて気が付いたのだが、登場人物として「ご隠居」というのと「旦那」というのがある。ご隠居と言うのは記号のようなことばで、現役引退後の余裕ある老人を意味していて、無個性であるのが特徴。一方、旦那と言うのは多彩で、はっきり差別化できるような個性を持たせてストーリーを進めていくというのが多い。

本作も主人公が旦那であれば、陣笠ポタポタの後に、再び「待った」発生場面を入れてみたい。


『茶の湯』(演:柳家権太楼)
この題目だが、あとで考えると、少し教訓的なところが感じられる。
主人公は、大店のご隠居。店を息子に譲り、郊外に家を買い、小僧と二人の生活を始めたが、退屈極まりない。

たまたま、手に入れた家に未使用の茶道セット一式があったので『茶の湯』をやってみようということになった。

ところが、現役の当時は仕事一筋だった隠居は楽しみ方を知らない。今のようにスマホで動画を調べたりはできない。小僧にも無知を知られたくないので、適当なことをいって。緑色の粉を買ってくるように指示する。

その結果、小僧は青きな粉を買ってくる(青大豆を原料としたきな粉)。そして湯をかけて茶筅でかき回しても泡は出ない。そのため、次に椋の皮の粉を買ってきて投入する。そうすると見事に泡が立つ。というのも椋の皮は洗剤として使われていたからだ。

そして飲んでみるが、旨くない。きな粉に洗剤を入れた液体が旨いわけない。しかも腹をこわして、雪隠と寝床を往復することになる。しかしあきらめない。長屋の人間を集めて茶会を開くが、誰もやってこない。それならと、茶菓子を購入して人寄せをするが、茶菓子だけ食べて客人は去る。

ということで、今度は手製の茶菓子(饅頭)を作るが、これまた最悪。客人たちは雪隠の窓から饅頭を投げ捨てると、近くの畑の農夫にあたる。農夫は「また茶の湯か」ということになる。

教訓としては、
1. 知ったかぶりしない。
2. 隠居(定年後)の趣味は現役の頃に始めるべき
3. 趣味を他人に強制しない
といったところだろう。
  
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2023年12月14日

最後の忠臣蔵(2010年 映画)

本日は12月14日、吉良上野介が暗殺された日だ。つまり討ち入りの日。史実としての忠臣蔵は、なんらかの原因で赤穂藩藩主の浅野内匠頭が、江戸城内で吉良上野介に切りかかったものの殺害は未遂。その日のうちに切腹となったことについて、筆頭家老の大石内蔵助を中心に吉良殺害計画が策定され、1年9か月後に襲撃が行われた。吉良邸は両国公園内にある。

襲撃に加わったのは47人だが、このうち一人(寺坂吉右衛門)は討ち入り後、姿を消している。また決行の数日前にも何人かが脱盟しているが、その一人が瀬尾孫左衛門。瀬尾は浅野家の家来ではなく、大石家の家来だった。

そして。この映画は決行直前に姿を消した瀬尾孫左衛門と決行後姿を消した寺坂吉右衛門がW主役になっている。

前半は寺坂(演:佐藤浩市)が中心で、藩主滅亡により窮乏している浪士に対して援助を続けているうちに京都で瀬尾(演:役所広司)を発見する。瀬尾は古道具屋を装い、なぞの美少女を元島原芸者と一緒に育てていた。後半は瀬尾が中心で、若い娘(16歳)と元芸者(40歳前)との三角関係や豪商の若旦那との四角関係が勃発。

映画では、この少女は大石内蔵助の京都妻の娘(俗にいう隠し子)で、瀬尾は討ち入りの後、その娘を育ててほしいと大石に命じられていた。

日本映画界を代表する二人の男優の共演と豪華過ぎる配役だ。なお、二人の行動の理由は、史実ではあきらかにされていないので、この部分だけでもいくつもストーリーは作れるはずだ。また、本映画の結末のつけ方については、あまり納得できない。
後の忠臣蔵(2010年 映画)  
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2023年12月13日

給与後払い、大谷には絶賛、ゴーンには縄

大谷選手のサラリーは10年間で7億ドル(1000億円)。一年100億円ということだが、一説では約3%だけ受け取って97%は11年後からの分割になるとも言われている。

それだと年3億円ということで、代理人に払う50億円をどうするのかよくわからないがそれも後払いなのだろうか。

懸念されるのはドジャーズが破綻した場合。破綻したら金がないので払えないわけだ。970億円の焦付きになる。

また、MLBは疑似サラリーキャップ制があって、高額選手のサラリーを後払いにすることでトレードを容易にすることができるそうだが、球団がそれを何人かに多発してしまうと、日本国の財政のように未来の負債がどんどん膨らんでしまう。

数十億円以上の高額所得になると、日米ともに税率は50%を少し超えるので後払いにしても、また将来、日米のどちらかに住もうとも、大して変わらないのかもしれないが、そもそも日本では給料の大部分を10年後の後払いは可能なのだろうか。


一方、カルロス・ゴーン氏は日本では給料が多いと妬まれる風習があるため、給与の実額を正しく公開しなかった上、給料の多くを退職後受け取ることにしていたとされていて、その金額を決算上、未払金として処理していなかったとして起訴されている。その他にも私的流用もあるが。

日本人は称賛し、外国人には縄をかけるとは、もしかして、日本人の心の中に、外国人排斥思想が忍び寄っているのかもしれない。
  
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2023年12月12日

天地明察(2013年 映画)

映画『天地明察』は、江戸時代の囲碁棋士でかつ天文学者である安井算哲(演:岡田准一)の苦闘を描いた同名の小説(冲方丁著)が原作だ。

歴史小説ということで、囲碁の先生が天文学の第一人者というのも事実。二刀流なのだが、彼は本来は武士ではなかった。会津出身ということで保科正之という大政治家により、日本全土で北極星の観測、つまり緯度の測定を命じられ、その時に武士となる。

その彼が問題としたのが800年以上前から用いられていた宣明暦。唐の時代に日本に伝わったのだが、唐が滅び、日本と中国の行き来が細くなったため、長く改暦が行われていなかった。ちなみに、今まで日本で使われた暦は10通りだが、100年以上使われたのは、明治からの太陽暦と宣明暦の二つだけだ。

ところが、暦は重要なのだが800年も続くと、変化することができなくなる。しかも暦は天皇家の専権となっていて安倍晴明からの流れをくむ土御門家が管理していた。

そして登場したのは水戸光圀。ご禁制の西洋科学の本などの知識面、天文台を作るといった資金面で後押しする。

そして、京都市内でどちらの暦が良いかという日食あるなしクイズを始める。まさにガリレオ・ガリレイがピサ斜塔からボールを落として実験したのと同じ方法だ。


和算家の関孝和(演:猿之助)は同志のように映画では描かれているが、そもそも改暦は関も狙っていて、安井に先を越されて憔悴していたようだ。

なお、主演の岡田准一の妻えんを演じるのは宮崎あおい。この映画の4年後に岡田准一と結婚している。その後、仕事量を減らしていたが、最近になり一生懸命働きだしたようだ。なにかあるのだろうか。

追加の想像だが、太陽暦と太陰暦、あるいは天動説と地動説といった天文学において、絶対的な基準ともなるのが北極星で地球の地軸の先にある星だ。北極星の存在と地軸の傾きと言うのはまったく関連のない事象だから、北極星というものが存在すること自体が偶然といえる。もし北極星がなかったら、人類はまだ地動説に辿り着いていないのではないか、という気もする。
  
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2023年12月11日

「私は白で、大臣即戦力」と名乗りを上げた人

元五輪相が、「パー券300枚負担できず派閥抜けました」と絶妙なタイミングでカミングアウト(?)した。

元大臣となっているが、2018年10月から2019年4月まで6か月間だけ大臣をしている。当初から五輪憲章を読んでないとか問題発言が多く、最後は岩手県出身の女性議員のパーティで、「復興以上に大事なのが〇〇議員だ」と発言し、辞任した。発言が午後7時で総理大臣に辞表を提出したのが午後8時半頃。忠臣蔵の浅野内匠頭切腹よりもスピーディだ。

おかげで女性議員も落選し、現在失業中だ。

しかし、今回は抜け駆け的に打って出たのだろう。おそらく大臣の椅子が4つ位空くだろうと推定しているのだろう。疑惑の真偽がはっきりしない議員を使うわけにはいかないだろうということで、一早く動いたような気がする。

問題は失言癖だろうが、落ち着いて考えれば、大臣の時の「復興以上に・・」という発言は他人の気持ちに配慮しないという大問題はあるが、本音で言ったわけではないだろう。それに比べて昨今の大臣や副大臣、政務官の所業は確信的犯罪に近い部分があるわけで不適格度はきわめて高いわけだ。

失言以外の欠点はなさそうなので、失言3回までは許す回数券でも渡して目をつぶって就任させたらどうだろう。将棋四段とのこと。実力四段なのか、贈四段なのかが問題だが。(しらべたところ、2018年、五輪相の時に将棋連盟から五段を贈られている)

  
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2023年12月10日

犬婿入り(多和田葉子著 中編小説)

『犬婿入り』は芥川賞受賞作。前後の事情はよく分からないが、新感覚であるのは間違いない。ある意味、カフカ。ある意味、大江健三郎。舞台は多摩川の近くの住宅街。町の学習塾の経営者である北村みつこ先生は、こどもに絶大な人気がある。ちょっと変な先生だからだ。

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彼女が話した民話「犬婿入り」はとんでもない話で、こどももそれを聞いた大人も眉を顰めるのだが、だからといって寓話としては人生の醜い面を指し示している。といって犬婿なんて、比喩としては誇張的すぎる。

ところが、その先生の所に本物の犬婿がやってくる。人間的な犬ではなく、イヌ的な人間のオス。そこから奇妙な二人の生活が始まるのだが、ある偶然で、犬婿の法律的な妻があらわれる。さらに犬婿にはボーイフレンドがいることも明らかになるが、そのボーイフレンドの娘は、学習塾の熱心な生徒だった。

これらの複雑な関係がどうなるのか、心配になるが、あっけなく幕が降りるのだが、その展開は、小説の冒頭に差し込まれたある情景に戻っていくわけだ。

もう一編の『ペルソナ』はわかりづらい。ドイツ生活が長い著者は、ドイツにおける東アジア人の立ち位置の微妙さを強く感じているのだろうが、個人的に付き合いがあったドイツ人を思い出すと、やはり選民意識を持っていたように感じる。「私は正しい。ドイツ人だからだ」というような感じだ。著者も気にしなくてもいいと思う。そうではないからだ。
  
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2023年12月09日

左馬の色紙

先週。左馬の縁起について触れたが、たまたま衣替えのため、物入れの整理をした時に、記憶の隅にあった色紙が額入りででてきた。

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棋王 米長邦雄 左馬

棋王だった時期を調べると、1978年、1980年から1983年の計5期。永世棋王の称号は連続五期ということで、惜しくも手に入れていない。

しかし、該当の期間に自分がこの色紙を手に入れるようなイベントは記憶にないので、後に紆余曲折を経て、自宅の物入れの隅に着弾したのだろう。(記憶ほど怪しい物はないが)

直接、氏の顔を見たのは二回。いずれも連盟会長だった時。最初は連盟の支部連合会に属していた時に関東地区の支部懇談会があった。当時、女流棋士の独立運動が火を噴いていた時で、その問題について多くの出席者から批判の山を浴びせられ、這う這うの体で逃げ出されたわけだ。次に会ったのは、そのすぐ後で、普及指導員の資格を取得したあとの指導員へのあいさつの場。

一応、資格取得には簡単なテストがあり、詰将棋とか、図面と数十手の棋譜があって、その結果の図面を描くような問題とか、社会問題とか経済問題とかは高校の入試程度で、難問と言えば、不況とインフレが同時に起こる経済現象、つまりスタグフレーションぐらいだったかな。

氏はスピーチの最初から不機嫌で、「全問出来た人もいるが、そういうのは役に立たない」というような、劣等感を含んだ言い方をしたり、女流棋士の問題に触れ、先日の支部懇談会では支部の方にも多くの賛同をいただいた、というような大嘘を平然と口にしていた。

嘘をつくときに声が大きくなる人がいるということは勉強になり、その後の役にはたったともいえる。(ライバル棋士も、駒音が大きい時は自信がない手、と見抜いていただろう)


11月25日出題作の解答。

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今週の問題。

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解ったと思われた方はコメント欄に最終手と総手数とご意見をいただければ正誤判定します。
  
Posted by ota416 at 00:00Comments(2)しょうぎ

2023年12月08日

高岡は鋳物の街で、藤子不二雄の街

高岡の名産と言えば銅の鋳物。400年前からの鉄の鋳物生産が派生し、銅の加工も有名だ。町全体が鋳物生産を分業化しているらしい。

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街の中に、ブロンズ像がいくつもある。大きくいえば高岡大仏だってその一つだろう。高岡駅に近いところに鳥獣戯画像があった。

そしてもう一つ有名なのが、マンガ家。藤子不二雄のふるさと。

といっても藤子不二雄は実際には二人の漫画家、藤本弘と安孫子素雄の合作に使われる。このうち藤本弘は高岡出身、安孫子素雄は隣の氷見市出身だが、小学生の時、安孫子が高岡に引っ越した時に知り合う。合作の時の有名作は『お化けのQ太郎』。分立した後。藤本は『ドラえもん』を描き、安孫子も『笑うセールスマン』などを描いている。

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駅前にはドラえもん関係者像が描かれている。
  

2023年12月07日

国宝瑞龍寺 禅宗の典型的な造り

高岡市の観光地の中で、高岡城と対で考えるべきは瑞巌寺。寺院の中で、山門、仏殿、法堂という重要建造物がすべて国宝となっている。

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もともと、加賀二代藩主の前田利長が家督を弟の利常に譲った後、金沢から高岡に移動し、高岡城を築城しようとしたものの、江戸幕府の一国一城令により未完に終わったため、利常は利長を弔うために瑞龍寺を建立した。1663年の完成時には寺域は三万六千坪、周囲を水濠で囲み、城のような規模だった。

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あいにく雨まじりの天候だったが、落ち着いた雰囲気の中庭など心静かになる場所なのだが、かすかに、鉄道のような音が聞こえる。JR城端線か新幹線の音だろうか。

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趣向だと思われるが、山門、仏堂、法堂それぞれ趣向の多いのが屋根であろうか。日本的ではない屋根の勾配である。
  
Posted by ota416 at 00:00Comments(0)たび

2023年12月06日

高岡大仏はNo3か?

高岡城から高岡駅方面に数分歩くと高岡大仏が不意に現れる。日本三大仏の一つと紹介されている。(それは知っていたが、『日本三大仏』ではなく『日本三大大仏』だと思っていた。意味は同じだろう。)言うまでもなく奈良東大寺の大仏が1位、鎌倉高徳院の大仏が2位というのは江戸の時代から言われている。なにしろ他の大仏に比べて圧倒的に古いわけだ。奈良時代と鎌倉時代。

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江戸時代には、京都方広寺の大仏が第三位であったが焼失している。戦前は兵庫県の能福寺の兵庫大仏も有名だったが、金属供出の餌食となった。現在では岐阜県正法寺の岐阜大仏と高岡大仏が三位争いをしている。

ただ、岐阜大仏は金属ではないようだ。

大仏というのは建物の中にいるのが奈良東大寺と正法寺。実際よりも大きく見えるのだろう。一方、鎌倉大仏は屋根がない。高さは、奈良の方が14.7m、鎌倉は11.39mとなっている。高岡大仏は、高いところに座っていて7.4mだそうだが。

本来は大きさを争うようなものではないだろう。大きいだけなら茨城県牛久の牛久大仏が120mもあるが、座ってないとカウント外のようだ。

もっとも拝観料でいうと、東大寺と牛久はどちらも800円。岐阜大仏は200円。鎌倉と高岡は屋外にあるので、拝観者の任意ということになる。

個人的な感想で申し訳ないが、奈良と鎌倉の1000年前後の歴史を持つ大仏の表情と比べ、高岡大仏の表情は、少し俗に近いようにも見える。かつて与謝野晶子が高岡大仏(釈迦牟尼)は鎌倉大仏より一段と男前と詠んだ句がある。

鎌倉や御仏なれど釈迦牟尼は美男におはす夏木立かな

まだ悟りに達していないということだろうか。そういえば、以前、部下の一人が「大仏」とニックネームをつけられていた。牛久から通勤していたことと、体型や顔付が大仏型だったのと思考回路が悠久の速度だったからなのだが、おそらく本人だけは知らなかったはずだ。
  

2023年12月05日

高岡城は本丸橋から攻めるべし

新湊方面から万葉線で高岡駅に向かい、途中の「急患センター前」で降りる。そこから高岡城址(高岡古城公園)へ行く。通常はの観光客は高岡駅から高岡大仏へ行き、その足を延ばして高岡城へ行くか、行かずに土蔵造りの町並みや、踝を翻して瑞龍寺へ向かう。

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高岡城へ裏口(本丸橋)から入ろうというのは例外だろう。大仏側から入る道は整備されているが、水堀にかかった橋から入ると、待ち構えているのは山道で坂道。いくさで城攻めするような道だ。雨まじりの天気で足場はびしょびしょで濡れた落ち葉で足をすべらさないように歩く。ぬれ落ち葉とは初老の人を侮辱的に指す言葉でも使われるが、すべると老人扱いだ。

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そして、木立を抜けると本丸などがあった広場があらわれる。

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この城も不思議な運命がある。築城者は前田利長。前田利家の正妻まつの子である。利家の人柄から言われないのだろうが利家は大変強力なDNAを持っていたようで、徳川家斉には劣るものの40〜50人の子供をつくった。ただ、なぜか女子が多かったり早世したものも多い。利長は利家の後を継ぎ、百万石の加賀・越中を基盤とし、家督を異母弟の利常に譲り、金沢城を出て高岡に居を移すため隠居城を作ったと言われる。

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ところが、徳川幕府は一国一城を大名に強制したので、高岡城は一部未完成のままになった。さらに城割を担当したのは加賀藩に身を寄せていた高山右近だが、彼もキリシタンの運命に身を任せ、フィリピンに国外脱出してしまう。  
Posted by ota416 at 00:00Comments(0)The 城

2023年12月04日

海王丸は見るだけ

新湊の「きっときと市場」そばのカニ小屋で紅ズワイガニ一匹を食べ、さらに氷見うどんを食べた後、向かったのは、1キロほど先に見える帆船海王丸。全国の商船学校の練習船で、老朽化したあと、新湊港に係船され、海王丸パークとして観光資源になっている。

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横浜には帆船日本丸があり、こちらは何回か船内見学しているのだが、徒歩で海王丸に近付くと、日本丸よりも大きいように見えた。実際には両船ともほぼ同じ時期に建造され、姉妹船であり基本的には同じということだったのだが、日本丸の背景には297mのランドマークタワーや大観覧車などがあって、小さく見えるのだろう。

そしてさらに残念なのは、営業していなかったこと。ほぼ一年中乗船できていたのに、訪船した時は定期点検中だった。細かく調べればよかった。

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その代わりに、近くに海上保安庁の巡視船が停泊していた。PL41と艦船番号があり、後日確認すると、「あそ」だった。1000トン級。1999年の能登不審船案件の時、高速の不審船に逃亡され、それに対応するために小型の高速艇をはじめとした数隻単位でのユニット戦略が立てられ、その中の一隻として30ノット(時速56キロ)以上のスピードが出るそうだ。

そのため船体の軽量化としてアルミ合金でつくっているそうだ。特に仮想対峙国の関係で、敵艦攻撃能力が高いようだ。(尖閣方面の場合は船速や武装規模よりも船隊の数とか大きさにこだわっていてように感じる。また、海上保安庁には日仏間のプルトニウム輸送船の護衛艦として7000トン前後の高額の大型船が2隻あるが、輸送が1回だけという思惑外れもある。もちろん海上保安庁のせいではないが、後々、臨海公園に展示されることはないだろう)
  
Posted by ota416 at 00:00Comments(0)たび

2023年12月03日

高志の紅カニをもとめて

高岡から路面電車に乗り東新湊駅で降りる。目指すは「きっときと市場」。以前、一回行ったことがある。さらにいうと氷見の市場にも行ったことがある。

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実は、新湊の名物は紅ズワイガニの昼せり。早朝ではなくお昼頃に市場でせりがあって、それを観光客が眺めることになっていて、さらに紅ズワイガニを一人一匹食べることができるパッケージが3000円で、実は予約していた。

ところが・・

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前日の海が荒れていてカニ漁用の籠を仕掛けられなかったということで、セリは中止になる。つまり、カニを食うだけだ。カニ小屋に向かう。

高志の紅カニだが、高志(コシ)という名だ。(越)という意味かな。紅カニと書いて、「アカガニ」。

ズワイガニと違って紅ズワイガニは少し小さくて、オスだけを食べ、メスは海に放しているそうだ。

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そしてカニ一匹。カニフォークとハサミが用意される。約20分後には残骸の山となる。「カニを食べるとき、人は無口になる」

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カニだけでは昼食のボリュームに足りないので、市場のレストランで「氷見うどん」をいただく。うどんにしては細いが稲庭うどんよりは柔らかい。

昼せり見られず、残念といったところだ。
  
Posted by ota416 at 00:00Comments(0)あじ

2023年12月02日

槐(延寿)の左馬

先日、天童で作られた槐の左馬の駒を買った。駒の形ではあるが将棋には使えない。普通の馬は角が敵陣で成った駒だが、この左馬には裏に文字が書かれていない。

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槐は古代中国では魔よけとして知られている。木に鬼だ。日本では寿命を延ばす(延寿)と書かれたりする。

左馬は馬が逆さに書かれていて、うまではなく「まう(舞う)」ということでめでたい席を意味し縁起が良く、また文字の下の部分は財布の巾着のように口が閉まっているのでお金が散逸しないともいわれる(右馬でも同じだが)。商売繁盛の守り駒といわれている。


さて、11月18日の詰将棋の解答。最後は左から馬がくることになっている。

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今週の問題。実は、これも左から馬問題。

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解ったと思われた方はコメント欄に最終手と総手数とご意見をいただければ正誤判定します。
  
Posted by ota416 at 00:00Comments(2)しょうぎ

2023年12月01日

万葉線に乗る

北陸シリーズ2日目は、まず新湊へ。高岡から路面電車の万葉線に乗る。富山に宿を取ったのだが、新湊にいくには高岡まで行ってからブーメランの形のように行かないといけない。この万葉線だが延伸したり短くなったりルートが変わったりと数奇な歴史があり、赤字になった結果、現在は富山県や周辺の市が加わった第三セクターで持ち直したそうだ。

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さらに北陸新幹線が富山駅、新高岡駅に停車するようになると、今度はJR西日本が北陸本線を廃止して、富山県が出資の「あいの風とやま鉄道」に譲渡してしまう。したがって富山と金沢の間の在来線はJRではなくなった。さらに、まもなく氷見線、城端線の前述の「あいの風とやま鉄道」への譲渡が決まっていて。残るは高山線の北側(富山県内)だけになる。一両で運航しているようで、県内に在来線にJR線がなくなってしまうことも見えてくる。

この万葉線だが、市街地は道路の上を走り、途中から専用の線路になり、新湊の方にいくと、無人ではあるが、普通の駅になっている。速度が遅いこともあり、高岡市内の街並みを楽しんでいると、妙な文字の看板があった。昼間は営業せず、夜間にバーを営業しているような感じだ。



小さな文字で店名が添えられていて、「あきない」と書かれている。「商い」と言う意味なのか、店主の名前が「秋内」とか「秋野紅」とか・・ 春夏秋冬ではなく春夏冬ということ。  
Posted by ota416 at 00:00Comments(0)たび

2023年11月30日

LION 25年目のただいま(2016年 映画)

原題は『LION』。インドで5歳の男子サルーが誤った列車に乗ってしまい仮眠している間に遠く離れた場所で迷子になってしまう。広いインドで言葉の通じない場所で、ついに施設に送られ、結局、養子としてオーストラリアの夫妻の家に養子で入ることになる。順調に優秀な青年になったサルーだが、いつしか自分を探し続けている母や兄のことを考えることになる。

そして、友人の勧めで記憶の中の僅かな情報を頼りにGoogle Earthで出身地を突き止めようとする。

実話を元にしているというからすごい。人間の記憶と言うあやふやで主観的でバイアスがかかった情報を地図の上で絞り込んでいく。

オーストラリア人の夫妻の妻を演じるのはニコール・キッドマン。オーストラリア人で本国では絶大な人気があるようだ。たいていの出演では根性のあるキツイ女性の役を演じるのだが、この映画では微妙な感情を表現している。サルーが出身地を突き止め、インドに向かう時も、実母に立派に育った自分をみせるようにサルーに話しかける。

エンドロールの冒頭には、インドでの迷子の人数が表示されるが、毎年8万人も子供が行方不明になっているそうだ。

ただ、日本人がこの映画をみると必ず心に浮かぶのは、帰りたくても帰れないところに無理やり連れていかれた人たちのことかもしれない。
  
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2023年11月29日

『浮世床』と『幾代餅』

『浮世床』(演:柳家さん喬)はテーマとしては女性蔑視なのだが、夢の中の話、つまり妄想ということで、まあ罪のない噺だ。

主人公の男が歌舞伎観劇に行くと、桝座席に妙齢の女性がいて、まだ席が空いている。空いているなら座っていいかと尋ねると、快諾。そして意気投合。幕が降りてから、お座敷に食事にいくと、控えの間には布団が用意されていて、男の脇に滑り込んだところで夢から覚めるという話。妄想だけでは罪に問えない。

『幾代餅』(演:柳家さん喬)だが、同種の噺としては『紺屋高尾』とか『搗屋無間』がある。いわゆる廓話。廓と言うのは江戸でいえば吉原をはじめとした売春場所。現代の風俗店と大きく違うのは働く女性が人身売買されていたことで、年季という期間の間は奴隷だったこと。

廓の中は階級制度で、簡単に言うと容姿端麗なものは身分が高く大名や大商人を相手にし、うまくいくと年季前に廓を抜けることができた。

米搗き屋(精米業者)の使用人清蔵が、草子屋でみかけた錦絵の美人に恋をしてしまう。その美人とは吉原の廓の幾代太夫。当然ながらお大尽しか相手にしない。そのため恋煩いで寝込んでしまう。別の落語(肝つぶし)では、藪医者が登場してイノシシ年の娘の生き胆を食わせる話になるが、本題では本人が1年間働いて給料を溜めて、その金で一回吉原に行くことになる。といっても簡単にはいかないので、身分を偽るのだが、太夫の前で嘘がばれる。

しかし、ばれた後の処置に成功し、好感度が上がり、半年後の年季明けに幾代は清蔵のところに嫁入りするわけだ。これが美談となって店は大繁盛。独立して米搗き屋を始め、餅を売り出すと売り切れ続出ということになる。

『紺屋高尾』のストーリーはほぼ同じで、職業が米搗きから紺染めに変わっただけだ。

『搗屋無間』はやはり米搗屋の使用人の噺だが、太夫は米搗屋と会いたいがため、自分を買う資金を渡すわけだが、これでは金が回らなくなるのだが、偶然にも大金を手にすることができるということなのだが、話の筋が享楽的すぎるということで、戦時下の日本(昭和16年)では禁止になった。

今回聴いたのは2002年から2003年の録音なのだが、20年後の今でも廓話は高座で話されているのだろうか。
  
Posted by ota416 at 00:00Comments(0)落語

2023年11月28日

姫君(山田詠美著 短編小説集)

姫君(山田詠美著)は著者の2001年の時の短編集。大雑把にいうと、25歳ごろ小説家になり40歳過ぎに本書を書き、現在は60歳過ぎということ。

もしも彼女の小説が風俗小説の類だったら、20年、30年、40年前の作を読めば、古びた感覚を感じるだろうが、そういうところはまったく感じない。人間(主に、女性と男性が登場して複雑な心理ゲームが行われることが多いが)の感情を細かく書くことが多く。読む側がそういうところが好きでないと疲れ切ることがある。ということで、長編になると、へとへとになるが短編は気が楽だ。

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五編の独立した短編小説からなる。

MENU:これはやっかいな話だ。主人公の青年は、こどもの頃に両親を失い叔父夫婦に育てられる。兄と妹の間の年齢で、この三人が成長していくにつれ、奇妙な関係が始まっていく。ストーリーの展開が意外。

検温:やや薄味な小説で不倫カップルの男の父親にも略奪婚の妻がいて、その高齢の妻は癌の最終章にいて、横浜の三渓園で老若二組の男女が散歩するわけだ。当然ながら、何ら展開はなく若い方の不倫カップルは、心の小波を抱えて、家に帰る。

フィエスタ:説明できません。登場人物の心の中が見えないまま終わってしまった。

姫君:短編集の標題にもなっていて、もっとも著者っぽい作。気の弱い青年に絡みついた姫子という女性が主人公。青年を奴隷化した愛に徹しているうちに感情が絡まっていく。そして青年が奴隷状態から脱した時に、姫子は逃げ出すのだが、やはり戻りたくなっていくのだが・・

シャンプー:シャンプーは犬の名前。ビルの窓掃除という命がけの仕事をする父とその父にガラス越しで一目ぼれした母の子として生まれた女子が主人公。父母は離婚して女子は母の籍に入ったが、気持ちは父親乗り。なんとなく人生の漂流気分の彼女のところに、父親が入院した緊急電話が届く。実際には父が愛人と自転車の二人乗りをして転倒して骨を折ったということで、しばらく入院という平和的な結末で、著者らしくないのかもしれない。

余計なお世話だが、骨折が治るまでは窓拭きの仕事は無理だろう。全快したあと窓拭きゴンドラに乗った時、平衡感覚に慣れてなくて、一番危ないかもしれない。
  
Posted by ota416 at 00:00Comments(0)書評

2023年11月27日

“金澤おでん”

北陸旅行金沢編の最後は、夕食の金澤おでん。おでんというと本来は庶民的な食べ物だが、東京都内の専門店に行くと、寿司屋以上の出費になる。なぜか東京のおでんは超絶的に高価だが、静岡や金沢といった都市のおでんは、そう驚かない。

金沢はおでんが有名で、市内の各所に有名店が散らばるが金沢駅近くで探すことにする。

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駅前には新幹線開通に合わせて作られた巨大な赤門がある。赤門と言えば東京大学の別称だが東大本郷の赤門も加賀藩邸当時、江戸11代将軍の家治が数十人も子供を作ったため女子の嫁ぎ先の一つが加賀藩で、持参金代わりに門をプレゼントしたものだ。

茶屋街から循環バスに乗って金沢駅前に着く。本来は茶屋街の座敷で加賀料理7点コースのあとお布団付きのような接待があればいいが妄想に過ぎないので、まず「黒百合」という店を覗くが、満員で長蛇の列。北口の方で、あまつぼという店があり、3組待ちでカウンターに辿り着く。おでん種は七種盛。具が大きい。

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サクッと食べて、宿泊地の富山へ向かう。
  
Posted by ota416 at 00:00Comments(0)あじ

2023年11月26日

主計町茶屋街からひがし茶屋街へ

金沢の三大観光地とは、「兼六園」、「21世紀美術館」そして「ひがし茶屋街」と言われる。

これに近江町市場を加えると、三角形と言うか四角形というか。従って周遊バスがある。といっても時間の関係で途中歩いたりするので、結構な時間が必要。美味い物も食べたいし。

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本来は、近江町市場で昼食、金沢城址から兼六園、21世紀美術館、そしてひがし茶屋街で三時のおやつというように思っていたが、金沢駅でコインロッカー待ちがあったことと、降り続く小雨のため遅れてくるし、寒くて歩きながら金箔ソフトを食べる気にならないため、ひがし茶屋街の近くの主計町(かずえまち)茶屋街を先に歩いてみる。

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ガイドブック的には、ひがし茶屋街という江戸時代の歓楽街が手一杯になって、もっと高級かつ濃厚なサービスに傾いた歓楽街として川沿いの狭い空間が使われたようだ。実際、ひがし茶屋街の方は、現在は茶屋と言うよりも観光地といった風情の物販や飲食店になっているが、主計町の方は、今も細い路地が重なり、実際に営業している店が多い。一見では入れないように、そもそも営業しているのに門が閉まっている。本日貸切の紙が貼られている。お茶屋とか小料理屋ということらしいが、外からでは室内の様子は知る由もない。

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そして、夕闇が広がるひがし茶屋街だが、既に街から出てくる人の方が多い。雨の中を一回りしてくる。金箔ソフトには手が伸びなかった。金箔屋を冷やかす元気もない。金澤プリンを雨に濡れながら食べるのは無理。傘を指して、時々撮影し、あと二本ほど手が必要だ。

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万歩計はそろそろ二万歩に近付いてきて、夕食を求めて、最後の力を振り絞らないといけない。
  
Posted by ota416 at 00:00Comments(0)たび

2023年11月25日

順位戦A級のみどころは、残留争いに

10人総当たりの年間9局のリーグ戦が5回戦まで終わる。本来は名人挑戦権を争うリーグだが、挑戦しても勝てそうもないので、事実上争うのは残留争いなのかもしれない。

5局終了で勝ち越しが四人、負け越しが六人。1勝4敗が二人で、2勝3敗が四人。注目は新A級の佐々木勇気八段と中村太地八段。順位が7位と8位。この順位差は、B1級リーグの最終局で入れ替わった。

この二人の順位差が結果に影響を及ばすような予感がある。


さて、10月11日出題作の解答。

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今週の問題。

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解ったと思われた方はコメント欄に最終手と総手数とご意見をいただければ正誤判定します。
  
Posted by ota416 at 00:00Comments(2)しょうぎ

2023年11月24日

兼六園から21世紀美術館へ

兼六園は江戸時代に前田藩の藩庭だった。といっても郊外の一戸建ての庭のように、藩主がハサミを持って木に登ってチョキパチするわけじゃない。日本三名園といえば、兼六園、後楽園、偕楽園といわれ、兼六園は今回が2度目。

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三名園の一つの岡山の後楽園は池田藩の藩庭だった。池田家は鳥取と岡山に分かれて、合わせれば外様の大藩で、かなり幕府を意識していたはず。数年前に、池田藩の秘蔵品を展覧会で見た中にも、幕府の秘密のはずの大阪城の内部図面が入っていた。いざという時には一気に攻め込むつもりだったのだろう。新田開発に熱心で実質的な石高は多かったはずだが、立派な庭園を幕府のお庭番にチラ見させ、遊び惚けている無能大名を装っていたのではないかと推理したのだが、前田藩もそういうことなのかもしれない。

水戸の偕楽園にはまだ行ったことはないが、来年あたり行かねばならないだろう。

そして、雨の中、少しずつ冬の準備が進んでいるようだ。雪が降り積もると、さぞかし綺麗なのだろう。公園内は内外の観光客であふれている。松の手入れは植木屋でも別料金のこともあり、これが多い庭は本物だが、要所に松が配置されている。美しい苔を維持するために苔の間に溜まった落ち葉の除去作業など細かな作業もあるし維持は大変だ。

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庭園内に地図が不足しているため21世紀美術館から離れた場所に出てしまったが、東京竹橋から移転になった国立工芸館が見えたが、竹橋では何度も通っていたので、今回は外観鑑賞だけにした(以前は国立近代美術館へ入場すると、おまけで行けたのに、これからはそうはいかない)。時間が押してきた最大の原因は、金沢駅でのあてのないコインロッカー待ち時間だ。

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そして、21世紀美術館。実は前回に訪館した時にカフェテラスで食べた和栗のパフェがお目当てだったのだが、なにしろ寒いし、カフェは大混雑。メニューも確認できないので、次に向かう。日没時間も気になる。
  
Posted by ota416 at 00:00Comments(0)たび

2023年11月23日

金沢城公園は、なんと広いこと!

近江町市場から10分ほど歩くと金沢城公園に着く。といっても城壁や櫓が見えてからも遠い。門を潜ると。広大な広場がある。多くの城(江戸城も)もそうだが、本丸とか二ノ丸といった木造建屋がなくなったあとを広場にしている。一面、芝生が整備されている。

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旧本丸はさらに一段高いところにあったようだが度重ねる火事によって天守と同様に再建されなくなった。しかし、城についてはずいぶん見ているが、金沢城は他藩の城よりも格段に広い。大阪城よりも広いかな。さすがに百万石大名だ。

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もっとも、江戸幕府開府当初、徳川家が怖れていたのは、加賀前田、仙台伊達、薩摩島津の三藩とされているが、いずれも大藩ながら城郭に天守閣を持っていない(金沢城天守は1602年に焼失)。幕府に睨まれたくなかったのだろう。江戸城も結局、火事により天守閣は再建できなくなった。

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現存する建物で有名なのは、石川門。立派な門だ。門と言うのは城郭では敵の侵入を防ぐための軍事施設。古来有名な羅生門は京都の入口の門だが、門の中に人が入れるようになっている。

これだけの大施設を入場料無料にするには、石川県は裕福なのだろうか。今後、往時にあった木造建築物の再建計画が次々と実行されるそうだ。兼六園も含め、おそらく、代々の石川県知事は、予算がなくなると、秘かに引き継いでいる前田利家公の残した埋蔵金の隠し場所に、スコップもっていくのだろうか。
  
Posted by ota416 at 00:00Comments(0)The 城