タッチ&ゴー
キタテハ / OM SYSTEM OM-1, M. ZUIKO DIGITAL ED 100-400mm F5.0-6.3 IS.
この季節、ようやく緑に覆われ始めた草地や空き地で、飛行機の離着陸訓練のようにタッチ&ゴーを繰り返しているキタテハをよく見かけます。
これは彼らがまだ飛ぶのに慣れていないから・・・ではなくて、産卵対象を探しているメスの姿。キタテハの食草となるカナムグラは一年草なので、春先はまだ丈が低くて葉も小さいのです。
キタテハの卵 / OM SYSTEM OM-1, M. ZUIKO DIGITAL ED 60mm F2.8 Macro, マクロフラッシュ STF-8. トリミング.
カナムグラの双子葉に産みつけられたキタテハの卵。これは同じ個体がまとめて産んだのか、それとも複数の個体がたまたまこの場所を選んだ結果こうなったのか・・・。卵の色に違いがあるところを見ると、後者なのかもしれません。
この卵、宝石のように美しいのですが、直径や高さはわずかに0.7mmほど。老眼の進んできた目で探すのはなかなか厳しいものがあります。
キタテハの卵 / OM SYSTEM OM-1, M. ZUIKO DIGITAL ED 60mm F2.8 Macro, マクロフラッシュ STF-8. トリミング.
母蝶を観察していると、しばしば食草でないものに産卵行動を取ることも。これはそのへんの枯れ草に産みつけられた卵。産卵の場面を見ていたので探し出すことができましたが。そうでなければ絶対に見つからなかったでしょう...。
産卵中のキタテハ / OM SYSTEM OM-1, M. ZUIKO DIGITAL ED 100-400mm F5.0-6.3 IS.
これまた「おや?」と思った場面。腹部を曲げて明らかな産卵行動を取っていますが、植物はムラサキケマンに見えます。しかも花に。念のため、母蝶が去ってから確認してみると・・・。
キタテハの卵 / OM SYSTEM OM-1, M. ZUIKO DIGITAL ED 60mm F2.8 Macro, マクロフラッシュ STF-8. トリミング.
やっぱり産んでいました。
タッチ&ゴーでせっせとカナムグラを探しているようですが、実際にはそれほどシビアに選択しているわけでもないのでしょうか。もっともこのエリアにカナムグラはたくさん生えている&生えてくるので、孵化した幼虫も餌を探すのに困ることはないのでしょう。
2024年3月27日 神奈川県
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