Records Romantic (レコード・ロマンティック)

パンク・パワーポップ・ガレージパンク・モッドリバイバル…の中でも個人的にロックンロールしてると思うバンドの音源を紹介しています。現在は更新停止、新たなブログをやっています。 → 新ブログ

DUNCAN REID AND THE BIG HEADS / THE DIFFICULT SECOND ALBUM (UK * 2ndAlbum * 2014 * 自主,WANDA)

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前回紹介したボーイズから脱退したダンカンのメインプロジェクト。1stアルバムはダンカンの個人名義だったのに対して今回からビッグ・ヘッズ付いてしっかりバンドアピールという感じでしょうか。

前作も紹介しておりますとおり、70~80'Sの色というより、現代的なキャッチー・パワーポップとしての色が強いこのバンド。本作ではウェイビーなシンセサウンドがバリバリ入ってきたことと、ちょっと哀愁~鬱々としたメロディも入れること、曲によってはかなりピアノ弾き語り要素も強くなったことで、少しおとなしいのアルバムという印象。
特にビヨゥオ~ンと入るシンセの音は個人的には必要だったかと思ったりします。

パワーポップファンというより、もしかしたらその後のC86やネオアコ時代、後期モッドリバイバルといった86~89年サウンドファンのほうがグっとくるかもしれません。
そう考えるとシンセもピアノもいいアクセントに聴こえてきます。

初期パンクフリークやパワーポップフリークより、TIMES,SQUIRE,SUEDE CROCODILESといったラインが好きな人に気に入ってもらえそうな感じがします。

もったいないのは女性がメンバーに2人もいるんだからこの2人にガンガンコーラス歌わせれば良いのに…というところでしょうか。ダンカンの甘い声との相性最高だと思うんですけどね。

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これはかなりパワーポップ度高めの曲。

 
こういう曲が多い↓

 
↓正直ライブの方がパンクである。
 

BOYS / PUNK ROCK MENOPAUSE (UK * 6thAlbum * 2014 * WOLVERINE)

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あのボーイズが、70s~80sのUKパンクロックと言ったら欠かせないあのボーイズが、まさかの6枚目のアルバムをリリースです。自ら「パンクロック更年期」というタイトルをつけたり、13NEW CLASSICS!!とラベル付けしたりといい感じのスタイル。

想像できていると思いますが、1stアルバムのような強烈さを期待してはいけません…というのはやっぱりこの手の再結成バンドにはしかたないことなのでしょうか。ちょっとファンアイテムと言わざるを得ないところはあります。
ボーイズのメインフロントマンだったハイトーンボーカルおまかせのダンカンが抜け、残ったカジノスティール、マットデンジャーフィールド、ジョンプレーンの3人がメインとなって作られたもの。

恐れていたPOWER CUT(1997年にリリースされた、多分5枚目のアルバム…でいいんですよね?)路線のアコースティックサウンドでなく、しっかりロックしてる音。4枚目のアルバム「BOYS ONLY」の路線の曲で、その曲のクオリティは非常に高く、ボーイズが作るパワーポップ・ロックンロールってそうそうこの感じ!という味はしっかり出ています。
ライブではかなりしゃがれ声でボーカルが聴こえない(おっと)なんてことも記憶に新しいですが、そこはレコーディングモノということで、しっかりボーイズの武器、コーラス&ハーモニーは爆発。

なにより曲も雰囲気もそのものはスマートなのが良いです。個人的にはスタジアムロックのようなドラムの音が苦手なんですけれど(もっと小屋でやってるような音で良いのにね)その辺抜いても「How Can I Miss You」なんて素晴らしい曲が聴ければOKなんですけどね。

なお、CD媒体は見たこと無いですが、2015年にはライブ・イン・チャイナ的なアルバムもリリースしている模様。普遍的なサウンドここにありという感じで素晴らしいです。




↑ジャケが違いますがこのアルバムの収録曲です。



IMPO & THE TENTS / ANXIOUS TIMES (SWE * 5thSingle * 2015 * alien snatch)

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スウェーデンのドイヒー名前なウェイビー/パワーポップ&パンクバンド、いんぽ&ざ・てんつ。過去に4枚のシングル、2枚のアルバムをリリースしておりますが、特に3枚目以降のシングルからドライブ感が大爆発。前作セカンドアルバムは現代パワーポップ・パンクシーンではトップクラスの出来で一気にファンが増えたのではないかと思います。

そんなアルバムの衝撃がなくならないうちにリリースされた4曲いりのシングル(EP?)がこちら。ちなみに私のラベルはAB面が逆でした。
これがまたアルバムのいいところだけを切り取って且つ青春度をアップさせてしまった甘酸っぱいパワーポップレコードになっております。

キーボードがキラキラしたメロディを、ギターがギャンギャン唸るドライブ感を、そしてドラムがタイトなリズムを刻む、見事にお手本のようなサウンド。ポインテッドスティックス系統サウンドの最新型にして最前線といって言いと思います。
しかしこのスネアの音はどうやって作ってるんでしょうか。はじけるいい音です。

STAY THE NIGHTというシャッフルビートの曲が飛び出しこれもまた最高ですが、それ以外の3曲スタンダードな8ビートの曲の強烈なキャッチーさが素晴らしいです。
個人的にはいちばん短い曲「Do The Things You Wanna Do」の歌メロの最小限の変化で彩り付けちゃってるあたり最高だなと思います。

埋め込み出来ないのでリンク先で試聴してください。
SOUNDCLOUD

LUMPY & THE DUMPERS / COLLECTION LP (US * 編集盤 * 2015 * episode sounds 他)

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まさに地下パンク。たまにはこういう音源もしっかり紹介させていただかないと。ということでセントルイス発のクレイジー・パンク&ハードコアバンド、ランピー&ダンパーズ(読み方あってる?)の、過去の入手困難すぎる音源をまとめて聴けるありがたすぎる編集盤。

スノッティなのか狂気なのか暴力的なのかのすべてのギリギリのフチに立っているボーカルと、おどろおどろしく怪しい雰囲気全開、真っ黒くぬりつぶしていくようなメロディーと、ドタバタにすべてを破壊するようなリズム。このレコードを聴けば、グッチャグチャで狂った世界に簡単に足を突っ込むことができます。

正直言いますと、このようなバンドを説明するのは苦手なのですが、ただ、どうしても無性に聴きたくなるときがあります。だって、こんなメッチャメチャなのに音楽としてギリギリ形を保っているのなんて、パンクロック以外ではまず無いと思うのです。ハードコアにも近いダークなサウンドをリピートしつつ突っ込んでくる多くの曲は、聴く人の頭をこれでもかとかき混ぜてくれます。

収録されているのは、カセットデモ2本+7inch2枚+未発表となっているのですが、狂った楽曲の中でもKBDパンクをやっている最後に収録された「I lost my mind」を敢えてこのLP一番の聴き所としてオススメしたいです。小節を意識して曲作ってるのがわかるのが面白いところです。

過去の作品はほとんど入手困難ですし、とりあえずこれを買ってしまえば今からでもこの発狂に間に合います。また、epsode soundsからリリースされている国内盤(まだ売ってるかな…)は、海外盤にはないブックレットも付いていてレーベル愛を感じます。

ちなみに、2015年に新曲をリリースしているようで、リンク先bandcampで聴くことができます。相変わらず狂ってるぜ!





 

DIRTY FENCES / FULL TRAMP (US * 2ndAlbum * 2015 * slovenly)

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以前本ブログで1stアルバムを猛烈にプッシュしたNYブルックリンのロックンロール/パンクバンド、ダーティフェンシスの2ndアルバム。前作よりもずっとキャッチーな曲が増えました。

ダーティフェンシスはこれまでにミニアルバム1枚、アルバム1枚をリリース(あとスプリットシングルもある模様)。本作は約2年ぶりの新作です。もともとデトロイド・ガレージの影響下にあり、前作はMC5~STOOGESなんかのデトロイト・ガレージのサウンドを土台にしながら、現代的なパンクロック疾走感でかき鳴らすバンドでした。

さて今回のアルバムですが、センスに変わりは無く安心して聴ける…のですが、「あれ?このバンドこんなだったっけ?」と思うこともチラホラ。良い変化と取るか、悪い変化と取るかは聴く人次第となるでしょうか。

今までではなかった、ポップ&キャッチーなロックンロールナンバーが増えていることがまず前作との違い。私のイメージは6曲目の「heartbeater」のような、ヒリヒリしたサウンドが主軸のイメージなのですが、シングルカット(MV化されている)「JUDY DON'T GO」などは、もはやノリノリのパーティー・ロックンロールなのです。他「ENDLESS PARTY」「RAIN」なんかもかなりポップなイメージです。
最後に収録のタイトルにもなっている「FULL TRAMP」はドスの聴いたハードロックで、もはやパンクですらない(ラスト40秒が猛烈パンクに変わるけど)。

前作まではかなり徹底したこだわりを持って作ったデトロイトガレージ~パンク・ロックンロールだったのに対して、本作はかなり実験的であると思います。
ただ、そんな中でも、やっぱり「ロックンロール」のセンスは強烈で、ロックンロールでしか味わえない快感が詰まっている曲が多いのも確かです。

いろんなタイプの曲があるためにちょっと散らかった印象もありますが、1曲ずつ拾って聴けば納得の完成度です。8曲目の「HIGH SCHOOL RIP」みたいなハラハラするロックンロールが聴けるバンド、なかなかいませんしね。

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HUMHUMS / BACK TO FRONT (JPN * 2ndアルバム * 2015 * waterslide)

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自分のなんとなくの記憶で申し訳ないのですが、アメリカで2008年~10年くらいにポップパンクがドカンと盛り上がって、たしか世界中のポップパンクバンド集めたフェスか何かを開催して、その時「おい!日本からの刺客がこねーぞ!」というコメントがあったようなブログか記事を読んだ覚えがあります。

私は当時は特にパワーポップにどっぷりだった時期ではあるのですが、そのころは確かに日本のポップパンクバンド(ここでのポップパンクバンドとは、ラモーンズ~クイアーズ~パラサイツのラインを指す)って、居たんだろうけれどあまり表に出てきていなかった気がします。あの時は90年代のPOP BALLレーベルのすごさを改めて感じたものです。

さてそんな2010年にファーストアルバム、そして5年たった2015年にセカンドアルバムをリリースしたハムハムズは、そんな日本のポップパンク不況を吹き飛ばす、とんでもないバンドになったと言っていいでしょう。それはこのセカンドアルバムの、驚きの爆発力を体感すればわかると思います。

誤解を招くのを覚悟で言ってしまいますが、ポップパンクバンドのアルバムとライブは、別物であるべきだと思っています。ライブはプリミティブでも勢い重視でも、声がガラガラでもいい。けれど、音源は「疾走感」「爽快感」の追求をどこまで行えるかだと考えています。

すべての音の歪のバランスもしっかり整え、いかに疾走感を作り出すか。爽やかなボーカルと綺麗なコーラスでどこまで爽快感を作り出すか。私はバンドをやったことも無いですし、当然音源を作ったことも無いのでわかりませんが、この「どこまでも疾走感と爽快感をあげる」作業を妥協無くやりとげた音源こそ、輝くものだと思います。他国で見れば最近だとBAT BITESやBRACEFACEのアルバムがそれに当たります。

そしてハムハムズの本作品はそのレベルに達した、日本で数少ない1枚になったといえるでしょう。1stアルバムにあった「微妙なやぼったさ」は無くなり、どこまでも磨かれたポップパンクサウンドです。キラキラに輝くボーカルと、絶妙のコーラス、必要以上に尖ったり汚くなったりしていない、かといってメジャーメジャーしていないギターサウンド。重くなることなく疾走感に弾みをつけるベースとドラム。

ということで、曲やメンバーの解説も何もなしに書いてきましたが、このアルバムの凄さが伝わったら嬉しいです。日本ポップパンク史に名を残すアルバムになるでしょう。
安いからって1stアルバムだけ買うことの無いように!絶対こちらの2ndを手に入れるべきです(断言)



BITERS / ELECTRIC BLOOD (US * 2015 * 1stAlbum * Earache)

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えー、まさかこのバンドがお気に入りのレコード屋にどこにも入荷しなくて、アマゾンで購入することになるとは思いもしませんでした。バイターズ、とうとうメジャー流通のEaracheから1stフルアルバムをリリースです。
バイターズ2010年デビュー以降、ミニアルバム4枚、シングル2枚をリリースしています。(ミニアルバム2枚の曲を1枚にまとめたLPもある)

グラムロック~パンクロック~ローリングストーンズを混ぜまくったサウンドが軸。そしてメジャー流通だからか、音質に「汚さ」という表現を使えそうな箇所は無い、とても丁寧にミックスされた安定感(これはこれで一応ほめてます。聴いててやっぱり心地よいので)。

メジャー流通ということでレビュー記事も多く見かけますが、AC/DC、KISS、チープトリック、ガンズ等が引き合いに出されているようですが、ちょっとどれも違う気がするなあというところ。
やっぱり彼らは、ロックンロールで、グラムロックで、パンクロックで、それを独自解釈で煮詰めていったらこうなったんだなと思います。
言ってしまえばTUKのキャリアである、かなりハードだったハート・アタックスとシンプル&キャッチーだったポイズン・アロウズをまぜこぜにしたような感じとも言えなくもないです。

どこか心の片隅に陰りを持ったようなメロディでロックンロールを作らせたら敵なしといってもいいくらいクオリティの高い曲がズラリ。聴いてて楽しくなるような曲ではありませんが、とてもドラマチックなメロディ。それでいて、オーバーにならず、しっかりロックンロールやパンクでこだわるべき範囲を超えていない。何でもやっていいのではなく、しっかり自分のロックに決まりを作って奏でているのがわかります。

バンドの1番の魅力ともいえるTUKのボーカルは健在…どころかメジャーの力もあって過去最高の輝き。うっとりするほどカッコイイ声と、バリバリ決まるコーラス。ルックスのタトゥーバリバリな雰囲気からはあまり想像できないスウィートなメロディは彼らの武器だと思います。

十分オススメできる1枚ではあるのですが、独自色がかなり強くなったので、過去作もよかったから、とかグラム/ロックンロールの言葉に反応して即買いする前に一度視聴して肌に合うかは確認したほうがいいと思います。

それと、このアルバムに収録されていない2曲入りのシングル7インチ「indigo」というのがあるんですが、これがすごくいいんですよね…アルバムに収録されていなかったので海外で無理やり探して買いました(送料込み3000円くらいしたよ…)。

ちなみにメンバーにはROB'S HOUSEから音源リリースしてたCUSTOMERSの人もいるんですよ。







シングル盤


ワイカーズ / ワイカーズ (JPN * 1stAlbum * 2015 * wattack)

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元ツリーベリーズ、現在はソロで2枚のアルバムもリリースしている渡来さんのプロジェクト・バンド、ワイカーズ。
渡来さんが「自分で作った曲をかわいい(ワイカーな)女の子に歌って演奏してもらう」というコンセプトで結成されたバンドで、渡来さんはドラムだったと記憶しております。が、あれこれあって今はドラムにC(渡来宏明バンド)でも叩いてるコウダさんを招いて、渡来さんはギターに回っています。

サザナミからのガールズコンピに1曲収録して以降の、ワイカーズの初単独音源となるアルバム。これがなんとも妙なガールズ・ポップになっていて面白いです。
もともと渡来さんはロックから出発したスタンダードなパワーポップというより、ソウルミュージックの中にあるポップサウンドをロックテイストでやった結果、パワーポップとも取れる音となっている…と私は解釈しているんですが、特に今回はその雰囲気が出ているような気がします。

いや、出ていると要っていいのかもわかりません。渡来さんが担当しているパートからは、ソウルミュージックのスカスカ演奏から出るグルーヴが入っているのですが、ボーカル・ドラム・ベースは思い切りスタンダードなポップスです。言ってしまえば渡来さんの演奏だけ妙に浮いています。
しかしそれがこのワイカーズのアルバムを「なんだ、このよくわからんガールズポップスは」という感情を抱かせる面白アルバムに仕上げているのだと思います。

ツリーベリーズ時代を彷彿とさせる「最新型テレフォン」、このアルバム1のポップ度の「one,two,love」や先述のコンピにも収録された「キスくらいかまわない」、問題のカバー曲「SEKIRARA」は、まだストレートなポップ・ロックなのですが、「相思相愛」「文学少女」「騒音」などは、もはやガールズ"ポップ"なのか?と首を傾げてしまうフックの効き様(フックが命中した結果首が傾いたともいえる)です。特に「騒音」。
そしてそれらの曲を、ものすごくスッカスカな録音で収めていることで、さらに訳のわからない魅力をまとっています。

渡来さんのポップセンス(ソウル・サイケ・ポップ)は爆発しているうえに、それでいて一筋縄ではいかないアルバムになっています。個人的には渡来さんの超ストレートなポップ・ロックが大好きなので、「最新型~」「one,two,love」「キスくらい~」が聴けるだけでも大満足です。

直販サイト


 

PLATINUM BOYS / FUTURE HITS (US * 1stAlbum * 2015 * Dusty Medical Records)

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ここ最近の新人アルバムでも突出していると思った(なんかいろんなバンドに使ってそうだけど、レビュー書いてるときはそう感じるもんです)プラチナム・ボーイズの1stフルアルバム。なかなか見つからなくてメンバーから直輸入かけました。ミルウォーキーのバンドです。

バブルガム・グラム・ガレージ・ロックンロールパンクです。私の好きな要素てんこ盛り。
BARRERACUDASとGLITSとを混ぜてインディーロックのスパイスとガレージパンクのスパイスを振りかけたような、とてもよい具合。きらびやかで下品なロックンロール・パンクが満載です。

錆びたようなルーズなギターサウンドを軸としたどっしりした質感の演奏でのパワーポップ~ロックンロール・サウンド。

EXPLODING HEARTSのMODERN KICKSラインのドッシリしたグラムパンク的「CANDY」「LATER GIRL」などのグッと聴かせてくる完成度も素晴らしければ、高速でぶっ飛ばす「PLATINUM BOYS」「CRUISIN' USA」「RIDE FREE」(途中から速くなるよ)もお見事。個人的には速い曲があと2~3曲聴きたかったんだけどな。
ほかにグラムロックバンドのやるバラードロックンロールのような「COOL LIKE THAT」もあって、いろいろと引き出しが多そうなバンドです。

収録曲数が9曲と少ないのが残念。どうせならあと3曲入れて欲しかった(このアルバムの後に新しいシングルをリリースしているようです)ですね。
CANDY,LATER GIRLの2曲が特に素晴らしいのでお勧めしたいです。

ぜんぜん関係ないけど、吉田秋生が昔まったく同じPLATINUM BOYSって漫画描いてたよな。あれ文庫になってないよな~。



 




POINTED STICKS / ST (CAN * 3rdAlbum * 2015 * sudden death)

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カナダ・バンクーバーのパワーポップ・パンク大将ポインテッドスティックス、再結成後に解散するする詐欺(←失礼)をしつつ、2ndアルバムの後にクリスマスシングルを挟み、3枚目となる本作を発表(念のため、1stは1980年にリリースのperfect youthです)。

まずこのアルバムを聴く人に、評価がバッサリ分かれるであろうことは、70-80年代当時のスピード感がなくなったPointed Sticksを、それでも好きだと言えるかどうか、だと思います。
なんだかんだで私はパンクにはスピード感が必要だと思います。料理で言えば「熱」みたいなもんでしょうか。熱々の料理がおいしいように、パンクにはスピード感が必要だと思っています。料理でも熱くなくてもおいしいのがあるように、パンクでスピード感がなくても良いものはあります。
Pointed Sticksのメロディーさえあれば、いくらでも楽しめる!という人には本作はとてもよいアルバムになっていると思います。

このアルバムは、Pointed Sticksが作りこんだメロディをじっくり楽しむアルバムに仕上がっています。唯一スピードがあると言ってもいい「You're Not The One」はさすがの完成度です。そのほか、UKボーイズの後期のような「Lalala」「Broke」「Lovely Bird」などもGOOD。
しかし個人的にイチオシは、渋いスパイ映画のようなAメロから一気にポップなサビに突入する「impatient」。

そしてある意味このアルバムの目玉はヤング・パリジャンのツネさんが作った曲かもしれません。ピアノとキーボードとドッシリしたビートの、バブルガム・グラムロックで、これがいい感じで歳をとってるオッサンたち(Pointed Sticks)がやることで、実に味のあるロックンロールになっています。
 
UKのボーイズの4枚目のアルバムのような味わいのアルバムです。2回目の来日前にリリースされたPointed Sticksのセカンドアルバム(赤ジャケ)を楽しめた人は面白いと感じられると思います。

繰り返しになりますが70-80年代の時のような爆発力は無いので、そこは覚悟して手に取ってみてください。

試聴できるところが見つからなかったのでアマゾンの試聴などをご活用ください。
Amazon

最近のライブ
 

BRAIN TRAPS / ST (GER * 1stAlbum * 2015 * Alien Snatch)

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ドイツの10代(多分?)のメンバー4人による、暴走ロックンロール・ローファイガレージ・パンクバンド、ブレイントラップスの初アルバム。過去に同レーベルからシングルをリリースしていることから名前を知っている人もいるかと思いますが、かなり完成度の高いアルバムになっています。

ブレイン・トラップスのサウンドの魅力は、70年代ロウ・パンク的な、チープかつ汚いギターサウンドを使って、ドライブするロックンロールを奏でているところ。70sのRINGSやRAW RECORDS等にはもちろん、RIP OFF RECORDS、CARBONASやREATARDSにも影響を受けながら、疾走感・ドライブ感も大切にしている感覚です。

程よくキャッチーさを残しながらダーティーなメロディで疾走していく様は、メジャーなコードで進行していくCUTELEPERSなどに物足りなさを感じる人には持ってこいかも。シリアスになりすぎず、不可解になりすぎず。意外とLOWDER(JPN)が好きな人にもはまるかもしれません。あとはアメリカの現行アンダーグラウンドパンク好きにも是非。

ザンネンなことに、今の時点で(私が探す限り)日本のレコード屋では入荷しておらず、私は海外から直接輸入かけました。アマゾンデジタルミュージックやBANDCAMPでの購入が可能ですが、とりあえずBANDCAMPの試聴で一通り聴いてみるのがよいと思います。

あまり注目されていないのが不思議なくらい、今年リリースのパンク・ロックンロールとしては完成度が高い音源だと思います。




 

SNEAKS / GYMNASTICS (US * 1stAlbum * 2015 * Danger)

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最近聴いた音源の中でも一番の衝撃&問題作、SNEAKSのアルバムです。
NAT RECORDSで買ったこのSNEAKS、ワシントンDCで活動する一人の女性のプロジェクトです(今はボルチモアに住んでいるようです)。2014年の中ごろに活動開始、カセットテープとデジタル配信音源をリリースしたのちに、フランスのこのレーベルからアルバムをリリース。

とりあえず1度聴いてみてくださいよ~という、レビューサイトとしては禁句を使いたくなるサウンド。
ドラムマシンがならす淡々としたビートの上に、たった1本のベースの音だけを置き(ギターではありません)、そこにささやく様に、呟くように、時には鼻歌のように、女の子の声が入ってくるのです。

ポストパンク?エレクトロパンク?フォークロック?はたまたヒップホップ???なんてジャンル分けすらももうどうでもよくなる病的なサウンドと歌が淡々と続きます。しかし、どれも2分弱なので、脳が宙に浮いてきたなと思ったら音がなくなって目が覚める…そんな不思議体験を味わわせてくれます。

インタビュー記事などにも目を通しましたが、L7が一番好きだというくらいしか情報が見つかりませんでした(苦笑)

ライブ動画もまた衝撃的で、(年齢は分かりませんが)まだ幼い雰囲気を残したおさげの女の子がリズムマシーンの横でベースを淡々と引きながらボソボソ呟くように歌う映像は、耳にも目の奥にも焼きついて離れなくなりました。

ちなみにアルバムのタイトルの意味は「体操」もう、何なんでしょうか。夢中です。





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