July 25, 2006

7月21日〜7月24日までサーバが落ちておりました。

7月21日〜7月24日までサーバが落ちておりました。
バックアップも不可能な状態で、
その期間にメールを頂いた方、お手数ですが再送ください。  
Posted by ryosukeaoike at 08:49Comments(1)TrackBack(0)雑記

June 30, 2006

「Blogおわり」

end去年の1月から半年、そして半年さぼって、また半年書いたブログですが、読んで頂いている皆さんのご協力もあり当初の目標だった、1年分を書ききることが出来ました。

FLASHアニメーション制作の、技術論以外の所で様々な項目について改めて考え直し文章化するという作業は、自分の中でもこれまで漫然とやっていた事の整理になり興味深かったです。

ブログのイラストも、ちょこちょこ描き進めたおかげで、途中FLASH BASIC 8の販促用パンフレットの挿絵の仕事を頂いたり、そのおかげで「がんばれハチロー」というコンテンツが生まれたりと実りは大きかったと思います。女性を書く苦手意識がちょっと払拭できたのも個人的には大きいです。

今まで、読んで頂いた方本当にありがとうございます。続けろとおっしゃって頂いた方、本当に嬉しかったです。このブログで書いてしまった、数々の「偉そうな事」が嘘にならないよう、これから「作品」の方でがんばりたいと思っています。

さて、何を作ろうか。


青池良輔
  
Posted by ryosukeaoike at 23:59Comments(11)TrackBack(0)後書き

「表現するとは」

6-30-4
Q:phraseologyさん

表現するということについて思うことがあれば語ってください。

A:

いくつか作品を作ってきた中で、企画を考え、脚本に頭をひねり、どんな作品をどのように作ろうかと考えていると、だんだんとわかってきた事があります。それは、「自分について」です。

なぜ作品を作りたいのか?
「自分の思いを相手に伝える為」

どうして作品を作りたいのか?
「どこかで誰かを笑わせたり、元気にしたり、何かを考えてもらったりしたい」

どんな作品が作れるのか?
「自分のキャパシティーの中で出来る事」

つまらない作品を作ってしまう恐怖は?
「それも自分の一面」

テーマは何か?
「その時、自分の感じているテーマがいい」

才能があるのか?無いのか?
「天才じゃない事はわかった。コツコツやるしかない」

というような事を、作品を作るたびに考えながら、そこでひねり出された物が僕なりの「表現」だと思っています。自己中心的な感じもしますが、「こんな物を作りたい」「こんな作品を見せてみたい」とうんうんうなっていたら、その寝汗がシーツにしみ込んで、体をおこしてみたら、自分の形に汗で形が出来ていて「あ、自分ってこんな風なんだ」と気がついたという感じでしょうか。
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Posted by ryosukeaoike at 23:53Comments(0)TrackBack(0)第十ニ章「Q&A」

「絵を書くコツ」

6-30-3Q: 真さん

青池さんこんにちははじめまして
いつも拝見しております。
ブログが閉鎖されてしまうのはとても切ないです

青池さんの動画もすてきなのですが
それ以前にイラストもとても好きです。
とても個人的な質問なのですが、動画や線画のコツ(?)とかって
あるのでしょうか
どうしたら よくみえるのか どうしたら 滑らかな動きになるのか・・・みたいな
本当に個人的な質問で申し訳ないです しかもかぶっているかもしれないで す
これからもがんばってください!
失礼します


A:
いつも読んで下さっているとのこと、本当にありがとうございます。

僕は、動画も線画もFLASHを触り始めてから学び始めたので、まだまだ勉強中の身です。真さんと同じように日々「どうしたらいいんだろう?」とじりじりしている所です。イラストレーションの本や、デッサンの仕方などちょっとずつ習得しようとしていますが、まだまだ先は長そうです。

ですので、これまで僕なりに感じた事を書いてみたいと思います。

ご質問の中に「どうしたらよくみえるのか?」とおっしゃられていますので、多分「こういうのがいい」というアイデアは持っていらっしゃるように感じます。僕も「こんな絵が描きたい」という目標はあります。一時期、「そういう風に描こう」としたことがありますが、歯がゆいことに、なかなかその方向には近づけなかったりします。

練習したり、模写したりしても、なんだかしっくり来ないんです。その感覚というのが、「ずっと朝ご飯はご飯とお味噌汁だったのに、パン食に切り替えてみた」ような感じかなぁと。このまましっくり来ないなりに続けていれば慣れちゃうんだろうけど、でもなんだかなぁと。

人によって色々なスポーツに得意、不得意があるように、「絵」にも得意なジャンルとそうでない物が本人の希望に関係なくあるのかもと思ってしまいます。じゃあ、できるだけ早い段階で「自分に合った絵」を見つければ良いのかと。それもそう簡単にはいかないのですが・・
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Posted by ryosukeaoike at 23:52Comments(0)TrackBack(0)第十ニ章「Q&A」

「空っぽになる不安」

6-30-2Q:Macoさん

青池さん始めまして。
私は、小さいころから物語を考えるのが好きでした。
まさに部屋に閉じこもって少女マンガを描いているような子供でしたが、この歳になって振り返ると最近昔のような創造力が無くなって来ているような不安があります。
今でも創作活動(同人などです)はしているのですが作るものどれもがどこかで見たようなものである感覚でいっぱいになってしまいます。このまま、表現のタンクが空っぽになってしまうのでは?と眠れない夜もありました。

失礼な質問かもしれませんが、表現者としてそういった気持ちになったことはありますか?
また、こんな私ですが、何かアドバイスがあればお願いします。

好きだ、と思う表現や作品はあるのが、唯一の救いだと感じています。


A:

僕も、頭が枯れてしまう不安は常に抱えています。ちょっとネタにつまると「このままずーっと何も思いつかないで、ストレスだけ溜まって、廃人になるんじゃないかと・・」

でも、Macoさんもうすうす気がつかれているような感じですが、そのほとんどは様々な作品を見たり読んだりした経験からくる「すでに使われているだろうからと思い採用できないアイデア」が増えているということなんじゃないかと。よく言う、「若い時にはアイデアがポンポン出てきたのに」というのは、「若い時には、知らない事が多かった」という側面もあると思っています。

小さい時に描いていた漫画って、すごくノリノリでメチャクチャ面白かった感じがするのですが、今読めば「OOと被ってる」とか「これじゃまるで、XXだ」と「ダメだし」ばかりだと思います。

創作と吸収のバランスの中で、より多くの事を見聞きしていく方が、創作の引き出しは広がってゆくはずです。しかし、多くの物を見る程にNGが多くなってゆくという事は、多分、自分の作ろうとしている創作ジャンルの物ばかりに目がいってしまっているからかもしれません。漫画だったら漫画、FLASHアニメだったらFLASHアニメばかり見てしまう事が、「引き出しの中の物も増えずに、鍵ばかりが増えてゆく」状況を作ってしまっているのかもしれません。
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Posted by ryosukeaoike at 23:51Comments(0)TrackBack(0)第十ニ章「Q&A」

「動きだすキャラクター」

6-30-1Q:みんすくさん
青池さんの文章、楽しく読んでいます。
中身が詰まっているので、文章が消費されず、自分の中で生きてくるのが嬉しいです。

この機会に、質問をします。
(めちゃめちゃ普遍的な内容の質問なので、既にどこかで書いておられる内容かもしれません。その場合はご容赦くださいね。)

「キャラクターについて」

自分の作ったキャラクターが「動き出す」瞬間がある、という言葉を漫画家さんや、映画監督のインタビューで聞いた事があります。
トゥイーンでも、もちろん「動き」ますけどそういうことではなく、物語の中で意思を持ったかのように、振舞い始める時がどうやら、あるらしいのです。

青池さんの作品に出てくるキャラクターたちは、どの子も際立っている上に、その世界の中で自由に生きているように見えます。もし、そういった「動き出す」経験や、それに近いことがあったら教えてください。
また、Aoike世界(ワールド)のキャラクターたちは、どこかしら青池さんの性格などを反映しているのでしょうか。
(青池さんの分身??)
どこから、こうした特長のあるキャラクター達が出てくるのか、不思議であり、惹かれてやみません。
これからもがんばってください。


A:
「キャラクターが自分で動き出す」ということは、ある状況下で、そのキャラクターに「目的」があり、判断を司る「性格」があれば、ある程度は期待できると思います。

真っ白な何もない部屋で、丸にちょんちょんと手足をつけたキャラクターが「お腹がすいていていて」、性格が「短気」であれば壁を蹴ったり叩いたりして、出て行こうとするはずです。基本は、そういう事かと。

作者が驚く程「キャラクターが動く」というのは、その状況や性格がより複雑化していった時に、「作者の性格上考えうる次の行動」を裏切り始めた時だと思います。キャラクターの性格を考える時、おもしろいのは「破綻しない多面性」を持たせる事だと思います。「多面性」までいかずとも「二面性」とでもいうのでしょうか。

「短気」なキャラクターには、同じベクトルの性格付けとして「ワガママ」とか「怒りっぽい」とかありますが、同系統の性格ではなく、「短気」のもつ強いイメージの反対を考えてみると面白いかと思っています。「短気」なのは「ものすごい心配性」だからとか「短気な自分が本当はすごく嫌い」とかそういう感じで。
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Posted by ryosukeaoike at 23:50Comments(1)TrackBack(0)第十ニ章「Q&A」

June 29, 2006

「ダメ出し」

6-29Q:kameさん

青池さん、こんにちは!

楽しく判りやすい文を楽しませて頂いておりました
せっかくなので質問致します。

内容では無く演出面で、
他人の作った作品を駄目だ!と思う事などはありますか…?
FLASHに限らず、何回見てもテンポが悪いとか
曲に合わせるならここの場面の切替を遅らせろとか
ついつい突っ込んでしまうような

それとは反対に
何回見ても褒め称えてしまうような作品とか
これは凄い!一押し!のような作品がありましたら教えて下さい。


…今までの日記にもかぶるような内容でしょうか…スミマセン><

もうすぐ六月も終わりですね…
今まで有難う御座いましたお疲れ様でした!


A:
正直な所、生意気なのですが人の作品を見て「ダメじゃん」と思う事はあります。「もったいないなぁ〜」とか「長いなぁ」とか結構グダグダと感想を言いながら見てる事は多いです。

これは以前書いた事があるかもしれませんが、「脚本」とか「演出」は、「歌を歌う」みたいに「体一つあれば何とかなるかも」と思われている側面があるのでは無いかと思っています。カラオケがうまく歌えたからすぐに歌手になれる訳では無くて、個性を磨いたり、よりプロとしての技術を習得して始めて初めの一歩が踏み出せるような世界だと思っています。

自主制作の作品の中には「カラオケ的演出」を感じる物もあります。それは初めから終わりまで「それっぽく」カットを積み重ねていったら作品の形を成しているというものです。そういう物に出会ってしまうと「ちょっとなぁ〜」と思う事はよくあります。僕も「個性」や「技術」を求めて勉強中の身なので偉そうな事は言えないのですが、「自分の演出」に意識が感じられない作品は「もったいない」と思ってしまうのです。

それは「テンポが悪い」というだけではなく、「テンポはすごくいいけど、素早いカットの羅列になってリズムが感じられない」場合もあります。押したり引いたりしながら「作者の語り口」のリズムが作品に出てくるのが理想なんだろうと思います。

自分が作品を制作しようと考える時、ちょっと気を抜くと「惰性」でカットを割っているのに気がつく時があります。「激しくする」とか「切れを良くする」ことが全てではないと思いますので、場合によっては「大人しく一般的なカット割り」をすることもありますが、それが「必然」であるようにクオリティを高めていきたいと思っています。
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June 28, 2006

「映像の違和感・ジャンル別演出」

6-28Q: シマオさん
以前知り合いが、言っておりました。アニメーションやCG等の製作において、自主制作など実写でカメラを持って動いたことの「ある人」は、無意識的にカメラワークをイメージしながら作るけど、そうで「ない人」は、カメラ実際に持ってたらありえない動きをこともなげにする。と。「ある人」が見ると、ちょっと違和感がとも。
とはいえ、実写にも奇をてらった動きがどんどん盛り込まれている気もします。
そんなののやりすぎなんを見ると、「どうだ!」と言われているようでひいてしまいますが、ほどほどなんは、ちょっと「異空間」な感じでよいなと思ったり。
実写・CG・アニメーション、現在・過去・未来、シリアス・コメディ・ホラー等々、画面構成・動きの演出でボーダーをひくというか、わざとする・しないってありますか?
○○原作のモノや○○のリメイク、多いですね。
個人的にはオリジナル脚本のもの観たいですが、最近気になった本・漫画等ありますか?


A:
映像の面白い所は、その全てを「レンズを通したカメラ目線」で捉えている点だと思います。そしてそういった物を日々色々な媒体で目にしてゆき、「映像らしい映像」とか「面白い映像」といった価値観を視聴者が身につけていっています。

3DCGが多用されるようになり、空間を自由に浮遊するカメラワークが一般的になってきましたが、それらはまだ「見慣れた映像」ではありません。シマオさんがおっしゃる、実際にカメラを持たれている人ならなおさらのこと「馴染みにくい映像」なのかもしれません。

カメラが、僕達のもっている「イメージ」を超えて動き始めた時、驚きと共に制作者の意図が前に出てきます。それを「映像の遊び」として捉えるか「過剰演出」とするか、今後制作者のセンスがさらに問われることになるとおもいます。そのバランスがうまくいった時に「娯楽に求められるちょっとした非日常」を観客が楽しめるのでしょう。

ジャンルや手法によって、画面構成、動きの演出にボーダーラインをきめることはもちろんあります。しかし往々にして、それは「作者の意図」というよりは、「観客が持っているそのジャンル、手法に対するイメージに基づいた統計学」的な理由で選んでいるような気がします。
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June 27, 2006

「売り込み体験」

6-27Q:ブヒ蔵さん

はじめまして!
今や飛ぶ取り落とす勢いの青池さんですが
最初まだ、あまり知られていなかった頃にはどのような売り込み活動をされていたのでしょうか?
応募サイトなどへの応募は思いつきますが、企業に持込的なこともされていたのか興味があります。
経験がありましたら、体験談などぜひ聞きたいです!
またその時、売り込む際にこれだけは譲れなかった点などもありましたら、今後の参考のために是非お教え下さい。
よろしくです。


A:

飛ぶ鳥を落としてみたい青池です。

僕は初めの作品である「CATMAN」を友人だけにメールで教えるかたちでウェブサーバにアップしていた所、その友人がShockwave.comというポータルサイトのプロデューサーの方に見せた事がきっかけでFlashアニメーションデビューをしたので、初めのうちは全く売り込みをしていませんでした。

昼間は普通に仕事もしていましたし、なんとなく「趣味と副収入」という感じで、紹介して頂いた仕事をこなすというスタンスだったと思います。

そのうちにFlashの仕事が主になり、現在に至るのですが、仕事のスタンスを切り替えた時点で「ちょっと真面目に営業しないと」と考えるようになりました。

その時点で、手持ちの企画を何本か「表紙・概要・キャラクター設定・サンプルエピソード・予算/スケジュール案」とA4で5〜6枚という企画書の形にまとめて作りました。それをお仕事をさせて頂いた方に多めに渡して「興味のある企画があったら是非ご一緒に」と、それまでの作品のデモDVDや、バイオグラフィーと一緒に配って回りました。

そういった軽い物だと目を通してもらえる可能性も高くなると思いなるべく簡潔にまとめて、「ご要望に添えるように内容の変更も可能です」という風にお願いしています。  続きを読む
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June 26, 2006

「小さい時に見たもの」

6-26Q:as 英検4級さん

青池さん、こんにちは!

小学生や中学生(もしくは小学校に上がる前)のときにハマったもの・強烈に印象に残っているもので、今見ても、やっぱり魅力的だと思えるものについて教えてください!その理由も知りたいです。
デザインでも、映画でも、マンガでも、風景でも、音楽でも、ジャンル問わずでお願いします。


A:

小さい時にはまった物は、「ウルトラマン」です。ウルトラ怪獣大百科等を読んでは、怪獣の模写をしていた記憶があります。とにかくウルトラマンも怪獣もカッコいいなぁと思っていました。まだ小さい時に両親にウルトラマンショーに連れて行ってもらった時に、ウルトラマンエースが人間の大人の大きさで、子供ながらに「ニセモノ!」と恨めしくにらんだ記憶があります。

結構最近になって初代ウルトラマンや、ウルトラセブン、初期の怪獣の造形をされた成田亨さんというかたについての本読んだのですが、そのデザインのプロセス、発想、そしてセンスに改めて驚かされました。もともと立体彫刻家の方のようなのですが、そのいつまでも古くならないデザインには学ぶ所が本当に多いです。

また、テレビで一番見ていたのは当時夕方にしつこい程再放送でやっていた「トムとジェリー」です。これも初期の頃のシリーズが大好きで、特に3本立ての真ん中にやっていた、独立したショートアニメで記憶に残っている物が多いです。

これもFLASHを触り始めてからアニメーションの事を調べてゆくうちに、テックス・アヴェレーという方の作品だった事を知り、発想の自由さや、当時のカトゥーンならではの表現の丁寧さは素晴らしいと思っています。今の放送コードだと微妙に引っかかりそうな結構残酷なギャクとかが上品に入っているのもいいですね。  続きを読む
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June 23, 2006

「デジタルコミックについて」

6-23Q:KANAさん

青池さん、こんにちは。
さて早速ですがお題になりえるかどうかは分かりませんが一つ質問をさせて頂きたいと思います。

FLASHの場合、多くは『個人アニメーション』という枠で表現される場合が多いですが、最近私はこの『アニメーション』というものよりも、『デジタルコミック』としての価値に注目しております。
ジャンプのデジタルコミックを筆頭に、動画と紙媒体でのマンガの丁度中間に位置する形態のものが多数見られます。
素人目なので実際のところは分からないのですが、FLASHアニメーションよりは短時間に作れ、その割りに長い時間楽しむ事が出来、画像データのWEBマンガよりも斬新な表現が出来るのではないかと思いました。

そこで、これらの形態の展望について青池さんの考える範囲で構いませんのでお聞かせ願えればと思います。
宜しくお願いいたします。


A:

僕も一時期「デジタルコミック」というものに興味を持っていました。おっしゃられるように、「斬新な表現」に可能性を感じていました。

と、なんとなく過去形で書いているのがいやらしいのですが、正直、「まだ機が熟さないかなぁ」という感じがしてしまったのです。

まず、コミックとアニメーションの一番の違いについて考えると、やはり「テンポ」だろうと。コミックは読み手が自分なりの「テンポ」で読み下しゆく事が出来るフォーマットです。字を読む速度や絵を楽しむ時間は微妙ながらも観客それぞれが体の中にもっているものです。アニメーションは「作り手のテンポ」を観客に提示してゆく物ですので、観客は受け身にならざるを得ません。

ここで「機が熟していない」と思う理由は、その中間に位置する「デジタルアニメ」を「アニメ」とするのか「コミック」とするのか作り手も迷っているのではないかと。現時点で見受けられる物は、コミックのコマを紙芝居のように表示しながら、部分的にアニメーション的な「効果線」や「擬音」を挿入してゆく、もしくは、コマ内で簡単なアニメーションを行うというものが多いような気がしますが、「コミックを読む観客の個人的リズム」や「アニメーション作品のリズム感」と頭をならべられる状態には来ていない感じがするのです。
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June 22, 2006

「後悔しない転職」

6-22Q:?さん

青池さんこんにちは。

夢を捨てきれず、デザイナーからアニメーターに転職を考えているのですが、後悔しない転職の秘訣があれば教えてください。

特に、自分の妄想を具現化する自分のためのアニメと、他人様から依頼されて作るアニメは全然違うと思うのですが、なにか共通することがあれば教えてください。

転職されたことがなければスルーしてください。


A:

僕の場合、自分の意志でというか、会社の事情で転職したことがあったり、そのあとフリーランスになる決断をする事はありました。

今、転職を考えていられるということで、本当に様々な「不安要素」を抱えていらっしゃるときだと思います。ちょっと偉そうな事を書かせて頂ければ、僕の場合、高校生の時に「映画をやりたい」と思い、ずっとその「やりたい」に任せて物事を決めてきました。

就職難だった時、大学のあった関西近辺のプロダクションに就職して制作やっていこうか、一般企業に就職するかどうしようかと、ただその時「映画をやりたかった」ので、周りの人にもずいぶん迷惑をかけながら、カナダのプロダクションに就職しました。そして、その会社が業務縮小に伴って人員削減をするという時に、「他にやりたいことがない」のでまだ映画プロダクションに居座らせてもらいました。

そうこうしているうちに、FLASHと巡り会い「自分の作品」を作るチャンスに恵まれましたし、それで食べていけるようになりました。自分としては「映画をやりたい」というのに、「自分の映画をやりたい」と思えるようになり、そして現在に至ります。今は、小さなアニメを作っていますが、少しずつでも無謀な願望を叶えていける方向に動けているのではないかと思い、それら全てのプロセスについて後悔をしていません。
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June 21, 2006

「2chAA系FLASHについて」

6-21Q:MNさん

2chAA系FLASHについて一言


A:

うは。来ましたね。あまり馴染みの無い方の為に補足をしておくと、「2ちゃんねる」という日本最大のインターネット掲示板で、文字や記号を組み合わせて絵を作る「AAアスキーアート」といういうものがあり、その手法でかかれたキャラクター等をFlashでアニメーションにするものです。

と、言う感じで「2chAAFLASH」についての私感です。

今、Flashアニメが面白いと言われている中で、この「2ch系」は「とっかかり」として大変良い役割を果たしていると思います。

まず、掲示板で既に知られている様々な「キャラクターの存在」。「AAという複製のしやすいスタイル」「共有できるネタ」などで、いつでも「仲間と楽しめるFlash」が制作できるという点が大きいと思います。

Flashを触り始めてすぐ、「技術習得」とは別のベクトルで「何を作ろう」という壁にぶつかる人も多いと思います。そのときに、共有できる「キャラクター」「設定」、もっと突っ込んで言えば「ネタのスタイル」もあり、作品を発表すれば掲示板を通じてある程度のリアクションが得られるというのは、かなり楽しいものだと思います。

その過程で、良いなり、悪いなりいろいろなリアクションを得ながら、技術を磨いていくというのも一つのやり方で「切磋琢磨」するにはいいのではないかと。
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ん、ヤバい?!

このブログを読んで頂いている方からの質問にお答えする形で進めていこうと目論んでいますが、そろそろちょっと質問が途切れてきた感じです。

残り9つ。
皆さんの協力でなんとか持ちこたえさせて下さい。

質問の内容はどんな事でも結構です。
お待ちしています!よろしくお願いします。  
Posted by ryosukeaoike at 04:03Comments(13)TrackBack(0)雑記

June 20, 2006

「お酒と創作」

6-20Q:Junさん

青池さん。こんにちわ。

前々からどうしても聞いてみたかった事があったので、思い切って質問します。

第一章「猫男」の段でもちらほら出てきていて、「お酒」が結構お好きなようなんですが、青池さんにとっての「お酒と制作活動との関係」について知りたいです。

ちなみに、気分が変わるかと思い、自分もお酒を飲みながら制作してみたことがあったのですが、全然使い物にならなかったです(笑

ビール200本近くを消費しつつも、Flashをマスターされた青池さんならではのお酒にまつわるエピソードや、制作活動に及ぼす影響を教えてください。よろしくお願いします!


A:

お酒は本当にいいですよね。お酒の飲み過ぎで失敗をしでかしてしまった事も多々ありますが、基本的には結構飲んでしまう方です。

CATMANという作品を作った時には、いつもお酒を飲んでいる主人公を見た人が、「あれはお前だ!」と良く言われた事もあります。作った本人としては、あれこれと創作を詰め込んでいるつもりなのですが、どうしでもにじみ出る物はあるのかもしれません。

お酒と創作活動について、と直接的な結びつきはあまり考えた事がなかったのですが、お酒や煙草のように「科学的にはあまりいい印象はないけど、心にちょっと気持ちいいもの」は結構やめられない性格のようです。
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June 19, 2006

「弱るメディア」

6-19Q: 冷蔵庫の納豆食べてごめんねさん

青池さん、こんにちは。
最近のアニメやマンガって、DVDなり単行本なりが売れればよい、という感じで、どんどん好きな人だけの嗜好品になってるような気がします。
テレビアニメは深夜にこっそり放映してるし、マンガも週刊誌で連載を楽しみに追っかけられる作品がないですし。
作品が嗜好品になってしまったのは、テレビや雑誌などのメディアが弱体化しちゃったせいではないかと思っています。その傾向が作品をよりマニアックにさせていく。
テレビや雑誌が弱くなってしまうと、みんなで観た“その世代の共通体験”みたいなものが、どんどんなくなってしまいそうで寂しいなあ、と思ったりします。
CATMAN は、Web のメディアで登場して、当時のネットユーザーの共通体験として、いろんな人の記憶に残っていますよね。
そこで質問。
青池さんは、今後作品を放送、あるいは掲載するメディアとして、どのようなものに注目されていますか?


A:

確かに選択肢は多くなったと思います。その中で、一つ一つのコンテンツの求心力がお互いに観客の奪い合いのような形にもなっています。

ただワールドカップや、オリンピック等の報道を見ている限り「メディアが弱体化」しているのかどうかは、少し疑問です。多メディアを複合的に使う事で、「強い物はより強く」なっているのが現状ではないでしょうか?

その強い物の「傘下」にあるコンテンツはメジャーな流通に乗って消費され、独自路線を貫くコンテンツはその間をぬっていかなければいけないのかなぁと。もちろんそこで注目を集めれば、メジャー路線にブレイクスルーするのですが、タイアップとかでいろいろ背負わされる事もありそうですね。

という状況の中で、「与えられるのではなく自分が面白いと思うコンテンツを楽しみたい」という選択をすると、冷蔵庫の納豆食べてごめんねさんの感じられているように、メジャーの日陰にあるコンテンツを探してゆく「嗜好品」の要素が強くなるのだと思います。

有名フランチャイズチェーン店以外でおいしいハンバーガーを食べたいと思っても、それを見つけるのにそれなりの労力を覚悟しないといけないという状況に似ていると思います。
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June 17, 2006

質問お願いします!

shitumon 昨年より書いてきましたBlogですが、この6月末で終了します。沢山の方に読んで頂き本当に感謝しています。

 つきましては、今月は読んで頂いた方に直接、質問を頂く事でこれまでの内容の補足や、書ききれなかった面白い話などできないかと思っております。

 大変自己中心的なやり方だとは重々承知していますが、なんとか楽しい方向で皆さんとコミュニケーションがとれないかと思っています。

 質問は、このエントリーや他の記事へのコメント欄に記入して頂けると幸いです。また誠に勝手ながら、答えにくい質問等には大人な対応をすることもあるかと思います。ご容赦ください。  
Posted by ryosukeaoike at 14:07Comments(15)TrackBack(0)第十ニ章「Q&A」

June 16, 2006

「やめる時期」

6-16Q:AGAさん

いつも拝見させていただいております。
製作者の突き当たる壁に実に的確に解答されていて見ていてスッキリしております。

さて、作品配信のスケジュールなどは、基本的に企画時にお決めになると思いますが、
(実際の配信に関しては諸々諸事情で伸びたりもあるかと思いますが)

Q:配信後について
企業サイトでの掲載許可やモノによっては販売時期など
やめる時期(配信・販売終了)まできちんと決まってらっしゃるのでしょうか。
「在庫がなくなれば…」といった形でない作品群の場合、配信・販売時期の期限等、どのように決められ(見極め)ているのか興味があります。(共同作業だと必要な場合もあるかもしれませんし)
最終的には話し合いとなるでしょうが、ご自分の中で“このくらいが妥当”(blogしかり)といった基準や意味などありましたら伺いたいです。
例えばpodcastで配信中の作品にも配信期間(制約)があったり…!?


A:

こちらこそ、読んで頂いてありがとうございます。

配信契約についてですが、オリジナル作品の場合、企画の時点では「何のフォーマットで」ということは決まっていない場合が多く、プロデューサーの判断で「携帯メインで」とか「 WEBで」と「やりやすい形」を提示してもらい、結果、作品のフォーマットを固めてゆきます。

そのプロデュースプランや、フォーマットによって契約スタイルも変わってきます。その場合、大きく別けて二つの方法をとっています。

「配信契約」
「買取」

です。

「配信契約」は、制作した物を他の媒体で配信する権利を販売する事で制作費と回収して、さらに収益を得ようとするものですが、その他媒体との契約では、大体「2年契約」でお願いしています。それがスタンダードなのかわかりませんが殆どそういう感じです。

また期間とは別に「媒体」で区切って配信権を販売する事もあります。その場合「携帯とウェブ」とかといういうくくりで、テレビはあげないとか。

そして、特にインターネット向けの作品等だと「ネット全部」なのか、「特定の言語のバージョンのみ」とかIPアドレスで視聴管理をするのかしないのかなど、他の媒体とは違うテリトリー区分も考慮されたりします。

インターネットを介したり、テレビのような物であれば、配信権さえ区切っておけばそれ以降は、配信を止めれば良いだけですが、そこに「DVD販売」など物販であれば、期間で販売権を区切る場合もありますし、流通等の事情から「特に意思表示がなられない限りは契約書に記されている期間毎に自動的に更新される」という処置をします。
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June 15, 2006

「海外のメリット」「ブログを書く時間」

6-15Q: うずわさん

はじめまして。FLA魂、いつも拝見しておりました。
直接Flashを使って何かを作っているわけではないのですが、
もの作りに関わる者として、青池さんの制作への考え方は
すごく参考になりました。ありがとうございました。
折角の機会ですし、最後に質問させて頂ければと思います。

1.海外で日本の仕事を受けるにあたっていい点と悪い点
2.FLA魂の記事1本を書くのにかかっていた時間
(平日毎日、あれだけのクオリティのイラストとテキストをUPされるのってすごいと常々思っておりましたので、よろしければどれくらいかかっていたのか時間を教えて頂ければと思います。)

よろしくお願いいたします。

A:

いつも読んで頂いているとの事、ありがとうございます。

まず、一つ目のご質問。

1・海外で日本の仕事を受ける、良い点と悪い点ですが。結構表裏一体な感じがしています。

良い点は

・時差が13〜14時間あるので、日本が夜の間に返しができる
・周りにいろんな人種がいるので他言語に対応しやすい
・打ち合わせより制作に時間が割ける
・流行物に流されにくい

悪い点は

・日本の会社に合わせると徹夜が多くなる
・直接顔を合わせてのミーティング、営業がやりにくい
・既に流行っている物がわかりにくい
・会計や税金の処理がめんどくさい

一長一短な所はやっぱりあって、基本的にはものすごく忙しく交わされる業務連絡からちょっと距離を置いて仕事ができるメリットはありますが、日本で活躍しているクリエイターの方のお話等聞くとどうしても「蚊帳の外」にいるような気持ちになることもあります。どっぷりと仕事をするなら国内にいた方が良いように思います。
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June 14, 2006

「いつまでFLASH?」「インタラクティブやる?」「Hairly Baby & Beauty Poo』

6-14Q: 大沢駿さん

ご無沙汰しております。青池さんの今後が気になるので、質問させてください。

1. 今後もアニメ制作の主軸にFLASHを使おうと考えていますか?
2. インタラクティブ(話が分岐するとか)な方向性を考えていますか?
3. 「Hairy Baby & Beauty Poo」は続きが出る予定はありますか? あるとしたら、概要だけでも…w

意図が間違ってたら、大人な対応してください。ではでは。


A:

大沢さん。ご無沙汰しています!

まず、

1・アニメ制作の主軸にFLASHを使うかどうか

「メインツール」であることは変わらないと思います。やはり作業のスピード感は捨てがたいものがあります。しかしどんどん「AfterEffects」などのツールとの併用は進んでいくと思います。

 FLASHを使う理由は、

1:ツールの作りとして+自分の手に馴染んでいるからというスピード感
2:作画から完成まで1ツールで完結できる。
3:自由度が高くいろいろな表現を模索、実現できる。
4:WEBブラウザでの再生環境が優れている
5:スクリプトを組み込める
6:好き

 辺りかなぁと。

 そしてFLASH以外のアプリケーションを使っていこうと思う理由は

1:見た目の深み、テクスチャーの追加
2:編集などプスとプロダクション作業の効率化

 などです。画面効果などの部分では、他の優れているアプリケーションの恩恵をビデオにしてから受ければいいと思いますし、3D等との連携もプロジェクトによっては求められてくると思います。
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Posted by ryosukeaoike at 23:59Comments(0)TrackBack(0)第十ニ章「Q&A」