2013年12月31日
ご挨拶
いらっしゃいませ。
こちらは蝉海 夏人(せみう なつひと)という一介の学生が、
運営するブログです。
当ブログに関して詳しいことは、こちらをご覧ください。
蝉海 夏人は、以下のようなところでも活動しています。
mixi twitter(twilog) pixiv facebook the interviews
近況・雑記ブログ「旅人の戯言」(随時更新)
創作ブログ「旅人の物語」(閉鎖)
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もし、同様の症状がお使いのブラウザで起こりましたら、
倍率を調整するなどして、当ブログをご覧下さい。
お手数おかけして、誠に申し訳ありません。
蝉海 夏人は、ポップ・カルチャーの基底にある、
民主主義と国内経済活動を脅かす、
TPP(環太平洋戦略的経済連携協定)に反対します。
筆者が現在視聴中のアニメ
(原作既読)
(原作未読)
お知らせ(2/10)
ブログを再度移転しました。新しいブログは、こちらになります。
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最終更新 9/30(日)
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次回更新予定日 未定
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2012年02月19日
インターネットでの活動をしばらく停止致します
2012年01月15日
コミックマーケット81 購入本
私が購入した本とサークルの紹介記事です。
ここで掲載されている画像は全て、
各著作者の個人サイト、あるいは作品の特設ページなどのバナーであり、
購入した同人誌から引用したものではありません。
二日目(12月30日・金)
「仙人掌工房」
『ORGERONDO』
歯車の樹から供給されるエネルギーを使い、様々なものを作り出す「笛車」(オルゴール)と呼ばれる職人。これはそんな、「笛車」の見習いである少女の物語。
ともかく、メルヘンティックな世界観が魅力的な作品。丸みを帯びた描線で描かれる人物造形が、物語の根底に流れる優しさをよく体現している。
『Operatopia』
音を食べ、そして吐き出すことのできる、不思議な少女を主人公にしたオムニバス。
絵が非常に繊細で、かつとても可愛らしい。時計塔やライトフライヤー号といった近代的なガジェットが出てくる世界観や、そうした舞台で紡がれる幻想的な物語が好きな人は、読んでみてもいいかも。
「タランテラ」(里桜さん)
『pudding』
フルカラーのオリジナルイラスト集。コピー本。
全体的に淡い色彩を基調としている。子供の描き方がとても可愛らしく、観ていると和やかな気持ちになる。
『白黒少女』
モノクロコピー本。上述の人を含め、5人のイラストレーターが一枚ずつイラストを提供。中にはURLを載せている人もいるので、気にかかったら覘きに行くといいかもしれない。
三日目(12月31日・土)
「つくよのうた」(加月猫さん)
『冬のうた』(新刊)
作者が3年間続けてきた、ボーカロイドの二次創作シリーズの総集編。
作者の絵の変遷が見て取れるとともに、主役であるボーカロイドの魅力も十分に伝わってくる。全体的に切ない話が多めだが、根底にあるエッセンスは「優しさ・思慮」である。
著者のファンなら、買って損はない。
「うにぐる」(紺野賢護さん)
『アメリカ&イギリス(ヘタリア)のラバーストラップ(仮名)』
『ヘタリア』(日丸屋秀和)のアメリカ及びイギリスを、ケモノ化したストラップ。(参考) やけに可愛いので、買ってしまった。
「よつは薬局」(薬師寺ヨシハルさん)
『雪降る日』(新刊)
雪が降る街の中、買い物に出かける獣の耳をした男の子と女の子のお話。6ページで終わる掌編。
舞台は寒い雪の日であるが、純朴な子供達のやり取りが、読者をほんのり温かな気分にさせてくれる。
『二人の竜医さん』(新刊)
友人である北神ゆうやさんとの合同本。「竜の医者(竜医)」モティーフに、互いの世界観をクロスオーバーしたような形になっている。
二者ともに、この本の象徴である竜がよく描けていて好感触。両者、あるいはどちらかのファンの方なら是非。
「マーマレードスカイ」(フミヨモギさん)
『ジャンティイの聖母』(新刊)
『裏庭ゴーレム』の続編。前回はA5版だったのだが、今回はB5版。型はできれば、同じにして欲しいところ。
ニヒリズムさえ湛えるような、荒い描線で紡がれる独特な世界観は実に魅力的である。ただし、そのドラマツルギーにはやや難が見受けられた。回りくどいネーム・分かりにくいコマ割が、読む気を減衰させてしまい、途中から物語にいま一つのめり込むことができなくなってしまった。またゴーレムを操るものの正体も、余り印象に残りにくい。
物語としては綺麗に完結しているので、絵が気に入ったのなら読んでみてもいいかもしれない。
「でぃぷろ・えんじにあ」(mirvさん)
『漫画家さんのサイン会に参加してみよう! ~サイン会参加の手引き 2011年版~』(新刊)
コピー本。マンガ家のサイン会の手引き本であるが、熟練者にも十分に読み応えがある内容になっているように思える。
そのデータの膨大さには圧巻としか言いようがなく、感服せざるを得ない。著者の経験がものを言っている、渾身の一著と言えよう。
「よいどれ眼鏡の。」(葵さん、漣さん、他執筆者多数)
『楽園に花束を Des Fleurettes pour Le Paradis』(新刊)
白泉社より発刊されているマンガ誌「楽園 Le Paradis」のファンブック。
雑誌の執筆作家による寄稿イラストやインタビューがたくさん掲載されており、大変豪華な内容となっている。また、編集チームによる文章からは、雑誌及び掲載作品の特色が明晰に伝わってくるだけでなく、誠実な「思い入れ」を強く感じさせてくれる。
雑誌や掲載作家のファンでなくとも、「楽園 Le Paradis」を読みたくなること請け合いの一冊だ。
「革命的萌え主義者同盟」
『革萌同通信 No.9』『(同左)No.11』
新左翼をモティーフにした、共産趣味団体の機関紙(?)
記事の内容から偽広告まで、学生運動・新左翼ネタ満載の一冊。学生運動を夢見る女子高生が、ノンポリの学校で奮闘するという4コマは笑えた。
政治的主張はともあれ、この手のネタが好きな人なら。
「文学フリマ」(文学フリマ事務局)
『これからの「文学フリマ」の話をしよう』
「文学フリマ」という文章オンリーの同人誌即売会の運営側が、十周年を記念して作成したクロニクル+α本。
早稲田大学教授である東浩紀氏のインタビューや、運営の指導部による対談・ディスカッションなど、その筋には豪華な顔ぶれが揃っている。文学フリマ未参加でも、その沿革を理解するために、あるいは現代の文芸にまつわる思潮の参考として、本書を読む価値は十分にあるだろう。
「漫画批評」(漫画批評編集部)
『漫画批評 第3号』
インターネット上で活動するマンガレビュアー・コラミストが集って発刊した、マンガ評論のミニコミ誌の第3弾。
古屋兎丸氏のインタビューが目玉記事であるが、それ以外にも「マンガ一巻読破」のhappysad氏による寄稿など、読み応えのある文章ばかりが目白押しの一冊。
マンガ評論にありがちな、薄っぺらいポストモダン思想のひけらかしは一切ない。本当にマンガの面白さ・本質を、どの筆者も分かりやすく論じている。
マンガのレビューをよく読む人、またそうしたサイトを経営している人は読んだ方が良い。
※ タイトル脇に(新刊)と書いてあるものは、
奥付の発行年月日が2011年12月30日あるいは31日と
刻印されている同人誌です。
2012年01月14日
読書備忘録 2011年7月下旬~12月
2011年の7月下旬~12月の間に通読・精読した書物の一覧です。
特にオススメなものは、簡単な感想を追記しています。
また、横の()は読んだ(マンガの場合は買った・貰った)冊数を表しています。
小説・詩集・説話(17)
『星の王子さま』
Antoine de Saint-Exupery 訳 石井洋二郎 筑摩書房
『GJ部』
新木伸 小学館
『涼宮ハルヒの憂鬱』
谷川流 角川書店
『涼宮ハルヒの溜息』
谷川流 角川書店
『涼宮ハルヒの退屈』
谷川流 角川書店
『涼宮ハルヒの暴走』
谷川流 角川書店
『涼宮ハルヒの動揺』
谷川流 角川書店
『涼宮ハルヒの陰謀』
谷川流 角川書店
『涼宮ハルヒの憤慨』
谷川流 角川書店
『涼宮ハルヒの分裂』
谷川流 角川書店
『涼宮ハルヒの驚愕(上)』
谷川流 角川書店
『涼宮ハルヒの驚愕(下)』
谷川流 角川書店
『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド(上)』
村上春樹 新潮社
『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド(下)』
村上春樹 新潮社
『ダンス・ダンス・ダンス(上)』
村上春樹 新潮社
『ダンス・ダンス・ダンス(下)』
村上春樹 新潮社
『螢・納屋を焼く・その他の短編』
村上春樹 新潮社
論説・随想(9)
『省察』
Rene Descartes 訳 山田弘明 筑摩書房
『人はなぜ戦争をするのか』
Sigmund Freud 訳 中山元 光文社
『実存から実存者へ』
Emmanuel Levinas 訳 西谷修 講談社
『文化とコミュニケーション』
Edmund Reach 訳 青木保 宮坂敬造 紀伊國屋書店
『実践理性批判』
Immanuel Kant 訳 波多野精一 宮本和吉 岩波書店
『ハイデガー』
木田元 岩波書店
『柿の種』
寺田寅彦 岩波文庫
『寺田寅彦随筆集 第一巻』
寺田寅彦 岩波文庫
『新理科教育法』
「新理科教育法」編集委員会 東京書籍
ドキュメント・ハウツー本・実用書・ブックレット・写真集(6)
『岡本太郎 神秘』
岡本太郎 共編 岡本敏子 内藤正敏 二玄社
『わかる! なるほど理科実験』
編著 杉山剛英 裳華房
『ペットボトルロケットを飛ばそう』
日本ペットボトルクラフト協会 KKダイナミックセラーズ出版
『図解雑学 よくわかる相対性理論』
二間瀬敏史 ナツメ社
『決定版ペットボトル・ロケット』
監修 別府護郎 KKダイナミックセラーズ出版
『総括せよ! さらば革命的世代』
産経新聞取材班 産経新聞出版
マンガ(34)
『銀の匙 Silver spoon』2
荒川弘 小学館
『20世紀少年』全22巻
浦沢直樹 小学館
『21世紀少年』全2巻
浦沢直樹 小学館
『少年ノート』2
鎌谷悠希 講談社
『すみっこの空さん』1
たなかのか マッグガーデン
『イエスタデイをうたって』6
冬目景 集英社
『放課後アトリエといろ』1
華々つぼみ 角川書店
『ハナヤマタ』1
浜弓場双 芳文社
『はぢがーる』1
みやびあきの 芳文社
『テルマエ・ロマエ』4
ヤマザキマリ エンターブレイン
『ばらかもん』5
ヨシノサツキ スクウェア・エニックス
『ソコツネ・ポルカ』全1巻
わかつきめぐみ 白泉社
<オススメ・三行感想>
『星の王子さま』
(Antoine de Saint-Exupery 訳 石井洋二郎 筑摩書房)
児童文学の名作。砂漠の真ん中で遭難したパイロットは、宇宙からやってきた少年(王子)に出逢う。王子が訪れてきた小惑星に住む偏屈な大人達の描写や、彼が天に昇るラストは、子供が抱く「大人が忘れてしまった〈人間らしさ=人としての生〉」を寓話的に描いている。
『涼宮ハルヒシリーズ』
(谷川流 角川書店)
平凡な日常を嫌う少女ハルヒに付き合わされる、凡庸な級友キョン。プラス3人の学友。楽しい学園生活と、それを脅かそうとする超常現象とが交錯するプロットからは、「今、仲間と共にいることを望む自分」というテーマがビシビシと伝わってきて、読者に自らが過ごす日常について反省させてくれる。評判通りの傑作。
『実存から実存者へ』
(Emmanuel Levinas 訳 西谷修 講談社)
不条理な世界において人間の〈生〉はいかに意識せねばならないか。第二次世界大戦という惨禍を経たレヴィナスが、世界の不完全性と個人の実存への意志との関係性についてドラスティックに説いた、渾身の一冊。災厄に見舞われ〈生〉の不安が蔓延する現代を生きる我々にとって、本書の文章は痛烈に響くことだろう。
『寺田寅彦随筆集 第一巻』
(寺田寅彦 岩波書店)
戦前を代表する随筆家として知られる寺田寅彦の随筆集。「窓のひび割れ」や「明け方の病室で聞こえてくる音」など、我々のごく身近な現象に目を光らせ、淡々と思弁を展開していくスタイルを主とする。その言文は論理的であり示唆に富んでいながら、叙情的でさえある。オススメは「科学者と芸術家」
2011年12月18日
〈レビュー〉 So What?
〈作品概要〉
タイトル:『So What?』
原作:わかつきめぐみ
出版:白泉社
掲載誌:「月刊LaLa」
巻数:6巻
ジャンル: SF+日常コメディ+擬似家族もの
〈あらすじ〉
初夏。女子高生の暮里阿梨(くれさとあり)は、
科学者である祖父秋津島(あきつしま)教授の危篤を知らされ、
故郷へ戻ることになる。
祖父の家で彼女を待ち構えていたのは、
既に幽霊となった祖父と、異世界の人間である少女ライムの二人であった。
ライムは、教授の開発していたタイムマシンが原因不明の爆発を引き起こし、
突然こちらの世界に飛ばされてきてしまったのである。
秋津島教授はタイムマシンを完成させてライムを元の世界に戻すため、
研究に没頭することを決意し、
霊体のなってしまった自分に替わって、阿梨にライムの面倒を頼むことにした。
だがそれは、阿梨が現在通う学校を辞めて、
こちらに引っ越すことを意味していたのだ。
同時に家の中は、先の事故のせいで様々な世界とつながってしまい、
不可思議な生物達が出ては現れるという状態となっていたのである。
そして、阿梨の祖父が亡くなったことを聞きつけて、
阿梨の中学時代の同級生である桃太郎や、
教授の教え子であった海堂(かいどう)が訪れてくる。
一方、ある組織より秋津島の研究を探る(という名目の左遷)ため派遣されて、
隣家に数年前より滞在している松23号・竹3号・梅1、2、3号らも巻き込み、
少し不思議な日常が繰り広げられることになる。
危うい均衡で保たれるアットホームな雰囲気が、
作者の柔らかな筆致によって叙情的に紡がれる、SF・日常コメディの傑作。
〈感想・評価〉
古くから、白泉社系の少女マンガ雑誌で活躍するマンガ家、わかつきめぐみさんの代表作といえる本作。連載時期は1986年~1989年と、大変昔のことになりますが、本作は第21回(1990年度)星雲賞を受賞したこともある力作であり、当時のマンガファンの間では、それなりに名前が知られている作品です。
この二人は出会った当初、互いにいがみ合う関係として描かれます。
そもそもの事の発端である、タイムマシンを開発していた秋津島教授からしてそうですね。彼は単なる科学的追求心のみから、この装置の開発をしていたのではなかったのです。もちろんそれも大きくはありますが、別のある目的のために作り上げようとしていたのです。その動機というものは実に人間味のあるものであり、それが明かされる5巻のエピソードは、〈人のつながり〉という本作のモティーフを一層掘り下げて描いてくれました。
次に男性キャラクターですが、桃太郎、海堂、秋津島、松23号、竹3号、梅1、2、3号と、女性キャラクターと同様の穏やかなイメージのデザインをしたキャラが殆どですね。皆、優しい印象を湛えていて、彼らが女性キャラクター達と織り成すやり取りも、純粋に和やかなものとして描かれております。
・ クィネックと呼ばれる、ヤギのような動物
・ 無限に増殖する笑うキノコ
・ 大きすぎて、1階部分にはまり込んでしまった巨大ネコ
・ 鍋料理を好む、獣のような耳を付けた小人
……などなどは、どれもわかつきさんのユーモアセンスを感じ取ることができる、優秀なガジェットとして、作品の完成度に貢献しているといえますね。
私がわかつきめぐみさんの本と出合ったのは、2008年の晩秋のことでしたね。