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six days on the road

18 Jun

Geraint Watkins/Moustique

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「渋い」を辞書でひくと「華やかでなく落ち着いた趣がある。地味で深い味わいがある」とある。早くジジイ(Nick Loweみたいなかっこいいほう)になりたいと思っている僕なんかにしてみれば、言われて嬉しいワードであるはず。

なのに、若者に「シブいっすねえ」とか実際言われてみると、なんだかバカにされているような気がして、どうにも(多分、バカにされているのだろう)落ち着かない。だからあんまり「渋い」という言葉は好きじゃないし、使う際には細心の注意を払って口にするようにしている。

などと書いたそばから恐縮だが、これは「渋い」。Geraint Watkinsでなければ到達し得ないだろう含蓄に富んだ音楽世界。優れた楽曲に手だれの音楽家たちによる演奏、そして渋みのある素晴らしい声。ほかにいったい何が必要だって言うんだい? というNick Loweのあいかわらず見事なプロデュースワーク。渋くて、オシャレで、粋。これはそうそう真似のできる音楽ではないな、と僕のような素人にもわからせてくれる、孤高の音楽。圧巻。


※先にリリースされた2枚の10 inch(『Mosquito Vol.1』『Mosquito Vol.2』)にしか入っていない曲もあるから、注意が必要だ。
※この12 inch LPのほうは『Moustique』なので要注意。僕はついさっきまで“モスキート”と読んでいた。ググったら意味はいっしょだった。



2 May

NRBQ - Brass Tacks

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順調に新作をリリースし続けるNRBQとThe Spampinato Brothers。先日もNRBQの新作『Brass Tacks』が届いたばかり。これまたいつものように実にいい。もともとHeatersons(友人が教えてくれた)でQライクなソングライティングをみせていたScott Ligonも今や家元。その楽曲には風格すら漂いはじめている。あと、Conrad Choucrounのドラムはやっぱいい音、最高……。NRBQファンには複雑な想いもあろうが、好きなバンドが増えた感(というが実際にそうなんだけど)があって単純に嬉しい。



2 May

The Spampinato Brothers JAPNA TOUR 2014

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どうせ最高だろうと思っていたが案の定最高。直前にスウェーデンツアーがあったためか、バンドの一体感という意味では、前回よりもすごかったかもしれない。

ぶいぶいと唸りを上げるベースに負けじと火を吹く2本のギター。ゲスト出演の堀江博久さんのピアノからも煙が……。みな手加減一切なし。前回披露してくれた"JAPAN"もなし。終始本気。手だれの演奏家が本気になったときの凄まじさを思い知らされた。

いろんなライブを見てきたであろう店員の方も、いや〜すごいっすね〜!と感服していたのが思い出される。こりゃあまた来てほしいし、来なけりゃこちらから押し掛けるまでよ、と本気でそう思ったライブだった。


Link MontanaことBruce Maclean先生のギターはもちろん歌もすごくよかった。
13 Mar

A Man Called Destruction: The Life and Music of Alex Chilton, From Box Tops to Big Star to Backdoor Man

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『Loose Shoes and Tight Pussy』を聴き続けて14年くらいになる。初めて耳にしたときの衝撃こそもう忘れかけているが、夜中に改めて聴いていると、また別の種類の感動が静かな波のようにひたひたと押し寄せてくる。

過去から未来へと続く時間の流れのなかに自らを位置づけること。それなくして、創造はありえない――。Alex Chilton先生は、きっとそんなかんじのことを、僕らにむかって語りかけていたのかもしれない。ああ、僕らはなんとまあ愚鈍なのだろう。

タイトルは思わずポチっとしてしまった先生のバイオ本。日本語版も出るといいのに。
26 Dec

The Spampinato Brothers/Smiles

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忘年会でロックが好きだと言う取引先の若者に、最近のおすすめのレコードを教えてくださいと言われて、真っ先にThe Spampinato Brothersを思い浮かべたものの、元NRBQで云々、お兄さんのほうはRolling StonesのKiethに〜云々とか説明するのがめんどくさくなって「最近のはよく知らないなあ」などと、なんとなく嘘をついてしまった。

こんなとき、The Spampinato Brothersのようなかっこいい大人ならどんな対応をしたのだろう。そんなことを考えながら、帰宅後にウイスキーとともに新作EP『Smiles』を聴いていたら、己の不正直な態度が急に恥ずかしく思えてきて、彼には明日にでもこのEPのことをメールで知らせてあげようと思いなおした。楽しい気分ばかりではなく、そんなほろ苦い気分にもフィットしまう懐の深い作品である。

The BeatlesとかThe Everly Brothersらが生み出した王道ともいえるスタイルを踏襲しつつも、カントリーとかジャズ、あるいはソウルやポップスなどジャンルの枠組みを超越し、純粋に“音楽”を生み出そうとする姿勢と、そこから生みだされるこれぞ"Pure Pop"ともいうべきサウンドに、『Pie in the Sky』(2010)を手にしたときから僕はもうほとんどひれ伏しっぱなし。

NRBQもそうだけど、彼らもまたロックンロールという音楽の奥深さと新たな可能性を教えてくれる希有なバンドである。同じ時代に生きていることをどこかの神様に感謝したい。そんな彼らが2014年4月に再び来日してくれるというのだから、とりあえず八百万の神にでも感謝しておこうと思う。

しかも今回はサイドギターにLink MontanaことBruce Macleanがやってくる(らしい)。当ブログでも何度となくとりあげてきたものの日本での知名度は無きに等しい存在だが、彼もまた素晴らしいソングライターであり、ギタリスト、そしてケープ・コッドの住人でもある。JoeyやJohnnyとも旧知の仲。Aaron Spadeの曲が聴けないのはとても残念だけど、これはこれで間違いない。

Link Montana - Walk Right Back
Gallery
  • Geraint Watkins/Moustique
  • Geraint Watkins/Moustique
  • NRBQ - Brass Tacks
  • NRBQ - Brass Tacks
  • NRBQ - Brass Tacks
  • The Spampinato Brothers JAPNA TOUR 2014
  • The Spampinato Brothers JAPNA TOUR 2014
  • A Man Called Destruction: The Life and Music of Alex Chilton, From Box Tops to Big Star to Backdoor Man
  • The Spampinato Brothers/Smiles
  • Vince Guaraldi Trio/A Charlie Brown Christmas
  • Hirth Martinez/Hirth From Earth
  • Smiles/The Spampinato Brothers
  • The Incredible Casuals/Inedible Casserole Series
  • Ron Sexsmith/Forever Endeavour
  • Jeff Lynne/Long Wave
  • The Flamin' Groovies/Live At The Whiskey A Go-Go '79
  • Andy Williams/Love Theme from "The Godfather"
  • Jake and the rest of the Jewels/A Lick and a Promise
  • Rufus Wainwright/Out of the Game
  • Cilla Black/The Abbey Road Decade 1963-1973
  • The dB's/Falling Off The Sky
  • Seiko Matsuda/Pineapple
  • Beach Boys/That's Why God Made The Radio
  • NRBQ/TOKYO
  • NRBQ/We Travel the Spaceways
  • P.J. O'Connell/Join The Crowd
  • THE iNMaTES/Meet The Beatles
  • Allen Toussaint/The Bright Mississippi
  • Nat King Cole/After Midnight
  • Hans Rotenberry and Brad Jones/Mountain Jack
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