2020年08月24日

スピードの神・佐藤琢磨

 自動車の世界3大レースの1つといわれる第104回インディ500で、佐藤琢磨選手(43)が二度目の優勝を飾った。日曜深夜から月曜未明にかけて、GAORAの生放送を見ていた日本のモータースポーツファンが大熱狂。日本の一部が歓喜に包まれた。インディ500というのは、アメリカのミネアポリス市にある一周4キロの楕円形のコースをひたすら走り、200周(つまり800キロ)で1位を争うアメリカの国民的行事。例年は30万人もの観衆が詰めかけるが、ことしはコロナの関係で無観客で行われた。

 この大会の優勝者は翌日、プライベートジェットでNYに連れて行かれ、ウォール街の証券取引所で鐘を鳴らす慣習がある。また、ホワイトハウスにも招待され、米大統領から直接祝福されることになっており、優勝者は英雄扱いだ。日本ではあまり大きなニュースにはならないので、知らない人が多いが、優勝者はアメリカ人が一番よく知る日本人になるのだ。つまり、メジャーリーグで大活躍したイチローをもしのぐ知名度になるわけである。この大会、1911年に始まっている。戦争を挟んで100年を超す歴史があるのだ。

 賞金総額は1500万ドルといわれ、ゴルフのメジャー大会、マスターズの1150万ドルより賞金は多額なのである。優勝賞金は確たる記憶がないが、5億円ぐらいだった。レースはドライバーだけでは成り立たない。多くのチームスタッフがいて、ピットでの燃料補給とかに当たる。なので、優勝賞金もそのスタッフと折半するらしい。レースはアメリカンドリームを競う場所でもある。歴史が長いので、複数回優勝者もかなりいて、佐藤選手は20人目の複数回優勝者となった。20人もいるのかと驚いた。と書いてきたが、この大会のすごさを少しも伝え切れていないように思う。あとは想像してください。

 最高速度380キロ。これはF1を超えて世界最速だ。約30周に一回ピットインし、タイヤを替え、燃料を補給する。今大会、佐藤選手は予選で上々の走りを見せ、最前列3位のポジションからのスタートだった。これはインディ500での佐藤選手の最高の予選結果。最前列だと当然のことながら、首位争いをしていく。最後はディクソン選手との一騎打ちだった。ディクソン選手が長いこと首位を守った後、佐藤選手がかわして首位に躍り出る。そこでクラッシュ(衝突)が起きた。場内はイエローコーションといって、追い抜きができない状態になる。そこで、佐藤選手の優勝が決まった。手に汗握る首位争いの末に勝つのが、ベストだが、クラッシュがあっては致し方ない。

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2020年08月23日

時代を切り開く超天才・藤井聡太

 将棋界の最年少プロ、藤井聡太(18)が棋聖と王位の二冠を手にして、八段に昇段した。木村王位との対局は4連勝だった。私は事前に4連勝を予感していた。それはなにも特別なことじゃない。ただ、無傷ということが藤井のキャリアにとって、極めて大事だと思っていた。伝説の人は無傷での王位奪取という離れ技をしてこそ価値がある。これでタイトル戦は棋聖戦とあわせて7勝1敗となった。勝率8割8分である。この人はなんであれ、9割前後を記録することが求められている。常識ではありえない数字だ。でも、さらっと達成してしまう。スーパースターの宿命であろうか。

 なんで藤井聡太はこんなにも強いのか。私は「藤井本」を片っ端から読んで自分なりの回答を得た。それは師匠・杉本昌隆八段の著書名にもあるように「悔しがる力」だ。少年だった藤井がなにかのイベントで飛車角落ちで谷川浩司九段と対局し、ほとんど勝負あったかに見える局面で谷川九段が引き分けを提案したところ、藤井が将棋盤をかかえて、わんわんと泣きじゃくったという有名なエピソードにも垣間見える。今回の棋聖戦では棋聖位奪取が決まった後の記者会見で、「最も印象に残った対局は」との質問に対し、わざわざ負けた第3局を挙げ、至らなかった点が多かったと述べている。普通は勝った対局を挙げるものだと思うが、負けた対局を最も印象深いとするところに負けず嫌いの性分がよく出ている。

 藤井の年収についての記事も散見される。王位と棋聖の賞金額は公表されていないが、過去の例から推察して、2つのタイトル獲得賞金を含めて4000万円程度とみられる。これは注目度からいって、スポーツ選手の年俸などに比較すると安すぎるとの声も出ている。藤井本人は金銭欲がないこともあって、外野がとやかく言うことではないが、年収が大きくアップする要素は十分にある。藤井に大学進学の気持ちがないことで、来春の高校卒業で棋士プロ生活に入るわけである。実家のある愛知県瀬戸市はなにかと不便だから、この際、上京して将棋1本にのめり込むという選択肢がある。その場合、拠点となる住居の確保とかなにかと金が必要になる。そこで、高卒後は、殺到しているというCM出演依頼も、ものによっては受けるということが考えられる。そうなると、年収は億単位になる。藤井本人は乗り気でなくても、生活の必要からそういった活動を受け入れる可能性がある。と私は見る。

 藤井の次の目標は一つでも多くのタイトルをとること。そして、2023年にはA級で全勝して、名人に挑戦すること。全部で8つあるタイトルの完全制覇は射程に入っている。前代未聞の藤井の挑戦は2020年に始まったばかりだ。時代を切り開く超天才・藤井聡太。その戦いはこれからも続いていく。

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2020年07月27日

将棋亭日乗

 藤井聡太新棋聖の誕生にわく将棋界、テレビ業界。その彼を芸能事務所が虎視眈々と狙っているという。藤井さんも来春には高校を卒業する。大学には行かないと明言しているから、フリーの立場で将棋に打ち込めるのだそうだ。CMも解禁になる。そう簡単に誘いには乗らないだろうが、スポンサーは魅力的な彼をほってはおかないだろう。

 実は将棋界でも芸能事務所に所属している人はかなりいる。ハッシーの愛称で親しまれる橋本八段もその一人。いまや東大王のクイズ超人、伊沢拓司も芸能事務所に所属している。文化人と芸能事務所は意外に相性がよさそうだ。芸能事務所の戦略はこうだ。弟子の活躍でテレビへの出演が激増した杉本昌隆八段をまず誘うのだ。杉本八段を陥落させれば、弟子の藤井棋聖にもアプローチしやすいというわけだ。

 将棋一本で身を立てるとなったら、収入は多いほどいい。お金があって困ることはない。藤井棋聖のCMへの登場は1年後には見られるかもしれない。業種でいえば、教育関連、清涼飲料水、スイーツなど幅広く考えられる。和服のCMもよさそうだ。対局時の和服姿が決まっていたから。しかし、藤井棋聖はやはり毅然としていて、将棋の対局料、賞金だけで食べていくつもりかも。そこは未知数ながら可能性はあると思っておこう。

 僕自身はといえば、インターネット将棋に没頭と書きたいところですが、登録していた将棋倶楽部24から会員資格の停止処分を受けており、インターネットによる対局はできていません。これは何が原因かというと僕自身が悪いわけで、故意の王手放置をしたり、自爆したりとマナー違反を繰り返し、イエローカードを5回もらってしまったので、資格停止もやむをえないと認識しております。ただ、将棋が指せないのが何よりも苦痛で、時間のつぶし方で苦労しとります。「席主さま」に何度もお詫びのうえ解除嘆願のお願いメールを送っていますが、今のところ効き目なしです。ほかのサイトもあるにはあるのですが、うまく入れず、将棋倶楽部24の1本に絞って嘆願していくつもりです。

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2019年01月01日

藤井七段が将棋界最強の豊島二冠に勝つ

 正月早々、縁起のいい話題だ。あの史上最年少プロ棋士、藤井聡太七段(16)が元日インターネット放送された特別対局(非公式戦)で、将棋界最強と言われる豊島将之二冠(28)に初めて勝利した。2人は公式戦と非公式戦で2回顔を合わせており、これまでは豊島二冠の2勝だった。

 この特別対局は藤井七段が新人王を獲得したことで実現した。将棋界最高峰と活きのいいルーキーが対決する。主催者はなんと、「しんぶん赤旗」であり、棋譜は同紙に掲載される。僕はAbemaTVの放送で途中から見た。難解な中盤戦でどちらにも転ぶような局面だった。

 8つある将棋界のタイトルで複数持っているのは、豊島二冠だけ。かつては羽生善治前竜王が当時7つだったタイトルを独占し、話題になった。そういう1強時代は終わりを告げ、いまや群雄割拠の時代となっているが、それでも、ただ一人、複数のタイトルを持っているのはすごい。

 藤井七段は豊島二冠と菅井竜也王位には苦手意識を感じているのでは、とファンの一人として心配していたが、今日の勝利でそれも払拭してくれたような気がする。やはりオーラを放つスーパースター候補にはそれにふさわしい実力がないといけない。今日の勝利は大きな意味を持ちそうである。

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2018年09月10日

将棋の超早指し戦で藤井聡太が優勝

 将棋の超早指し戦、第1回AbemaTVトーナメントで藤井聡太七段(16)が優勝した。賞金はいくらか分からないが(想像で言うと200万円ぐらい)、羽生竜王、久保王将、そして若手の強豪計14人が争った中での優勝なので価値は高い。

もちろん非公式戦。持ち時間が5分と極端に少ない。順位戦などは持ち時間6時間だから、比べものにならない。その上、指すごとに5秒(雀の涙ではあるが、手際よく指せば持ち時間はわずかながら増える仕組み)が加算されるという「フィッシャールール」で行われた。

 このフィッシャールール、チェスの世界で使われているそうで、チェスでも日本の第一人者羽生善治竜王が着想したという。なので、トーナメントの正式名称には「inspired by Habu Yosiharu」とついている。

 見る方としては短時間で勝負がつくので、面白く楽しめるが、やるとなると相当大変。僕もこのルールで、インターネット将棋を指したことがあるが、時間切れで負けてしまった。よほど時間配分を考えないと、終盤に焦る。

 毎週日曜日の午後8時に「放送」が始まるから、6月以降はその時間になると、パソコンの前に座るようになった。藤井七段はまず予選トーナメントを1位通過。本戦に入っても「東の天才」と呼ばれる増田六段に二連勝するなど快調で、決勝の相手、佐々木勇気六段を2勝1敗で破った。

 佐々木六段といえば、思い出す人もいるだろう。昨年、藤井七段が新記録の29連勝を達成した後、30戦目で戦い、敗れた相手なのだ。だから、「因縁の対決」となった。「リベンジマッチ」でもある。

 AbemaTVにとっては、願ってもない組み合わせになったわけだ。注目度がひときわ高くなる。仮にベテランの羽生竜王や久保王将が勝ち上がっていたら、今回ほどの盛り上がりになっただろうか。将棋界を引っ張っていくであろう若き英才2人が対決したことで、その価値が上がったと言っていい。

 ちなみに将棋は終わった後、盤を挟んで「感想戦」なるものをやる風習があるが、藤井と佐々木の感想戦は超絶スピードで難解なことを言い合っていたから、あれについていけるのはアマチュアでは有段者に限られると思った。

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son630son at 16:55|PermalinkComments(0) ジャーナリズム 

2018年07月16日

藤井聡太には失望した〜45歳おじさんに完敗

 将棋の最年少プロ棋士、藤井聡太七段(15)は15日放映されたNHK杯1回戦で、まさかの敗北を喫した。相手は史上最年長でプロになった今泉健司四段(45)。ここで敗北するとは夢にも思っていなかったので、正直、藤井君には失望した。

 攻め合いにもならなかった。一方的に攻められ、応対を迫られ続けた結果、完敗した。こんなひどい負け方、見たことがない。ショックでもある。棋力では圧倒的に優位に立つはずの相手にこれだ。もう、勝ち方を忘れたのではないかという疑問すらわいた。

 最近の竜王戦、王座戦挑戦者決定トーナメントで続けて敗れた。この時はまだ、攻め合いをした挙げ句、1手及ばず負けたという具合だったが、今泉戦は書いたように攻め合いにもなっていない。ひどい負け方である。

 今はスランプなのかもしれない。学校と棋士生活の両立が厳しくなっているのかもしれない。とにかく、この1年、藤井将棋をフォローしていて一番酷い対戦を見続けた。こんな将棋、もう見たくない。藤井将棋とは距離を置くことは言うまでもない。

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son630son at 13:46|PermalinkComments(1) ジャーナリズム 

2018年07月07日

「藤井神話」は終わった

 将棋の最年少プロ棋士、藤井聡太七段(15)は6日、王座戦の挑戦者決定トーナメント準決勝に臨み、斉藤慎太郎七段(25)に敗れ、今年度2敗目を喫した。斉藤は若手の中でも強豪とされる。藤井は王座戦で初タイトルといきたいところだったが、思わぬところで敗退した。

 藤井は持ち時間5時間以上の試合では勝率9割をはるかに超え、長丁場の対局は得意のはずだった。しかし、先日の増田康宏六段(20)戦とこの試合の2対局続けて敗れ、5時間以上は敵なしという「藤井神話」がもろくも崩れた。

 僕は藤井の自由奔放な、ややトリッキーな打ち方が好きだった(と、あえて過去形)。若くて、目の覚めるような活躍をするニューエイジの棋士として、藤井をひいきにしていた(と、あえて過去形)。しかし、藤井の打ち方の弱点らしきものも見えてきた。王座戦敗退を機にニュートラルな目で見ることにした。

 いやそうではない。やはり藤井は好きだ。ただ、必要以上の感情移入はやめようということである。のめり込むと負けた時のショックが大きすぎる。15歳の少年に運命を託すような馬鹿げたまねはやめようということである。藤井七段の初タイトルは来期でいいんだと思う。それが自然だ。事態を静観しよう。

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son630son at 22:21|PermalinkComments(0) ジャーナリズム 

2018年06月30日

驚異的粘りも通ぜず、藤井七段ライバルに敗北

 今年度9連勝と絶好調だった藤井聡太七段(15)が敗れた。相手は前人未踏の29連勝を達成した時の相手、若手の強豪増田康宏六段(20)。まさに増田側からみれば、リベンジ成るである。藤井くんに次いで若い棋士である。

 勝負は互角から徐々に増田六段の優勢となった。桂馬を打ち込む拠点ができたのが大きい。ここから繰り返し、波状攻撃で藤井玉に襲いかかった。藤井にしてみれば、しまった感が半端ない。

 勝負は決まったかに思われた。ところが、藤井玉は上部に逃げ出す。なかなか捕まえきれない。藤井玉は敵の陣地に入る「入玉」寸前で食い止められた。ピンチを何度も乗り越え、よく粘ったというのが率直なところだ。何回王手がかかったのだろうか。
 
 仮にの話だが、入玉を許してしまえば、混戦模様になる。増田六段としてはなんとしても阻止したかったに違いない。あそこまで玉を追い回して、逃げられましたでは、増田六段の沽券にかかわる。

 藤井六段に今期、竜王挑戦の可能性がなくなったのは残念だが、増田六段に勝ったとしても、これから将棋連盟会長の佐藤九段、久保王将、A級優勝の広瀬八段といった強敵が控えている。さらにもう一つの山からは豊島八段ら最強の棋士が上がってくる。なので、挑戦者に達するには、いばらの道だったのだ。

 将棋は無敗というのはありえない。今年度の成績9勝1敗というのは勝率9割だから、よくやっているといえる。気持ちを切り替えて、王座戦(残り2勝で挑戦者)などで頑張ってもらいたい。

 そうはいっても悔しい敗戦だ。藤井七段は百年に一人の大天才なので、無敗記録がどこまで伸びるか楽しみにしていたから、ファンとしても辛い。藤井なら無敗をやってくれるのではという無理な期待を抱いていた自分を恥じる。藤井くん、君は気持ちの切り替えは抜群にうまいから、また連勝街道をひた走ってくれると信じている。

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son630son at 00:04|PermalinkComments(0) ジャーナリズム 

2018年06月22日

パンツ1枚で逃げ回った藤井七段がきわどい勝利

 将棋の最年少プロ棋士、藤井聡太七段(15)は22日、東京の将棋会館で、王座戦の挑戦者決定トーナメント準々決勝に臨み、苦手の深浦九段に勝利し、ベスト4に到達した。あと2勝すれば、挑戦権を得る。「王座」というタイトル獲得が現実味を帯びてきた。もちろん残るのは強敵ばかりだが。

 この試合、たとえるなら、藤井七段はパンツ1枚で猛攻に耐えたようなものだ。見ちゃいられないピンチの連続。僕の棋力なら投了していたところだ。よくプロ棋士はこんな戦いに耐えられるな。最終盤では解説者が「藤井優勢」と言ったので、耳を疑ったが、その通りになった。でも、盤面を見れば、深浦の「王様」は金銀に囲まれているのに、藤井くんは薄い紙1枚の守りだった。

 深浦九段とは昨年12月にも対局。藤井くんが終始、優勢に立っていたが、最終盤でミスが出て、大逆転負けを喫している。だから、藤井くんにとっては「リベンジ・マッチ」だった。なお、藤井君はこの時の敗戦以降、悔しさをバネに格段に強くなったとされる。

 とにかく膝をたたき、ものすごい悔しさを爆発させた藤井くんだった。この時から2敗しかしていない。その間、佐藤名人や羽生竜王などを破って、朝日杯将棋オープン戦で優勝するなどして、七段に駆け上がったのだった。

 藤井くんの将棋は面白いが、ドキドキして心臓に悪い。きょうのようなきわどい攻め合いでなく、安心してみていられる勝ち方はないものか。贅沢は承知のうえで、そんな「横綱将棋」を期待したいところだ。

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son630son at 23:34|PermalinkComments(0) ジャーナリズム 

2018年06月12日

北朝鮮の非核化なのか、朝鮮半島の非核化なのか

 2018年6月12日は史上初の米朝首脳会談が開かれた日として、歴史に長く刻まれることだろう。戦争よりは対話の方がいい。その意味では、この日をポジティブにとらえることができるはずだ。しかし、問題は多岐にわたって残る。

 その象徴的なものが、非核化の対象地域である。米朝首脳が署名した共同声明によると、両者は朝鮮半島の非核化に向けて努力することになった。この朝鮮半島というところがミソだ。北朝鮮の非核化とはしなかった。それはどういうことか。

 われわれが問題視するのはあくまで暴走する危険性のある北朝鮮の「核」なのである。だから、北朝鮮の非核化こそが求めるものなのだ。なのに共同声明では朝鮮半島の非核化とされてしまった。これは北朝鮮の思うツボなのである。

 朝鮮半島ということになると、北朝鮮ばかりでなく、韓国の「核」も対象となってしまう。韓国の核とは、具体的に言えば、在韓米軍の核兵器のことである。つまり極論するところ在韓米軍自体がいらないということになる。

 在韓米軍がいなくなると、日本は安全保障上の「危機」に直面する。つまり日本が対共産圏の「最前線」に立つということになる。記者会見でトランプ大統領は在韓米軍の撤退も検討対象だと明らかにした。もっともその観点はコストがかかるというものだったが。

 トランプ大統領は米韓合同軍事訓練も中止するとほのめかした。これも北朝鮮の思うツボである。在韓米軍に焦点が当たっている気がする。現実的に北朝鮮にとって脅威なのは在韓米軍であり、在韓米軍の核なのである。

 金委員長独裁の北朝鮮に「体制保証」を与えたのも気になるところだ。実の兄や叔父を暗殺するような暗黒世界が北朝鮮の現実である。そんな人権無視のとんでもない国歌の存続を容認すること自体、悲劇でなくてなんなのか。人民を飢えさせて、自らは太鼓腹を抱える独裁者を認めては、世界に範を示せなくなる。私は、脳天気な米朝会談に懐疑的な気分を捨てきれない。北朝鮮は明日から大々的に「歴史的会談成功」をPRするに違いない。それは目に見えている。

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2018年05月19日

藤井聡太くんがついに7段に

 チャンスは逃さない。2月の朝日杯将棋オープン戦でもチャンスと見ると、羽生竜王らA級の強豪棋士を次々破って優勝した実績がある。その勝負強さが発揮された。将棋界の最年少棋士、藤井聡太6段(15)が18日、関西将棋会館で行われた竜王戦予選で船江恒平6段(31)に勝利し、規定により即日7段に昇段した。船江は強豪で、苦戦すると予想していたが、特に難渋もせず、勝ち切った。これで今年、21勝2敗とすごい勝率。相手が強くなっているのに、29連勝時より負けない将棋を指す。また、持ち時間が5時間以上の将棋では、28勝1敗。これも脅威。長丁場になると、まず負けない。これはタイトル戦になれば有利な状況だ。逆に意外だが、持ち時間が短いと負けている。詰将棋は強いのに、なぜなのか。

 この日の勝利の価値は大きい。7段になったことで、6段以下と対局する時は、「上座」に座る。また、6段以下の首都圏在住棋士と対局する際は、大阪に呼び出せる。という具合に7段はそれにふさわしい扱いを受ける。いま、そこまでいくとは思えないが、あまたの強敵を破って竜王戦挑戦者になり、7番勝負の竜王戦を制すれば、年内に8段まで飛躍する。しかし、将棋は段位を争う競技ではない。また、「最速」を競う競技でもない。あくまで重要なのはタイトルだ。もちろん竜王は最高のタイトルなので、取れるなら取った方がいいに決まっている。でも最高だからこそ、厳しい道が待っている。

 現時点で、これで通算成績は76勝12敗となり、勝率は驚異の8割6分超え。数々の最年少記録を打ち立ててきたが、まだタイトル戦では上位に入っていない。そこが最初のハードルになっている。最年少のタイトル獲得は屋敷9段の18歳6カ月だが、そこに届くのかも分からない。まだ3年近くの猶予があるとはいえ、その歳月はあっという間に過ぎてしまう。最年少タイトル奪取の期待は満ち満ちているのだが。

 段位とか階級(AからC2まで5階級あり、藤井くんは下から2番目のC1に在籍。これは1年に1回しか昇級できない)とは別に、「レーティング」というものが存在する。これが実力を判定するのに一番客観的ともされているが、二つのサイトでかなり結果が違う。ので戸惑う。1つは将棋連盟のレーティングで、これによると、藤井くんは(7段の時点で更新されている)1819点で8位。1位は豊島将之8段の1888点。羽生竜王は5位。これでみると、藤井くんはたいしたことないように見えるが、別のサイト shogidata.info では2位なのだ。ポイントは1850点。1位は将棋連盟と同じ豊島8段で1878点。羽生竜王は6位。これを見ると、藤井くんはすごいところにいるのだなと唸る。全棋士160人の中での最新ランキングである。

 このまますんなり藤井少年は成長していくのだろうか。タイトル戦途中で何度も挫折し、勢いがストップすることも考えられる。いや、常識的にみて、そうなる確率の方が高いだろう。2、3年のうちにそうなることも想定の範囲内だ。ニュースにも取り上げられなくなって、「あの藤井くんはどうした」となることをひそかに恐れる。

 「10で神童・天才、20過ぎれば、ただの人」というではないか。どう転んでも藤井新7段が、「ただの人」になるとは思えないが、厳しい現実に直面することもあり得る。忘れさられる可能性は十分にあるのだ。そうなっても、僕は藤井をウォッチし続けるだろうし、ファンの一人ではあり続ける。天才の悪戦苦闘ぶりも、また見ものだと思うからだ。羽生永世7冠(これは正直、信じがたい快挙です。野球で言えば、三冠王を連続3年とるようなものだろう)のようになるのは、正直、無理があるとは思うが、タイトル戦に常に出続けている藤井7段を見てみたい。

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2018年04月28日

大谷に魔の左足首捻挫〜2016年の悪夢再現

 エンゼルスの大谷翔平選手(23)が28日、左足首を捻挫した。球団の発表では、軽度とのことだが、これはあまりあてにならない。というのも大谷には「前科」があるからだ。場合によっては長期の離脱になる恐れもある。

 2016年の日本シリーズに出場していた大谷選手。この時、ランニングで1塁ベースを駆け抜ける時、左足首を痛めた。今回と状況が似ている。大谷選手は結局、翌2017年10月に患部の手術に踏み切った。この間は、WBC辞退など低迷を続けた。

 僕が危惧するのは、その再現になりはしないかということ。軽い捻挫と言っても、治りにくい。いつまでも、患部が痛む。そうなりはしないかと心配だ。日本時間の29日に行われる田中マー君との対決など吹き飛んだ。来週の先発登板も回避されるだろう。事態は深刻なのだ。

 一塁に全力疾走する姿はすがすがしいが、危険と隣り合わせである。ベースを踏むときに、足首をひねりやすい。患部は右と左で違うが、2016年と同じような事故といえるだろう。大谷はこうした事態への警戒心が欠けていた。

 せっかく、この試合、ヤンキースのエースから右翼席にライナーで4号ホームランを打ち込んだ。内角攻めを巧みに打ち返した。いい打席の後に今回のアクシデントが起きた。好事魔多し、という。ちょっとした気の緩み(というのは酷だが)が事態を暗転させた。
これは相当長い期間の離脱を覚悟しなければならないだろう。いい感じで二刀流が開花していただけに、残念でならない。球団のいう「軽度」が本当であることを祈るのみである。

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son630son at 22:56|PermalinkComments(0) ジャーナリズム | スポーツ

2018年04月26日

やっぱり雅子妃が皇后では不安だ

 春の園遊会が開かれた。天皇、皇后両陛下が平昌冬季五輪で活躍したフィギュアの羽生選手らとなごやかに歓談する様子がテレビニュースで流れていたが、僕はほかのことが気になっていた。それは雅子妃が体調を考慮し、途中で退席していたことだ。

 いつものこと、と言えばそれまでだが、この人が「皇后陛下」になる来年5月以降のことを想像すると、暗い気持ちになる。皇太子の外国訪問にもついていかず、寂しそうに皇太子が海外でひとりで公務をこなす場面を見せつけられてきた。

 雅子妃はバイリンガルであり、外交官の経験もある。皇太子の外国訪問では大きな役割を果たすのではないかと期待されてきた。しかし、いまのところ、「体調」を理由にその役割をまったく果たせていない。期待を裏切ってきたといえる。

 外国訪問のみならず国内の公務も満足に務められない。園遊会など1、2時間の歓談である。それすら途中で切り上げるというのだから、始末に負えない。ひょっとしたら、僕に雅子妃のなんとか障害という病気への理解が欠けているのかもしれない。精神の病は目に見えないから厄介だ。でも、その精神病を患う僕が言うのだから、ある意味、説得力があるのではないかと思ったりする。

 雅子妃が皇后陛下になるということは、実は想像したくない。その敬称が似つかわしくないと思うからである。古い言葉でいうと、皇后は「国母」なのである。それだけの尊敬を集める存在であらねばならない。しかし、いまの雅子妃に尊敬が寄せられるだろうか。僕は疑問に思う。

 雅子さんが皇太子候補といわれた頃、父の小和田恒氏(当時、外務省官房長)にインタビューしたことがある。その時、「もしお嬢さんが皇太子妃になったら、どんなお気持ちになるのでしょうか」と質問した。答えは「月に移り住んで、幸せですか、と聞くようなものだ」とはぐらかした。あえて解釈すれば、荒唐無稽な話と言いたかったのだろう。しかし、顔には終始笑みが浮かんでいた。

 このやりとりをよく思い出す。30年近く昔のことである。あの答えは何だったのか、と自問自答する。単に「そんなことはありえない」と言われれば、素直に受け取っていたものを妙なたとえにするから混乱するのだ。気をもたせるから罪作りなのだ。ちなみにこのインタビューは確か、40分ぐらい延々とやったと記憶している。小和田氏は皇太子妃の話題を嫌がっていなかった。

 小和田氏は雅子さんの皇室入りを「狙っていた」という説がある。証拠はない。雅子さん本人は乗り気でないのに、父親が名誉欲で娘の結婚を陰で推し進めていたとも言われる。雅子妃の病気のことを考えると、いつもここへ思いが巡ってくる。雅子妃は父親の巨大な「欲望」に翻弄されたのではないか。雅子妃は犠牲者なのだ。そう思うと、しっくりくる。雅子さんという人間が皇太子妃になってから、真の笑顔を見ていない気がする。

 いずれにせよ、雅子妃がある意味、「悲劇の人」だったと想像させることは、この国の人々にとって、幸せではない。その人が、まさに天皇陛下を支える皇后陛下になろうとしている。僕らは、その流れを食い止めようもないが、ただ、病気が劇的に好転する奇跡を願うしかない。はかない望みではあるが、それに望みをつなぎたい。美智子皇后がスーパーな人だっただけに、だれがなっても、見劣りすることは否めないが、最低限の務めは果たしてほしいものである。

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son630son at 23:10|PermalinkComments(0) ジャーナリズム 

2018年04月25日

藤井聡太6段、大逆転勝利、信じがたい

 将棋の最年少棋士、藤井聡太6段(15)は24日行われた棋王戦予選トーナメントで、大石直嗣7段(28)に大逆転勝利した。abemaTVの解説者は終盤、形勢判断をきかれ「大石80%、藤井20%」とはっきり藤井の負けを宣告していた。そこからの逆転だけに、にわかに信じがたいことが起きた。

 それは素人目にも、はっきりとした「差」だった。藤井の王様はひとりポツンと取り残された形だった。この局面で飛車を渡すのは、「即死」を意味する。それでも追い込まれて、大事な飛車を渡してしまった。しかし、藤井は飛車を最底辺に打ち込まれても、平然と受けに飛車を使った。せっかくの飛車である。攻めに使いたいのはやまやま。それでも、相手の王様は簡単には攻略できそうにないと見て取ると、受けに使ったのだ。そこから反撃が始まった。素人にはわからない妙手を次々に繰り出した(らしい)。

 冒頭に書いたように、勝利可能性20%の地点から、勝ってしまうのだから、すごいとしか言いようがない。僕に書けるのはそこまでだ。先に書いたように、飛車を手放す羽目になった局面は、素人将棋なら「あちゃー」と言って絶句するところだ。罠にはまったのだ。投了してもおかしくない。でも、ただで渡すのではなく、飛車交換という形にもっていった。そこがしぶといところ。でも、この交換に持ち込むのはプロにとっては何でもないようだ。問題というか、妙手というのはここからなのだった。

 将棋を言葉で表現するのは、難しい。棋譜でしか語れないことも多い。ただ、言えるのは勝利可能性20%から勝ってしまい、試合後は何事もなかったかのように、涼しい顔をしている15歳をみていると、勝敗は最後の最後まで分からない、恐ろしいものだということだ。多分、藤井聡太という少年には、「諦め」という概念がないのではないか。いくら形勢が悪くても、最後の最後には勝つのだ、という感覚があるのかもしれない。きょうの将棋は素人目にも、ヘタをうったという類いの最悪の状況からの起死回生である。「藤井マジック」は健在だった。

 これで、高校生になった新年度は、3連勝スタートとなった。また10や20を超える連勝が見られるかもしれない。きょうの神がかった対局を見ながら、どうして安心できるような序盤からじわじわと優勢に立って、逃げ切るといったファンをドキドキさせない将棋を指してくれないのか、と思った。つくづく罪な人である。

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son630son at 23:23|PermalinkComments(0) ジャーナリズム 

2018年04月06日

大谷の大活躍に思う、冷静になろう

 エンゼルスの大谷が絶好調だ。投げて打って。米国でも「ベーブ・ルースの再来だ」と大騒ぎになっているらしい。オープン戦での成績が、防御率27.00、打率0.125とすさまじくひどいものだったから、「マイナーへ行け」との声が上がったのも無理はない。そこからの挽回、落差が大きすぎるのである。

 それが開幕した途端、初登板初勝利。3ランを打たれたが、その後、持ち直し、6回を投げてクオリティスタートとなった。これは味方の援護があったからで、ラッキーと言えた。しかし、打つ方はラッキーではない。2試合連続ホームラン、しかも2本目はサイヤング賞投手からの1発で、価値があるとされている。ホームランばかりに注目が集まるが、シングルヒットもしっかり打っていて、現時点で打率4割超えである。

 これではフィーバーが起きない方がどうかしている。NHKの夜7時のニュースがトップで扱う異常事態になっている。ワイドショーはどこも特集を組んだ。日本人にとって痛快なニュースだから、大きく扱われて当然であろう。問題はこれがどこまで続くかではないか。シーズンは始まったばかりなのだ。新人はまだあまり研究もされていない。いまの衝撃的な好成績は多分に「ラッキー」の積み重なりなのだ。

 大谷は右投げ、左打ちである。打者の時、右半身は無防備に投手にさらされている。内角攻めをされると、右半身は危険だ。まだ、死球は受けていないが、ネットには「未来から来た。大谷は頭部に死球を受け、植物人間になる」といった不吉な書き込みさえある。そこまでひどいことはないかもしれないが、死球による怪我というのは十分に考えられるシナリオである。もちろん、スプリットの多投による肘の故障というのは現実味のある展開といえよう。それを恐れる。

 開幕した途端、思ってもみなかった破格の活躍をしたため、ファン(僕を含む)は浮かれているが、まだ、数試合を消化したのみなのである。シーズンは160試合続く。過酷な日程だ。日本のプロ野球の比ではない。スランプに陥ることもあるだろう。だから、個人的にはあまり喜びすぎないようにしたい。オールスター戦まで、このまま順調にいけば、それは大変なことだが、4ヶ月、いまの調子が持続するとは思えない。怪我をすることも織り込んでおく必要がある。だから、一喜一憂することなく冷静になろうと自分に言い聞かせている。

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son630son at 22:53|PermalinkComments(0) スポーツ | ジャーナリズム

2018年03月28日

藤井6段、よもやの敗戦

 将棋の最年少棋士、藤井聡太6段(15)は28日の王将戦予選で、関西の雄、井上慶太9段(54)と対局し、137手で敗れた。終盤まで互角の展開で、藤井6段が得意の終盤力を発揮し、勝つと思っていただけに僕にとってショッキングだった。

 お互い飛車を振らない居飛車の戦い。中盤以降、藤井6段も奇抜な好手を繰り出したが、井上9段も負けていない。最善手と思われる手を次々と指し、白熱した対局となったが、最終盤、藤井6段にまさかの「ミス」が出て、敗れた。

 ちょっと強引すぎたのだろうか。素人目にも明らかな敗着の1手があった。裸の王様なのに、合駒を入れずに逃げ回ったのが、いけなかったのではないか。これは相当悔しいはずだ。16連勝中はこんなことはなかった。まさかの「驕り」ではなかろうか。

 藤井6段は不思議な人だ。年頭の対局で負け、そして勝ち続け、そして年度末最後の対局で負けた。これで連勝は「16」でストップ。新年度はまっさらな地平から高みを目指す。僕は今回は負けないと思っていた。なにしろ、相手は9段とはいえ、勝率は5割ちょっと。級でいうと、C級に在籍なのだ。しかも藤井6段は40歳以上のプロには負けていないという実績もあった。だから、なぜと思ってしまう。無残に詰められていく藤井6段の王様を見ていて、哀れになった。ま、人生こういう日もある。晴天ばかりではない。新年度、藤井6段が心機一転、ゼロからまた連勝を積み重ねていけばいいのだ。それに期待し、また将棋観戦を楽しむつもりだ。

 きょうの観戦はいつもの、無料のabemaTVではなく、有料(1日500円)の将棋プレミアムで行った。権利の関係でそうなった。でも、ほぼ1日まるまる楽しめて500円なら、そんなに高くない。無駄につかう500円もある。今にして思えば、楽しい観戦だった。藤井君、ありがとう。いつも面白いよ、君の将棋は。奇想天外で発想が柔らかい。新年度も僕らをワクワクさせてくれ。

 なお、井上9段の門下生には、菅井竜也王位や稲葉陽8段など実力者がひしめき、菅井、稲葉は藤井6段に昨年勝っている。井上一門は藤井6段に3連勝ということになる。強い師弟がいたものだ。

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son630son at 20:26|PermalinkComments(0) ジャーナリズム 

2018年03月25日

藤井聡太6段が詰将棋解答選手権で史上初の4連覇

将棋の最年少棋士、藤井聡太6段が25日、東京、名古屋、大阪の3会場で行われた第15回詰将棋解答選手権「チャンピオン戦」に出場し、史上初となる驚異の4連覇を飾った。詰将棋NO1の称号は今年も藤井6段に与えられることになった。

今年の選手権には「光速の寄せ」で知られる谷川浩司9段や朝日杯将棋オープン戦の準優勝者広瀬章人8段らトッププロも多数参加。アマチュアの強豪、女流棋士を含む過去最多の105人で頂点を争った。藤井6段は昨年誤記で前半戦を6位で終えたが、後半戦で巻き返し、3連覇を果たしていた。藤井6段は8歳から参加、12歳の小学校6年の時に初優勝した。

勝負は前後半戦に分かれ、それぞれ90分で超難問の詰将棋5問を解く。正解率と速度で争う。藤井6段は前半では最速の55分で会場を退出。それでも5問全問正解でこの時点でトップに立った。後半は時間を使い切ったが、5問正解。つまり参加者中、ただひとりの100点満点で優勝した。2位は宮田敦史6段(36)の94点。

僕も5手詰めの詰将棋などは解いたこともあるが、この選手権は30何手かで詰むといった超難問ばかり。想像もつかない。途中で挫折するに決まっている。参加者中ただひとり全問正解ということは、谷川9段もどこかで引っかかったということになる。藤井6段は師匠からは「本職の将棋に差し支える。詰将棋は控えるように」といわれ、以前ほど詰将棋はやっていないはずだが、抜群の計算能力を見せつけた。今年圧勝したことで、藤井6段が出る限り、この選手権は藤井6段のものということになりそうだ。

藤井6段は名古屋会場で記者会見し、「最近は詰将棋を解いておらず、自信がなかったので、驚き、かつほっとしています。プレッシャーは特になかった。今年も素晴らしい(詰将棋)作品に出会えて、うれしかった」と述べた。ちなみに藤井6段は詰将棋作家としても有名で、権威ある賞も受賞しているほどだが、前述した事情が物語るように、将棋そのものに専念するため、作品づくりなどは控えているようだ。

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son630son at 17:28|PermalinkComments(0) ジャーナリズム 

2018年03月23日

藤井聡太6段の快進撃が止まらない

将棋の最年少棋士、藤井聡太6段(15)の快進撃が止まらない。中学の卒業を終えたばかりの22日には格上の糸谷(いとだに)哲8段に快勝し、王座戦本戦トーナメントへの進出を決めた。僕は午前中からabemaTVにかじりつき、夜の勝敗決定まで見守った。

糸谷8段は元竜王で、B級1組に在籍。ここで8勝0敗の抜群の成績をあげ、来期からA級に進級することが決まっている。関西若手四天王といわれ、「怪物くん」の愛称でも親しまれている。阪大大学院で哲学者ハイデッガーを研究、修士号を持つという異色の経歴でも知られている。藤井6段にとって、当面最強の難敵とみられていた。

将棋は中盤、お互いに長考が続いた。藤井6段は、解説者の予想もしない場所に角を打ったり、桂馬をはねて「ただ」で進呈するなど随所に藤井「らしさ」が炸裂、見ている方は面白い展開だった。終始、攻めていたのは藤井6段だったが、僕が一番すごいと思ったのは、きらびやかな攻めの手ではなく、底に打った守りの金だった。これで藤井6段の王がより安全になった。負けがなくなったともいえる。

確かに攻めの局面は派手で、見映えはいい。藤井6段は常に攻めの姿勢を見せる。そこが観戦する者にとって、最大の醍醐味だ。鋭い攻めの手が続けば、かっこいいし、拍手喝采だ。だけど、それだけでいいのか。1手を惜しまず、守りを強化する。この判断ができるかどうか。22日の対局では、この守りの1手が最後に効いたと僕は見る。このあたりの指し回しに進化が表れていると見るのは、見当違いだろうか。29連勝当時は、ここまでの冷静な判断は少なかったと思う。現在16連勝の快進撃は、こうした攻めと守りのバランスがもたらしたものと考える。どっしり構え、変幻自在の手を繰り出す。

さあこれで、年度内は28日の井上慶太9段(54)との対局を残すのみとなった。井上氏は9段という最高段位で、菅井竜也王位(25)ら強豪棋士を弟子に抱える名匠だ。しかし、現役のトップ棋士とはいわれていないような気がする。少なくとも、糸谷8段ほどの強敵ではないと見る。だから17連勝は達成されると予想する。となると、年度またぎで連勝記録が続くことになる。そして、2018年度初戦に勝てば、18連勝となり、これは2018年度の記録とみなされる。通常、ここまで勝てば、年度最長連勝記録になるから、連勝が「18」で止まっても、多分年間表彰の対象となりそうだ。だから、またしても、藤井6段の次戦、次次戦から目が離せない。

今週から来週にかけての藤井6段だが、24日に小学生将棋フェスティバル(正確な名称は忘れた)のゲスト出演、そして25日日曜日には詰め将棋解答選手権がある。この大会、藤井6段が小学校6年の時から3連覇していることは皆さん、ご存知の通り。4連覇なるか、メディアがこぞって取り上げるだろう。詰め将棋は、藤井6段にとって最大の趣味(笑い)。並みいる参加トッププロに圧勝してきた過去があるから、どうみても4連覇は固い。それとも、本職の将棋で忙しく、詰め将棋の練習不足だろうか。それで優勝できないのだろうか。今頃、ちょうど、瀬戸市の自宅で、詰め将棋の問題を一生懸命解いている藤井6段の姿が目に浮かぶようだ。

余談だが、藤井6段は読書家としても知られる。小学生の時、司馬遼太郎を読み、その後も沢木耕太郎の「深夜特急」などを好んで読んできた。僕は沢木耕太郎は好きだが、「深夜特急」は読んでいなかった。文庫本で5冊。昨年、アメリカに一人旅したときに「深夜特急」を持っていき、楽しく読んだ。同じく、藤井6段の愛読書は「海賊とよばれた男」(百田尚樹著)という。このベストセラーも読んでいなかったので、アマゾンの中古書コーナーで買い、今から読むところだ。将棋だけでなく、読書の面でも15歳に指南を受ける68歳である。ありがとう藤井君!

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son630son at 10:40|PermalinkComments(0) ジャーナリズム | 格闘技

2018年03月16日

藤井聡太6段から目が離せない

 「盤上の格闘技」とも言われる将棋がいま、アツい。もちろん、その火付け役は15歳にして、史上初を連発する藤井聡太6段だ。

 僕も中学時代、将棋に夢中になった。大昔の話である。タレントとしてもブレークしている「ひふみん」こと加藤一二三九段が気鋭の若手として大活躍していた時代だ。なので、初歩的な定跡などは今でも覚えている。でも、有段者ではない。多分、実力は最高で5、6級といったところだ。

 藤井6段のことは連勝の過程で知った。おそるべき新人が現れたという認識だった。その快進撃ぶりは爽快だった。30連勝を許さなかった佐々木勇気6段を恨んだ。それでも、対局があるたび、anebaTVや将棋チャンネル(これは有料)でネット観戦するようになった。サイバーエージェントが運営するabemaTVは、CM収入に依存しているため、無料なのがいい。カバーしている棋戦は数多い。

 早指しと呼ばれる短い持ち時間の対局(たとえば藤井が優勝した朝日杯将棋オープン戦)ならいい。昨日の順位戦のような対局だと、持ち時間が各6時間だから、朝から夜までパソコンの前に座りっぱなしになる。へたすると、12時をすぎ、日またぎとなる。途中はいろいろな用事で目を離すが、それでもまったく進展していなかったりした。これは体力的にもしんどい。

 昨日の順位戦は相手が三枚堂達也6段(24)だったので、ドキドキした。昨年7月には負けているし、1年間で4段から6段にさっさと昇段(藤井と同じ)しているので、相当な強敵だ。しかし、実際の戦いは藤井6段の一方的なものだった。付け入る隙をみせない完勝である。途中からは、素人目にも優勢が明らかで、ここからは、僕がやっても勝てるのではないかと思わせるものだった。負ける可能性が限りなくゼロなのである。

 ネットの評判をみても、「29連勝のころより、格段に強くなった」というものが目立った。次戦は22日の糸谷八段戦だが、この難敵に勝てれば、だれが連勝を止めるのかという話になってしまう。確かに糸谷八段というのは、次期からA級に入るというトップ棋士の一人だ。僕も22日は一日中、パソコンにかじりつくだろう。藤井6段が昨日の三枚堂戦のように、午後8時台に終わるような圧勝をしてくれるといいのだが。

 ここで、ざっくりとおさらいをしておくと、藤井6段は、2017年度の最多対局、最多勝、最長連勝、最高勝率の4部門で1位となった。4部門しかない。この発表が年度末ギリギリではなく、3月13日になされたことは印象深い。まだ、藤井があと3戦残している段階で、勝率1位が確定したということは、それだけ2位との差があったということである。もちろん、最年少での達成だ。「4冠王」はふつう年度最優秀棋士(記者投票)に選ばれるが、今年度は事情が違う。羽生竜王が7つのタイトルで、「永世」の称号を初めて獲得し、国民栄誉賞を得たからである。

 羽生竜王はタイトル獲得数がなんと「99」になっている破格の存在だ。そんな羽生氏を選ぶか、藤井6段の快挙を優先させるか、投票する記者は悩むだろうな。藤井6段は、4冠王のほかにも、最年少一般棋戦優勝、最年少6段昇段などすさまじい実績を残している。そして、デビューからの29連勝はだれもが知るように、30年ぶりの大記録だ。この記録だけですごい偉業なのだが、おまけに4冠王、棋戦優勝、6段昇段などがついてきた。現在も15連勝中なのである。これは29連勝に次ぐ2位の連勝記録。ふつうの年なら、これで最長連勝になる数字だ。

 さて、これからの藤井6段はどうなるのだろう。一番の注目点は、いつ初タイトルを獲得できるかだ。それが、屋敷八段の18歳6ヶ月より早くなるかどうか。あと、3年近くあるので、十分可能性はあると思えるが、このタイトル戦、挑戦者になるだけで気が遠くなるような連勝を重ねなければならない。運も味方につけなければならない。だから、いくら15歳の時点で強くても、タイトル挑戦者になれるとは限らない。スランプに陥ることもあるだろう。15で天才と呼ばれた人が、20になったら凡人になっていたという恐れもある。でも、藤井6段の未来を信じたい。日本が森友問題やレスリングのパワハラ疑惑などで、灰色に包まれていても、藤井6段のニュースには気持ちが癒やされる。謙虚な人柄も好ましい。日本のこれからにとって欠かせないのが、藤井6段だといえよう。

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son630son at 20:32|PermalinkComments(0) ジャーナリズム | 格闘技

2017年07月09日

たった9日間で

たった9日間、アメリカに行っていただけなのに、その間に悲喜こもごも、いろんなことが起きており、当惑し、追いつくのに苦労した。訪米は6月19日から27日まで。

まず悲しいニュースとしては、小林麻央さんが亡くなっていた。最後の方は、写真に死相が表れており、そんなに長くは持たないな、とは考えていたが、あんなにあっけなく亡くなるとは想像を超えていた。ブログを愛読していただけに、喪失感は大きい。死の2日前、最後の投稿となった「オレンジジュース」には7月9日現在、7万2000ものコメントが寄せられており、ものすごい数の人が急逝を悲しんでいるれことがわかる。

亡くなって2週間以上たつのにコメント数は毎日増え続けており(「笑顔に会いにきょうもまたここ(ブログ)に来ました」など)、その光景は異様ですらある。麻央さんのブログは逐次英訳されており、それを日々、掲載しているから死後もブログが更新されるといったこれも異様で珍しい状況となっている。前回のブログで麻央さんの件をややネガティブな形で取り上げたので、後始末として書いた次第です。

うれしいニュースは、最年少プロ棋士藤井4段が、前代未聞の29連勝を達成したことである。米国の旅行者がリアルタイムで知る方法は私にはない。29連勝もありえると同時に、28連勝目の相手、沢田6段が強敵なことから「28連勝成らず」の見出しも浮かんでは消えた。段位はないものの、中学時代、将棋に熱中した経験を持つ私には、この新星の登場は胸のすく思いがある。言われていることだが、プロになって経験を積んでからの連勝ではなく、デビューしていきなりの連勝だけに一種のすごみがある。

藤井君の登場で、対局をスマホで追いかけて見ることに夢中になっている。持ち時間各6時間ともなると、12時間以上の対局時間になるが、スマホを充電器につないで観戦する始末である。生中継があるのはいいが、サーバーの関係か、時々、ブツブツと切れる。そこが難点ではある。将棋はよくできたゲームであり、その存在にふさわしい光が当たっていると感じる。スーパースターの登場は、人々をわくわくさせるものである。

びっくりしたのは豊田議員の暴行・暴言事件である。あの「ハゲ!」という罵声をテレビで耳にした時には、驚いた。まさにICレコーダーの威力だ。この件は、刑事事件になる可能性もある。多くを語るに値しない事件ではある。

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son630son at 19:21|PermalinkComments(0) ジャーナリズム