2011年04月15日

開幕

2011年、今年もプロ野球が開幕した。
開幕に関する騒動はまた後日書くことにして、
開幕3連戦で感じたことをいくつか書きたいと思う。


開幕カードは対阪神3連戦だった。敵地甲子園で1勝2敗。カード負け越し。
しかし、悲観するようなことはほとんどないと言ってよいのではなかろうか。

開幕投手の前田健は、いい出来とはいえなかったが、調子が悪いというわけではなかったように思う。
まだ何が何だか分からないうちに打たれてしまったようなマートンの一発。
9割以上阪神ファンというアウェイの空気に押されるようにとられてしまった追加点。
開幕戦の魔力と甲子園の魔物にやられてしまったというべきだろう。
だから、次からは大丈夫。前田健に関して心配はいらない。

2戦目の篠田も、悪くなかった。絶好調というわけではなかったが、しっかり抑えてくれた。
ローテーションを一年間守って二ケタ勝利という、彼に対するカープファンの期待が
今年現実化するだろうと思わせるには十分な投球だった。

3戦目、今季カープ初の勝利投手は、初登板のバリントンだった。
打者の手元で微妙に動いていそうな球を丁寧にコントロールして投げる彼のスタイルは、
ローテーション投手として適格であり、これからも安心して見ることができそうだ。

こうして見れば、先発陣の駒は随分と整備されたといってよいだろう。
前田健以外はまったくといっていいほど頼れる先発がいなかった去年と比べると、雲泥の差である。

問題の多そうな、横山もシュルツもいない中継ぎ陣は、
1,2戦で1イニングずつ投げた青木がよかった。
今年もフォームを変えてきたが、相手バッターはみな打ち難そうにしていた。
今年こそ一年間好調な投球を維持できるよう、大切に使ってほしい。

新守護神サファテは、3戦目で初登板。
緊張もあってか、失点したが、マートンを三振に斬ってとった球は、いいストレートだった。
次からは大丈夫ではなかろうか。

このように、開幕3連戦を見た限り、投手陣は悪くない。
そして守備陣は、それを非常に盛りたてる働きを見せてくれた。
東出梵の二遊間は、今年は揃ってゴールデングラブ賞を狙えそうだし、
赤松、廣瀬の外野は相変わらず素晴らしい。岩本もいいところを見せてくれている。
守備の乱れからの失点は今期、かなり少ないだろう。

打つ方はといえば、梵東出廣瀬は好調で、チャンスメイクもすればランナーを返すバッティングもする、
相手から見ると嫌な1,2,3番だろう。
下位打線も、岩本はやはり今年はやってくれそうだし、
赤松、石原も、しっかり使えばしっかり成績を残す、と期待してよさそうだ。

問題は4番5番。二人で1本しかヒットが出ていない。
トレーシーは今はまだ全然適応できていないという感じになってしまっている。
そのトレーシーを4番に座らせざるをえないほど、栗原の状態は悪い。
とくに、去年よりも上半身が小さくなっているのがとても気がかりだ。
肘の具合がよほど悪くてウエイトトレーニングができていない、ということでなければよいが。

このように、現在の最大の問題は、栗原の不調。
それ以外は、トレーシーが適応してくれば、大丈夫。
この3連戦は、そういった見方ができるものであった。

栗原が打てばカープは勝つ。はやく復調した栗原が見たい。

  
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2010年07月21日

7月20日に思ったこと

7月20日、津田の命日。
カープファンにとって忘れることのできない日である。

当時、追悼記事を書いた中国新聞の永山貞義記者は
今も中国新聞カープ情報のコラム「球炎」で健筆をふるっている。

「その直線的でさわやかな性格はまた、だれからも愛された。抑えに転向した5年目の86年、優勝を決める試合で先発の北別府が「最後は津田に投げさせてほしい」とマウンドを譲ったのも、その濁りのない性格ゆえである。」

永山記者がこのように書いた、だれからも愛されたストッパーは、
今も現役の選手、とくにブルペンで待機し試合途中でマウンドへ向かう投手たちに力を与え続けている。

市民球場のブルペンの柱に設置されていた「津田プレート」はズムスタにも移設され、
登板する投手はみな、そのプレートに触れてからマウンドに上がっていく。

広池も次のように書いている。
「ブルペンで出番を待つ投手は、そのプレッシャーに耐えられず、時には弱気になることもあります。調子が良くない時などは、「今日は投げたくないなぁ。」と思う時すらあります。これは、どんな投手でも同じであるようです。私はそんな時、津田さんのプレートに左手をかざして、不屈の闘志でマウンドに立ち続けた偉大な先輩から勇気をもらい、強気な気持ちを呼び起こしてからマウンドに登るようにしていました。」

2010年7月20日の試合。場所は甲子園球場。津田プレートに触れることはできないけれど、
この日投げた投手陣はみな、いつもとは違う素晴らしい投球だった。

林は今季最高の出来。見ていて感動すらおぼえた。
大島もよく投げた。みなロングリリーフにもかかわらず、気持ちで絶対に阪神打線に負けていなかった。
「弱気は最大の敵」という津田の精神がしっかりと宿っているようにみえた。

それだけに、最後の上野が打たれてしまったことは、本当につらい。
こんな結末があっていいものだろうか。

しかし、現有勢力で最善の形。上野は最近の勝ち試合を締めてきた、今のカープのクローザー。
それが打たれたのだから、この試合は、もうしょうがない。
上野にも、しっかり気持ちを切り替えてもらうほかない。

永川、横山、大竹、現在、みな三軍。人災といっていいと思う。
しかし今、大野の失政による故障者続出を言っても、それはあまり有意義なことではないだろう
(シーズンが終わってから責任を取ってもらえばいいことだ)。
今から外人補強といっても、この時期、なかなかいい選手がみつかるものでもないだろう。
そうだとすれば、下を向いている暇はない。
「弱気は最大の敵」。
強い気持ちで前半戦最終戦を白星で飾ってほしいと思う。  
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2010年05月02日

ライトブルーの神宮の星

「東大、先制」。
六大学サイトの速報で見たこの状況に、
これは行かなくては!と、
急遽仕度して神宮へ向った。
東大の勝利の瞬間を現地で見れるかもしれない、と胸を高まらせながら。

家を出る直前、2対0でリード。
相手は、あの斎藤。斎藤から2点捥ぎ取っていた。
「東大、金星!」。銀座線の中で明日のスポーツ紙の一面を妄想した。

球場へ着いて、スタンドに入り、真っ直ぐ目を上げてスコアボードを見ると、
2対4。逆転されていた。

試合は六回まで進んでいた。
投手は早大・斎藤、東大・前田と、両校とも先発のまま。
斎藤は今シーズン、早大野球部100代目主将になったことが、よく報じられたが、
東大の前田も主将でエースだ。

その前田は、120〜130キロのストレートと100キロ前後の大きなカーブを丹念に散らして、
打たせて取るのが持ち味。
この日も強力早稲田打線を相手に根気強く丁寧に投げていた。
フルカウントにすることも多かったが、それも丁寧に球をコースに投げ分けていることのあらわれと見たい。

エースがそのようなタイプの投手だけに守備も重要だが、
内野、外野、ともにしっかりした小気味良い守りを見せてくれた。
(たまに、?、というものもなくはなかったが)
たとえばショートの岩崎は肩もよく安心感があった。

岩崎は現在、一番打者を任されている3年生。
六大学選抜にも選ばれ、昨年明大の野村からホームランを打つなど、パワーもある好打者だが、
このところ今ひとつの調子のようだ。
しかし、グリップ位置が低めのリラックスした構えから
きれいな軌道を描くスイングは可能性を感じさせるし、
この日は一打席しか見れなかったが、斎藤の投球にもタイミングは取れていたと思う。
骨格もしっかりしているので、これからもウエイトトレーニングを続けていけば、
さらに大きいものが打てる打者になるだろう。

三番堀口、四番鬼原も、いい当たりをしていた。
ほんとうに、この日の東大はあと少しだったのだと思う。

ただ、もう少し、打席での工夫があってもいいのではと思われた場面もあった。
たとえばこの日最後のバッターになってしまった選手の打席。
完投勝利目前で力が入ったのか斎藤の投球はノーストライク、スリーボール。
ここで普通に一球待つのではなく、揺さぶりをかける何かがあってもよかったのではないか。
他の打者も素直に斎藤に向っていっていたように思うが、
やはり斎藤のような投手を打ち崩していくにはさまざまな工夫が必要だろう。

斎藤に関しては、いつもの斎藤というものを知らないので、いい悪いは言えないが、
ストレートは140キロを少し超すくらいが最速。低めに決まる球はよかった。
軸足の突っ立った、昨年のプロアマ戦のときのような、球に力が伝わりにくいフォームは、改善されていた。
鋭い変化球には手も足も出ない打者もいた。
それよりも、大石の方を見てみたかったのだが、この日はブルペンにも出なかった。
赤いユニフォームを着た大石を見るまでとっておけ、ということだと自分にいいきかせた。

試合は、六回以降(実際は五回以降)両校とも無得点。結局、2対4のまま。
残念ながら東大は負けてしまった。

しかし気持ちのいい日差しの中、プロとはもちろん違う野球ではあるけれども、
引き締まった小気味いい試合を見ることが出来て、面白い時間だった。

帰りにベルコモンズのTheoryにふらりと。
きれいなライトブルー(淡いネイビー?)のシャツに吸い寄せられてしまった。
お店の方の話によればオススメの自信作だそうだ。値段を聞いたら
20000円弱。
いいものはやはりそれなりのお値段。
東大が勝ったらこのシャツを買おう。



  
Posted by soyogieishin at 01:39Comments(2)