杉山茂樹のBLOGマガジン

Profile
[プロフィール]
  • 静岡県出身。東京都在住。AB型
  • スポーツライター
  • 得意分野はサッカーでヨーロッパが厚め
  • W杯は82年のスペイン大会以降、11大会連続現地取材
  • 五輪も夏冬併せ9度取材
  • テーマは「サッカーらしさ」「サッカーっぽさ」の追求
  • 愛称はスギッチ。サッカー番長。スタジアム評論家
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    技術委員長の権威低下を招いた田嶋会長時代の8年間

     サッカー協会の会長に宮本恒靖氏が就任した。47歳での就任は戦後では最年少とのこと。学年や年齢に基づく年功序列、先輩後輩の関係が色濃く残る日本式スポーツ社会において、若さは障害にならないか。

     サッカー協会の業績と何より関係深いものは、W杯における代表チームの成績である。宮本会長には自分より8歳年上の森保一代表監督に、解任を迫る時が訪れるかもしれないのだ。日本的な上下関係のコンセプトが、そこで障害にならないだろうか。監督としての実績で大きく上回るのも森保監督だ。「W杯で最高順位を目指す」と宮本新会長は言う。しかしその先頭に立ちキチンと音頭を取ることができるのか。

     もっとも新会長について語る前に、検証すべきは田嶋幸三前会長時代の8年間だ。功績として特質すべきはハリルホジッチの更迭だろう。2018年ロシアW杯の本番をわずか2ヶ月後に控えたタイミングだった。代わって西野朗氏を代表監督に登用。本大会でベスト16に導いた。思い切った交代に出た決断力及び実行力には素直に拍手を送りたい。

     一方、ガッカリさせられて代表的な一件は、森保一監督への批判が高まったときに会見で怒ってみせた一言だ。

    「森保監督を代表監督の座から引きずり下ろそうとしている人がいる」

     代表監督は常に批判を浴びる宿命を抱えた役職で、筆者が森保監督に対して厳しめに書かせていただいているそれこそが最大の理由だ。是か非か論で非を唱える理由は、その方が代表チームは強くなる。日本サッカー界はよい方向に進むとの確信があるからだ。引きずり下ろしたいからではない。空疎な感情論に基づくものではないのである。
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    U−23日本代表、五輪予選招集メンバーを占う マリ戦、ウクライナ戦で株を上げたのは?

     マリ、ウクライナと親善試合を行なったパリ五輪を目指すU−23日本代表。大岩剛監督は2戦目のウクライナ戦に、マリ戦からメンバーを大きく入れ替えて臨んだ。
     
     マリに1−3、ウクライナに2−0だったので、勝利したウクライナ戦に出場した選手の株が上がりそうだが、相手のベストメンバー度など、さまざまな条件を考慮すれば、選手それぞれの出来映えに大きな差はなかったと見る。
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    サッカー日本代表・森保ジャパンの慢性的な病「攻撃力不足」の解消に求めたいこと

     北朝鮮を相手に、田中碧が挙げた開始2分の先制点が唯一のゴールとなった森保ジャパン。世の中には1−0の勝利でも、喜べるものもあれば喜べないものもあるが、これは完全に後者の部類に入る。この試合後、北朝鮮の平壌で予定されていたアウェー戦の開催地が変更になると発表があったが、日本にとっては歓迎すべき決定に思えた。もし平壌で行なわれていれば、危なかったのではないかと思われるほどの試合内容だったからだ。
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    【有料記事】久保建英。トップ下より右ウイングの方が「ファンタジスタ」に見えるという現実

     チャンピオンズリーグ(CL)、ヨーロッパリーグ(EL)を軸とする欧州サッカーを眺めていると、ウイングの時代を迎えていることを実感する。サイドアタッカーがウイングバックのみの、5バックになりやすい3バックが占める割合は全体の3割弱。サイドアタッカーを両サイドに各2人、置いて戦うチームは7割強を占める。その中で目に止まるのは、サイドバック(SB)ではないサイドアタッカーが、サイドハーフと言うよりウイング然と構えるケースだ。

     日本のメディアは4-2-3-1の3の両サイドをサイドハーフと称する傾向が強いが、実際はウイングと言った方が適切なケースが多い。そのドリブル&フェイントあるいは折り返しが、試合を動かす直接的な要素になるケースも同様に顕著となっている。

     最強のウイングを競うコンテスト。CL、ELではそう言いたくなるほど多種多様な個性的ウイングが存在感を輝かせている。

     その一方で、いわゆるゲームメーカータイプの中盤選手は数を減らしている。司令塔と言う表現がよく似合う攻撃的MF。10番、トップ下、ファンタジスタ……などとも言われた選手たちである。

     アンドレス・イニエスタはその代表格の選手になる。同じ時期、バルサの中盤を構成したチャビ・エルナンデス、セスク・ファブレガス、デコなどもそのタイプに含まれるが、当時、スペイン界隈にはその手の選手がゴロゴロしていた。リオネル・メッシもアルゼンチン代表に戻れば、10番然と構えたものだが、筆頭格は、同じくアルゼンチン代表でビジャレアルをCL準決勝まで導いたロマン・リケルメだろう。コロンビアの怪人、バルデラマの流れを汲む、いまとなっては古典的と言うべき選手である。

     小野伸二、中村俊輔、中田英寿、名波浩、藤田俊哉、遠藤保仁、中村憲剛……日本にも名の知れた選手が枚挙にいとまがないほどずらりと並ぶ。
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    遠藤航のリバプールは決勝進出が見えた CL、ELのベスト8以降の組み合わせ決定

     チャンピオンズリーグ(CL)とヨーロッパリーグ(EL)の準々決勝以降のトーナメントの組み合わせが決まった。
 
○CL
準々決勝
アーセナル(2)対バイエルン(4)
アトレティコ・マドリード(7)対ドルトムント(8)
レアル・マドリード(3)対マンチェスター・シティ(1)
パリ・サンジェルマン(PSG、5)対バルセロナ(6)
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    遠藤航、日本サッカー史上最高位へ リバプールの中心となりELベスト8進出

     ヨーロッパリーグ(EL)の決勝トーナメント1回戦に進出した16チームのなかに日本人選手は4人いた。三笘薫(ブライトン)、堂安律(フライブルク)、守田英正(スポルティング)、遠藤航(リバプール)。

     チャンピオンズリーグ(CL)決勝トーナメント1回戦出場チームでは、久保建英(レアル・ソシエダ)、冨安健洋(アーセナル)、鎌田大地(ラツィオ)の3人で、EL、CL合わせて日本人選手は7人となる。

     ELに先駆けて行なわれたCLではレアル・ソシエダとラツィオが敗退。日本人選手が所属するクラブのなかで勝ち抜けを決めたのは、ポルトにからくもPK勝ちしたアーセナルのみとなった。とはいえ冨安は故障でその試合に出場していない。この先、出場するチャンスがあるのか、なんとも言えない情勢だ。

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    日本代表招集メンバーからすけて見える森保監督の胸中 過去の成功体験にすがるしかないのか

     2026年W杯アジア2次予選北朝鮮戦(22日=ホーム、26日=アウェー)に臨むメンバー26人が以下のように発表された。

    GK
    前川黛也(ヴィッセル神戸)、大迫敬介(サンフレッチェ広島)、鈴木彩艶(シント・トロイデン)
    DF
    長友佑都(FC東京)、谷口彰悟(アル・ラーヤン)、板倉滉(ボルシアMG)、渡辺剛(ゲント)、町田浩樹(ロイヤル・ユニオン・サンジロワーズ)、毎熊晟矢(セレッソ大阪)、伊藤洋輝(シュツットガルト)、橋岡大樹(ルートン)、菅原由勢(AZ)
    MF/FW
    遠藤航(リバプール)、浅野拓磨(ボーフム)、南野拓実(モナコ)、守田英正(スポルティング)、相馬勇紀(カーザ・ピア)、小川航基(NEC)、前田大然(セルティック)、堂安律(フライブルク)、上田綺世(フェイエノールト)、田中碧(デュッセルドルフ)、川村拓夢(サンフレッチェ広島)、中村敬斗(スタッド・ランス)、佐野海舟(鹿島アントラーズ)、久保建英(レアル・ソシエダ)
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    【有料記事】森保、池田、鬼木……日本人指導者が取り憑かれる5バックなら守り切れるという幻想

    「前からプレスを掛けに行けば後ろにスペースは生まれるわけですから……」。「理に適った現実的な作戦だと思います」と、テレビ解説者は、5バックで守りを固める戦法を否定するどころかむしろ肯定する。森保一監督の表現を借りれば「臨機応変」、「賢く、したたかな戦い方」となるが、日本人の指導者の間ではどうやらこの森保的な思考法がスタンダードとして浸透しているようである。

     たとえば、つい2〜3シーズン前まで1試合3点を目標に掲げていた川崎フロンターレの鬼木達監督である。昨季あたりから5バック同然の3バックを頻繁に使用する。攻撃的サッカーを標榜していた監督だったはずが、いまやすっかり両刀遣いに変化した。

     池田太なでしこジャパン監督が先の北朝鮮戦(パリ五輪予選最終戦)で、5バックに変えて戦ったことについては前回のこの欄で言及したが、模範的であるべき男女の日本代表監督や、Jリーグを代表するクラブの監督がこの姿勢では「臨機応変」、「両刀遣い」が、日本全国に伝播していくことは見えている。

     サッカーには様々な考え方がある、それがサッカーたる所以だが、この問題に関して言えば異を唱える人さえいない。テレビ評論家は揃って肯定する。議論どころか、話題にさえならなっていない。

     後ろで守るか、前から守るか。これがどれほど重大なテーマであるかはサッカー史を眺めれば一目瞭然だ。その論争の真っ只中にあったのは1990年代後半の欧州だが、筆者はその頃、年の半分は現地で取材していたので脳裏に鮮明だ。

     攻撃的サッカー対守備的サッカー(後ろで守るか、前で守るか)は、日本史に例えれば、関ヶ原の戦いに相当する。天下分け目の戦いだった。イタリアで流行し始めたカテナチオが勢力を拡大。ドイツ、東欧などを中心に欧州的な広がりを見せていた。シェア率は半分近くに迫っていた。

     1997〜98年のチャンピオンズリーグ(CL)決勝、レアル・マドリード対ユベントスは、攻撃的対守備的サッカーの代理戦争的な役割を担っていた。この天下分け目の戦いを制したのはレアル・マドリードで、スペイン勢が以降、攻撃的サッカーを牽引していくことになる。

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    「ポケットを取る」がいまになって流行語になる日本サッカーの時代遅れ

     3月21日と26日に北朝鮮とホーム&アウェー戦を行う日本代表。そのメンバー発表(14日)が迫ってきたが、前回もこの欄で触れたように、注目は伊東純也を選ぶかどうかになる。例の問題が勃発したのは、アジアカップの最中で、伊東は途中で離脱を強いられたわけだが以降、特に話に進展は見られない。

     外さざるを得ないと考えるのが自然だ。それがよいことなのか悪いことなのかは専門外なので言及は避けるが、サッカーの内容に好ましくない影響を与えることは想像に難くない。
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    三笘薫、伊東純也の代役が町田にいた 多機能ウインガー・平河悠の日本代表招集に期待

     三笘薫(左)と伊東純也(右)の両ウイングを欠いた状態で北朝鮮戦とのホーム&アウェー戦に臨むことになりそうな日本代表。その代役は、従来の序列でいけば左・中村敬斗、右・堂安律の先発が有力視される。久保建英を1トップ下で起用しない場合は、彼をそのまま右にスライドさせる手もあるが、ウイングが左右1枠ずつ空いていることに変わりはない。
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    遠藤航がELフル出場で見せた確固たる地位 ひと皮むけてリバプールの大勝に貢献

     チャンピオンズリーグ(CL)に続き、ヨーロッパリーグ(EL)も決勝トーナメント1回戦がスタートした。CLでは勝ち残っているチームのなかに日本人選手はアーセナルの冨安健洋ただひとり。その冨安も故障中でベンチから外れているので、EL勢にかかる期待はおのずと高まる。リバプールの遠藤航、スポルティングの守田英正、フライブルクの堂安律、ブライトンの三笘薫と、ベスト8入りの可能性を残すのは4人。負傷のため今季絶望と報じられる三笘を除けば3人になる。

     初戦の結果は以下のとおりとなった。

    ○スポルティング1−1アタランタ
    ○スパルタスパルタ・プラハ1−5リバプール
     ローマ4−0ブライトン
     カラバフ2−2レバークーゼン
     マルセイユ4−0ビジャレアル
     ベンフィカ2−2レンジャーズ
    ○フライブルク1−01-0ウェストハム
     ミラン4−2スラビア・プラハ
    (左側がホーム、○は日本人選手の出場試合)
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