■CFOのための最新情報■

公認会計士武田雄治のブログです。

日本公認会計士協会 法規・制度委員会研究報告第1号「監査及びレビュー等の契約書の作成例」 の改正を公表

日本公認会計士協会は12日、法規・制度委員会研究報告第1号「監査及びレビュー等の契約書の作成例」 の改正を公表しました。

[JICPA]法規・制度委員会研究報告第1号「監査及びレビュー等の契約書の作成例」 の改正について

▼主な改正内容
1.四半期開示制度の見直しに伴う改正対応
四半期開示制度の見直しに伴い、中間財務諸表・四半期財務諸表等の期中レビューが導入されたことにより、所要の改正を行いました。

2.東証の有価証券上場規程の一部改正に伴う守秘義務条項の一部追加
東証の有価証券上場規程が一部改正されたことを踏まえ、受嘱者が東証からの要請に基づく事情説明等に応じる場合における守秘義務に関する規定の追加を行いました。

3.最新の監査基準報告書等との適合修正
前回の本研究報告改正時(2023年3月16日付け最終改正)から、監査基準報告書等の改正が行われていることから、最新の監査基準報告書等に合わせた適合修正を行いました。

『決算早期化の実務マニュアル《第3版》』の書評

新刊書『決算早期化の実務マニュアル《第3版》』が発売されて5日が経ちました。売れ行き好調のようで、お買い上げ頂いた皆様には感謝しかありません。

早速、ベストセラー書を連発されている岩谷誠治先生が書評を書いてくれました。おそらく最速の書評ではないかと思います。

【書評】『決算早期化の実務マニュアル 第3版』

《第2版》と比較しながら細かい所まで読んで頂き、ありがとうございます!

書評の最後にも書いて頂いておりますが、決算資料データのファイル名の例示に、《第2版》では「半角スペース」を使っていましたが、《第3版》では「_ (アンダーバー)」に変更(修正)しました。これは、8年前の《第2版》における岩谷先生の書評でのご指摘を受けて修正したものです。ご指摘ありがとうございました!

値段についてのコメントも、《第2版》と比較されてのものだと思いますが、紙代も高騰しているようですし、分厚くなったため、仕方ありません。本書の値段3,190円(税込)は安くはありませんが、2時間分の残業代以下ですので、1社に1冊お買い求め頂ければ嬉しいです(本書に書いていることを実践して頂ければ2時間以上の残業代削減は保証します)。



「経理の仕組み」で実現する決算早期化の実務マニュアル〈第3版〉
武田 雄治
中央経済グループパブリッシング
2024-04-12

企業会計基準委員会「法令及び会計基準の適用時期一覧(有価証券報告書・決算期別)」を公表

企業会計基準委員会は、「法令及び会計基準の適用時期一覧(有価証券報告書・決算期別)」を公表しました。

[FASF]法令及び会計基準の適用時期一覧(有価証券報告書・決算期別)

前も書きましたが、ASBJ / FASF / SSBJのサイトがリニューアルされてから、どこに何の情報が掲載されているのか分かりません。元に戻してくれませんかねぇ。

SSBJ サステナビリティ開示基準案に関する特設サイトを開設

サステナビリティ基準委員会(SSBJ)は9日、サステナビリティ開示基準案に関する特設サイトを開設しました。

[SSBJ]特設サイト サステナビリティ開示基準案

3月29日にサステナビリティ開示基準案が公表され、その後、解説動画解説資料も公表されましたが、この度、新たに解説記事も公表されました。図表を多く使った非常に分かりやすい解説です。


▼ISSB 基準との主な差異等
SSBJ解説
([出所]解説記事【図表2】より)


この「特設サイト」は非常に分かりやすく情報をまとめて頂いていますが、SSBJのサイトがリニューアルされてから、どこに何の情報が掲載されているのか分かりません。元に戻してくれませんかねぇ。


【参考】
大和総研がサステナビリティ開示基準案の解説を公表しています。
[大和総研]SSBJの日本版サステナビリティ開示基準案


【参考】
プロネクサスがサステナビリティ開示基準案の解説セミナーを実施します。
[プロネクサス]開示事例で学ぶIFRSサステナビリティ開示基準【概論】【詳細】






Q&Aでわかる IFRSサステナビリティ開示基準
あずさ監査法人
中央経済グループパブリッシング
2024-03-27


IFRS国際サステナビリティ開示基準の実務: 影響と対応
EY新日本有限責任監査法人
中央経済グループパブリッシング
2024-01-18

「今の政治資金監査はザル」 ー 政治資金規正法を変えるなら複式簿記と法定監査(会計監査と内部統制監査)を導入せよ

自民党議員が「裏金」を収支報告書しなかったり、訂正した収支報告書に金額を不明と記載したり……、国民を馬鹿にしたようなことが行われていますが、その収支報告書にも「政治資金監査人」による「監査報告書」が添付されていることはご存知かと思います。

なぜ「監査」を実施していて裏金が見つからないのかという疑問を持たれた方も多いと思います。この問題について、メディアは全く報じていませんでしたが、東京新聞がようやく大きく報じてくれました。是非ご一読ください。

[東京新聞]「今の政治資金監査はザル」会計のプロが断言 総務省のマニュアルに「数字が妥当か評価しなくていい」


この記事にも書かれている通り、政治資金監査は「ザル」です。「収入はそもそも監査できない」、「怪しい支出を発見しても、国会議員らに詳細な追及はできない」、「領収書と照合し、数字が合っているかの『外形的・定型的』な確認だけでよい」、というのが今の制度なのです。

もう少し具体的に言うと、この政治資金監査とは、
・収入は、監査対象外
・支出のうち、人件費は監査対象外
・その他の支出のうち、一定金額以上のものについて領収書と突合するのみ
支出の使徒は問わない
・オフバランスも監査対象外
・預金残高については、確認状の発送もしない
というものなのです。

つまり、「ほぼ突合」なのですよ。

さらに、「監査報告書」には監査意見は表明されていません。

以下、東京新聞がうまくまとめてくれています。


政治資金監査
([出所]東京新聞)


公認会計士であれば(公認会計士でなくても)腰を抜かすような制度が2009年から15年も運用されているのです。

こんなものを「監査」と言っているわけですが、実態は「監査」でもなく、「レビュー」でもありません。こんなものに「監査」という名称を付すことを、本来は日本公認会計士協会が許容するはずがありませんが、政治資金監査人は公認会計士のみならず税理士もなれますから、政治的な圧力があったのだと思います。日本公認会計士協会が妥協したのです。情けないです(政治資金監査人は2024年1月末現在で5150人も登録しており、税理士が74.5%、会計士19.0%、弁護士6.5%。国会議員の数より多いという不思議。)。


話を戻しますと、今の制度上、政治資金パーティーの収入が収支報告書に不記載であったとしても、政治資金監査では監査対象外ですので、何も言う権限はありません。適正でない支出があったとしても、その支出の使途を問うこともできません。

政治資金監査は「ザル」と言われる所以です。私は「やるだけ無駄」とも思っています。

以下、ネットでも拾えますが、政治資金監査人に配布される「政治資金監査に関するQ&A」という冊子からの抜粋です。信じられないことが書かれていますが、これを作成した政治資金適正化委員会に著名な公認会計士の先生の名前もあることに言葉を失います。

政治資金監査
([出所]「政治資金監査に関するQ&A」より一部抜粋)


政治資金規正法の改正に向けて自民・公明両党は、来週から実務者による協議を始めると報じられていますが、抜本的な解決は期待できません。

政治家による不透明な収入・支出・裏金・脱税を防ぐためには、直ちに複式簿記を導入し、監査制度をゼロベースで見直すべきです。複式簿記を導入した上で、(監査を何もわかっていない総務省の元ではなく、金融庁の元で)公認会計士・監査法人による法定監査を導入し、貸借対照表・損益計算書・監査報告書を公開すべきです。政治活動費の使徒が分かるようなキャッシュ・フロー計算書も開示すべきでしょう。会計監査のプロである公認会計士が、民間企業と同じレベルの監査手続を実施すれば、今般起こっているような不正・不祥事は撲滅できるはずです。まぁ、されたら困る議員も多いでしょうから、おいそれとは応じないでしょうけど、変えなければいつまでたっても「ザル」のままであり、不正は続きますよ。間違いなく。


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日本税理士会連合会は3月29日、「登録政治資金監査人による政治資金監査のあり方に関する要望について」というものを公表しています。

[日税連]登録政治資金監査人による政治資金監査のあり方に関する要望について

監査対象に収益を含めろ、複式簿記を導入しろ、といった要望が書かれています。


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日本公認会計士協会も12日、本件に関して会長声明を発出しました。

[JICPA]会長声明「国会における政治改革に関する特別委員会の設置について」

企業の財務諸表監査においては、適正な財務報告に係るガバナンスが機能していることが、その監査実施の前提となります。一方で、政治資金規正法に基づく政治資金監査は、ガバナンスをその前提とせずに会計事務に対して外形的・定型的に確認を行う業務です

このため、政治資金監査の対象範囲や対象項目を拡大したとしても、ルールの逸脱を未然に防止又は発見することを可能とする各団体における内部統制やガバナンスの整備が不十分な状況では、今回のような事案を防止できるというものではないと考えます

ホンマその通りです。

上場企業3200社超(約8割)が決算短信をHTMLで開示 /JPX発表

JPXは12日、決算短信のHTML化に関する共同実証実験の状況を公表しました。

[JPX]決算短信のHTML化に関する共同実証実験の状況について(2024年2月末時点)

2024年2月末日時点で、累計で3200社超(上場会社数に対する割合は約8割)の上場会社で決算短信をHTMLで開示しているようです。

▼決算短信HTMLの開示社数及び開示率(累計)推移
HTML化


なお、すでに案内されている通り、2024年4月1日以降に開始する四半期会計期間を含む決算短信及び四半期決算短信から、上場会社によるHTMLファイルの提出が必要となります上場REITについてはHTMLファイルの提出が望ましい)。これを受け、本実証実験は2024年7月をもって終了となります。

東証 座談会「なぜ株主・投資家の目線を踏まえた経営が求められるのか」の動画公開

東証は5日、「なぜ株主・投資家の目線を踏まえた経営が求められるのか」をテーマにした座談会の動画を公開しました。

[東証]座談会 〜なぜ株主・投資家の目線を踏まえた経営が求められるのか〜

PBRキャンペーンの一環です。

スピーカー、モデレーターは以下の通り。
スピーカー
 神田 秀樹 氏 東京大学名誉教授 
 勝木 敦志 氏 アサヒグループホールディングス株式会社 代表取締役社長 兼 CEO
 中神 康議 氏 みさき投資株式会社 代表取締役社長 
 山道 裕己 氏 日本取引所グループ 取締役 兼 代表執行役グループCEO

モデレーター
 藤田 和明 氏 日本経済新聞社 上級論説委員兼編集委員

文字起こしも公表されています。


日本公認会計士協会「第1・第3四半期決算短信に添付される四半期財務諸表等に対する期中レビュー契約を締結しない場合の留意事項(お知らせ)」を公表

日本公認会計士協会は5日、会員に向けて「第1・第3四半期決算短信に添付される四半期財務諸表等に対する期中レビュー契約を締結しない場合の留意事項(お知らせ)」を公表しました。

[JICPA]第1・第3四半期決算短信に添付される四半期財務諸表等に対する期中レビュー契約を締結しない場合の留意事項(お知らせ)

監査人は、第1・第3四半期財務諸表等に対する期中レビューの実施の有無にかかわらず、年度の監査の一環として、リスク評価を適時・適切に見直し、監査手続に反映することが求められています(略)。年度監査品質の維持の観点から、適時・適切なタイミングで会社の状況や変化を把握するために、被監査会社と十分にコミュニケーションを実施してください。

期中レビュー契約の締結を行わない場合、被監査会社に対して「保証」を付していると誤解させるような文書を提出してはならない、といった留意事項も書かれています。
新刊書
決算早期化実務マニュアル3


新刊書
公認会計士


セミナー開催情報
■プロネクサス主催(オンデマンド)
2024/4/1〜5/31
『経理部に配属された方が「はじめに」受ける講座』

→テキストに拙著『経理の本分』を使用します。

■日本経営協会主催(対面&オンライン)
2024/6/25
『決算早期化を実現する「経理・決算の仕組み」の作り方』

 →テキストに拙著『決算早期化の実現マニュアル《第3版》』(4月発売)を使用します。



●満員御礼のセミナー、公募していないセミナーは掲載しておりません。
●武田雄治へのセミナー・講演・研修の依頼は、武田公認会計士事務所HPよりお願いします。
プロフィール
公認会計士 武田雄治


●武田公認会計士事務所 代表
●関西学院大学 非常勤講師

武田雄治


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