Art is long, life is short.

アートコレクター大石哲之のブログです。僕のコレクションや気になるアーティストの話を書いてます。たまに、そのほかの趣味の話、登山、ワイン、料理などについてお話します。twitterは@tyk97です気軽にフォローください。本業は、本を書いたり、会社を経営していたりします。

アートステージシンガポール 2012 レポート(2)

引き続き、アートステージシンガポールのレポートです
前回レポート(1) http://tyk.livedoor.biz/archives/51896615.html
去年のレポート http://tyk.livedoor.biz/archives/51747098.html 

ブースの様子をあっとランダムに

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蛍光灯のインスタレーション。作家がこれをくぐったりするようなパフォーマンスをしていました。

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ジョブスも作品の登場。

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こちらはフィリピンのアーティスト。今回シンガポール美術館で展示中のアジアの作品コレクションアワードでゴールドメダルだったようで、作品は初日に完売しておりました。
なお、日本のワダファインアーツのブースです。

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インドのギャラリー。前回に引き続き、挑戦的な1点モノのインスタレーション

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こちらはオノ・ヨーコ。震災の時で時間がとまっています。

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ひときわめを引いた謎のおっさんの人形インスタレーション。
ブースにこれ一体のみ。
注目をあつめていました。

ブースの位置を教えるときに、倒れたおっさんと同じ列とか、そういう表現でつかわれていたw

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ショップ形式で、並んでいるものは全部いちおうアート?で全部うりものという。
昨年もこの手のものが出ていました。
流行りなのかは謎。

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ペロタンのブース。
欧米からは、ペロタンと、ホワイトキューブが出店していました。

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ミスターのでかいやつ。売れていたみたいです。
ミスター氏は、トークショーに出るために来星されていました。

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ダミアン・ハースト。
ホワイトキューブは、おなじみのこれもだしておりました。

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ギルバート&ジョージ
香港はこんなんばっかりでしたが、シンガポールでは珍しく。

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これは謎。

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インドネシアのアーティスト。
今回、ジャカルタのギャラリーがかなりの数出店していました。
インドネシア人コレクターも多いようで、インドネシアの勢いを感じました

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家の中が覗ける。
インドネシアのアーティストって、ちょっとコミカルな感じで、なんともいえないほんわかした作風が多いです。
うまく言えないのですが、独特のテイストがあります。

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これもインドネシア作家。なんというか、こういう感じなんです。

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アイ先生。
ちなみにアイ先生作ではありません。
なんだか、もはやアイ先生は、他のアーティストの題材にもなっているようです。

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台湾から、 杜珮詩 
個展形式での出品でした。映像のやつはかなりシリアス。
わたしはコラージュの作品をコレクションしています


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夜は、シンガポール美術館にて、オープニングがありました。
今回の展示は、
・アジア23の国と地域から代表作をあつめて展示
・アジアのコレクターから集めた作品で固める、アジアコレクターショー
の2本立て。

どちらも”アジア”を意識したものです。

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こちらはコレクターショーの方、レーザーをつかったインスタレーション作品で、
写真のレーザーをあびているのはパフォーマーではなく一般の観客です。
すごい空間でした。

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アジアコレクションでは、日本代表として、会田誠の「灰色の山」がでていました。

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本体の美術館から1分ほど離れたところにある別スペース。こちらは、シンガポールの作家でかためた展覧会でした。 アンスラックスです。マニアねただなこれは。

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ちなみに、この日ですが、ビール、シャンパン、ワイン、とサテーやハンバーガーなどのつまみが無料で配られていました。 フェアチケットやVIP のチェックなども一切なしだったので、シンガポールにこのひいる人なら誰でも無料でオープニングに参加できました。
しかも、美術館もフリーアドミッション、つまり、タダなんです。
新展示のオープニングの日に、入場無料で一般開放しちゃうなんて考えられません。
税金で運営しているところは、市民に歓迎という思想なのでしょうか。
ちょっとびっくりしたと共に、ビールやワインを振る舞い放題のシンガポール美術館の太っ腹ぶりに感服。

というわけで、今回もたのしかったシンガポールです。
ちなみにフェアの質はあがったのに、来場者はちょっと昨年よりすくないような感じでした。
アジア圏にとっては、今年は旧正月が1末からと早く、あまりに年末の日にち設定がたたった気がします。
来年の盛り上がりに期待です。

来年も行こうと思います。
それではまた。

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番外グルメ編

薬膳スープ。上品な味でおいしかった。
ヒマラヤ帰りでつかれていた体に効きました

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飲みたかった亀スープ。効きました。

アートステージシンガポール 2012 レポート(1)

さて、今年一発目のフェアとして、アートステージシンガポールに参加してきました。
いろんな予定でシンガポールに行くことになったので、この週にあわせて、打ち合わせも、フェアも一緒にみてきました。

フェアは、今年もマリーナベイサンズの展示場をいっぱいっぱい使ってのもの。昨年より良い感じなりました。
まとめとしては、

・参加ギャラリーの質があがった
会場についてみるとホワイトキューブが参加していたのにびっくり。しかし、HKのように欧米ギャラリーがこぞって参加ということではなく、アジアを中心に、質の高い展示がおこなわれました。
規模も少し大きくなり、全部をじっくり見るには丸一日かかる。充実したフェアになりました。

・アジアの中心というメッセージをより明確に
 HKがバーゼルになってしまったので、後発のシンガポールは、より「one asia」という感じのメッセージを打ち出しています。同時オープンのシンガポール美術館での展示も、アジアの23の国と地域からの代表作をあつめたり、アジアのコレクターによるアジアのベスト作品コレクターショーみたいなのだったり、シンガポールがアジアの中心になるという意気込みを感じました。

・みたことないギャラリーをみられる
インドネシア、フィリピン、インドなどのギャラリーが多く参加し、他のフェアでは見られない雰囲気 。会場のトークも、インドネシア美術の今、台頭するフィリピン美術、など、なかなか他では聞けないトピックでありまして、フェアの意図がよくわかります

・周辺イベントが大充実
シンガポール美術館のオープニング、政府が開発したアート村であるギルマンズ・バラックのお披露目パーティーなどが開催され、コレクター、ギャラリー関係者、アーティストが招待されました。このような連携イベントが充実し、世界の客を歓迎する体制がバッチリととのっておりました。一流の国際フェアとして遜色ないものでした。

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まずは、タイの作家ナビン・ワランチャイクンによるアジアのアート関係者を書き込んだ巨大作品。

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 こんな感じでいろんな人が総勢200人くらい?かかれています。
アジアオールスターズです。
We are ASIAという タイトルが今回のフェアのコンセプトを体現していますね。
http://www.navinproduction.com/ 

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アンジェリーナ・ジョリー

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巨大な謎

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そして、今回、フェアにいく動機になったのが、私のメインコレクションである長井朋子さんの個展(形式)のブース。本丸のブースとは別に、作家別のブース(Project Stage)があり、比較的若手の作家を中心に、ブース全面をつかったインスタレーションや大きな作品などダイナミックな展示が行われていました。 

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長井さんのも、このフェアのために、でっかい新作が3点という大きな展示でした。
シンガポール向けなのか、ピンキー&キラキラ度がアップしていて素晴らしかったです。

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これも、横2m50くらいはあろうかというでかい絵。
写真でみるとでっかくみえないんですが。

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長井さんもいらしていて、一緒に記念撮影です
ど・ピンキーで、好みのこの絵の前で
写真でわかるようにこれもでかいです。

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カイカイキキのスペース
obさんキュレーションの展示でした。

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新作。これはよい。

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 これもめちゃ良かった。
フェア恒例?のライブペインティングも行われていました。
obさんですが、書くのが早い早い。完全真っ白のキャンバスがフェア一日目の夜にはかなりなものになっていました。

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クレートにみえますが、キャンバスに描いた作品

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よくわかんないんですが、会場で、アーティストがうどんを茹でて客にだしてました。
食べました。そこそこおいしかったです。


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ジャカルタのギャラリー。ワイヤーのアートです。popeがテーマのようでした。

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このかたは、横浜トリエンナーレにでかいのを出していたので印象にのこっていた。
ぜひ欲しかったが、予想以上にやっぱり高くて断念。

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なんだこれは・・・
最近は、他人の絵の題材にもなっているアイ・ウェイウェイ氏ということで
もはやアジアのアートのアイコンとなっておりますな。

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パンダ。

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よくわからんが、シンガポールであることはわかった。

という感じで
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夜は、政府(EDB)主催で、アートコンプレックス構想、ギルマンズバラックにてパーティー。
春に、20のギャラリー、レジデンス、美術館などがオープンするようだ。日本からも幾つかのギャラリーを誘致。
このように商業フェアと結びつけて展開しているところはさすが。
肝心のハコはまだできてないというのだから、ソフト先行ってことで、日本とは逆ですね。
それにこのノリが政府主催のパーティーなのだから、政府のひともなかなかちゃんとしています

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コレクター、ギャラリスト、アーティストなど、300人くらいはいたかも

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 中では、映像と音楽によるライブパフォーマンスも。シリアスなパフォーマンスで、評判もよかったようです。

という具合でパート2につづきます

2011年のアートコレクション総括

2011年のアートコレクションを総括を致します。
2011は、大小及びポスターを含めて10作家21作品がtykコレクションに追加されました。

21点の技法での内訳をみると、
ドローイング 4
写真 2
エディションポスター 7
コラージュ 1
ペインティング 5
陶 1
テキスタイル 1

という内訳でした。品数と幅は広いのですが、実際は予算の80%が5点のペインティングに割かれました。中でも、佐藤玲さんの中核となるものを3点購入したのと、obさんが今年のメインの買い物です。満足のいくコレクションとなりました。ペインティング以外では、小さい作品ながらクオリティを重視し大変よい物が買えたとおもいます。とくに宮永愛子さんの陶の作品は死ぬまで持っておきたいと思わせる作品でした。
ポスターは村上隆氏のエディションポスターです。

<2011にコレクションに加わった作家一覧(再コレクション含/購入順)>
村上隆(ポスター)
Tim Barber
長井朋子
吉本直子
ob
川久保ジョイ
佐藤玲
杜珮詩
愛☆まどんな
梅ラボ

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佐藤玲
屋上の僕ら
2009

Photo Print, acrylic, water-based paint on canvas.
1984 x 2839 mm

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佐藤玲
舞い上がる夢を見る
2011
Photo Print, acrylic on canvas
1303 x 1620 mm

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佐藤玲
君の望んだ色を
2011
Photo Print, acrylic on canvas
803 x 1000 mm

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吉本直子
the Book
2011
古着

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長井朋子
#タイトル調査中
2011



Tim Barbar
Untitled (rooftops)
2002
C-Print
40 x 27 inch 
(101.6 x 68.6cm)

001_Yoi Kawakubo, still life.jpg

川久保ジョイ
Still Life
2011
Archival Pigment Print on Japanese paper 
1000 x 1000 mm 

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ob
it's not see-though 
2011
Acrylic on Canvas
1620 x 1620 mm 

110427miyanaga40

宮永愛子 
そらみみみそら
2011
陶、釉
O22.5 x 8.5cm



杜珮詩
處處皆藝術
2011
Mixed media, Collage
580 x 420 mm

みなさんは、どの作品がお気に入りでしょうか?
ぜひコメントいただけると嬉しいです 

また、ぜひ2010年のコレクション総括も御覧ください
 

佐藤玲さん個展「咲くかな、変わるかな、輝くかな?」@台北レポート

佐藤玲さん個展「咲くかな、変わるかな、輝くかな?」にいってきました。

台北のアートフェアに合わせての開催。
佐藤玲さんは猛烈に好きなアーティストなのですが、あんまり日本で展示がなく。
今回台湾で個展があると聞いて、 すかさず駆けつけました。
日本に他のファンのためにも、こちらでレポートしておきます。

佐藤玲さんの作品は、ナチュラルで、心あたたまり、度肝を抜くセンスと、面白さにあふれていて、わくわくさせられて、明るくて、本当に素晴らしいです。

展示のある国にしばらく滞在し、その国を旅行しながらテーマをさがすそう。
今回も台湾を一周して、テーマをねったそうです。

"考えても見つからないような疑問の答えを、ずっと探していたのだけれど答えを探すのではなくて自分で定めて行くんじゃないだろうか"

”自分の定めた信じる道に真剣に向き合い、行動して生きていく事で人々は咲き、羽化し、輝くのではないかと思ったのです。"

今回の展示のタイトルが、Will I bloom? Will I transform? Will I Shine ? というものですが、自信をもって、I willといっていいんだという。

という事に至るまでの課程が、それぞれの絵の裏側にはエピソードとしてこめられています。
一枚一枚にこめた思いを、直接お話いただいて、作品に対する理解がとてもふかまりました。
その内容を超簡単に解説。

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友達とどこまでも
佐藤さんが今回の旅でであったジュピーちゃんと。
友達とだったらどこまでもいける!遠くまでいけるぞ、という

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花はどうやって咲くのかな?
花は勝手に咲くんではなくて、ひとりひとりが自分で咲かせるもの。
そういった思いがこめられてます。

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飛んでいる?落ちている?
落ちているのか、飛んでいるのか、どちらの状態かわからない。

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ガイドブックに載っている以外のもの

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答えのでない質問
答えのない質問を手をあげて質問している。でも蝶蝶に質問してるんで、答えはかえってこない。

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Differnt Summer
ご出身の山形の田舎にているそうです。毎回ちがった夏がくる。

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隣を歩いているだけで嬉しい、という話
 

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舞い上がる夢を見る
小さくて見えにくいですが、3人の肩のところに蝶蝶がかいてあります。これがそれぞれの夢だったり希望だったり。横になって寝ている女の子の夢がいちばん上まで舞い上がっています。
Hope 
希望の絵です。

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君の望んだ色を
台湾のトラックは、なんか派手な色にぬられたものが多いみたいです。
自分の好きな色にぬっちゃえ!っていうのが面白い。

10月くらいから、ちょっと僕も海外に拠点を作るつもりなのですが、新しいことをスタートするにあたり、この絵がとても気に入りました。好きな色を塗っていこう、未来は自分の好きな色で塗れるよね、僕の気分にピッタリです。新拠点にもっていって、部屋に飾ろうと思います。楽しみ。

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ということで、購入させていただいたこの絵の前で記念撮影。

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さらに撮影。

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さらに、巨大な蝶蝶の前で。

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別の部屋には、製作過程に書きためたドローイングが。メモっぽい記述もあって、考えをそのままメモっているようすがわかって面白いです。

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こんなかんじで100枚くらいありました。

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屋上の僕ら
フェア会場に戻ると、なんと、佐藤さんの巨大ペインティングがかかっている。
これはすごい。
高校生の時に住んでいた場所から写した写真だそうです。
すこしノスタルジックな感じが。
そして、右側の女の子が、空にドーナツを投げている。

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ドーナツ投げをしているこの少女の、底しれない明るさと、空を見つめる目、
清々しくも、未来を見つめていて、胸があつくなります

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夜は、kaikaikikiのSophie さんに夜市を案内してもらいました。
おいしいシーフードを食べて、充実した一日でした!

 

Art TAIPEI レポート(2)

Art TAIPEI レポートその2です。

フェア会場自体はそれほど広くなかったので1日あれば十分見れました。

そして、今日は、台北にきたもう一つの理由、佐藤玲さんの個展です。
kaikaikikiの田崎さんの計らいで、設営中のところをお邪魔させていただきました。

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巨大な蝶の前で。
お会いするのは初めてで、嬉しかったです。

佐藤さんは、制作する場所にしばらく滞在し、旅や現地をまわりながら、写真をとりそれを題材にして制作するスタイル。今回も台湾を一周しながらテーマを決めていったとのこと。
作品をひとつひとつ丁寧に解説していただき、裏にあるエピソードなどもお聞きできて、非常に興味深かったとともに、あらためて佐藤玲さんの感性・日常を切り取るセンスに、 感服しました。

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そして、夜はVIPディナー。
こりゃすごかった。500名の関係者をあつめてのスペシャルディナー。

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台北でいちばん豪華な圓山大飯店の巨大ルーム。まるで、これは国家行事かとおもうくらいの場所でした。

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すさまじい気合の入り具合に出席者もびっくりです。
ご招待いただいたギャラリーの方に感謝。

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最後に、今回のArt TAIPEIのディレクターのEvaさんと記念撮影。
香港のときにお食事をご一緒させていただき、今回お招きいただきました。感謝。


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