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獅ぬ獅かない!

非常に残念なお知らせですが、埼玉西武ライオンズファンは昨日滅びました。6600万年前に地球に隕石が衝突して恐竜が滅びたときの感じで、もしかしたら若干生き残りはいるかもしれないけれどほぼ逝っただろうと思われる未曾有の大惨事が起きたのです。「敵」としてお迎えした元所属選手・山川穂高との初対戦・初週末の試合において、「プロ野球史上わずか2例目の2打席連続満塁ホームラン」という生涯でもう見ることはないかもしれない大惨事を見せつけられたのです。ホント、僕が他球団ファンならゲラゲラ笑いながらビールおかわり不可避ですからね!当事者ならもうダメかもしれませんよね!

試合にも「敵」にも勝つなどという理想は言うに及ばず、勝利も、敵打倒も、戒めも、抵抗も、何ひとつ叶うことなく、目の前で「どすこーい!」を二度も見せられる悪夢系漫画のような時間。一度目の満塁ホームランの際には「古巣でわざわざやるなよ」的なブーイングの声をあげていた一部レフトスタンドの輩民も、二度目の際にはグッタリと沈黙していましたからね。ケジメをつけさせようと騒いでいた人々がミジメに散る春。野球って残酷で美しいですね!

↓なんとなーく打たれるんじゃないかなと思ったので、動画で撮っておきました!


最後に何気なくスタンド映したら他球団ファンから大ウケに!

「ご飯がススム」の看板が映っていてメシウマなんですって!



この日は我が埼玉西武ライオンズの本拠地ベルーナドームにおける、今季初めての週末開催の試合でした。僕も早くからココが今季の個人的な開幕と見定め、「敵」を迎え撃つことになる顔合わせも含めて、これ以上ない熱いシーズンの始まりと思っていたのです。前日に緒戦を行なったうえで、いよいよ集った3万ライオンズファンが絶対に負けられない試合に臨む一大決戦となるであろうと。勇んで球場へと向かいましたとも、行きだけは元気に。

球場に向かう時点で熱気は早くも異様に盛り上がっていました。おとぎ電車として知られる西武山口線の車中は、人がおさまり切らずに昭和の満員電車のよう。人と人の間に挟まれて、カバンを手から放しても地面に落ちないほどです。同じ大入り満員の試合でも普段はこんなに混み合ったりはしませんので、おそらく誰しもが気合に満ち満ちていたのでしょう。当日のイベントは特に何もないのに皆さん出足が早い!

↓球場前広場では滋賀県とのコラボイベントをやっていました!
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↓いらない野球用具を回収するイベントも実施されていました!
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見たところ、山川関連グッズはなさそうでした!

あと大谷グローブもありませんでした!


球団側も一応「今日が初の週末」ということは意識しているようで、入場時にダンボールニット素材のジャケットをくれるという大盤振る舞いも。いつも通りMサイズは選択できないシステムですが、いただけるものは喜んでいただきましょう。春の試合観戦にはこれを1枚羽織るとちょうどよさそうですしね。この日は暑くてぶっちゃけ不要でしたが、まだまだ寒い日はありますからね。

そして場内に入れば、今日はプレイヤーズフェスタなるイベントを開催しているとのことで、球場のいたるところがかわいらしいイラストで装飾されています。選手紹介の際もライオンズ側はイラストでの紹介ですし、獅子ビル前のデッキエリアにはイラストボードが設置され、選手たちが大集合しているではありませんか。これには子どもたちも大喜び。この感じのキャラクターで野生のライオンズ選手を捕まえて檻のなかに閉じ込めておくスマホゲームとかあったら、ファンもほっこりと楽しめるかもしれませんね。一度入れたら絶対出られない仕組みとかにして。

↓ダンボールニットジャケットをいただきました!
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↓かわいらしい選手たちのイラストでにぎわっていました!
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↓先発メンバーの発表もイラストでかわいい!相手方のモイネロ強そう!
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前日の試合ではライオンズ側の猛烈なブーイングと戒め大喝采が話題となりましたが、あれはケジメ的な意味合いだったのかこの日はいたって静かなもの。もっと騒然としているかと思いきや、練習を見守る際も静かなものですし、スタメン発表で山川穂高がコールされたときもブーイングなどは起きませんでした。ふむ、まぁずっと引きずるのも見栄えがよくありませんし、引きずれば引きずるほど「下品悪」認定されていきますので輩衆としてもここらが潮時でしょう。正々堂々美しく勝ってこそ、溜飲も下がるというものです。

↓試合前に山川穂高がレフトスタンドに向かって深々と頭を下げていた点も場内の落ち着きに影響したかもしれません!
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↓山川は土下座もする勢いでしたよ!
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そして始まった試合ですが、ライオンズにとって非常に苦しい展開がつづくことに。初回、先頭打者の周東佑京さんにヒットで出塁を許すと、一死を取るものの3番・柳田悠岐さんを迎えたところで簡単に二盗を許し、周東さんは得点圏に進みます。すると柳田さんにアッサリとタイムリーツーベースを打たれ、早くも先制点を与えてしまいました。つづくピンチは山川穂高を戒めることで最少失点でとどめはしますが、危なっかしい立ち上がりでした。

バッティングクロックでもついているのかと思うような爆速で攻撃を終えるライオンズに対して、ホークスは毎回のように走者を出し、プレッシャーをかけてきます。3回表には再び打順がまわった周東さんがまたもヒットで出塁すると、またしても盗塁を決めて無死二塁。「ライオンズだけ戒めタイブレーク制度でも押しつけられてるのかな?」という気もする嫌な流れです。

とにかく周東さんを塁に出すと、走られそうで常に気になりますし、実際走ったら全然刺せないしで(※気にしても無駄だった)、心のスナミナをガッツリともっていかれます。2番に入った今宮健太さんも状況を整えるのが実に上手い。そのうえで柳田・戒め・近藤とつづく強力クリーンナップを迎えるのですから、これは厳しい。この回は柳田さんを三振、戒めをセンターフライ、近藤健介さんを歩かせて二死満塁とされながらも後続を抑えて何とかしのぐことができましたが、決壊は間近という雰囲気です。

そして試合は爆速で5回表へ。デジャブでも見ている感じですが、まーたしてもこの回は周東さんから始まり、まーたしても二塁内野安打で出塁されます。つづく今宮さんに連打され、柳田さんを歩かせて無死満塁に。毎回毎回周東さんにかき回されて、気がつけば大ピンチになる周東無限地獄とでも呼びたいような試合。ライオンズも「ホークスには負けてもホータカだけは抑えろ」と死力を振り絞り、無死満塁で対峙した山川穂高だけは空振り戒めに仕留めますが、後続に打たれてついに追加点を許しました。爆速で攻撃を終える1点か2点しか取らないチームが先に3失点…これはちょっともう試合は負けたかもしれませんね。

↓それでもこの無死満塁のピンチで山川穂高だけは戒めました!
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ライオンズの攻撃は爆速で終わり6回表へ。前の回の火消しで出ていた水上由伸さんを続投させたライオンズですが、これが裏目に出たか、先頭打者のセーフティバントを水上さんがお手玉して無死一塁とされると、まーーたしても周東さんの打順に。周東さんは8球粘って四球を選ぶと、送りバント⇒柳田さんを歩かせる、であっと言う間に一死満塁ができあがりました。ここは周東無限満塁地獄か何かですか。麻雀でもこのくらいのテンポで毎回テンパイしてたら気持ちいいでしょうね!

さぁ、そこで打順を迎えたのが山川穂高。ここまではよく山川を戒めてきたライオンズ投手陣ですが、相手はやはり一流のバッターです。人間性はともかく野球能力では日本屈指の強打者です。その相手に「四球は出したくないから真っ直ぐ系をストライクゾーンに投げて勝負する」なんてことを何回もつづけていれば、どこかで捕まるのは必定というもの。

初球・2球目とシュートで空振りさせたあとの3球目、この3連戦でこれだけは絶対に避けたいと思っていた悪夢が、「考え得る一番きっつい悪夢」が目の前で起こりました。山川穂高、復活のグランドスラム。レフトスタンドに大飛球を叩き込み、古巣のファンの前でどすこーい。大谷さんほどじゃないですが、漫画みたいな現実を見せられて、人間性はともかく大した選手だなと感心しましたよね!ホントに!ドーン!(※喪黒福造の声で)

↓ライオンズ投手陣の「今季被弾ゼロ」という小さな自慢もついでに打ち砕いた山川穂高!
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↓画面外ではピッチャーがマウンドでうずくまっています!呆然のベルーナドーム!
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↓山川穂高はおなじみのどすこーいパフォーマンスを敢行!


これは厳しい!ライオンズ界隈の情緒が厳しい!

0-7で試合も負け確だし、もうドM以外は帰ってもらえますか!



完全に意気消沈したライオンズ界隈。何とか心を奮い立たせようにも、ショックからくる放心を脱するよりも早く、返しの6回裏の攻撃は「わずか6球」で終わってしまうなど、無抵抗にもほどがある攻撃は立ち直る時間すら稼げない始末。僕はゆったりとセピア色に流れる景色を見ながら、遠くで「いざゆけ…無敵の…山川軍団…」という歌や、ジェット風船が奏でるピューという音を聞いていました。

そして、まるで眠りのなかにいるような気持ちで、8回表まーーーーたしても周東さんから始まったホークスの攻撃を見ていました。安打⇒安打⇒四球と「時間が巻き戻っている?」と思うしかない展開でまたも満塁とされると、打席には先ほどグランドスラムの山川穂高が。無死満塁、負け試合用の投手起用、先ほど覚醒したばかりの強打者…すべてが噛み合って生まれたのは、プロ野球史上2例目となる「2打席連続満塁ホームラン」でした。まさか、こんなことが、今日、ここで、本当に起きてしまうなんて。想像を超える悪夢って本当にあるんだなと思いましたよね…。「グラスラされたら逆に爆笑」とドM想像力を膨らませていた僕も「グラスラ2発被弾」は想定してませんでしたよね…。

先ほどはどすこーいにブーイングをする程度には生命反応を見せていたライオンズ界隈ですが、悪夢を超える悪夢を前にしてもはや声すらあがりません。たぶん先ほどの満塁弾ですでに獅んでいて、2発目で獅体も消し飛んだのでしょう。巨神兵が火の七日間で世界を焼き尽くしたように、グランドスラム山川の2発によってライオンズファンは滅びたのです。今願うことは「一発目の時点で見ちゃおれんと帰りました!」という奇跡的な生存者がいることだけ。僕は消えゆく意識のなかで、一平の刑期のことを考えながら、一平が出てくるまでに「3例目」はたぶん起きないだろうな、と思って静かに微笑みました…!

↓一度でも耐えられない出来事を二度やられるとは!こんなに相手の傷口をガシガシしちゃダメ!
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その後、さすがに相手方も憐れと思ったのか、投手緩めなどもしていただき、9回裏の攻撃では当方の4番・アギラーさんの今季第1号ホームランで2点を返す見せ場も作らせていただきました(※相手を0点で負かすのは失礼なのでわざと1点やる卓球界隈の風習的な)。この2-11というスコアだけ見れば、後世の人は「大差の試合ですね」くらいでスルーしてくれるでしょう。実際にこの試合で起きたのは、僕のそれなりに長いライオンズファン歴のなかでも指折りの…ていうかたぶん第1位の歴史的大惨敗であったとしても。

もしかしたら野球の神様って本当にいるのかもしれませんね。だって、神の裁きでもなければこんなことが起きるなんて思えませんもの。そして、その場合、神の裁きによって戒められているのはライオンズ界隈のほうなわけですから、きっとライオンズ界隈こそが野球の神様に背く者だったのでしょう。あぁ、よくSNSとかで言われている「不起訴なのに幽閉したライオンズが悪」とかが野球の神様の思し召しなんですかね。そうですね、野球の神様なら野球をやらせることだけを考えるでしょうからね。神様!粘着質で女々しい我々を戒めてくださってありがとうございます!これからは皆さまのご飯がススム納豆みたいなネチッこいおかずとして頑張らせていただきます!

↓なおライオンズ界隈の容体に配慮してヒーローインタビューはモイネロさんでした!
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ヒロインにも忖度ってあるんですね!

「モイネロが西武を8回無失点」とか別に話聞くほどでもない平常運転でしょうに!

西武相手ならノーノー決めてこそですよ!

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野球の神様!今度生まれ変わるときは僕をドジャースファンに生んでください!