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タダよりも225円のほうがワクワクする不思議!

筒香嘉智さん、日本プロ野球にお帰りなさい。横浜DeNAベイスターズの皆さん、おめでとうございます。直前まで巨人入り決定とまことしやかに噂されていたことで、一部球団のファンからは心ない煽りもあったかもしれませんが、同じ地獄に誰か堕ちて来そうだと思ったのに誰も来なかった日の亡者たちの憐れな叫びと思って聞き流してやっていただければ幸いです。

やはり球団の魂・象徴たる選手は、その球団に戻るのが皆にとって幸せです。筒香さんを戦力として高く評価する巨人の参戦によって、若干のマネーゲームになった模様ではあるものの、魂・象徴たる選手を失うことに比べれば金の多寡など問題になりません。1億や2億、すぐさまファンの熱烈なお祝いで戻ってくるのですから。横浜ファンの流す涙が悔し涙でなく嬉し涙であって本当によかったと思います。

そんな幸せな光景を見守りながら、引きつづき我々だけは「一度メジャーに挑戦した者は西武ドームの敷居を易々とは跨がせない」という縛りプレイでやっていこうと思います。誰かに縛られているわけじゃないんですが、縛ってることにでもしないと惨めなので自縄自縛の縛りプレイでいきたいなと。恋愛で傷つかないコツは「フラれる前にフル」ことだ的な思考で。まぁ、屋根もつながってないのに敷居はあるのかって話ではありますが、どうせ誰も戻って来ないんだから気にしないでください!菊池雄星さん、メジャーで大成功してメジャーで引退してくださいね!戻ってきたらきっと泣くから!

↓「GO NEXT, GO.」という未来への前向きなキャッチコピーが眩しい!


↓思いが継続していて眩し過ぎる!西武ファンがその光で獅にそう!



小雨降る横浜スタジアム、筒香さんの入団会見は異例の公開形式で行なわれました。ともに過ごした思い出を振り返る映像と、現地に駆け付けたファン・応援団による応援歌。もしかしたら夢半ばでの帰国かもしれない筒香さんも、この光景を前にしては未来を見るほかないでしょう。ここには待ってくれていた人がいて、ともに叶えたい夢がある。優勝、日本一、やり残した仕事がまだある。「鳥肌が立っています」「ベイスターズで優勝するという思いが日本でプレイするモチベーション」「25番を空けて待ってくれていたことに感謝してもし切れない」と語る筒香さんはもうすっかりハマの男の顔をしていました。

フォトセッションでは何故かユニフォームの背中を見せることを執拗に記者団から求められ、三浦大輔監督が正面を向いて、肝心の筒香さんは後ろを向いているという謎ポーズになったことも含めて、和やかで楽しい復帰会見でした。ぜひ、今後メジャーから復帰される皆さんは「首を180度回して背番号を見せながら顔をカメラに向けられる」ようにしておいてほしいなと思います。メジャーのトレーナーとかにガチで頼めばできるんじゃないかなって気がしますからね。首の可動域もメジャー級でお願いします!

↓それぐらい背番号25への思い入れが本人と球団とファンにあるということで!


さて、復帰会見を微笑ましく見つめていた僕のもとに、ベイスターズからの粋なお知らせが届きました。何と、筒香さんの復帰を祝ってゴールデンウィークを含む5月6日・8日の試合で特別なチケットを販売するというのです。その名も「おかえり225割」。ビジター外野を含めて、すべての立ち見席をツツゴーさんにちなんだ「225円(ツツゴー円)」で販売するのだとか。

これには急遽自分たちのエリアにも激安席が設けられたヤクルトファンもニンマリ。首都圏のプロ野球ファンが亡者のように225円に群がり、一時販売サイト「ベイチケ」がつながりにくくなったほどです。ご多聞に漏れず僕も失われしベイスターズIDを遺跡から発掘し(※あんまり使ってないので忘れたの意)、ベイチケへと急ぎました。するとそこには確かに225円チケットが販売されているではありませんか。「マジかよ!西武百貨店のご声援感謝セールなら2250円(ツツゴォー円)で売るところだぞ!」と興奮しながら爆速で購入を進めました。

↓おかえり225割、買えました!
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↓確かにチケット代は225円です!手数料が110円かかったけど!
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手数料入れたらミミゴーじゃん!

225円の発券手数料で110円って急に高く感じるわ!

思ってた金額より49%も値上げされた気分です!



ゴールデンウィークの予定も見ずに夢中で買ったチケット。販売開始から間もなく、225円の立ち見席は早々に売り切れとなりました。そしてふと我に帰ったときに思ったのが、「アレ?タダ券より高いな?」ということ。プロ野球を含めてJリーグやBリーグなどさまざまなスポーツエンタテインメントでタダ券を配っていますが、そっちは完全にゼロ円なのにいざ応募するのは億劫だったりします。それが何故か225円で売ると言われたときに「今すぐ買え!」という異様な興奮を覚えたことが、今さらながらに不思議になりました。

実際にタダ券をいただく機会もまれにあるのですが、タダ券をもらったときには感じない高揚感とか興奮とかがこの225円チケットには確かにありました。それを自分なりに分析すると、タダで配り始めた瞬間に「それはタダのもの」と認識してしまうのかなと思いました。本来なら2000円とか3000円するものがタダになるわけですから2000円とか3000円得をする話のはずなのですが、タダで配られている瞬間に「タダのもの」という風に意識がすり替わってしまうのかなと。ティッシュを配っているときの感じで。

その点でこの225円チケットは、販売サイトで225円という表示が出て、残りの座席を客同士で奪い合いながら、異例の安さで「買った」という手応えがありました。「タダのものをもらった」のではなく「異例の安さで買った」という意識だったように思います。そして、その見慣れない価格での購入という珍しい出来事が、本当に得をした金額以上に脳を興奮させてしまったのかなと(※もとは1600円とかのチケットなので大して得をしているわけでもないのに)。

「ワケあり品」がよく売れるのと似たような感じで、もしかしたら何らかのそれっぽい理由があったうえで異様に安い金額設定で売ったら、消費者の脳が勝手に興奮して、猛然と買い向かってしまったりするのかもしれません。確かに「GWは12万名にタダ券配布!」って言われると「全然客が入ってないんだな!」「遠いからタダでも行かない!」「どうせすぐまた配るだろ!」と思いがちですが、「先着12万名まで100円で販売!」って言われたら「よくわかんないけどなくなる前に買っとけ!」ってなる気がしますからね。

そして、タダでもらったものであればよしんば手元で握り潰したとしても損した感じはしませんが、たとえ225円でも手出しがある場合は「使わないともったいない」という気持ちになります。ポイントサイトで期間限定の1ポイントが消えるとき、異様に損した感じがするのと同じように。「異様に安い金額で脳をバグらせて、冷静になったあとも損をしたくないので会場に足を運ばせる」手法として225円チケットは優れた手法だなと思いました。

大っぴらに売ると、いつも2000円のチケットを買っている人が買い換えるだけになってしまいそうなので売り方にはひと工夫必要でしょうが、ぜひ各方面でも参考にされるといいのではないでしょうか。「このメールを受け取った方限定!100円チケット先着販売!」とか言われたら、タダ券送りつけられるより興奮しそうな気がしますからね。わかんないけどすぐ買え!ってなりそうで。空席を遊ばせているプロ野球さま、Jリーグさま、Bリーグさま、その他各種プロスポーツ興行主さま、先着100円チケット販売のお知らせお待ちしております!

↓タダ券より高いのに、タダ券より嬉しいという不思議な体験でした!

タダで配ってるのはそこそこ見るので慣れたけど、「異様に安い」は見慣れてないぶん脳がバグりました!

よくよく考えたらタダより高いのに!

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