... 宗教論にくらべれば、宗教必要論の筆勢は弱かった。福沢は、宗教が「理窟に適はざる所」があるという理由で一概にそれを排斥 ... 片輪の時代に適したる教なれば、世の中に片輪のあらん限りは其教も甚だ入用なり、酔狂立小便にポリス、夜盗に犬、いくじなし愚民 ...
... 宗教論にくらべれば、宗教必要論の筆勢は弱かった。福沢は、宗教が「理窟に適はざる所」があるという理由で一概にそれを排斥 ... 片輪の時代に適したる教なれば、世の中に片輪のあらん限りは其教も甚だ入用なり、酔狂立小便にポリス、夜盗に犬、いくじなし愚民 ...
... 片輪のあらん限りは其教も甚だ入用なり。......馬鹿と片輪に宗教、丁度よき取合せならん。」(『全集』 2 巻二三二ページ)という表現を借りると、いまや福沢は、一般大衆にたいしては、「独立の気力」啓蒙路線から「馬鹿と片輪」の宗教啓蒙路線に転換した ...
... 宗教の外に逍遙す自から頼む能はざる者は他を頼むこと必然の勢なり。即ち他人の信心と云ふ。往古片輪の時代に適したる教なれば、世の中に片輪あらん限りは其教も甚だ入用なり。馬鹿と片輪に宗教、丁度よき取合せならん『宗教の説』明治一四年頃、全集二〇 ...
... 片輪の時代に適したる教なれば、世の中に片輪あらん限りは其教も赤甚だ入用なり。馬鹿と片輪に宗教、丁度よき取合せならん『宗教の説』明治一四年一二月、全集二〇巻二三二二頁)。こうした無信仰の態度からは、ふつう二つの違った態度が導かれてくる。一 ...
... 宗教は精神の「片輪」、「愚民」のものであり、福沢の如き自立心ある賢者のものではない。しかし「愚民」あるかぎり宗教は ... 馬鹿と片輪に宗教、丁度よき取合せならん。(「宗教の説」 )といい、本来我輩は宗教心に乏しくして曾て自から信じたることなし ...
... 宗教を小馬鹿にした放言であるが、これが福沢の本音だったのである。合理主義者の彼から見れば、神道だらうか、仏教だらうが ... 片輪の時代に適したる教なれば、世の中に片輪のあらん限りは、其教も亦甚だ入用なり。酔狂立小便にポリス、夜盗に犬、いくじ ...
... 片輪なり。神仏なり、耶蘇なり、往古片輪の時代に適したる教なれば、世の中に片輪のあらん限りは其教も亦甚だ入用なり。酔狂立小便にポリス、夜盗に犬、いくじなし愚民に暴政府、馬鹿と片輪に宗教、丁度よき取合せならん」* 35 。宗教はただ人間の幼い ...
... 片輪」と考えた福沢は、「馬鹿と片輪に宗教、丁度よき取合せならん」という、自らは信じない宗教による百篇をこす民衆教化の宗教振興論を主張した人物である。また福沢は、『帝室論』において、天皇制の本質を「愚民を籠絡する・・・欺術」であると見事に ...
... 宗教世界に逃避することを勧めるように変わったのである。五年後の「馬鹿と片輪に宗教、丁度よき取合せならん」という侮蔑的な彼の表現をつかえば、これはまさに「馬鹿と片輪」の宗教啓蒙路線と表現できよう。福沢は自らは信じない宗教を民衆支配の「経世 ...