米国の力が相対的に低下している。
オバマ大統領に代わって政治経験ゼロの不動産王ドナルド・トランプ氏が大統領の座に就いた。
大統領選中に掲げた「米国第一主義」と「偉大な米国」を錦の御旗に、内政外交の舵を大きく切った。
東アジアでは、北朝鮮の挑発行為に対抗して軍事力を誇示。緊張を高める政策を取る。一方、欧州では、防衛費の分担をめぐって、北大西洋条約機構(NATO)加盟国との関係をギクシャクさせている。政権発足早々に中東諸国を歴訪したが、イスラム教過激派組織によるテロの撲滅につながる糸口をまったく掴めていない。
転換期を迎えた米国が今後どう出るかは、日本にも重要な影響を及ぼす。日本にとって米国の後ろ盾は欠かせない。これまでにも増して米国政治の動向を注視する必要がある。
米国に拠点を置いて25年のベテラン・ジャーナリスト、高濱賛氏が米国政治の最新の動きを追う。