朝鮮半島情勢を軸に、アジアのこれからを読み解いていくコラム。著者は、朝鮮半島の将来を予測したシナリオ的小説『朝鮮半島201Z年』を刊行している。その中で登場人物に「しかし今、韓国研究は面白いでしょう。中国が軸となってモノゴトが動くようになったので、皆、中国をカバーしたがる。だけど、日本の風上にある韓国を観察することで“中国台風”の進路や強さ、被害をいち早く予想できる」と語らせている。
シリーズ
早読み 深読み 朝鮮半島
完結
全155回 完結
韓国はレミングの群れだ
韓国は革命状態にある。2017年5月の大統領選挙で勝利、政権を握った左派はわが世の春を謳歌するかと思われたが、左派の中で親北派と非北朝鮮派の戦いが勃発。保守は保守で朴槿恵派と反・朴槿恵派に分かれて抗争中と、国が四分五裂する中で違法デモが日常化し、秩序が急速に破壊されている。
「現場の嫌がらせ」では済まないレーダー事件
自衛隊機へのレーダー照射事件で、韓国が説明を変える。「遭難漁船を救助中だった」との説明にも疑問符が付く。遭難海域には海洋警察の警備艦がいた。北朝鮮の漁船を助けるためにわざわざ駆逐艦が出動したという説明は、あまりにも不自然だ。
半島がまた、きな臭くなってきた
米朝合意が崩れた。北朝鮮が核を放棄する代わりに米国は北朝鮮の体制存続を認めることでも合意したが、朝鮮は核を放棄するつもりなどなく、それを米国も認識したからだ。朝鮮半島に再び緊張感が走る。
IMF危機を思い出す韓国人
韓国人は今、1997年の通貨危機を思い出す。資本逃避が始まるなか日米との関係が悪化し、金融の命綱を失うというのに政権は手をこまねき、政界は抗争に明け暮れる――。21年前とだんだん似てきたからだ。
「米韓同盟消滅」にようやく気づいた韓国人
韓国に駐在するハリス米国大使が「米韓同盟がいつまでもあると思うな」と韓国に警告した。11月26日にソウル市内で開いた「2018年統一貢献大賞」授賞式での発言に、韓国の親米保守は驚愕した。
「言うだけ番長」文在寅の仮面を剥がせ
朝鮮日報が11月7日に興味深い論説「政権、非難ばかりせず自分でやってみろ」を掲載した。東京特派員や論説委員を歴任した鮮于鉦社会部長によるもので、慰安婦合意は事実上破棄したが、日本に対してはそう要求しない文在寅大統領に対して「言うだけ番長」と難詰したのだ。
文在寅政権は「現状を打ち壊す」革命政府だ
文在寅政権は革命政権だ。国内外を問わず、気にくわないものは全て破壊する。10月30日の韓国最高裁の「徴用工判決」は、「日本の上に君臨する」ことを宣言する“革命的”なものだった。
新日鉄住金が敗訴、韓国で戦時中の徴用工裁判
韓国の大法院(最高裁判所)は30日、新日鉄住金に戦時中の韓国人徴用工4人に対する賠償金を支払うよう言い渡した。国交正常化の際の基本的な合意を覆すもので、日韓関係は「無法」状態に突入した。
北朝鮮と心中する韓国
韓国の文在寅大統領は10月13日から21日まで欧州を歴訪、主要国首脳に北朝鮮に対する制裁の緩和を求めた。だが完全に無視され、米韓関係をますます悪化させただけだった。
「言うことを聞け」と文在寅を叱ったトランプ
トランプ大統領は10月10日、ホワイトハウスで記者団に対して「韓国は米国の承認なしに何事もできない」と語った。「承認」という表現に韓国国内からは「属国扱いされた」と反発の声が起きている。
中国との冷戦を宣言したペンス副大統領
米国のペンス副大統領が10月4日にワシントンのハドソン研究所で講演し、「邪悪な中国共産党」との戦いを国民に呼びかけた。中国を「米国に挑戦する国」と決めつけたうえで「大統領と米国人は後ろに引かない」と国民に訴え、中国とはともに天をいただかないと言い切ったのだ。
「北朝鮮の使い走り」と米国で見切られた文在寅
文在寅大統領は9月下旬にニューヨークを訪問、トランプ大統領と会談したほか、国連総会で演説を行い、テレビの取材などにも対応した。米国と北朝鮮の間を取り持つのが狙いだったが、「文在寅は金正恩の代弁人」との印象を深めてしまった。
米国は通貨で韓国に「お仕置き」する
愛知淑徳大学の真田幸光教授に、朝鮮半島の行方を鈴置高史氏が聞いた。南北関係の改善を名分に対北援助に動く文在寅政権に対し、「米国は通貨で『お仕置き』する可能性が出てきた」と真田教授は読む
米国は中国をいたぶり続ける
米中貿易摩擦の行方について、アジア金融に詳しい愛知淑徳大学の真田幸光教授に鈴置高史氏が聞いた。米国は引き上げた関税について中国が何をどう譲歩したら元に戻すのか、明らかにしていない。「これは貿易摩擦ではなく、覇権争い。『おとしどころ』などない」と真田教授は見る。
北朝鮮の核武装を望む韓国
文在寅政権の挙動が怪しい。韓国は「北朝鮮の核の傘」に入るつもりなのか。朝鮮日報の池海範記者は記事「『北朝鮮の核は民族の資産』という幻想」でそのことを明確に指摘した。韓国保守の間では「青瓦台は北朝鮮の別働隊」と考える人も多い。
「米韓同盟消滅」に焦る韓国の保守
「米国から見捨てられる」と韓国の保守が焦り始めた。韓国の保守系紙、朝鮮日報には金載千西江大学教授の寄稿「北朝鮮の非核化交渉、このまま行けば我々は中国の勢力圏に編入」(8月1日、韓国語版)が掲載され、日韓同盟論とも受け取れる。その背景を探った。
米中貿易戦争のゴングに乗じた北朝鮮の「強気」
北朝鮮の非核化を話し合いで解決するというトランプ大統領。交渉役のポンペオ国務長官とともに「核を手放せば経済発展を全面的にバックアップする」とニンジンを見せている。しかし、非核化の手順と同様、「安全の保証」に関しても米朝は全く詰めていない。この「安全の保証」は「北朝鮮に対し、誰が核…
米朝会談で崩壊した韓国の親米保守
トランプ大統領が米韓合同軍事演習の中断と在韓米軍の撤収に言及したことで、韓国の保守系メディアは同会談を極めて悲観的に報じた。
から騒ぎに終わった米朝首脳会談
シンガポールで開かれた史上初の米朝首脳会談は、実質的な進展なしに終わった。両首脳が合意した共同声明では米国が北朝鮮の安全を保証する一方、北朝鮮は朝鮮半島の完全な非核化に向けた約束を改めて確認したが、注目すべきは非核化に関連する3項目目だ。
「暗殺」「猫なで声」で金正恩いぶし出すトランプ
米朝首脳会談開催日が迫る中、興味深いことがある。会談が開催になったことも、日時・場所もすべて米国側が明らかにしているのだ。北朝鮮は公式報道しないことで「我々の意見が通らなければ首脳会談などしなくたっていいのだ。米国側が譲歩しろ」と迫っているとみられる。もう一つの理由は国内向けだ。