『情識』(じょうしき)は「情報化に関する常識」という意味の造語である。ソフトウエアという「見えないものに挑む」ために経営の立場から何をしたらよいか考えていく。経営者向けの本欄に加え、ITのプロ向けに『谷島の情識』を連載中。なお、情識は実在する言葉で本来の意味は「強情、頑固」である。
シリーズ
経営の情識
完結
全11回 完結
勉強不足の経営者、プロジェクトの失敗を防げず
「全世界のプロジェクトにおける損失額の合計は年間2兆ドルに達する。失敗は戦略に拠るところが大きいにも関わらず、トップエグゼクティブの多くは現場の問題だとみている」。PMI(プロジェクトマネジメントインスティチュート)のマーク・A・ラングレー プレジデント兼CEOはこう指摘する。
「IT企業、買います」「はい、売ります」
M&A(企業の合併・買収)の有力分野がIT(情報技術)だ。IT以外の企業がIT企業を買う異業種連携の可能性がある一方、M&AやITに日本企業が強いとは言い難く、課題もある。
「営業は売る人、技術者はつくる人」は時代遅れ
客先に行きたがらない技術者がいる。だが、「営業は売る人、技術者はつくる人」という役割分担ではうまくいかない。
経産省の中野剛志課長へ、良い知恵があります
6月6日から受付が始まった「コネクテッド・インダストリーズ税制」は異例の大盤振る舞いであり、利用しない手はない。ただし、従来のやり方を変えずに情報システムを導入しても失敗する。
再び実感「日本の中高生はやはり凄い」
「10年後の日本のため、LNG(液化天然ガス)を最も安く調達せよ」。この任務を課せられた中高生43人が調達計画づくりに取り組んだ。エネルギービジネスのプロフェッショナルが助言役になったが、中高生はプロをたじろがせる質問を繰り出しつつ、調達計画を仕上げていった。
“シンギュラリティ信奉者”の翻意が難しい訳
AI(人工知能)が人間を超え、世界が一変するという「シンギュラリティ(特異点)」は錬金術や永久機関の類である。だが、真顔でその到来を語る人がいる。彼らをどうすれば翻意できるだろうか。
最も使われているパスワードはいまだに123456
情報システムへ入るカギに当たるパスワードが日本の企業や政府機関から大量に流出している。こう指摘した調査報告がある。しかも「123456」といった危険なパスワードを使っていた人が多かった。
プロジェクト失敗の理由、15年前から変わらず
情報システムを開発し、導入するプロジェクトの成功率はどのくらいか。この疑問に答えるため、専門誌日経コンピュータは2003年から調査を始め、2008年と2018年にも実施した。3回の調査によって成功率がどう推移したか、失敗の理由は何か、といったことが明らかになった。
ITの新語と略語を見たら眉に唾を付けよう
欧米で生まれた技術を日本に持ち込む際、厄介なのは言葉である。片仮名の新語や略語の乱用が酷いのはIT(情報技術)関連だろう。ITの新語と略語を見たら「本当に新しい話なのか」と眉に唾を付けて読む必要がある。
日本の難題、「見えないものに挑む」
ソフトウエア、アーキテクチャ、コンセプト、ブランド。いずれも眼に見えない。あるいは見えにくい。だが、これらの「見えないものに挑む」ことこそ、日本にとって喫緊の課題である。
奇跡が起きるか、電力自由化のシステム準備
奇跡を目撃できるかもしれない。それは電力小売りの全面自由化に不可欠な情報システムの準備が間に合うことだ。東京電力から中核システムを請け負った三菱電機は4月の自由化へ向け開発に全力を挙げる。奇跡が起きる条件は何か。