宇宙に興味がある人は多いですが、人類が実際に宇宙で行っていることや、その意味や意義を把握している人は少ないです。宇宙開発は「人類の夢」や「未来への希望」だけではなく、国家の政策や経済活動として考えるべき事柄でもあります。大手メディアが触れることの少ない、実態としての宇宙開発を解説していきます。
シリーズ
宇宙開発の新潮流
完結
全32回 完結
エアレースの王者室屋氏が語る福島と航空の未来
レッドブル・エアレースの世界チャンピオンという、スカイスポーツの世界的ヒーローとなった室屋義秀氏は訓練の拠点を、福島県福島市にあるふくしまスカイパークに置いている。アメリカに比べ不利な日本にホームベースを設けた理由は何だろうか。
地球の上で快哉を叫んだテスラ・ロードスター
スペースXはテスラ・ロードスターの磨き上げられた赤い表面に地球が写る、大変印象的な、また挑発的な映像を、ネットを通じて配信した。「なにをぐずぐずしている。人類はこれだけのことができる力を持っているのだ」――。
北朝鮮のミサイル、“目標”はあくまで米国
この経路は、「日本への刺激を最小限にするために、陸上を避け、津軽海峡を飛ばした」と見ることができる。実際、北朝鮮が、日本への示威行為を目的とするならばIRBMを使う意義は薄い。より直接的なノドンを使うべきなのである。
「いずれワシントンD.C.がICBMの射程に」と圧力
じわりと緊張が高まったことは間違いない。北朝鮮は5月の火星12号で、米軍が展開するグアム島を射程に入れた。今回の火星14号は最低見積もりでもぎりぎりアラスカに到達し、最大見積もりではアラスカ州のほぼ全域を射程に収めることになる。
新型ICBMで見えた、北朝鮮の強かな技術開発
火星12号から見えてくるのは、一見「北朝鮮のエンジン技術はまだまだ低い」ことのようだが、それは正しくない。「北朝鮮は、手持ちの技術をうまく組み合わせて目標を達成する技術的戦略性を発揮している」と見るべきだ。
北朝鮮、パレードで見せたハリボテICBMの意味
発射実験が最近相次いだことから、メディアの報道はSLBM(潜水艦から発射する弾道ミサイル)に集まっているが、最も注目すべきは、射程1万km級と目される新型の大陸間弾道ミサイル(ICBM)が登場していることだ。
スペースX、ロケット「再利用打ち上げ」に成功
イーロン・マスク率いるスペースXが、また宇宙開発の歴史に新たな一歩を刻んだ。ロケット第1段再利用の成功である。次なる焦点は「打ち上げ価格が低減できるなら、何回の再使用が可能で、どこまで引き下げることができるか」だ。
北朝鮮のミサイル、固体推進剤で脅威度急上昇
「北極星2号」の実験成功で、朝鮮半島の情勢は新しい段階に入ったと考えねばならない。今回は「ロケット開発」の視点から、この事態に至るまでを振り返ってみよう。
スペースX、ITベンチャー流の危機回避策が奏功
フロリダの射点上で打ち上げ前の試験中だった「ファルコン9」ロケット29号機が爆発してから4カ月半、1月14日に30号機の打ち上げが成功し、スペースXは顧客をつなぎ止めることにとりあえず成功した。
世界最小の衛星打ち上げロケット、失敗
SS-520・4号機の打ち上げ失敗にどう対応するかが、急速に変化しつつある宇宙輸送システムの世界的な状況に、日本が追従できるかどうかの試金石になる。単なる小型ロケットの失敗と考えてはならない。
11日朝、日本、世界最小ロケットで衛星打ち上げ
メルセデス・ベンツ1台とだいたい同じ重さの、小さな、しかし興味深いロケット打ち上げが1月11日に行われる。「SS-520」ロケット4号機による東京大学の超小型実験衛星「TRICOM-1」打ち上げだ。
日本の宇宙開発を「準天頂衛星システム」で占う
2017年の日本の宇宙開発を占う際には、ひとつ間違えれば凶に転ずるたくさんの留保を付けねばならない。その多くは「国家が行うその投資は、本当に役立つものとなるのか」だ。
イプシロン2号機の成功と「国防上のブラフ」効果
JAXAは、12月20日午後8時、ジオスペース探査衛星「ERG」を搭載したイプシロンロケット2号機を打ち上げた。打ち上げは成功し、ERGを予定の軌道に投入した。成功後、ERGは「あらせ」と命名された。
ネット人口倍増へ、孫正義氏衛星に1400億投資
12月19日、ワンウェブがソフトバンクグループから、12億ドル(1ドル117円換算で1404億円)の出資を受けると発表した。ワンウェブは、700機以上の周回衛星を打ち上げて全世界どこからでもネットへの接続を可能にしようと動いている企業だ。
宇宙活動法成立で「護送船団大遭難」の危機?!
現在開催中の第192回国会で、宇宙開発に関する2つの法案が可決、成立した。が、宇宙活動法は「これこれをするにあたって、あれをしてはいけない、これをしてはいけない」という、国による事業の規制を主軸に起草されている。
中国の管制室は“黒髪ふさふさ”
中国の宇宙開発がひとつの峠を越えた今、若い技術者の中から、宇宙ベンチャーを起業する者が現れ始めた。長征の技術的成果に驚いている場合ではない。開発で鍛えられた若い世代の起こす中国の宇宙ベンチャーが、日本のライバルとなるのだ。
中国が宇宙で見せた技術力と“商売上手”っぷり
今回の長征5の成功は、単に次世代のラインナップがそろったというだけではなく、中国の宇宙技術が世界最先端レベルにまで高度化していることを世界に示すものとなった。この初打ち上げでは、新規技術、そして新規技術の片鱗がいくつも姿を現したのである。
イーロン・マスクの「超先読み×本気全開」経営
9月27日に米スペースXのイーロン・マスクCEOが発表した有人火星船「インタープラネタリー・トランスポート・システム」は、米国の宇宙政策に大きな影響を与える可能性がある。
姿を現したイーロン・マスクの火星移住船
本気か、誇大妄想的構想で、ロケット爆発事故による打ち上げ中断状態にあるスペースXのイメージを回復させようとホラを吹いているのか。構想を子細にみていくと、イーロン・マスクが本気も本気であることがわかる。
ベゾス、ロケットでも「アマゾン流」?
文字通りの青天の霹靂だった。9月12日、米ネット流通大手アマゾンのジェフ・ベゾスCEOが率いるブルー・オリジンは、突如、新型ロケット「ニュー・グレン」を発表した。そして青天の霹靂だったのは発表タイミングだけではない。