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2月5日


自慢ではないが、自分は想像力が豊かな方だと日頃から思っている。

普段僕はそれを武器に、日々のたわいもない出来事や、昨日のストーリーやバトンの返答を
ここに綴っている。はたまたそれによって一人の時間を暇と思うこともなく過ごすことがで
き、もっと言えば、僕の手にかかれば2分のサンプルムービーを2時間の完成作品に仕立て
上げることも可能だ。(これは僕の早漏に所以するものではない。)(いや、そうかもしれ
ない。)

しかし最近、正しい記憶がその想像によって書き換えられていることに気がついた。

人は人にまた別の人をどんな人か説明する場合、その人柄が良くわかるような小話をする。
そしてそれは僕と僕の兄に当てはめてもそれは成り立つはずで、その話というのは「うちの
兄は、トイレを我慢するのが好きで、小学校からの下校中いつもトイレを我慢しながら帰っ
ていたのだが、それをしすぎて膀胱炎になった」というものであった。

そして最近兄と接する機会が多くなり、その話をしたのだが、兄は怪訝な顔をしてそんなわ
けがないと言った。僕は僕で、この話を聞かせてくれた母の顔まではっきりと覚えていた為、
もう気分は地動説を主張するガリレオガリレイである。しかし当の本人である兄が違うと主
張しているのだから、ガリレオガリレイは地球本人から「俺、動いてないっすよー」と言われ
ているようなもので、弾圧されても何ひとつ文句は言えないはず。つまりは僕の記憶が置
換されていたのだった。当時の自分の「兄がトイレ我慢するのが趣味で、それがきっかけで
膀胱炎になる人だったら面白いのになぁ」と描く想像力には、我ながら恐れ入る。

具体例はもうひとつある。最近テスト中ということもあって、aikoのDVDを見てリラック
スした時があったのだが、そこでまた自分は一つ失敗を犯したことに気がついた。七月の末
日に(URLは省略)aikoがライブで感極まって泣いて、「すごい、悲しい歌が続いちゃっ
たんで涙が出ちゃいましたね。」と言って、僕が自分で作ったくせに!とオチをつけた日記
があった。なんと、aikoはそんなことを一言も口にしていなかった。実際口にしたのは、「悲
しいナンバーをお届けしました。」嘘の転に対して自分は本気でオチをつけてしまっている
為、七月末日の日記の存在意義は小指の甘皮ほどもなくなってしまった。地球にキッパリ否
定されたガリレオガリレイは、太陽からも「回ってんの、俺っす」とダメ押し。



それでも、頭は回ってる。





2月4日


鵜狩さん3

午前七時。鵜狩さんは会社員時代の早起きの癖が未だ抜けずにいた。こう見えても鵜狩さん
は、うっかりした時以外は会社に遅刻したことがないのを自慢にしていた。それにも関わら
ず周りの社員から遅刻魔のレッテルを貼られていた事実は、鵜狩さんのおっちょこちょいさ
を物語っていた。しかし、今はもう遅刻の心配はない。なぜなら、会社はもう辞め、就職活
動も諦めかけているからだ。

鵜狩さんは一人ぼうっとテレビを見ていた。テレビではエレクトーンのお姉さんと、キャラ
クターであろうウサギが笑って時刻を告げた後、元気に「いってらっしゃい!」と言った。

「どこに!!」

鵜狩さんはやり場のない怒りに駆られていた。姿見をふと見ると、赤い目から涙を流す自分
が映っていた。

「やれやれ、俺もウサギだな」

鵜狩さんは、ウサギは寂しすぎると死ぬという話を思い出すと、また涙を流した。



鵜狩さんの気持ちが落ち着いても、まだテレビは「おはよう朝日です」を映し続けていた。
その番組は関西ローカルで、看板アナウンサーがフリーになっても未だ続けられているほど
の人気番組で、長寿番組だ。テレビには美味そうなカレーが映っていて、気分どん底の鵜狩
さんも流石によだれが出た。VTRが終わった後、レポーターがクリップでそのお店の場所
と、合言葉としてその番組を見たと言えば、690円のものが500円になると伝えた。

鵜狩さんは、少しだけ前向きな気持ちになり、そのお店に行くことにした。勿論、美味しそ
うだった、お金が浮くという理由もあったが、鵜狩さんは何か自分を変えてくれるような気
がした。それも初めは迷っていたのだが、番組最後の占いで「外に出て吉」という助言を見
て、鵜狩さんは強く決心したのだった。



鵜狩さんはカレー屋さんで甚く感動していた。そのカレーは大変美味しく、それに加えて人
を前向きにさせる何かを備え持っていた。鵜狩さんは、会社員時代の自分に戻れたような気
がした。明日からまた就職活動頑張ろう、そう決心した。今の自分を面接官が見たら、絶対
採用してくれる。鵜狩さんはその自信と共に、店を出ることにした。

店員「ありがとうございます、690円になりまーす。」

鵜狩「すいません、500円になるって聞いたんですけど?」

店員「あ、テレビを御覧の方ですね、合言葉をどうぞー。」

鵜狩「”おはスタを見た”」



店員「690円になりまーす。」




1月18日


  3.引き出しからドラえもんが出て来た。

友達からもらったバトンの第三弾である。

余談であるが、僕は高校の文化祭でドラえもんの劇をやったことがある。題名は「ドラえも
んとのび太の球技大会〜少林寺で痩せよう〜」だったと記憶している。文化祭の委員会に提
出する時点ではサブタイトルにもあるように少林寺もあったのだが、本番一週間前に奇跡の
大どんでん返しがあり、台本が骨組みを残して全て変わった為、結局少林寺は劇からは一番
遠い存在となってしまったのであるが、笑いもわりととることが出来て大成功であった。そ
れにも関わらず、僕らが文化祭でとった賞は、ポスター賞だけであった。僕が日本の体制に
異議を唱え始めたのはこの頃からと記憶している。



久しぶりに爪を切ろうと思い、引き出しを開けると、青い球面のみが引き出しの底いっぱい
に広がっていた。その青い球面は引き出しの奥からこっちに向かってガシガシと追突してき
ている。僕が怪訝な顔でその非現実的な力学現象を見ていると、その青い球面はこっちに気
づいたらしく、こう言った。

「僕、ドラえもん!」

僕は理解した。その青い球面はドラえもんの頭部だったのだ。ドラえもんの頭部は129.3cm
であるということを踏まえれば、その球面の直径はおよそ41.2cmである。僕の家にはそれ
がすっぽり入るような引き出しはなく、文字通り頭をのぞかしていたのである。しかし、こ
の引き出しからドラえもんが出てきたということは、その引き出しに入っていた、爪きり、十
得ナイフ、ゲームボーイアドバンスまでもが四次元の彼方へと葬り去られたわけである。

そのドラえもんの道徳をわきまえない言動に憤りを感じた僕は、その青い球面をガシガシと
蹴り始めた。落ちそうになったドラえもんは、手である白い球体を引き出しの淵にやり、今
にも落ちそうな状態で、もはやクリフハンガーである。僕は蹴るのをやめ、タバコに火をつ
け、その火で白い球体に根性焼きをし始めた。するとドラえもんはこう言った。

「あれでもない!これでもない!」

どうやらドラえもんはこの状況を打破できる道具を探しているらしい。動揺したドラえもん
が、目当て以外の道具をほとんど四次元へと捨てていっているの目に浮かぶ。そうしている
うちにも僕の道具はタバコからロウソクへと変わり、ドラえもんの手は既にロウで球体では
なくなっている。



途中、僕はただロウを垂らすことでは鬱憤をはらせず、ドラえもんの手というキャンバスに
ロウという筆でアートを作ろうと思い立ち、作品No.1「凱旋門」を完成させた。しかし、や
はりロウを垂らすことで芸術を表現するのは至難の業で、どうも微細な部分を上手く描けな
い。微細な部分を表現しようとすれば、どうしても凱旋門の体積を大きくしなければならな
い。ああでもない、こうでもないと思っている最中、ドラえもんの方に動きがあった。

「あった!スモールライト〜!」

どうやらドラえもんは、自分を小さくして引き出しから出ることを考えたらしい。スモール
ライト以外の道具を全て四次元空間にほっぽりだしておいて、元に戻れるのかという疑問は
雀の涙ほども持たず、自分にビームを浴びせるドラえもん。次第に小さくなるドラえもんと、
その手の上にある凱旋門。

これだ!



1月17日


昨日風邪を引いた。

僕はあまり寒さを感じない体質なのであるが、今年は例年より寒いこともあってか、寒い。
うん、寒い。例年ならば一年に一回風邪を引くか引かないかなのであるが、今年の冬は早
くも二回目である。

いつもなら自然治癒力に任せるか、その自然治癒力を高める踊り(我が家にゴダイゴ天皇の
時代より伝わる)をして治すのだが、今はテスト前であるし、何より今は2006年である
から、そのような時代錯誤に頼ってはいられない。というわけで、病院午後の部は5時ぐら
いからという噂を小耳に挟んだので、大学の診療所に行くことにした。

それにしても、朝計ったときは38度5分だったのだが、この熱でこんなに元気なのは初め
てである。昼飯だって、パン4つ食ったからね。すごい食欲があるんですよ。それで、診療
所に行って体温測ったら、なんと36度7分でした。医者が「君本当に熱?」みたいなこと
言ってきたから、「日中は元気なんです!」って答えたからね。それで医者もふんふんそう
かって言ってたからね。

その後、お金を払ったのだが、1167円だった。僕は大きいのしかなくて、10167円
だしたのだが、事務のおばちゃんが、5000円札2枚と、1000円札2枚を僕に返して
くれた。僕が、「え?お釣多くないですか?」という顔をすると、おばちゃんは「ごめんね、
2000円札2枚も入ってて」と言った。そう、5000円札2枚じゃなかったのだ。僕は、
前の彼女を思い出した。彼女が2000円札ばっかり持っていたので、「なんで2000円
札ばっかり持ってるん?」と聞くと、彼女は「お父さんの仕事柄」と答えた。そんな仕事って
、小渕しかありえない。

お金を払ったら、おばちゃんに「隣の薬局行って」と言われたので、そこで処方箋を渡した。
ここには何回も来たことがあったから、薬が出るまでにかなり時間がかかることはわかって
いたので、ウォークマンを取り出した。母からお年玉として、槇原全曲を貰ったのでそれを
聞いた。その中に、「PHARMACY」というアルバムがあった。その単語の意味がわか
らなかったのだが、丁度前を見ると、薬局と書いてある下にPHARMACYと書いてあっ
た。なるほど、薬局という意味か。

きっと、槇原の通っている薬局は黒人が経営してんだ。



1月15日


さて皆様開けましておめでとうございます。そして、更新空けまして申し訳ございません。
このサイトを始めてそろそろ半年が経とうとしているのですが、未だ一日の日記を書くのに
一時間弱かかる状態で、もう日記を書いていることを日記に書けるのではないかという按配
でございます。その日記を書いていることを日記に書いていることをまだ日記として書ける
かもしれません。

てなわけで、そろそろ半年に一回の大行事期末テストが控えているわけで、僕もこりゃテス
ト終わるまで更新はないなとか思っていたんですが、あろうことかバトンがもう一つ回って
きたわけですよ。僕まだ一個目のバトン書いている途中ですよ。まだ二つしか質問に答えて
ません。200メートルのトラックのはじめのコーナー部分で、仲間からバトンをもう一つ
渡されたら僕はこれ渡された分だけトラック回らないといけないじゃないですか。というわ
けで、今回貰ったバトンをさくっとやっていきたいと思っています。早く、普通の日記を書
きたい。普通の日記書きに戻りたい。



1、PCもしくは本棚にはいってる【食べ物】

これはそのままおかずとして解釈してもよろしいんでしょうか。

      
2、今妄想してる【食べ物】

メントス。


3、最初に出会った【食べ物】

馬刺し。家が厳しかったもんで。


4、特別な思い入れのある【食べ物】

フライドポテト。これは僕の中の好きな食べ物ヒエラルキーで、頂点に近く位置するもので
(動物で例えるならば、ライオン。トラはうどん)、これを最初に作った人に花束を贈って
あげたい。白いバラ30本と、その中心に赤いバラが一つだけあるような、示唆的なものが
いい。別に深い意味はないけど。

ちなみになぜ思い入れがあるかというと、嫌いなほうの姉と一番好きな食べ物の話をしてい
て僕がこれを言ったときに、お前は味音痴だと言われ、本気でケンカになった。そこが自分
の実家だったから良かったようなものの、もし韓国領事館の前だったならば、明らかに警官
が止めにくるような大ゲンカであった。ちなみに嫌いな方の姉は、嫌いじゃないほうの姉と
ケンカしたとき、そのとき丁度夕食がしゃぶしゃぶで、しゃぶしゃぶしていた肉を投げつけ
られていた。このことからもわかるように、嫌いな方の姉はかなりの食通で、今では僕は味
音痴であることを認めていて、あの時どうしてフライドポテトのことでカッとなってしまっ
たのかと思うと、やるせない。

5、バトンを回したい5人

ジョージウォーカーブッシュ(久しぶりにあの頃のアメリカンジョークが聞きたい)

ジョージハーバードウォーカーブッシュ(息子とどっちが面白いか知りたい)

ヨネスケ(舌が肥えた人の意見を聞きたい)

ラッキー池田(久しぶりに見たい)

アンジョリーナジョリー(名前が面白い)


皆ヨロシクね☆



12月30日


  2.歩いていたらサインを求められた。



さて、バトンの二つ目である。

まず、補足説明であるが高校二年生までは角度というのは90°とか180°だとか円一周を
360に分割した単位で習わされるが、高校三年生から理系に進むと円一周を2πで割ったも
のが単位となる。これをラジアン単位という。こう考えてみると、この問題は簡単に見えて、
相当厄介な問題である。まず、相手の性別によって場合わけする必要がある。


@相手が男性の場合
まず相手が男性の場合は明らかに0パイなので、サインも0である。乳首があるのに0πだと
考えていいのかという方がいらっしゃるかもしれないが、これは高校の範囲というよりも数学
の範囲を超えてしまっているので、深く考えずに覚えてしまったほうが得策です。

男性は乳首があっても0パイ


A相手が女性の場合
ここでよく間違う人がいるのですが、相手にカップ数を聞いてはいけません。AカップとIカ
ップを同じ2パイにするのが納得できない人がどうも多いようです。しかしこう考えてみると、
きっと納得できると思います。その女の人が何カップであれ、その伴侶である男性にとっては
それは立派な2パイであるからです。もしかしたら、それは2を超えたもっと大きな意味を持
つかもしれません。これでもまだ納得いかない人は、こう考えてみてください。その女の人が
何カップであれ、それをたずねることは立派な犯罪です。よって、この場合もサインは0です。

女性は何カップであっても2パイ


B相手がオカマの場合
この場合、ミスよりももっと気をつけて欲しいことがあります。まず、相手が豊胸手術を施さ
れているかを聞かなければならないのですが、その場合決して相手と目を合わせてはなりませ
ん。もし貴方もその気があるのであれば全く問題はありませんが、その気でない場合夜という
深海に引きずりこまれる可能性があります。ここで、相手が豊胸手術をしている場合もそうで
ない場合もサインは0ですが、もしかしたら片方だけ施している場合もあるので、勇気を出し
てたずねましょう(ちなみにこの場合もサインは0です)。


C相手がもはや人間でもない場合
乳房の数は動物によって多種多様ですので、ここは遠慮せずに見せてもらいましょう。オスの
場合は明らかに0ですが、メスの場合は慎重に何パイか数えてください。ここではnパイとし
ます。ここで、サイン関数はパイの整数倍であると0である性質があるので、ここでもサイン
は0です。


全部0。



12月29日


  1.理想の女(男)が記憶喪失で落ちている。



さて、これが友達から回ってきたバトンの序章である。

まず自分の理想をはっきりと固めておかなくてはなるまい。まず年齢は少し上がいいので35歳
といったところであろうか。しかし肌年齢は15歳という、自分と自分の年齢差20歳という
女性が理想である。この年齢でこんなに綺麗だったら、昔はどんなに綺麗だったんだろうと思
えるような方に引かれる傾向がある。彼女が20歳の時は肌年齢0歳で文字通り赤ちゃんのよ
うなプル肌であったに違いない。そして、その19歳までは無菌状態で育ったであろう彼女が
道端に記憶喪失で落ちている。ここでどの程度記憶を失っているかという疑問がわきたつが、
僕が何度もパソコンをリカバリーしてきたように、彼女は全く記憶がないという状態を想定す
る。あるのは、マイコンピュータのみ。

そうしたら僕はとりあえず、彼女を家につれて帰るだろう。そして僕は大皿にミルクをひたひ
たに入れて彼女に差し出す。ここ数日何も口にしていなかったであろう彼女は無我夢中でその
ミルクにかぶりつく。そしてやはり、有識な女性の方が僕の好みであるので、次の日からひら
がな、カタカナ、漢字、四則演算、理科、加えて社会を教え始める。はじめはやはり言葉が通
じないので何を教えても身につくことはなかったが、やがて色々なものに興味を持ち始め、指
数関数的に知識をつけていく。

小学校の課程が終わると、次は中学校、その次は高校の課程となるわけであるが、ここで性教
育を導入する。この性教育は大方日本人が習うものとはかけ離れた、僕が彼女を家で育て始め
たときから積み上げたストーリーである。世界にもう男子は自分ひとりしかいない、ここで自
分が子供を生まなければこの地球で人間という種が途絶えてしまう等の教育を彼女に叩き込む。
彼女を自分のものにするためである。そして、自分の家にきてから18年が過ぎた彼女は漸く
自分の気持ちに正直になるのであった。

そのとき、齢53歳。



12月28日


いやいや更新が長々と開いて申し訳ございませんでした。

これには言い訳がございまして、25日に一つだけ本テストがあったんです。一月後半から始
まるテスト群から離れた時期にあるこのテストはチャンスだと思い、日本全国の有名なお寺さ
んと寺尾さんをまわってお参りしておりました。錣山部屋では、手を合わせたところを猫だま
しと勘違いされ、豪快な押し出しを頂戴したわけだったんですが、やはりこれだけスケジュー
ルがいっぱいいっぱいだったのもやはり四国にまわるべきお寺が88箇所もあったからだと考え
ます。しかしやはりテスト当日は上々の出来でございました。これも一重に88箇所+α から
来ていただいた千手観音と錣山親方の9万を優に越える(この内100は親方の)張り手による
後押しのおかげでございます。



さてさて、僕はmixiというソーシャルネットワーキングサービスに参加していてるのですが、
お寺寺尾回りに行く前に友達から初めてバトンを頂いたわけですよ。バトンというのは質問が
大体10個ぐらい回ってきて、自分が書いたら次に書く人を指定するっていうものなんですけ
ど、僕はもう嬉しくって、どうにかこのバトンを無事にやり遂げようと思ったんですけど、僕
にはやはり大学の定めた単位系が絶対なわけですよ。そのせいで今の今までバトンを書けなか
ったわけで、今もまだかけていないわけで、もう今にも友達から「バトンをとってからが遅い」
といわれそうですよ。

む、この台詞、確か中学校のときにも。



12月15日


英語の時間で、討論をした。

その討論というのも、一人頭150単語以上で考えてきて暗記という、広く世間で言うところ
の八百長である。まぁこんな皮肉を言っても外国人教師は日本語わかりませんみたいな顔を都
合よく使う為、竹やり殺法程の意味もなさないことは身にしみてわかっているので、僕らは反
論せず、その課題をこなした。下にその内容を挙げる。ここではわかりやすく、日本語で挙げる。



「てんぷらうどんのてんぷらの食べ方について」

自分:ねぇ聞いてよ!僕はてんぷらうどんがすごく好きなんだ。

相手:おお、僕もだよ!僕はあのカリカリ感が大好きなんだ!

自分:何?僕はそうは思わないなぁ。僕はふわっと感が好きなんだよ。

相手:ふわっと感?あのふにゃふにゃが?違うよ!てんぷらうどんの美味しさはカリカリ感による
   ものだよ!

自分:たわけ者。貴公はてんぷらうどんの美味しさを5%も理解しておらんわ。もし貴公がカリ
   カリ感をenjoyしたいのであれば、てんぷらとうどんを注文すればよかろう。

(中略)

相手:Iはtempuraがget softするbeforeにwant to eat!

(略)

先生の感想:「Great!」



12月13日


※今日の日記には、卑猥かつ淫乱、加えてエキゾチックな表現が含まれますので、興味のない方は斜め読みしてください。

僕のサークルには、未だ自分を慰めたことのないものがいる。

もしもこの日記が何十年も続き、その間に僕の日記を書く技術が神の領域にまで達し、日本に
伝わる三大日記にアウト送信グが加えられ、僕の2005年7月1日の日記を日本全国の中学
生諸君が内申点を取る為暗記させられるような事態になったときの為に書くが、20世紀後半
から21世紀にかけて生きている男性にとって、自慰とは既にルーチンワークと化している。
その周期は人それぞれであるが、あるものはそれを一日、或いは週末の楽しみとしてこなし、
それの為に一日一週間を過ごしている。またあるものはそれをやっつけ仕事としてこなし、そ
れなしでは精神の再生産とでもいうべきものを上手く行えずにいる。

ましてや今の時代、自分にちょっとした嘘さえつけば、ネットの海からおかずを釣り上げるこ
とはわけもないことである。それにも関わらず、まだそれらにインスパイアされたことのない
彼は例えるならば氷山に埋もれ冷凍保存され現在にまで至ったマンモスである(これはあくま
で、化石という意味であり、別のものを比喩しているわけではない)。僕らの間では、彼がど
のようにして精神の再生産を行っているのかというのは、常に議論の核であり、ありもしない
仮説を立てるものさえ現れるほどである。

今日もサークルだったのだが、晩御飯は餃子の王将で食べることとなった。ここで、また将来
僕の日記が考古学者達の研究の対象になり、ポスト瀬戸内寂聴によって現代語訳されるような
ときの為に追記して置くが、餃子の王将とは関西を中心に広くフランチャイズ化している、言
わば中華料理の代名詞的存在のお店で、なんと言ってもその一番のお勧めは餃子である。

彼もこの餃子の王将のそれが大好きである。サークルの場からこのお店まではニキロ程はなれ
ており、皆はよく嫌がるのであるが、これは彼の一声で決まったことであるので致し方ない。
僕だけバイクであるので、勿論一番早く着いたのであるが、次に現れたのはやはり彼であった。
彼は積極的に点呼を取り、席まで早歩きで皆を誘導、そして注文するときにも「もう俺はここ
に来たときからメニュー決まってるで」と餃子二皿と炒飯を頼む彼。僕らは餃子にそれほど心
躍らせる彼と、彼をそこまで引き付ける餃子に驚きを隠せなかった。その二つの引き合う力は
僕をして、「餃子が彼を慰めているのではないか」という仮説を立たしめるものであった。

注文が通った後、すぐにでも小皿を用意して調味料を作ろうとする彼。僕らは、「まだ注文通
ったばっかりやねんし、そんないそがんでもいいんちゃう?」となだめ気味に提案すると、彼
は熱くなり「だって我慢できへんねんもん!」と言って、ボトルを少し強く押しすぎて、強く
押し出て小皿から飛び散った調味料。それはまるで、アレがアレに向かってアレするようであ
った。

∴仮説は正しいことがわかる。



12月12日


やはりこうして毎日日記を書いていると書くネタはなくなってくる。日常で何もおこらない
わけではないのだが、日記に書くほどのものではないので困る。なので自分の過去を振り返
ってあれこれ考えてみたり、炊飯器を見ながらいろいろ妄想してしまうのである。

そう考えてみると、昨日の日記は書きやすかった。いらないものが当たってしまったり、ま
たもれなくもらえるものがもらえなかったからだ。僕はいらないものを送ってくれたジョー
ジアと、もれなく当たるタバコをくれなかったJTに感謝さえしたものだ。僕は昨日書き終
えた後、久しぶりに深い眠りにつくことができた。そして今日、気持ちよく目覚め、学校に
行き、授業を受け心地良い疲労感とともに帰ってくると、あろうことかポストにはJTから
の贈り物が。

おお神様、ひどい仕打ちではあるまいか。まるで、神様が「俺住んでるところ熱帯気候じゃ
ないよ」と言っているようである。今、タバコを吸い終えたが、そのタバコのパッケージを
見て、またイライラしてタバコに火をつけた。



12月11日


僕にはくじ運というものが影も形も存在しない。

席替えのくじ引きで好きな子や仲の良い友達の席を狙うも、彼らとは教室の対角線。福引で
は参加賞、試合では一回戦でシード選手。僕に対しては確率論で言うところの「同様に確か
らしい」が成り立たないと気がついたときから、僕は石橋の横に丸太を置いて渡るような人
生を送ってきた。僕は自分にツキが回ってくる確率を限りなく0に近いと仮定して行動する
ことで、不幸を最小限にしてきた。

しかし、この歳になって珈琲を飲む機会が増えてから、缶コーヒーのついているシールを集
める癖が出来ていた。それはジョージアのものなのであるが、僕はそのままシールを捨てる
のもなんなので、応募してみることにした。すると、神が風邪でも引いてしまったのか、当
たってしまったのだ。歌ジャケではないのだが、(っていうか歌ジャケなんて必要ないのだ
が(ではなぜ応募したのか))副賞であるミニボストンバッグである。

そして数日後、ジョージアから封筒が来ていた。封筒を開けてみると、そこにはミニという
よりもナノという表現がしっくりくるような黒いポリマー素材のそれが入っていた。僕はそ
れを身に着けて全身鏡に映してみたのだが、その姿はまるでグリーンジャイアントの次男が
ランドセルを肩からかけているようであった。もし僕が社会人になって、お得意様からいた
だいたとしても、満面の笑顔をもって丁重にお断り申し上げるような代物である。もともと、
神は常におてんと様の恵みを存分に受ける雲の上に存在するはずで、風邪とは無縁の方なの
だ。

それはいいとして、この前タバコ屋でキャスターを1カートン買ったときに、送れば必ずタ
バコを1箱もらえますからと言ってJTのアンケート用紙を頂いた。僕は推敲しぬいた自分
のタバコライフスタイルをその用紙に書き込み、郵便ポストの前で我が家に推古天皇の代か
ら伝わる踊りをし、念をおした(その後、局地的に大雨が降った)。それにも関わらず、二
ヶ月の時が経過しても、たばこは届いていない。

きっと、天国は赤道上に存在するのだろう。



12月10日


サークルに行き、皆でご飯を食べた後、同じ学年の四人で喋っていたのだが、その日サーク
ルに来ていなかったN君が今日誕生日だということに気づいた。

今から家に行ってサプライズをしてやろうという話になり、僕らは何がいいかなとか考えて
いたのだが、僕らはひとりずつお気に入りの肉まんを買っていくという結論に落ち着いた。
日本人として肉まんをおなか一杯食べられるほど幸せな時間はないと考えたからである。そ
して僕らはN君の一番近いコンビニに行った。

コンビニに着いてから、本当に肉まんで良かったのかという疑問が僕らを襲った。本当に、
日本人として肉まんをおなか一杯食べることがそれほど幸せな時間であるのか。そんな話し
合いの中見つけたラストサムライのDVDには、980円の値札。四人で割れば、一人25
0円である。そのリーズナブルさと、ケンワタナベの結婚というハピネスと、N君の目つき
に見受けられるサムライズムを考慮したうえでこれほどの誕生日プレゼントはないと意見の
一致した僕らはそれを買ってN君の家へと向かった。

N君の家に着いた僕らはインターホンを押した。しかしN君が出る気配は一向にない。その
時四人のうちの一人がN君は今日家庭教師のバイトであることを思い出した。呆然と立ち尽
くす四人。しかし、肉まんを買わなくてよかったねと皆が皆を慰めあった。僕らはしょうが
ないので、ラストサムライにメッセージを添えてポストに投函することにした。

そのとき僕は実験の日だったので、グラフ用紙を持っていた。僕らは横軸に時間(s)、縦
軸に僕らのN君への気持ち(ラブ)をとってプロットした。その下に、その関数が与える式
を書いておいたが、その式は理論式ではなく実験式であった。それでいいのだ。人が人を思
う気持ちには理論値なんてないのだから。それに加えて、一人一人のメッセージも添えてお
いたのだが、書いているとき一人が口に出した「N君、会いたい」という言葉にはなにか友
達を越えた感情を覚えた。

次の日。前日の出来事は四人のうちの一人がサークルのサイトの日記に面白おかしく書いて
くれたし、ポストにはサムライズムが入っていたのだから、僕は完全にN君は気づいている
だろうと思い、サークルに行ってすぐさまN君に「ラストサムライ見た?」と尋ねた。する
と、N君以外の昨日のメンバーが口に人差し指を当てた。僕は一瞬で理解した。N君は日記
にもポストにも気づいていなかったのだ。N君が「うん見たよ」と言った。げげげ。見たこ
とあるのかよ。

やっぱり、肉まんをポストに入れて、「肉まんがポストに入っているのでアツアツのうちに
食べてね☆」というメールを送ったほうが良かったのかもしれない。



12月9日


ある日思い立ってテルミンを作ることにした。ネット上で回路図を見つけたのである。

電気電子工学科にいてもまだ電気の基礎でさえもままならない状態であるのだが、しかしこ
の見つけたテルミンの回路図たるものはなんとか解読することができた。そもそもテルミン
というのは世界初の電子楽器であり、手を近づけたり遠ざけたりすることで波長を変えると
いうもの。回路図では、二つの同調回路を作り、片方にはアンテナ、片方にはなにもつけず、
その電圧の波を比較し、またそれをトランジスタ5つほどで増幅し、耳に聞こえるまでの振
幅にあげていた。

はい、知識をひけらかしちゃいました!ということで、京都には電子部品を売っているお店
はないことはないのだが、完全にばら売りではないので高くつく。というわけで、大阪夢の
ホビーショップ街、日本橋に行ったのでした。

昔、まだアダムとイブと伊良部が禁断の果実を口にするよりも前の話、親父に手を引かれて
この街にきたことがあった。その後も何回か日本橋には足を運んだことがあったのだが、日
本橋のディープな部分に行ったのはそれ以来である。そのときはまだ三次元のアイドルなど
は影も形もなく、ただただ電気街という印象だったのだが、今回足を踏み入れたときは、も
う2チャンネルを具現化したような街になっていた。

僕は興味がないし、もしかした僕もそっちの世界に引き込まれないとも限らないので、ウォ
ークマンで知覚をシャットアウトし、その電子部品屋へと向かうことにした。それも、普段
聞かないけどメモリーに入っているような曲ばかりをピックアップし、聴覚に興味を持たせ
ることにした。しかしやはり視覚にはいろいろなものが入ってくる。先も挙げた三次元や二
次元のアイドル、ガンダムなどの模型、DVD。僕はそれらを見て、これのどこが可愛いん
だ、どこが面白いんだと頭の中で思いながら、先を急いだ。そのときだった、ウォークマン
の曲が変わったのは。

曲は、松浦アヤの「トロピカール、恋してーる」



12月8日


やはり、大学の理工系に属するものにとってはその学部内での恋愛というのは皆無である。
その理由としては勿論、女の子自体の存在確率の低さと、そしてその中のオンナノコの存在
確率の低さであり、ほとんどの大学のほとんどの理工系学部の男にとって、同じ学部の恋愛
対象となるオンナノコの数は0と近似することができる。これは文系の男にとっても成り立
つ場合があり、こうなると男は恋人を探すのに、合コンかサークルなどに逃げてしまうこと
となる。

僕はバレーサークルに入っているのだが、うちの学年より下はそうでもないのだが、先輩方
同士の恋愛には目をみはるものがある。あの人がくっついては別れ、またあの人が誰かとく
っついては誰かが悲しむといった按配で、まるでスパンの長いフォークダンスのようである。
もしも、この恋愛関係を記したものが出来たならそれは日本史世界史と並ぶラブ史として日
本の教育課程に組み込まれ、生徒達は「○○さんと☆☆先輩の三ヶ月が全然わからんかった
わー」などと口にするであろう。

それも本当に付き合っているのはサークル内ばかりで、誰かに彼氏彼女ができたといえばそ
れはほぼ確実に僕らの知っている人である。バレーのチーム分けをしている時でも、あの人
とあの人が同じチームになったのを見て、僕らは暖かい気持ちになり、またやってしまった
という罪悪感とピリピリした雰囲気に包まれる。きっと、彼らが昼ドラになったら、あの人
とあの人が付き合ったけど別れて他の誰かと付き合ったけど、やっぱり忘れられなくて、も
との人と駆け落ちして、その生まれた子供とその母の元彼が出来ちゃって…みたいな展開に
なるのであろう。

ある意味、もしも世界が100人の村だったら、である。



12月7日


気づいた事があるのだが、最近自分の文章が書き始めたころに比べ、マニアックになってい
る。

理由はもうわかっている。学生実験のレポートのせいだ。日記を書いていなかった約二ヶ月
の間、僕は寝ても起きても実験のことばかり考えていた。僕の学科の実験では、分量が多す
ぎる為、ちゃんとしたレポートを書くのは四週に一度回ってくるメインレポートたるものの
みなのであるが、それが回ってきたときには一週間で30枚ほどのレポートを仕上げなけれ
ばならない。一般用ホッチキスでは収まりきらない為、パンチであけてひもを通すほどの分
量である。これを僕の学科では「超ひも理論」と呼んでいる。

また癖が出てしまった。よく知りもしない単語を出しては面白がっているこの癖をやめたい。
きっと、この学生実験の特徴とも言える、よく知らない単語をあたかも知っているように使
う癖がうつってしまったのだ。一昨日の日記を見て欲しい。

…お湯のでない僕のキッチンではお米を洗うことでさえ、小学生にフェルマーの最終定理を
証明させるほどの労力と勇気を要するのだ。…


これが最たる例である。実際僕はフェルマーの最終定理という単語しか知らないのに引用し
ている。それがどれほどの労力なのかなんて知らないし、それに勇気がいるのかどうか知ら
ない。これを知らなかった読者の方がグーグルで調べたりしていたら、僕より詳しくなって
いることうけあいである。

これがメール、そして普段の会話にまで侵食してきたとしたらどうなるであろうか。恋人と
の待ち合わせに遅れそうになったときのメールには、「車が光速で進めばよいのだが…全て
の質量あるものは光速より速く進めない…質量はエネルギーであるから…空間が縮んで…云
々」とよくも知らない相対性理論を引っ張りだし、恋人が「星が綺麗ね」と言っただけで、
「星が瞬いているのはドップラー効果といって…宇宙が膨張して…」と夜が明けて、星が見
えなくなった後も延々と思いついた単語を口にする。

こんな按配では、恋人は星と同じように僕から離れていってしまうだろう。ドップラー効果
の説明のために去っていく彼女、そしてここではドップラー効果は現れないが、代わりに目
を瞬かせる僕。



12月6日


寒い。

今日は一限が休講で、二限からなのであったが朝起きてみるとニ限が始まる30分前。これ
はいけないと思いふとんを吹っ飛ばし僕が通った後には砂煙がたつほどの大急ぎで、ディズ
ニーのように家を飛び出ると、僕のバイク(名前:黒夢)の上には厚さ5cmほどの雪が。
ミッキーのように目が飛び出る僕。再び家のドアを開けてメットと防寒具をほっぽりだし、
傘を持って駅まで足が絵で書くと楕円で省略されるほど走った。大雪である。昨日初雪が降
ったばかりというのに。どこぞのバスケ漫画の主人公のような成長具合に僕はあいた口がふ
さがらなかった。

授業に間に合わないこと必死なので、友達にメールを送った。「今日は電車で行くさかい遅
れるし、着いたらノートを見せて」すると友達はこう返信してきた。「今日雨やもんな!わ
かった!」話がよじれた。駅では明らかに大粒の雪が空から降ってきている。しかし、電車
に乗っているとわかった。大学に近づくにつれ、どんどんと雪が雨に変わってきている。こ
れほどまでも気温が違うのか。そう、京都で一番オホーツク海に近い家とは我が家のことで
ある。

駅から大学まで歩く間、古びた靴がだんだん湿ってくるのがわかった。大学に着くころには
もう靴は携帯フットバスとなっていた。寒い。今友達と寒いと言ったら100円というゲー
ムをしたら、僕は瞬く間に山を売るだろう。持ってないけど。しかしまだ12月。まだまだ
寒くなるはずである。誰か、気象に詳しい人、僕に「いや〜これは例年の2月並の寒さです
ね」って言ってくれ。



12月5日


炊飯器の早炊きが全然早くない。

今日、授業が5コマ目まであって、気づけば6時過ぎ。このままクラスの皆で食べに行くん
だろうなとか思っていたら、皆今日は真直ぐ帰るそうで、僕も同じく真直ぐ帰ることにした。
6時半に家に着いたのがしかし、家には炊かれたお米が一粒としてない。小泉君からメール
で「今から税金はお米で払ってもらうことにしたから」と言われれば、5キロは収めること
ができる。でも、炊かれたお米は一粒としてない。しかし今日は明らかにパスタ日和ではな
いということは下腹部と相談して意見はすでに一致していたので、三合を速攻洗って炊飯器
に早炊きの命令を下した。

炊けたのはそれから50分後のことであった。僕はその間、洗濯物を取り込み、洗濯物を干
し、洗い物を全て済ましたのだが、それでも時間は余った。空腹の僕は炊飯器を睨んだが、
TIGERと書かれている横のかわいらしい子猫が微笑みかえした。完全に名前負けしてい
る。僕は細田という高校の時の太った音楽の教師を思い出した。

わかっている。きっと僕がこの子猫に全然早炊きではないと抗議しても、「自分の中では早
めだにゃ」と言うんだ。井の中の蛙だ。小学校の体育では、本来もっている運動神経も勿論
加味されるが、自分がどれだけ努力して実力を伸ばせたかというところに重点を置く。しか
し中学、高校になるにつれ、陸上では早く走れたものが、バスケではより多く特点を入れた
ものが、柔道ではより多くの者に「だめだ、アイツにゃかなわねぇ」と言わせたもののみが
「よくがんばりました」のレッテルを貼られるのだ。

子猫はこう反論するであろう。「それなら、前もって炊いておかないあんたの方が悪いのに
ゃ」と。確かに、僕にも若干の非があることを認めざるを得ない。しかし、紅葉の季節も過
ぎ、初雪も降った京都の気温は尋常ではなく、お湯のでない僕のキッチンではお米を洗うこ
とでさえ、小学生にフェルマーの最終定理を証明させるほどの労力と勇気を要するのだ。意
を決して洗ったお米を託し、押した早炊きボタン。早炊きができないのならば、早炊きとい
うボタンを作らなければいい。携帯電話には核スイッチはついていない。できないことはや
らない。また、前もってお米を炊いておくというのは、ゆくゆく心の豊かさを失う。なぜな
らば、横軸に時間、縦軸に不味さをとってグラフを描けば、その関係は指数的であるからだ。
炊きたてのご飯に比べれば、二日たってレンジでチンして食べるご飯なんて、もやしについ
てる豆を食べているようなものである。これだけの理論に向かって未だ子猫が反論してくる
ようであれば、僕はそいつを部品に分解し、またそれを分子のレベルにまで分解するまで叩
き壊してやるつもりである。

我が家なりの米騒動である。



12月3日


もうすぐ成人式があるのだが、そこでお偉いさんから代表として花束を渡される役に抜擢さ
れた。

というのも、僕は中学校の時に生徒会の役員をしていたかららしい。なぜ生徒会に入ったの
かと言うと、友達に誘われたからというのもあるが、兄弟姉妹みんな生徒会を経験していた
からである。実は積極な血なのである。

特に姉なんかは、それまで禁止されていたマフラーとキーホルダーに関する校則を改正した
中学校史に残る偉人である。それに引き換え僕は、白靴しか履いてはならないという校則を
変えるというマニフェストを掲げておきながら、結局反対派の意見にひどく感銘し、反対派
に変わってしまった半端者である。

加えて、僕は自分では覚えていないのだが、立候補の演説で「まあ、校則を改正する気はあ
んまりないんですけどね」と言った中学校史初の保守的生徒会役員である。それでよく通っ
たものだと思われるかも知れないが、副生徒会長男子に立候補したのが僕しかいなかったの
でしょうがない。というか、生徒会でも男子一人だけだったし。

話は戻って、僕は本当に花束を受け取るだけらしい。マイクを向けられもせず。それではあ
まりにも事務的すぎるので、真っ赤なバラでも口にくわえていこうかとか色々考えてる最中
である。



12月2日


八月からはや三ヶ月。僕は大阪に帰省したついでに、高校のころから行っている美容室に髪
を切りにいった。

この日、僕はジーパンに中学のころのトレーナーというなりで人目もはばからずにそこへ向
かった。元が童顔だから、中学生でも通ると思ったからだ。もし知ってる人にあったらなん
てことも考えたが、知ってる人は大体中学校の時の知り合いであるはずだから、まあ会った
ら会ったで、向こうの方が「あれ、俺タイムスリップしちゃった?」と勘違いするはずなの
で大丈夫だ。「時間軸が絶対だと思うなよ」と言ったのは、かの天才アインシュタインである。

さてさて、美容室ってのは大体が予約制であり、僕が行っているところも例外ではなかった。
僕は電話というものが嫌いなので、アポなしでその美容室に乗り込んでやったのだが、
しかし行ったのが平日であったため、そんなに待たされはしなかったのだが、切ってくれた
のはいつもの人じゃなくて、新人っぽい人だった。僕は髪の毛に関して人に注文するほど宮
沢賢治よりでもないので、似合うようにしてくださいと言って、僕は頭のスタートボタンか
ら終了オプションに進み、手馴れた感じで真ん中の終了を選んだ。寝たのである。

「出来ましたよ」の声でスイッチが入ると、鏡というデスクトップの壁紙には、辻本清美が
いた。ピースでエコで、フェアでフェミな俺がいた。椅子をくるっと回されて手持ち鏡を渡
されて後ろ髪を見せられたのだが、それはまさしく辻本清美だった。ベースがエゴで、フェ
ラがフェチな俺がいた。(でました、下ネタ!)

でもここでああしろこうしろと言える程自分がフェーザーよりでもないのはわかっていたの
で、「あ、これで大丈夫です」と言って、レジまで行った。寝起きの頭がだんだんクロック
周波数をあげてくる。どう考えてもこの髪型は自分にあってないと思う。強く思う。そんな
ことを考えていたので、店員さんが「8周年記念ということで消費税分サービスしておきま
すね。」と言ったのに対して突っ込めずにいた。僕がもしこの髪型を気にいっていたなら、
「辻本清美に脱税させる気か」と風刺ジョークを言えたであろう。お金をはらいおえたあと、
階段を下りながら僕はやり直してもらおうかなんて考えたのだが、階段を降りきったところ
に鏡があった。

なるほど、服装に似合ってる。



12月1日


このままアウト送信グが皆の記憶の隅っこに追いやられたままになるだろうと誰もが思って
いたその時、また更新が始まったのであった。

*

と、まあアウト送信グ第二部の予感を感じさせる幕開けなのですが、どうも一ヶ月強も更新
を休んで申し訳ございませんでした。このままアウト送信グはほっとかされたままなんだろ
うなと皆さん思っていらっしゃったと思うのですが、まあ僕もそのつもりだったのですが、
これを書き続ける理由が出来たんですね。

端的に申し上げますと、僕の兄弟とそれを取り囲む面々を含めて新しいプロジェクト的なも
のができたのです。その名を「gram.life」と言います。あなたの生活の1グラムを目指すと
いう意味です。gram.lifeではネットラジオを皮切りに、映像、画像などのメディアを配信し
ていく予定で、面白いと思った企画を次々にやっていくつもりだそうです。

僕もオオノタクトと言う名前でウェブのCGIなどの担当をしております。まだ第一回分の
ラジオしかありませんが、第二回分で僕もラジオの参加しています。兄のオオノカズマの相
槌、よいしょ役としてキモさを存分に引き出しておりますので、どうぞごらんください。

勿論、仮名ですけどね。

gram.life























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