ジョナ・デリオン 『嵐にも負けず』2024/04/24



昨年、偶然に見つけた「ヒトツバタゴ」、俗名「ナンジャモンジャの木」に花が咲いていました。


頭の上に咲いているので、何年も下を通っていたというのに、気づかなかったという木です。
前ばかり見ていないで、たまに上とか横とか違ったところを見てみるといいのかもしれませんね。



「ワニの町へ着たスパイ」シリーズの七作目。

シーリア・アルセノーがシンフルの新町長になり、彼女が任命した新保安官がふつか前に覚醒剤密売の容疑で逮捕された。
そこへ死んだと思われていたシーリアの夫、マックスが現れた。
一体何のために彼は戻って来たのかと町中のみんなは不思議に思っていた。

月曜日の朝、おいしい朝食を食べていたフォーチュンのところに、アリーから電話が来る。
彼女曰く。マックスおじさんが朝食を食べにカフェに来ている。シーリアおばさんも月曜の朝には必ずここで食べる。このままでは修羅場になる。
すぐに行くと答えたフォーチュン。

マックスとシーリアの間が一触即発という時に、マックスは彼らの娘だったパンジーが自分の娘じゃない、自分のものを取りに帰って来たと言って店を出ていった。

そんな頃にシンフルにハリケーンがやって来る。
フォーチュンはバイユーが後ろを流れている家に住んでいるので、アイダ・ベルとガーティが仕切っている教会へ避難する。
ところが不思議なことが起こる。ハリケーンのなかをお札が舞っていたのだ。
それも偽札が。

CIA工作員でフォーチュンの相棒のハリソンから電話が来て、フォーチュンが命を狙われるきっかけとなった取引の時に使われていた偽造紙幣がニューオリンズのカジノで見つかったと知らされる。
ニューオリンズからシンフルまで偽札が飛んで来たというのか?
下手をするとフォーチュンの命を狙っているアーマドがシンフルにいるのか…。

ハリケーンが去り、安心したのもつかの間、今度はシーリアの家でショットガンで撃たれたマックスの遺体が見つかる。
偽札に殺人。またしてもフォーチュンは犯罪事件に巻き込まれる。
もちろんアイダ・ベルとガーティもここぞとばかりに捜査に乗り出すのだった。

ハリソンはアーマドが近くにいるので危険だと、フォーチュンに町から出るように忠告する。
しかし、フォーチュンはアーマドを奇襲する絶好のチャンスだと見なす。

アーマドを倒すためのフォーチュンの計画とは…。

フォーチュンが来てからのシンフルの町は犯罪ばかり起きていますね。
前回の覚醒剤密売事件が起ってから三、四日しか経っていないのに、今度は殺人です。
フォーチュンはシンフルにとっては疫病神ですねwww。

防諜工作員だったパワフルおばあちゃんたち、特にアイダ・ベルは優秀です。
ガーティおばあちゃんはボケ担当で笑わせてくれますけど。
フォーチュンの秘密がいよいよ…。
別れがあれば、出会いもある。フォーチュン、頑張れ!

このシリーズ、もう二十六作目が発売されています。
一週間ではなく、数日ごとに新たな事件が起るのかしらね。
八作目は『Fortune Hunter』ってことは、いよいよアーマドと対決かと思ったら、違いました。
シンフルの孤独な女性たちがネットで出会った男に騙され、お金を盗られ、そのうちの一人が殺されるという事件みたいです。
またまたSwamp Team 3の出番ですね。

シリーズの順番を載せておきます。

⑦『嵐にも負けず』

近藤史恵 『山の上の家事学校』2024/04/22



四十三歳、新聞記者の仲上幸彦は一年前に離婚してから荒んだ一人暮らしをしている。
妻は同業者だったが、娘が産まれてからはライターをしていた。
ある日、家に帰ると妻と子の荷物がなくなっていて、テーブルの上に離婚届とここ一年間の幸彦の行動レポートが置かれていた。
離婚してからできるだけ娘の側にいたいがために、幸彦は大阪支所に異動願いを出し、ほぼ本決まりとなっている。

異動のことを話しに幸彦が母親に会いに行くと、妹が家族を連れてやって来た。
彼女は幸彦にリフレッシュ休暇を利用して、大阪にある男性のための「山之上家事学校」に通ってはどうかと勧めてきた。

三月のはじめ、幸彦は大阪に行き、不動産会社で物件を探し、山之上家事学校の説明会に行った。
猿渡という青年と一緒に花村校長からの説明を聞き、きていた生徒に紹介された。

幸彦は山之上家事学校の寮に入り、とりあえず二週間、授業を受けることにする。
カリキュラムは洗濯と調理実習などの必修の授業の他に自由選択として編み物や育児研修、消火活動、子供のヘアアレンジなどがあり、意外に幅が広い。

家事学校で家事を学んでいくうちに、幸彦は日々の暮らしについて考えさせられると共に離婚前の自分がどうしようもなくダメな奴だったことに気づかされる。

調理実習でポテトサラダを作る場面があり、そういえばポテサラ論争があったなぁと思い出しました。
何も家事をしてこなかった高齢男性にとって、料理を作ることなんかたいしたことじゃないと思っていたり、女性ならそれぐらい作るのが当たり前と思っているのでしょうね。
幸彦もそうでした。
花村校長はこう言っています。

「家事とは、やらなければ生活の質が下がったり、健康状態や社会生活に少しずつ問題が出たりするのに、賃金が発生しない仕事、すべてのことを言います。多くが自分自身や、家族が快適で健康に生きるための手助けをすることで、しかし、賃金の発生する労働と比べて、軽視されやすい傾向があります」

気づいた幸彦はこう思います。

「ぼくたちは、家事と愛情を結びつけたくなるし、ケアをしてもらえることが愛情だと思ってしまいがちだけど、それはもしかしたら違うんじゃないかなって」
「ケアと愛情を結びつけるなら、自分もちゃんと相手をケアするべきなのだ」

覚醒した幸彦でしたが、それでも彼は元妻の苦しみを理解できませんでした。
花村校長はこう言います。

「わたしは、家事をやることに男性も女性も関係ないと思っています。それでも社会から押しつけられる圧力は全然違う。そこは認めないと公正ではありませんね」

まだまだジェンダー平等までには遠い道のりです。
でも、少しでも幸彦のように覚醒する人が増えていくと、少しは生きやすい世の中になっていくかもしれません。
是非、男性の方に読んでいただきたい本です。

ステフ・ブロードリブ 『殺人は太陽の下で フロリダ・シニア探偵クラブ』2024/04/21

コロナ禍が終わって、初めて家にお客さんが来ました。
兄犬はずっと吠えていました。子どもの声が気に触ったのかも。
男の子が触りに来ると、うなりました。
手を噛んだらまずいので、「わんこは今日、機嫌が悪いのよ」といって、触らせませんでした。
その代わり、弟はこの時とばかりに部屋から抜け出し、お客さんの側に参上しましたww。
好きにさせておくと、膝の上に乗ったり、撫でてくれとお腹を見せたりします。


みんなに撫でられて嬉しそうです。
ママは久しぶりに子どもの相手をしたので、そして兄犬は吠えすぎたので、ちょっと疲れました。
ママがベッドに行こうとしても兄が起きなかったので、昨夜はママ一人で眠れましたわ。



新しいコージー・ミステリ、「フロリダ・シニア探偵クラブ」シリーズの一作目です。

58歳のモイラ・フリンは元ロンドン市警特捜部の刑事で、潜入捜査をしていた時に起ったことがきっかけになり、パニック障害を患ったため仕事を辞め、フロリダの<ザ・ホームステッド>という分譲地に建つ高齢者向け高級住宅に家を購入し、
一ヶ月前に引越してきた。
やっと穏やかな暮らしが送れると思っていたが、そうはいかなかった。

ある早朝、モイラは<マナティ・パーク>のプールに若い女性の死体が浮かんでいるのを発見する。
警察に通報するが、発作を起こしてしまう。
救急医療隊員に病院に行って検査をしようと言われている時に、元テムズバレー署の刑事で隣人のフィリップ・スイートマンがモイラのところにやって来る。
彼とはかかわりを持ちたくないので、無視したが、彼はめげない。
彼の家に寄って、妻のリジーと一緒にお茶を飲んで、事件現場で見たことを話さないかと誘ってくる。
リジーとはヨガ教室で知り合い、友だちになれそうだとは思ったが、彼女が元科学捜査官で、夫婦共に元警察官だとわかったので、モイラは彼らとは距離を置こうと決めたのだ。
それなのに、フィリップはしつこい。
彼は殺人事件と聞いてじっとしていられなくなったのだ。
実は彼は妻に仕事を辞めた本当の理由を隠していた。
リジーは病気のために夫が警察官を辞めたと思っていたので、夫には引退生活をエンジョイしてもらいたいし、犯罪とは関わって欲しくはないと思っていた。

フィリップはモイラから殺害現場の様子を聞こうとする。
モイラは体調が悪く、家まで帰れるほど回復していないので、彼に反論することができず、仕方なく彼の質問に答えることにした。
そこにフィリップも属するパトロールチームのメンバーの一人で、元麻薬捜査官のリック・デンヴァーが現れる。
モイラは三人に殺害現場の様子を話し、警官が来る前に撮った犯行現場の画像を見せる。

モイラは人生の新しい一ページを開こうと思っていたが、遺体を見つけてしまった。
フィリップとリジー、リックの三人は情報を集めようとしている。
彼らとは接触を持ちたくはない。
だが‥。

読んでいるとモイラが可哀想になりました。
とにかく相手が悪かった。フィリップもリジーも、モイラが嫌がっていようがいまいが、そんなことはどうでもよく、とにかくグイグイ来るんですもの。
この二人に目をつけられると、誰も逃れられない運命なのよwww。
結局、モイラは警官だったことを言わざるおえなくなり、四人で殺人事件の捜査を始めます。
フィリップの偉そうな態度にモイラは我慢できるのかしら?
その他にモイラとリックの老いらくの恋(65歳以上なんですって)がどうなるのかも気になります。

モイラは一人でイングランドからフロリダに来ましたが、ワンコを三匹保護施設から引き取りました。
ダックスフントの老犬・ピップ、思春期を迎えたラブラドール・マリーゴールド、小柄な長毛テリアのミックス・ウルフィー。
この三匹が事件に関係して活躍してくれないかしらねぇ。

このシリーズは三作目まで発売されています。
二作目の『Death at Paradise Palms』では、<ザ・ホームステッド>のミリオネア・ロウに住んでいる映画プロデューサーが行方不明になり、身代金の要求があり、警察を介入させたくない妻が四人に助けを求めるようです。
心配だったフィリップとリジー夫妻の結婚生活も暗礁に乗り上げるということで、どうなるんでしょうね。
そうそう、ステフさんの別の作品、ストリッパーからバウンティーハンターに転身したロリー・アンダーソンのシリーズというのがあるそうですが、そちらの方が面白そうです。
なんでシニアの方を先に翻訳して出版したのでしょうね。
不思議です。


<今週のおやつ>


もらったじゃがビーの東海限定手羽先味と岐阜名物の水まんじゅう。

読んだ文庫本2024/04/19



次々と花が咲いてきました。藤の花が美しいです。


サマーカットにしたので、日焼けがしないか心配です。
特に弟は背中の皮膚が透けて見えるです。
夏用のタンクトップを着せて散歩しようかしら。


「ママ、変な洋服着せないで下さいね」というように、ママの顔を見る兄です。

文庫本が溜まってきたので、三冊一篇に紹介します。


小路幸也 『花咲小路二丁目の寫眞館』
桂樹里は三代続いている写真館、<久坂寫眞館>で働くことになる。
社長は身長180センチを超える、細マッチョな久坂重。あとは彼の母親の聖子がいるだけだ。
一週間前に父親が亡くなったので、急遽重が北海道から戻り、写真館を継ぐことになったらしいが、重は自分では人間の写真を撮らない。幽霊のようなものが写ってしまうからだという。
試しに樹里の写真を撮ってみると、歩いて移動している男性が写っていた。
今度は動画を撮ってみようとすると、急に停電になる。

気づくと二人は三十年前にタイムトラベルをしていた。
困った二人はドネィタス・ウィリアム・スティブンソンこと矢車聖人、すなわちセイさんに助けを求めることにする。
写真館を出ようとすると、重の父親宛への手紙が置いてあった。
手紙の書き手は菅野好美で、樹里の母親だった。
それは別れの手紙で、二人は何があったのか確かめるために好美のところに行こうとすると、運よく駅の発売機のところに好美がいた。
早速彼女に理由を聞くと、騙されて、<久坂寫眞館>の土地と権利書を取られたという。
これはセイさんに頼むしかない。
二人は手紙を書いて、セイさんを公園に呼び出すことにする。

花咲小路シリーズの七作目です。
花咲小路は何丁目まであるのか知りませんが、これまでの題名から四丁目まであるのはわかりました。
今回とうとうタイムトラベルしちゃいましたwww。

内山純 『魔女たちのアフタヌーンティー』
前屋敷真希は都内大手の不動産会社の開発部に勤めているが、先月、とんでもない失態をやらかしてしまった。このままでいると左遷されるので、白金七丁目の”プラチナの魔女”が住むという屋敷の土地を手に入れ、汚名返上しようと目論む。
運が味方したのか、ひょんなことから出会った少女みのりに魔女の屋敷のお茶会に誘われる。
美味しいお茶と手作りのお菓子に癒やされる真希。
それからお茶会に来る様々な年代の人と交わるうちに、いつしか真希はお茶会が楽しみになっていく。

アフタヌーンティーという題名につられて読んでしまいました。
忙しい日常にホッと一息できるお茶の時間を持つといいかもしれませんね。
スーさんのような女主人が催すお茶会ならもっといいです。招かれてみたいです。

午鳥志季 『君は医者になれない2 膠原病内科医・漆腹光莉と鳥かごの少女』
戸島光一郎は波場都大学医学部三年生になったが、血を見ると、相変わらず気持ちが悪くなる。
指導医は変わらず、コーヒーとジャンクフード好きで、身の周りの整理のできない社会不適合な膠原病内科医の漆原光莉だ。

「第一章 去りゆく人・高木セツの追憶」
誤嚥性肺炎で救急外来に運ばれてきた八十歳、全身性強皮症の高木セツは戸島の採血の練習台となってくれ、「逃げちゃダメよ」と励ましてくれた。
彼女のために戸島、走ります。

「第二章 新人看護師・幹元華の秘密」
漆原先生が珍しく飲み会に参加するが、ジャージを着てくる。その上、鞄から取り出したのが、カップラーメンと魔法瓶の水筒。やっぱり変人だぁ、笑。
幹元が何気なく、心因性で月に一回微熱が出て、体がだるくて、動きたくなくて、急に仕事を休み、前の病院を首になったことを話すと、漆腹がポツリと「心因性かな?」と言葉を吐く。漆原は何に気づいたのか。

「第三章 膠原病患者の母・山波泉の悔い」
十七歳の『抗リン脂質抗体症候群』の女の子、山波瑞羽が他の大学病院からの紹介でやって来る。
母親の泉は単刀直入に漆原に「治せるか」と聞く。もちろん漆原は「治せない」と答える。どうも母親は娘の病気を受け入れられていないようだ。
ある日、戸島は困っていた瑞羽を助け、それから話すようになり、本まで借りるようになる。
しばらく瑞羽は漆原のところに来ていたが、泉が埼玉の病院への紹介状を書いてくれと言い出す。
仕方ないという漆原だったが、瑞羽の採血を確認すると…。

「第四章 車椅子の少女・山波瑞羽の願い」
山波瑞羽は「劇症型・抗リン脂質抗体症候群」の可能性があり緊急入院する。
しかし、瑞羽は死にたいといい、治療を拒否する。
漆原は治療を望まないなら、その意思を尊重すると言う。
「……逃げるな」
戸島、瑞羽を救うために立ち上がる。

戸島君がだんだんとたくましく医師として成長していく姿が頼もしいです。
血が怖くたって、内科医になれば問題ないしね。
彼のような医師の方が患者の立場に立って考えてくれそうですよね。
膠原病ってあまり一般的ではないので、よくわかりませんが、この本を読むと少しわかってきました。
瑞羽ちゃんみたいになると、親も子も大変だなと思いますが、戸島君同様、どこまで気持ちが分かるか、自信がありませんわ。

イチオシは「君は医者になれない」シリーズです。
漆原先生の変人さが気に入りましたwww。

原田ひ香 『定食屋「雑」』2024/04/18



三上沙也加は突然夫の健太郎から離婚を言い渡された。
夫は仕事のストレスからか、仕事の帰りに公園で酒を飲み始め、そこが禁じられると、近所の定食屋「雑」で定食を食べ、酒を飲むようになって、家ではご飯を食べず、帰りが遅くなっていた。
沙也加は夫のために三食、健康的な手料理を作ってきた。
夫にはご飯はご飯として食べ、その後にナッツとかチーズとかで酒を飲んで欲しかったのだ。
夫は沙也加には俺の気持ちはわからないと言い、家から出て行った。

沙也加は夫が行っていた定食屋「雑」に行ってみた。
店主は七十代の背の低い、樽のような体形の、やる気のなさそうな女性だ。
出てきた生姜焼きは甘い、お菓子のように甘い。肉じゃがも甘い。
ただ、スパゲッティサラダが絶妙だった。
夫は本当にこの店が好きなのだろうか、それとも…。

そうこうしているうちに、お金が心配になる。
派遣会社に常勤で働きたいとお願いしたが、すぐに探せないと言われ、どうしようかと思っていたら、定食屋「雑」の店員急募の張り紙を見つける。
この店で夫が女と出会って浮気をしていたかどうか調べられるし、お金も稼げる。
一石二鳥と考えて、沙也加は働いてみることにする。

女店主・雑色みさえはぞうさんと呼ばれている。
ぞうさんの大雑把さには驚かされたが、やがて二人は信頼し合える仲になっていく。
頑なだった沙也加だったが、定食屋「雑」で働くうちにだんだんと心がほぐれていき、自分の行く末も考えられるようになる。

やがてコロナ禍になり、定食屋「雑」も形態を変えざる得なくなる。

ほとんどがすき焼きのタレの味付けという、おそろしい定食屋「雑」。
でもコロッケは美味しそう。
家庭で作るコロッケってジャガイモの味が濃くて、いいんですよね。
自分では作らないけど、食べたいわ。
から揚げも醤油だけで味付けしているけど、衣がカリカリで中がジューシー。
う~ん、食べたい。
どんなに美味しいフランス料理やイタリア料理を食べても、最後はこういう何の変哲もないお料理に戻りますよね。
原田さん、料理の描き方がホントに上手いです。

それにしても沙也加の旦那はクズ男です。
最初は沙也加のせいかとも思ったのですが、後で離婚の話をする時のことなど読むと、もともと大した男じゃなかったことがわかります。
沙也加も男を見る目がなかったのね。
離婚をいい肥やしとして、これから前向きに、ぞうさんと仲良く、生きていって欲しいです。

お腹が空いている時に読むと、お腹が鳴ってしまうかもしれないので、くれぐれも気をつけてくださいませ、笑。


<この頃のわんこ>


ヨーキーの弟の毛の色が変わりました。
シニア(9歳よ)なので、毛が白くなっていたのですが、見て下さい。
黒くなっています。
ヨーキーの毛の色はいくつまで変わっていくのでしょうかね。

彼は音の出るおもちゃを咥えるとなかなか離しません。
ほっておくと離しますが、片付けようとしておもちゃを拾おうとすると、すぐに咥えます。
遊びだと思っているのでしょうかね。

あさのあつこ 『碧空の音』2024/04/17

闇医者おゑん秘録帖シリーズの四作目。


おゑんのところにお竹という女がやって来て、子どもを産ませてくれとおゑんに頼んだ。彼女は何かを怖がっていた。
二日後、お竹の陣痛が始まった。
しかし、男の子を産んだ後に、お竹は亡くなる。
子どもはしばらくおゑんのところで育てて、しばらくしてから里子に出されるが、おゑんは躊躇していた。
というのも、前に里子に出した子が亡くなっていたのだ。
夫婦に子ができた頃から邪険に扱われ、近所では虐め殺されたのではないかと噂していた。
子どもたちが幸せに元気に育つために、おゑんは策を練っていた。

そんな頃、吉原の首代・甲三郎がやって来る。
惣名主・川口屋平左衛門がおゑんに来て貰いたいと言っているという。
行ってみると、座敷持ち女郎の桐葉に子を産ませて貰いたいという。
彼女は大店の主人に身請けされることが決まっていて、その主人の子を身籠もっているというのに、産みたくないと自死しようとしたらしい。
おゑんは桐葉を預かることにするが、なんとも不可解な女だ。くるくると人が変わるみたいなのだ。
大店の主人の女房にはなりたいが、頑なに子は産みたくないと言う。
おゑんは桐葉の過去が関係しているのではないかと思い、探ってみることにする。

おゑんは今で言う産婦人科の医師みたいなもんで、彼女のところに主に女性たちは子どもを堕ろしに来ます。
女性はみな堕ろしたいわけではないのです。できれば産みたいのですが、色々なしがらみがあるのです。
そんな彼女たちにおゑんは子を生かすかどうか決めさせます。
今回は子を生かすために、おゑんが頑張る姿が神々しいですね。

何やら陰のある甲三郎がこれからおゑんとどう絡んでいくのか、楽しみです。
彼の過去が気になります。
おゑん同様にとんでもないことが隠されていそうです。

お勧めのシリーズですので、気になったら手に取ってみてください。

闇医者おゑん秘録帖 (2013年2月)
④闇医師おゑん秘録帖 碧空の音

中山七里 『ヒポクラテスの悲嘆』2024/04/15

「ヒポクラテスの誓い」シリーズの五作目。


アメリカの引き籠もりは一千万人、日本は百五十万人。

「一 7040」
ミイラ化した遺体が見つかる。遺体は四十歳の女性で、大学受験に失敗した後、二十年以上も引き籠もっており、両親は引きこもり相談支援センターや民間のNPO団体に相談したという。
亡くなる前、三週間近く部屋に閉じ籠もって一歩も外に出ておらず、様子を見に行った母親が娘の死体を見つけた。
事件性はないと思われたが…。

「二 8050」
新卒で入った会社を辞めてから引き籠もっていた五十歳の男が屋根裏部屋で餓死しているのを八十歳の父親が発見する。
彼は妻が入院治療をするので、三週間泊まりがけで付き添いをしており、食料品は一ヶ月程度買いだめして置いてきたという。
検視官は自分に絶望して餓死を決意したというが、捜査員たちは疑念を抱く。

「三 8070」
浴室の浴槽で男が死亡していた。十歳上の八十歳になる彼の妻はで認知症。
二人はおしどり夫婦で有名だったが、男はホステスに入れあげていたという。
検視官は事故死と見做すが、埼玉県警捜査一課の刑事・古手川は死体が語りたがっていると思う。

「四 9060」
九十二歳になる民生委員をしていた知人の様子がおかしいとの通報が入る。
彼は息子と二人暮らしで、息子は資材会社を辞めてから引き籠もっているという。
自宅を訪れると体調不良で出られないというのに、近隣住人の話では毎日散歩に出かけているという。
古手川が通報者と一緒に自宅に行ってみると、息子がインターフォンに答えて、父は外出しているという。だが、近所の人はついさっき帰宅したばかりだと教えてくれる。
翌日、古手川が朝の散歩途中に話しかけてみると…。

「五 6030」
JR浦和駅東口で通り魔事件が起る。犯人は逃走し、行方は不明。
しかし翌日の朝方、空き店舗で容疑者の男が死体となって発見される。
容疑者は経産省のキャリア官僚の息子で、父親が出頭してくる。
息子はここ十年は仕事もせずに引き籠もっており、先の通り魔事件の犯人に心酔していたようだ。
父親が息子を殺したのか?

埼玉県警捜査一課の刑事・古手川が扱う不審死の遺体を浦和医大法医学教室の光崎教授たちが解剖し、自殺か事故死か他殺かを突きとめていくというシリーズです。
今回はロスジェネ世代(1970年から1984年ごろに生まれた40代から50代前半)の引き籠もりと老老介護がテーマになっています。
古手川刑事の上司、渡瀬警部と浦和医大の助教・栂野真琴の上司の光崎教授の出番がそれほどなく、今回は若手の古手川と栂野の二人がメインで動いています。
テーマが重くて、他人の不幸だとは思えませんでした。
いつ自分に降りかかってくるかわかりませんからね。
最後に意外なことがありますので、お楽しみに。気づいた人、すごいわ!

章のタイトルが何か最初は分からなかったのですが、「8050問題」が出てきてわかりました。
ちなみに「8050問題」とは、若者の引き籠もりが長期化することで、80代の親が50代の子どもの生活を支えるために、経済的にも精神的にも強い負担を請け負うという社会問題のことです。
章のタイトルは登場人物たちの年代を表しているんですね。

面白いシリーズですので、是非読んでみてください。

⑤ヒポクラテスの悲嘆


<今週のおやつ>




素敵な包装のカフェタナカのクッキー。
缶は薄いピンクです。
四種類のうち、わたしはナッツの入ったクッキーが好きです。

公園に行く♡2024/04/14

晴れたので、朝早く起きて、公園へ!
みなさん、早起きなんですね。わんこたちが沢山お散歩しています。


紫の花が咲いています。


木の葉の緑が綺麗です。


お水を飲ませようとしますが、無視。


弟まで…。
リードに気がつきましたか?
久しぶりの公園でエキサイトしたのか、絡まっています、笑。


二匹を撮ろうとすると、やはり顔を背けますww。
リードが絡まっているので、こんなんになっています。


お兄ちゃんの足元を見て下さい。パパの足を踏んでいます。
パパは気づかなかったようです、笑。
居場所を決めてから、弟がパパといっしょにお散歩に行って帰って来ました。
さて、兄と走りに行きましょうか。


まだ草が茂っていないので、歩き安いです。


早速、走り始めました。


サクラの木があったので、お座りして撮りました。
もう少し近付いた方がよかったですねww。


楽しそうに歩いています。


タンポポが咲いています。


サクラの枝の下で撮りたかったのに…。


「走るの、楽しいなぁ」


飛行機が飛んで行きました。


二匹がパパとお散歩に行きます。
弟はママが気になるのか、こちらを見ています。


弟はいつも舌が出ています。


サクラの下で二匹の写真を撮ろうとしたのですが、無理でした。
これが一番いいものです(恥)。ママはおやつを見せるのを忘れていました。


「ママ、楽しいね」という顔をしている兄です。
連休は公園に来る人が少なそうなので、また来ようね。

八重桜とトリミング2024/04/13



ソメイヨシノが散った後に、今度は八重桜が満開になりました。


隣の白い花はハナミズキでしょうか。次々と花が咲き始めました。
近くのお宅の庭の花が咲き始めています。
桜の次は薔薇と紫陽花かな。


歩いていて見かけた神社にこいのぼりが飾ってあります。
鯉のぼりはいつからいつまで飾っておくかという厳格な決まりはないそうです。
ひな祭りが終わったあたりから五月の連休の終わりぐらいまでという感じですかね。

さて、我が家のわんこたちは月に一回のトリミングに行って来ました。


寒い時は5㎜、暑くなると3㎜の長さに切ります。
兄にボーロをやったのに、見向きもしません。ボーロよりも鳥肉のジャーキーが欲しいみたいです。兄は小さい頃から口が肥えていて、まずいドッグフードは食べませんでした。


兄は人垂らしで、トリマーさんや動物看護師さんたちに気に入られるように振る舞うらしく、「かわいい」とよく言われます。


一方、弟はヤンチャで動き回るので、あまり好かれていないようです。


写真だけ見ると可愛いのにね。(親バカですみません)


ジャーキーを見せると、やる気が出てきたようです。


お兄ちゃん、がっつきすぎ、笑。
弟の側にいることも忘れ、前に出てきました。


兄は食べること、弟は音の鳴るおもちゃで遊ぶことに命を賭けています。


兄はやっと弟が側にいることに気づいたようです。
弟の右の毛が気になります。

小さい頃は懐かなかったヨーキー弟が、この頃兄にライバル心を持ち、兄を押しのけて前に出てくるようになりました。
先に弟をかわいがると兄がヘソを曲げるので、兄を優先していますが、弟は兄ばかりかわいがっているようにみえるのかしら。

フィラリアの検査と健康診断の血液検査をしました。
五月からフィラリアの薬を飲み始めます。
兄は太って3.5㎏、弟は3.3㎏で、兄はこれ以上太れません。
少しダイエットをしましょうかね。

麻見和史 『追憶の彼女 警視庁文書捜査官』2024/04/12

警視庁文書捜査官シリーズの10作目。


警視庁文書解読班の矢代朋彦は、休日を使って、幼馴染みの水原弘子が七年半前に田端一丁目の階段から落ちて亡くなったという事件を個人的に調べている。
M302という古い機種のフィルムカメラを持っていた男が事件に関係しているという情報があり、矢代はM302を手に入れ、そのカメラを持って事件現場付近を歩き、聞き込みをしている。

矢代がいつものようにカメラを持って歩きながら、カメラ好きの人たちが集まる掲示板を見てみると、田端第二公園のフリーマーケットでM302が出品されているという書き込みがある。
早速行ってみると、まさしくM302。出品していた少女の祖母のものだが、残念ながら、彼女の祖母は七年半前の事件の後すぐに亡くなっていた。
少女の家はあの階段の脇だという。
ボディを確認すると、フィルムが入っていた。
現像してみると、写真が六枚写っていた。

南千住で殺人事件が起き、文書解読班に出動要請が出る。
被害者はフリーランスのデザイナー、皆川延人、三十九歳。
遺体の口は接着剤かなにかで塞がれ、目はスキンステープラーの針で留められていた。
そして見つかったチラシには、血で二文字が書かれていた。
矢代と夏目は鳴海主任の分析をサポートするために、情報収集をすることにする。

翌日、本庁捜査一課から江東区住吉で南千住事件と手口が似ている殺人事件が発生したという連絡が入る。
被害者はコンサルティング会社の社長、桐原哲生。
遺体の喉はハサミで、体は何度もカッターで傷つけられたようだ。
矢代は桐原の顔が田端で買ったカメラのフィルムに写っていた顔であることに気づく。

二件の殺人事件と七年半前の弘子の事件に関わりがあるのか…。

このシリーズも10冊目。予想に反して長く続きますね。
今回は鳴海主任ではなく、倉庫番の矢代が主人公です。
生きていたら、もしかしたら結婚していたかもしれないと思われる彼女のために、矢代、頑張ります。

今回は文書解読がそれほど役に立っているようには思えません。(いつもだったっけ?)
血文字の件では、詳しくは書きませんが、わたしの読みの方が正しかったようです。
事件を解決するには、聞きこみが大事なんだと思いますよ、笑。

主人公が矢代の方が落ち着いた雰囲気で、わたしは気に入りました。
鳴海は…。
次は是非とも夏目に活躍してもらいたいです。