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キーボードのイベント、天キー6に参加した

キーボードを持ち寄ってわいわいする「天下一キーボードわいわい会 Vol.6」、略して「天キー6」に参加した。2018年の1回目から参加してきて、今回ついに初めてキーボードを持ち込んだ。それも自分で設計したキーボードであり感慨深い。あわせて昔販売されていた小型のキーボードも持っていった。


展示したキーボード(左から)

説明の紙も掲示したけれど字が細かすぎた。その上自分で設計したキーボードを見せたいのか、親指シフトを体験してもらいたいのかがはっきりしなかったので、見てくれた人を混乱させてしまったかもしれない。次回はなにをどう見せるかよく考えよう。会場で親指シフトトークができたのはよかった。ありがとうございました。

小型キーボードのCUT KeyとCUT Key Pocketはテンキーだけのキーボードに見えるかもしれないが、これでも片手で日本語を入力できる。これは興味を持って見てくれる人が多かった。

驚いたことに、CUT Key Pocketを持参した方がもう一人いらして、並べて写真を撮ってしまった。

あと驚きがもう一つ。なんとThumbShift5-15TBを作りたいという方に基板をお譲りしたのだった。ビルドガイドとファームウェアを公開しないと。少しお時間ください。

そのほかに撮った写真。といっても持ち込んだキーボードについて説明したりトークセッションを聞いたりしているとあまりじっくり見て回れず、ほんの少しだけ。

富士通親指シフトキーボード
壊れたエフェクターを買ってきて、1キーのフットスイッチに改造したもの。すごい。なかむらメリさん作

ほかにどんなキーボードが出ていたのかは、手抜きだけれどTwitterの検索でどうぞ。

写真で出展キーボードを網羅しようとした方々。

YouTubeで配信されていた会場の様子も。

今回は、自分のキーボードを持ち込んだのがエポックメイキングな天キーだった。そのぶん見て回る時間が少なくなったけれどやむを得まい。次回も楽しみだ。

「このたび、お客様のアカウントが最適化されました」の罠

先日、Google AdSenseからこういうメールが届いた。

「自動最適化が有効化されています。」だそうで「お客様側での対応は必要ございません。」が強調されている。ブログの広告表示の設定をテスト的に変えてみて、収益が増えたので本適用しましたということらしい。

テスト名は「Vignette ads」。あれ、「ビネット広告」ってブラウザの表示領域全体にオーバーレイされる全画面広告のことでは。あれを自分のブログに適用されるのはいやだなあ。

果たして自分のブログ(ここ)を見に行ったら全画面広告が表示された。これはたまらん。AdSenseの管理ページへ行ってビネット広告の表示と「自動最適化」をオフにした。

まめちしき
全画面広告を消すには[閉じる]や[×]をクリックするだけでなく、広告領域外のグレーの範囲をクリックしてもよい

Googleとしては広告をたくさん出してもらって自社の収益につなげたいのだろう。Webサイトの管理者も収益が増えてうれしいかもしれないが、このブログの収益はもともととても少ないので39%増えても雀の涙なのは変わらない。代わりに全画面広告が出るというのでは割に合わない。AdSenseの自動最適化をオンにしていたのは自分だが、「最適化されました」がいいこととは限らないものだ。

カシオの電子辞書XD-4800シリーズ全機種の収録コンテンツを表にまとめた

電子辞書がひとつあると便利だなと思った。特に百科事典がほしい。電子辞書ならいちいちブラウザを開く必要がないし、広告にわずらわされることもない。カシオの電子辞書のうち、高校生向けをうたうXD-4800シリーズがよさそうだ。最新モデルにこだわる必要はないので型落ちの中古品を探そう。

となったとき、各機種に収録されているコンテンツを調べるのがとても大変だった。

電子辞書に収録されているコンテンツは機種ごとに一覧がある。たとえば最新機種のXD-SX4820(2023年発売)は以下。

XD-4800シリーズとして最初のXD-ST4800(2006年発売)のコンテンツ一覧はこちら。

17年間でコンテンツ数が50から230に増えているのがすごい。画面もカラーになって解像度が上がったりしている。じゃあこの中間のどれを買ったらいいだろうか。XD-4800シリーズは2006年以降、ほぼ毎年新機種が発売されている。それぞれのコンテンツ一覧を見ていると、この年だけ収録されなかったコンテンツなんてのもあるようだ。各機種のコンテンツ一覧では「これが収録されていない」ことがわからない。

そこで各機種のコンテンツ一覧を、最新機種から順に表にまとめていくことにした。一日で終わる量ではないので毎日少しずつ。その間にメルカリなどを見て、収録内容と価格で折り合いがつくものを探した。

新しい方から表にまとめていると、辞書類の版が古くなったりその辞典がそもそも収録されなくなったりしていく。また逆に、最近の機種では収録されていないものが古い機種で登場したりもする。漢検TOEIC向けのコンテンツが典型的だ。電子辞書の歴史をさかのぼることになり、なかなか面白い作業だった。

そして完成したのが下の表である。フルHDのモニタでブラウザのウィンドウを最大化すると、表の横幅が全部入るようにしたつもり。

で結局買ったのはというと、2019年発売のXD-SR4800だった。百科事典は『日本大百科全書(ニッポニカ)』と『ブリタニカ国際大百科事典小項目電子辞書版』が収録されている。

最新機種のXD-SX4820と比べると新明解国語辞典が1つ前の第7版であったり、次の機種や前の機種には収録されている旺文社古語辞典が抜けていたりするが気にしない。デジタル大辞泉の代わりに広辞苑(7版)が収録されているのもむしろ好みだ。

とすると、2018年より前の機種についてはコンテンツをまとめる必要はなかったのだろうか。確かに2006年までさかのぼって購入を検討することはなかっただろうから、全機種の収録コンテンツ一覧をまとめる気になったのは編集者的な情報整理欲が大きい。一方、コンテンツの収録傾向を知る上では、ある程度昔の機種についても表にまとめた意味があったと感じた。

タイマーつきのコンロでマクロを組みたい

我が家のコンロにはタイマーがついている。キッチンタイマーと違って時間が来たらオフにしてくれるから、火を消すタイミングでコンロの前に来る必要がない。さらに火力を10段階のデジタルで指定できるので、「火力5で5分間」のように火加減の積分を正確に指定できる。同じ料理をまた作るとき、火力の条件が固定されるので再現性が上がる。

最近圧力鍋で米を炊くようになって、火力とタイマーを組み合わせたマクロ機能が欲しくなってきた。米と水を圧力鍋に入れてふたをし、火力5で6分間、火力2で2分間炊く。その後12分間蒸らしてでき上がりである。炊けたご飯はすぐにラップにくるみ、粗熱を取ったら冷凍するので保温機能はなくてもよい。我が家の年季の入った炊飯器よりおいしく炊ける。

この「火力5で6分間、火力2で2分間」を一度に指定できたらいいなと思うようになってきた。今は火をつけたら6分後に台所へ行き、火力2と2分間のタイマーをセットしなければならない。火をつけてからの6分間+2分間をまとめてセットできたら、台所へ行く回数が一回減ってさらに便利になる。そういうコンロもたぶんあるのだろうな。

検索してみたら、お湯が沸いたら火が止まるコンロや、炊飯モードがあるコンロが見つかった。ただし炊飯には専用の鍋が必要で、圧力鍋での炊飯には対応していないようだった。

五十肩はつらいよ

鎮まれッ……俺の肩(の炎症)……ッ!

去年の7月くらいから、左腕を動かすと肩に痛みが出るようになっていた。これは五十肩ですね。9年前の前回は四十肩だったが今はもう五十肩だ。

今回も時間はかかってもそのうち治るだろうと思っていたら痛みが強くなってきて、左腕で左の脇腹を触ろうとするくらいでも激痛が走るようになった。さすがにちょっとまずい気がして11月から整形外科へ通っていた。

四十肩や五十肩は正式には「肩関節周囲炎」というそうだ。根治する方法はなく、半年から2年ほどでおさまるのを待つ。その間できるのは炎症を抑える注射や投薬、そしてリハビリテーションということになる。

まずヒアルロン酸を注射された。1週間に1回のペースで計6回注射するそうだ。注射はそのあともペースを落として何回か行った。最初に処方された飲み薬と貼り薬は以下。調子がよくなってきたら処方を減らした。

ロキソプロフェンNa錠60mg(毎食後1錠服用)
炎症を和らげ、痛みを抑えたり、熱を下げる薬です。炎症や痛み、発熱の原因であるプロスタグランジンの生成を抑えることにより、抗炎症作用や鎮痛、解熱作用を示します。
レバミピド錠100mg(毎食後1錠服用)
胃粘膜を保護修復する薬です。胃の粘膜を保護する物質(プロスタグランジン)を増やしたり、胃の粘液の増加を促して、潰瘍や胃炎の治癒を促します。
ロキソプロフェンNaテープ100mg(10×14cm非温)(1日1枚14日分)
炎症を和らげたり、痛みを抑える貼り薬です。炎症や痛みの原因であるプロスタグランジンの生成を抑えることにより、抗炎症作用や鎮痛作用を示します。

リハビリテーションでは理学療法士さんが30分ほどかけて肩の周囲をほぐしていく。「手のひらをこの向きにして、こちらへ腕を動かしてください」のように細かく指示をされ、その通りにしていると腕の可動範囲が少し広くなって面白い。骨や筋肉、腱の構造を熟知しているのだな。

それから「肩がぜんぜん凝ってませんね」と言われた。肩が凝らない自覚はあっても実は凝っているのではないかと疑っていたがお墨付きをもらえた。「凝っていないと言いつつ凝っている人もいるんですけど違いますね」と言うのだから間違いないだろう。

そんな具合で4か月ほど通い、痛みはずいぶん出にくくなった。治療を始めたころは左腕を横から水平に上げるだけでイテテテテだったのが、今はほぼ右腕と変わらない動きができる。上着を脱ごうとしたときや、シャツの背中側の裾をズボンに入れようとしたときは少し痛むが、それももうイテテテテではない。

治療を始めて少し経ったら、二の腕のひじ寄りが痛むようになったことがあった。先生によるとそれは筋肉痛だそうだ。「左肩が痛いから無意識に左腕をかばってあまり使わなくなる。治療で回復してきて左腕をまた使うようになると、使わなくなっていた筋肉が筋肉痛になることがある」とのこと。へぇー、そんなことがあるんだ。宇宙飛行士が宇宙ステーションで体がなまらないよう、運動をたくさんしているのを思い浮かべた。

保険診療リハビリテーションを受けられるのは150日間までと決まっているそうで、期限が近くなってきた。次は1か月後くらいに予約を取ってまた様子を見るか、いったん治療を終了して、痛みがまた強くなったら改めて電話で予約を取るかという話になった。ここまで順調に痛みが引けば、あとは自然に痛みがなくなるのを待つのでもいいだろう。次の予約は取らなかった。

五十肩は治療法がないという知識だけがあったので、医者にかかっても仕方がないと痛みが増す中で思い込んでいた。しかし根治はできなくても対症療法はある。肩が痛み始めたらひどくなる前に整形外科にかかればよかった。

自作キーボードがひとまず完成してしまったがここからが沼

回路から自分で設計したキーボードが普通に使えるようになった。致命的な設計ミスや組み立てミスがなく自分でも驚きだ。名前は「ThumbShift5-15TB」とした。親指シフト入力に向く作りになっている。

KiCad(というフリーの回路設計CAD)で回路図を描いて、

KiCADで基板も設計して、

トッププレートやボトムプレートも設計して、

データをまとめてJLCPCBに発注すると送料込み1万円程度で2週間もかからず基板が届いて、

基板の横を黒く塗って(このひと手間で見栄えがよくなる)、

Pro Micro(マイコン)にコンスルーをはんだづけして、

LEDを基板にはんだづけして、

ダイオードを基板にはんだづけして、

トラックボールユニットにピンヘッダをはんだづけして、

基板にはトラックボールユニット用のピンソケットをはんだづけして、

スイッチソケットを基板にはんだづけして、

リセットスイッチを基板にはんだづけして、

キースイッチとキーキャップとトラックボールユニットを装着してボトムプレートをねじ止めするとハードウェア的には完成して、

ファームウェアを書いて、

QMK MSYSからファームウェアマイコンに書き込むと、

なんと! キーボードとして使えるようになっちゃったのだった。(トラックボールファームウェアはうまく動かなくて修正中)

今回キーボードをわざわざ設計して自作したのは、今使っているキーボードがすでに販売終了しているから。エレコムのTK-FBP044BKという機種である。気に入っているが別に高級キーボードというわけでもない、普通のキーボードである。

TK-FBP044BKはWindowsMac OSの両方で使えて、Bluetoothで複数台とマルチペアリングでき、USBでも接続できてその間は無線接続でも電池がほぼ減らない。自分にとって申し分のない仕様で10年近く使ってきた。その間に調子が悪くなったり水をこぼしたりして、今使っているのは確か3台目である。

エレコムはTK-FBP044BKの後継機種を出していない。終売になって時間が経ち、中古品を入手しづらくなってきた。今のが使えなくなる前に代わりを用意しておきたい。(これ、地球が隕石で滅亡する前に人類が宇宙で暮らせるようにならなければならない話に似てますね)

幸い、今は好きなキースイッチ、好きなキーキャップ、好きな配列でキーボードを自作できる環境が整っている。基板を発注するまでのデータはフリーソフトで作ることができるし、発注もネットにデータを上げるだけでよい。先人が獲得してきた自作キーボードの知恵はたくさんのドキュメントにまとめられている。ありがたい時代だ。

ThumbShift5-15TBのキー配列はずいぶん前に考えたもので、実は一度キーボードとして組んでいる。しかし組み立て時にいろいろミスがあって、結局キーボードとして動作することはなかった。そのときの記事は以下。このキー配列にした理由などはここに書いてある。

今回はこのキー配列を踏襲しつつ、一番手前に小さなトラックボールを配置することにした。パレットシステムの「AZ1UBALL」という。またフルカラーLEDを1つつけた。現在の入力モードを知らせるなどに使えるだろう。

自作キーボードのキットを買うことも検討してみたが、親指シフト入力に適したキットとなるとぴったりくるものはなかなか見つからない。トラックボールつきはなおさらだ。大変かもしれないが、自分が使うものは自分で作ろうと考えた。

設計の参考にしたページや電子書籍など

GL516 デザインガイド
テンプレートとなるファイルをもとに、KiCADで回路や基板を設計していく手順が解説されている。ThumbShift5-15TBは基本的にこのデザインガイドを見て設計した。これがなければ自力での設計はとても完遂できなかっただろう。ありがたいことです。ファームウェアまわりの記述はQMK 0.18準拠で古いので、新しいバージョンに合わせて書き直した。
自作キーボード設計ガイド Vol1 設計入門編 - 自キ温泉街販売所 - BOOTH
上のデザインガイドをまとめたサリチル酸さんは、自作キーボード設計の電子書籍も出している。この本ではGuide68という分割型のキーボードを設計していく。デザインガイドより情報量が多く、また設計の手順がちょっと違っていて、そこがまた知見になった。
「自キ温泉街案内所」Discord
サリチル酸さんが運営しているDiscord。キーボードの自作に関するトピックが日々やり取りされている。基板のデザインや発注、ファームウェアのことなど質問させてもらった。とても助かりました。ありがとうございました。
Remap
キーボードのファームウェアを登録し、キーを押したときなにが入力されるかをブラウザ上のGUIで編集できるサービス。ほかにも登録されているキーボードをカタログ的に閲覧し、それぞれのファームウェアのソースリストへのリンクをたどるなどもできる。先人の知恵をいろいろ拝借させてもらった。

パーツを買った店

遊舎工房
秋葉原の近くに実店舗がある自作キーボードのショップ。レーザーカットのサービスもある。ねじやスペーサーを買った。
TALPKEYBOARD SHOP
自作キーボードのパーツ類を販売しているネットショップ。遊舎工房より価格、送料とも安め。ダイオードなどを買った。
秋月電子通商
電子工作全般の総本山ともいえるショップ。秋葉原の実店舗でLEDなどを買った。
千石電商(せんごくネット通販)
秋月電子と同様の電子工作ショップ。秋葉原の実店舗でピンソケットなどを買った。

基板を製造してくれるサービス

PCB Prototype & PCB Fabrication Manufacturer - JLCPCB
今回はここに発注した。基板の製造だけでなく3Dプリントサービスなどもある。安めで早めだが品質はやや劣るという意見が多いようだ。(参考:JLCPCBの発注方法を解説するよ! - 自作キーボード温泉街の歩き方
Elecrow: PCB Prototype & Open Hardware For Makers
JLCPCBと並んでよく知られた基板製造サービス。やや高めだが品質は比較的よいらしく、頒布のための量産はこちらのほうがいいかも。

このあとすること(遠大な目標も含む)

することが多い! カスタマイズもまだまだこれからで、まったくもって沼である。楽しくやっていこう。

この記事はThumbShift5-15TBで書きました。(←これずっとやりたかった)

基板をほしい人いますか?

基板の注文は5枚からだったのでトッププレート、実装基板、ボトムプレートとも5枚ずつ注文しました。ほしい方がいらしたら32名までお譲りします。Twitterなどでご連絡ください。頒布価格はこれから決めます(追記:送料別3,0002,000円にします)。今はトラックボールファームウェアが未完成です。EnterキーのスタビライザーはCostar用の穴がありますが、位置をミスして機能しません。キーケットでお渡しできたら送料がかからなくていいですね。

電話機を買い替える

コードレス電話機の液晶画面がつかなくなって数か月。やっぱり不便なので新しいのを買った。

これまで

サンヨーのTEL-DJ3という子機だけのワイヤレス電話機を使っていた。何度か電池交換をして、今回液晶画面になにも表示されなくなったのも電池切れかと思ったらそうではなかった。買ったのは2010年2月19日だったから14年間使ったことになる。

充電池を2度目に交換した記事でこんなことを書いていた。「充電池を次に交換するのは2021年の半ばくらいかな。東京オリンピックが終わって1年経ってる」。実際は、充電池は2024年の今でもへたっていないしオリンピックはコロナで1年延期された。未来は先の見えないハイウェイだ。

充電池が案外もっているのは、固定電話を使う機会が減っているからだな。なにしろ最近かかってくる電話といえば「リサイクルできるものはありませんか」ばかりだ。

これから

パナソニックのVE-GDL48DL。電話機としては今までと同様子機だけだが、それとは別に親機もある。とはいえ親機には電話をかけたりする機能はなく、小さい家庭用ルータのような外観だ。

電話線は親機につないでおき、子機はスタンドごと離れた場所に置いておけるのが特徴。といってもそうしたい希望があったわけではなく、単に子機だけのワイヤレス電話機より安かった。今は親機のすぐ隣に子機を置いている。「この電話機にしておいてよかった!」となる日がいつか来るといいな。

電話帳登録は漢字変換できるようになっていて技術の進歩を感じる。しかしスマートフォンなら当たり前のことだ。固定電話が個人間のコミュニケーションで主力だった時代はとうに終わっている。スマートフォンを固定電話の子機にできるようになる前に固定電話そのものがなくなりそうだ。

手紙は文字や絵を非同期にやり取りする通信で、郵便局と自宅のポストを介する上に送達に時間がかかる。電話は音声による同期通信でリアルタイム、ただし固定電話しかない時代は電話機のある場所にいる必要があった。どこにいても通話できる携帯電話は便利だが、同期通信なので相手の状況を選ぶ。メールなどのメッセージアプリは文字や絵の非同期なやり取りで、手紙と異なり送達は瞬時だし携帯電話やスマートフォンがあれば場所を選ばない。人々のコミュニケーション方法は案外どんどん変わっているのだな。

今回買った電話機を14年間使ったとしたら交換は2039年。うわー。2035年にあるという関東地方の皆既日食もずいぶん前に終わっている。一体どんな世の中になっているだろうか。