最近の事

しばらくご無沙汰していましたが、ひさびさに書き込みます。
最近テレビでインドやネパールの報道を時々見る機会がありました。
 まず感心したのは、インドの生活レベルがすごい勢いで成長していることです。
以前は、年間1〜2万円の収入しかない人々がほとんどで、ごく少数の過去に王宮などのマハラジャクラスの人が巨額の富を独占していたようでしたが、最近コンピューター関係や自動車関係の年収数十万円のニューリッチ層が総人口の3割以上に増え、自家用車やカラーテレビにエアコンなどの文化?生活をエンジョイしているようです。
 特に驚いたのは、女性や奥さんも働きの出るため、インドで(日本のボンカレーのような)レトルトカレーがよく売れているというニュースでした。カレーといえば昔の日本の味噌汁のようなもので各家庭のお袋が丹精こめて毎日作っているその家の味でしたが、日本と同じようにインスタント化されてきたのでしょう。でもぜひ!食べてみたい!どんな味なんだろう?
 また、ダージリンの鉄道が紹介された番組も見ました。相変わらず人の背丈しかない小さな機関車(トイトレイン)で山道をシュッシュポッポと走る姿は健在で、とても懐かしかったです。もしカルカタに行かれたとき、2〜3日余裕があれば是非ダージリンに行ってみてください。お勧めの場所です。
詳しくは
http://www7b.biglobe.ne.jp/~tic


健康管理と病気 

健康管理と病気 

                                                      鈴木弥太郎

 海外を旅行中、特に熱帯ないし亜熱帯とよばれる方面を旅行していて発病する確率は、その旅行日数に比例して高くなる。
 長い間、旅をしたあとの病気であれば、その原因を知る事は、そう簡単なことではない。
それに先に行く程に落ちこんで行く自分の体力との兼ねあわせも、考えに入れなければならない。

 通常日本で暮らしている程度の体力なら、そう簡単には、かかりはしないような疾患でも、小銭を数えながらの生活を続けるょうになってみると、じつに簡単に体調を崩したり、病気になったりする。
そうしたいわゆる熱帯で病気にかかった場合、その病因のほとんどが、一つや二つの原因ないし、病因に依るものではなくて、いくつかのそれが重なりあった結果としての発病であるがために、適確な診断を下し、適切な処置を講ずるという事は、とりわけ早急に求められなければならない。
いうまでもない事だが、いかなる疾患にしろ、適切な処置が与えられてこそ初めて、治癒への道が開けるものである。
 何もしないよりは、当たらずとも、遠からずだろうというような生半可な判断では治癒への道は開けない。判らなければ判らないなりに、現地の医師の診断を仰ぐ方が、何にも増して有効な手段である。
旅行者間によくいわれるような、熱帯地方での現地の医者に対するいわれのない不信も、徒手空拳な我々の熱帯病への知識に比へれば、彼らが、そこの国に生きて生活してきたという事実ひとつだけをとっても、よはど説得力がある筈である。
 まして、医者となれば、それがいかにチヤチな医者と思われても、未経験な我々たったひとりの知るものよりは、より豊富な判断の材料を持っている。
 疾患を自覚したら、臆する事なく、一刻も早く、身近な医師の判断を仰ぐにこしたことはない。気に病むのは、それからでも遅くはない。
 一般に西アジアの国々での診察費は、初診料を含めてさえも、日本とは比較にならぬ程安い。手遅れになるよりは、まず門を叩いてみる事だ。
 医薬分業の国が大部分だから、診せたとたんに、どうのこうのいう事はない。診せた上で、自分の納得の行くような診断を貰えなかったりしたら、不審な点を問いただして、納得の道を講ずるなり、他の医師に再診を仰ぐなり、病気で寝つくよりは、容易で安上がりな方法はいくらでもある。

 旅行保険を掛けて出かける旅行者なら、尚更の事、一刻も早く、医師の診断を必要とする。
ふつう、旅行保険の治療費や損害金の支払い(体の損傷などに対して)AIU などで扱っている、疾病による休業保備などへの保険金支払い請求にしても、まず第一に、旅行中に被患したという証明を必要とする。
 一刻も早い医師の診断と、その証明であるところの診断書を手にする事は、被保険者の最低限の義務である。
 単純な差別感や、現地医師への不信感から必要な手投を講ぜず、「こんな所の医者に診せるくらいなら、日本に帰って、まともに診て貰うさ。」などと考えてはならない。いざ日本に帰国してからでは、その疾患が、たしかに旅行中に惹き起こされたものであるという証明をする事は、それがたとえ防疫上の指定伝染病や、よほどの重大疾患であったとしても、非常な努力を要する。保険会社が、体質的にもっている支払わない為への解釈に抗するには、昨日、今日の病みあがり人ではとうてい抗弁できる筈はない。
どんなやぶでも良いから、「Medical Certificate,Please」と頼んで、発病の日付と、珍断、それに治療に要する期間を書き込んで、診断書を手にする事だ。
そういった国々では、どうしても、迅速な保険業務を期待できず、下手をすればその為だけに旅の全日程を潰しかねない。
 やむを得ず、その場は自分の懐からの立て替え払いという事になるわけだが、診断書さえあれば、いずれ帰国した後からでも、保険金支払請求はできるし、保険の種類に依っては、その日から計算した日数に応じて休業補償費も支払われる。初期の苦労を(体力のある内に)怠ってはならない。

 それで、まず、どの医者にかかるかの目安だが、占い婆さんの治療から、人工心肺つきの大病院まで、さまざまなバラエティの専門家たちが、ひとつの身体を扱っているが、高級な保険に加入している場合を除いては、まず人工肺器付きの病院なぞにはよほどの重病や大ケガ以外はおいそれとかかれないし、占い婆さんは問題外、そこで上下両極端を除いた一応のめどとしては、まず診断書を出せてしかも英語で書ける位のクラスにした方が良い。
 そして、お金を払った場合、必ず、住所と著名人りのレシートを貰っておくこと。これは保険の有無に関わらず、ポラレを防ぐ手段にもなる。「なぜ、領収書が必要なのだ?」と開かれたら、「あとで、保険を請求するから」と嘘でもいいから答えればタチの悪い医師でも、後々の保険会社からの検査を恐れて、そうひどくはボラない。よしんば、少し位ボラれたとしても手遅れになるより、どれほど良いか知れない。
何の無駄使いよりも、身体により金をかける事が、旅をより良く続けさせる鍵となる。

 医師といっても、選択がむずかしいというのなら、その地区の保健所の居所をたずねれば、一応のレベルは保たれる。
 インドの場合は、「Health Officer(District Health Officer)」ないし、「Block Doctor」をたずねる。
眼科と歯科を除いて、たいていの必須条件をひとりで満たした医師が、このポストに任命されているので、総合的見地からの珍断を期待する事もできる。
 もし、小さな集落を旅行中で英語が通じなかったりしたら、まず「ムキャ・ジー、ムキャ・ジー(村長、村長)」と怒鳴ってその地区の長に会い、次に「ホスピタル」と「ヘルス・オフイサー」を連呼していれば、たとえ学校にも行ってなような子供に見つけられたとしても、そこに連れて行って貰える筈である。
 ネパールで発病したとして、それが、カトマンズ市内やその近くであれば大した心配はいらない。設備の整った病院がいくつかあるし、それなりのレベルを持った医師も待機している。Hospitalと呼ばれる程度の施設の、Head Cheaf Doctorは、必らずといってよいほど、欧米留学や、それに準ずる勤務をした経験を持っている。
 運悪く、カトマンズやポカラなどの大都市以外を旅行中に発病した場合は、ユニセフの援助で設けられている、「Health Post」が、ネパール全土をカバーして約80ヶ所程点在しているので、そこをたずねる事。
 ユニセフやWHOの巡回医師にめぐり会って、その診察を仰げる事もあるし、そうでないとしても一応のレベルの医師に診て貰える筈である。
 ヘルス・ポストの場所を知るには、その地区のパンチャツト(長老委貝会)にたずねれば良い。
パンチャットの建物には、白地に赤文字の看板が、ネパール国王政府の印である。王冠と、十字に組んだネパール刀のシンボルマークを囲んで描いてある。
 インドの項でそうだったように「パンチャット、ヘルスポスト!ドクター・サーフ!」と、繰り返し怒鳴っていれば、その内に誰かが、そこへ連れて行ってくれるから。



インド的下痢
Diarrhea
 まず必ずかかる。普通の下痢は2〜3日で慣れる(人間の本来の抵抗力のおかげ)。
しかし、あなどってはいけない。とてもひどい下痢もある。
余りにひどい時は他の病気を疑うこと。ホテルのマネージャーに病院を紹介してもらうと良い。
かかった場合、食当りの薬を飲んで、断食・腹部保温・水分補給などが対策として考えられる。インドで売られている「Max Firm」が良く効く。
 対策としては、絶対に生水は飲まないこと。
どんな田舎のレストラン(飯屋)でも「ボイルドウオーター(煮沸した水)」と言えば出してくれる。ない場合はチャイを飲むか、ビン入りのジュースを飲むこと。
 セイロガンなども効く時と効かない時があるが、どちらにしろ食当たりの薬は必ず日本から用意しておく事。

アメーバー赤痢
Amebic dysentery
 赤痢アメーバーによる病気。息者の便でよごれた水、飲食物をとった時にかかり。潜伏期は数日から数力月。熱もあまり出ない。1日数回から十数回の下荊があり、赤いゼリーのような粘血便を出すのが特徴。
多くは慢性になりやすく、再発する。生野菜は絶対に食べない方が良い。

狂犬病
Rabies
 もともと犬の伝染病で、その犬にかまれてうつる。
かまれたら必ずうつるというものではないが発病すると相当やばい。
潜伏期15日以上、平均30日ぐらい。初め、ふきげんになったり、沈みがちになったりし、かまれた傷のところが痛み出し、2、3日して不安になり興奮し、物を食べようとすると、のどがけいれんして飲みこめず、四肢のけいれん発作を起こしついには水を見ただけで発作がおこり死に至る。
 心あたりのある犬にかまれたら傷口から血とともに毒を押し出すようにしオキシフルでよく洗い、アルコールで消毒する。それから病院へ直行する。ワクチンがあり、毎日一回太い注射をたっぶリ2習慣ぷちこまれる。副作用がメタメタ強いから狂犬病かどうかよく確かめてから注射してもらう。
とにもかくにもおかしいと思ったら病院にすっ飛んで行く事。

破傷風
Tetanus
 傷口から、土のなかの破傷風菌という細菌が入って起こる。
感染してから1〜2時間して症状があらわれる。
 あごのけいれんがおこり、だんだん全体にけいれんがおこりはじめる。熱はあったりなかったりで、頻の筋肉がけいれんすると、笑ったような顔つきになるが、本人はそれどころのさわぎではない。
重症の場合4日以内に死亡する。一番わかりやすいのは背中が弓なりにそること。予防としては、万−けがをした場合、確実にその傷を治療する事が重要。
 発病したら発作がおこるのをふせぐために、光や音の刺激を避けた暗い部屋に寝かせ、傷のところを切り取ってしまう。同時に筋肉や脊髄のなかに多量の破傷風血清を注射したり、ペニシリンなどの抗生物質を打つ。
とにかくあごのけいれんがあったらすぐ医者のところに行くのが最良の策。

天然痘
Small Pox
 現在WHO(世界保健機構)の発表によれば天然痘の患者は絶滅したことになっている。
天然痘の病原体は天然痘ウイルスで、伝染カが非常に強く、発病すれば死亡率が高い。
天然痘はさむけ、ふるえを伴つて高熱を出し、2、3日すると米粒くらいの赤い斑点が全身にたくさん出てくる。
 やがてそれは水疱に変わり、ついで化膿してくるが真中がへこんでいるのが特徹。
11、12日目頃にはかさぶたとなり、それが取れると、あとにあばたが残り、熱が下がってくる。
疱瘡を受けた人が天然痘にかかつた場合症状が軽く、発疹も少なく、膿疱をつくらないこともある。

(昔話)
 その昔、ゴアからボンベイの船の中で友人が水ぼうそうに感染し3日後、きっちり発病しボンベイの伝染病専門専の隔離病棟(野戦病院みたいな所)に収容された。
最初、天然痘ではないかと考えたり、梅毒ではないかと疑つたりして心配したけれど、英語でチキンボックスと珍断された時は本人のみならず一同ホットした。
 ところが数日後、彼は無事退院し日本に帰国したのだけれど、検疫でなんと真性天然痘であると珍断されたのだった。
 本人と接触した人達までも、うむを言うわさず強制隔離。
インドでは水ぼうそうだと診断されたと主張はしたのだけれど、結局一大パニックを日本全国こ引き起こす結果となってしまった。
結局誤診であったが、戦後日本では絶滅した恐ろしいしい伝染病がインド帰りの旅行者が持ち込んだと大騒ぎになったが、
 
コレラ
Cholera
 源は聖なろガンガ。
コレラ菌を持った患者や保菌者の大便・吐物中の菌が直接に、または飲食物について口に入り伝染する。また、ハエは重要な媒介者。
 潜伏期は1〜2日で、早いときは1〜2時間のものもある。
症状は、軽いものは数日間、1日数回の下痢をするだけのものもあるが、重い場合には、はじめふつうの下痢だったものが急に、または1〜2回のうちに、さむけ、吐き気などがあって、コレラ特有の狂烈な下痢が始まる。
 便は黄色味がなくなり、米のとぎ汁のようになり、嘔吐も加わり、急速に衰弱がはじまる。
手足が冷たく、声もかれ、尿もはとんど出ない。
死亡率は20%〜30%と言われていたが現在では数%以下になった。

流行性肝灸
Hepatitis
 インド・ネパール・中近東方面を長く貧しく旅行する者が一度は味わうウイルス性肝炎。
これもまた死に至る病いであり最も注意を要する病気である。
 水・食物・食器などから感染する。薄伏期は2〜6週間で症状としては風邪にそっくりである。
発熱、食欲不振、倦怠感などが一週間位い続き、黄疸が現われる。便が白くなり水に浮く。
カタル性に進行した場合(カタル性肝炎)。
 目なんかまっ黄色になっちゃう。黄疸が出なくとも肝臓がはれたり、痛みがある。
特効薬はなく、安静にして、おいしいものを食べて回復を待つしかない。
ぶどう糖の注かが有効である。
 インドで売ちれている「LlV52」とビタミン剤を併用すると抵抗力がつく。
なんにもやる気がなくなっちやつてトイレなんか行くのも大変になるぐらいだからくれぐれもこの病気には各自気を付けよう。ジョイントなんか気楽にやってうつらないように.

マラリア
Malaria
 蚊に刺されることによって、その病原菌が人間の血液に寄生し発病する。
3日熱(48時間毎に悪寒発作発熱がある)、4日熱(72時間毎)、熱帯熱(不規則)に分類され滞伏期間は2週間前後。症状はこれまた風邪に頻似している。
予防としては蚊に刺されない様にする事と予防薬を服用することがある。


 コーショー旅日記
 鈴木弥太郎さんとは1975年に、カトマンズのツクチェピークゲストハウス(ホテル)で最初に会った。彼はたまたまこのホテルに泊まっていたネパール大学の数学の岡本先生に合いに来たのだが、その時に私が知り合った。彼は国連ユニセフ職員としてこの地方の医療と衛生を8年間担当しており、チベットなどにも出かけられていた。チベット語サンスクリット語を習得しており、何冊かの著作もある。ダライラマが日本に来られた時、彼がダライラマの通訳と、滞在中のお世話をした。その後ボンベイでまた偶然再会したりして、それからも色々とお世話になり、彼は私にとってインド・ネパールの先生である。
  私は、デリー滞在中に、ずっと衛生面に気を使ってはいたのだが、どうしても野菜が食べたくなってしまい、メトロポリタンレストランでサラダを食べた。割と大きなレストランなので衛生面も大丈夫だろうと思ったのだが、甘かった。その後、3日間書くに耐えないような下痢になった。食事では、生野菜でトマトなどの果実そのままの物は良いが、レタスなどで人の手で調理したサラダはほぼ当たる。
 その下痢のひどさといえば、日本では経験できないひどさである。ベップ君はカトマンズからポカラ行きのバスの中、バスが揺れるたびに思わず漏れるので、おしめをして行ったくらいだ。
 また、ある年のツアー客が、帰国後数日してからコレラと診断され、彼の職業がA食品会社だったため大騒ぎになったこともある。食品関係の職業の方は、下痢をしている場合必ず早めに病院で検査を受ける事を勧める。

インドでの食事

食べ物

 ベジタリアンとノンベジタリアン

  JAI HINDU RESllURANT
    VEG&NONVEG
こんな看板のかかったレストランをどこでも見かけるだろう。
駅のレストランはVEGとNONVEGの部屋が別になっている。
宗教的および経済的理由から、肉、魚、卵等を食べない人がベジタリアン(略してベジ)で、そうでない人がノンベジだ。
インド人はベジ、ノンベジを問わず、ごくー部の回教徒、キリスト教徒を除いては食べない。
ヒンドゥー教徒にとって牛はシバ神の聖なるお使いなのだ。
(以前インドの首相だったデサイ首相は当時83歳でも元気であり厳格なヒンドゥー教徒で、肉、魚、卵はもちろんのこと、火を通しは一切食べず、酒もタバコも口にしないという徹底ぷりであった。)
しかし現在、都会ではノンベジ人口が少しずつ増えているようだ。

 期本的なベシタブルカレー

インドは広い、深い。地方により、宗教により、カーストにより、ふところ具合により、食ペる物も食べ方も違ってくるが、すべての人を通じて最もベーシックなのがベジタブルカレーだ。

北インドのベジタブルカレー(サブジー)
 <作り方>
まずギー(インド風バター)か植物油で、ミジン切りしたタマネギとニンニクをよく炒める。そこに手前の野菜(じゃがいも、豆、トマト、カリフラワー、オクラ、ナス、ホウレン草、マッシュルームなどの中から1つか2つ、好みであれこれミックスしてもよい。)と、唐辛子、生萎、黒胡椒(これらは辛みをつける)カミン、コリアンダー(これらは香りをつける。好みでパプリカ、カードモン等を加えてもよい)ターメリツタ(色を付ける)を加えてしばらく一緒に炒める。水を加えて軒菜が柔らかくなるまで煮る。好みによって火を止める前に塩、レモン汁、ココナツミルクを加えてもよい。

●ダル
レンズ豆に類する豆がダルで、いくつかの種類がある。それで作ったドロリとしたインド風豆スープもダルと呼ばれる。最初はとっつきにくいが、慣れるとダルなしのカレーは物足りなくなってくる。またタンバタ質、ビタミン等、栄養の宝庫でしかも安い。
 <作り方>
ギーか植物油で、ミジン切りにしたタマネギとニンニクを炒める。ダル100gに対して水120ccを加えて柔らかくなるまで煮る。唐辛子、コリアンダー、カミン、マスタードシードを油とともにシャクシの中で煮えたぎらせ、これをダルの中にジュッと加える。塩をふつてかきまぜれば出来上り。好みによってレモン汁やココナツミルクをたらしたり、好みの野菜を加えてもうまい。


●チヤパティー、ローティー
  パロータ、プーリー
 <作り方>
アタ(精製していない小麦粉)に水と塩を加え、手でよくこねる。(固めの方がよい)
1枚分ずつにちぎってうすくのばす。よく挽けた鉄板で油を使わすに挽いたのがチャパティーで、ギーをひいて挽いたのがパロータ。これにマッシュポテトかドライフルーツ、ナッツ等を混ぜて作ってもうまい。
インドではカレーにはチャパティーが一般的で
日本のインド料理店で出てくるナン(チャパテーをパンのように発酵させたもの)は特別に注文しないとまず出て来ない。チャパティーが手間をかけず一番早く作れるし、発酵させないため暑いインドでは保存が楽だからだ。
チャパティーより厚くて大きいのがローティーで、タンドール(かまど)の中で炊いたのがタンドリローティーと呼ばれる。
焼くかわりに油で揚げたものがプーリーで、朝食にぴったりだ。ダヒ(ヨーグルと混ぜて食べると一層うまい。
チヤパティーやパロ−タにハチミツを塗つてバナナとピーナツをはさんだり、マンゴージヤムを塗って食ペればいいおやつになる。

北インドの定食<タリ>
汽車に乗っていて食事時になるとボーイが注文を取りにまわって来る。この時注文しておくとしばらくしてから大きな駅に侍った時、その駅のレストランから仕出しされた定食をボーイが配って来てくれる。
これがタリと呼ばれるもので、6つくらいくぼみがあるアルミかステンレスの1枚のお盆に、ライス、チャパティー、カレー、ダル、パパダム(とうもろこしの粉で作ったせんべい)ダヒ(ヨーグルト)アッツアール(レモンやマンゴーのピクルス)が所定のくぼみに盛り付けられている。
見た目にも何となく愛嬌があるし、駅によってその内容も味付けも違うのが楽しい。
これにもペジとノンベジとがあつて、ノンベジの場合はベジタブルカレーの替りにチキンカレーかマトンカレーが付く。ベジで2〜4Rs前後、ノンベジで4〜8Rs前後。街のレストランでも食べられる。

南インドのベジタブルカレーくサンバ〉
南インドでは、チャパティーもダルもほとんど食ペない。
ライスにサンバと呼ばれるシャボシャボで酢っぱい味のカレー汁を浸すようにかけて食べる。
北インドのカレーとも日本のカレーともかけ離れていて、むしろ日本人がメシにミソ汁をぷつかけて食べる、そのインド版といった感じだ。
くサンバの作り方〉
熱した植物油の中にニンニク、唐辛子、マスタードシードを入れ、色が変って果たら普通に切ったタマネギを入れて透明になるまで炒める。そこに季節の野菜(ジャガイモ、ナス、大根、カポチヤ、ズッキーニー、冬瓜、ドラムステック、豆類などの中から適当に)を入れてしばらく一緒に炒める。かなりの水を加え、煮立ってきたらトマト、ペイリーフ、コリアンダー、黒胡椒、ターメリックを入れて野菜が柔らかくなるまで煮る。好みによって火を止める前に塩、レモン汁、ココナツミルクを加えてもよい。

●インドの定食くミールス
南インドでは、食事時になるとレストランの前にMEALS READYという看板が出る。
注文するとまずバナナの葉っぱとぬるま湯が運ばれてくる。自分でこのお湯を使って葉っぱを洗い終ると、別のボーイがライスを葉っぱの上に乗せていってくれる。次に真鍮のバケツに入ったサンバをシャクシでライスの上にかけていってくれる。今度はクツドゥ く野菜の煮付け)とウルカイ(ピクルス)を葉っぱの隅に乗せていってくれる。
食べ始めてしばらくすると今度は唐辛子と黒胡枕のスープがアルミのカップで運ばれてくる。
サンバとクッドはいくらおかわりしてもよく、いれものをさげてまわっているボーイが「もっといるか?」といつでもまわってきてくれる。来ない時は(堂々と)呼べばすぐもってくる。
食べ終ると葉っぱを二つに析りたたむ。すると最初に運んできたボーイがかたずけてくれるというしくみ。
まさしく南に来たという感じがして嬉しくなってしまう。
ノンベジを食ペたい時はこのミールスに注文のものをプラスしてくれる。

●ドサ、イドリー、バラ
南インド独特のスナックに、ドサ、イドリー、バラなどがある。スージー(米の粉)3にウルトドゥ(豆の一種)の粉1の割合でミックスしたものに、とろりとした粘りが出る程度の水と塩少々を加えてよくかきまぜ、植物油をひいた鉄板で焼いたのがドサ。その中にカレーで味付けしたポテトをはさんだのがマサラドサで、いためたタマネギをはさんだのがオニオンドサだ。
香ばしく都会的な味がして、インド風クレープといったところ。朝食やオヤツにぴったりだ。
ドサよりやや固めに練って蒸したのがガイドリーで、味も形も蒸しパンそっくり。
油で揚げたのがバラでヨーグルトをかけたダヒバラはうまい。

●カレーのバラエティー
色々と中身のちがうベジタブルカレーの他、チキン、マトン、ビーフ、魚、エビ、レバー、プレイン(脳ミソ)、コフタ(ミンチ)チーズ等々のカレーがある。何でもがカレーになってしまい、それぞれがうまい。
また同じチキンのカレー料理でも料理法とスパイスの違いで、カレー、マサラ、ピンダルー、コーマなどの種顆があり、さらに地方色が加わる。
参考までに、カレーよりギーを多く使いこつてりと煮つめたのがマサラ。
ピンダルーは南インドの料理法でとても幸いがコクがある。コーマはムガール風の料理法で、肉をダヒとスパイスにつけておいてから煮込む。香り高くコクがあるが辛くはない。


●ブラオとピリヤニー
白いライスの他、プラオやビリヤニーなどのライス料理がある。ギーとスパイスを使ったインド風炊き込み御飯がプラオで、黄色い色をしている。
このプラオにあらかじめ味付けされた野菜とか肉類をまぜればベジタブルプラオ、チキンプラオなどとなり、コーマとまぜればどリヤニーとなる。こちらはきつね色をしている。ムガール風焼きメシといった感じでどちらも辛くなくむしろ甘味がある。


●カバフとタンドリチキン
インドのイスラム化と共にその文化が持ち込まれ、既存の文化と混じり合って独特の発展を遂げた。
食物においてもその影響は大きい。コーマ、プラオ、ピリヤニーもインドイスラミックだし、カバプ(マトンの挽肉)になるとよリアラブ色が濃い。
タンドリチキンはムガール風ローストチキンだ。(タンドリチキンは丹鳥に通じるのか赤い色をしている)どちらもスパイスが利いていてうまい。
くタンドリチキンの作り方〉
トマト、唐辛子、黒胡椒、生姜、パフリカをスリ鉢ですってダヒに加え、この中に串で穴を通したチキンを半日から1日つけておく。かまどかオープンで時間をかけて何回もつけ挽きにする。


●スナック
ちょっと何かつまみたいというような時、インドはとても便利だ。どこにでもメシ屋兼スナック屋兼お菓子兼チャイ屋といつた店がある。色々なスナックの屋台が出ている。モノ売りもやってくる。
バニヤンやマンゴーの大きな木影でじいさんがチャイを作る。その周りでは牛やヤギが寝そペリ、ベタッと座り込んでオッサンがチャイをすすっている。じいさんが時々犬を追っ払う。白ちゃけた道にバスはまだまだやって来そうにない‥‥。そんな停留所がある。
昼間は人通りもまばらなまぶしい街角。陽の光が黄色くなり始めると、アルチョップやゴルガパをきれいに並べた屋台が店を連らね、涼を求めてどこからともなく集まってきた家族連れや仕事帰りの人々でごつた返す。
アセチレンガスの白い灯とシユーシユーという書、軒先の色電球。音の割れたラジオがボリュームを目一杯に上げて甘ったるい歌謡曲をがなり立て、物売りの声が飛び交う。
路上ではあぐらをかいたおばさんがマンゴーやジャスミンの花をひろげている。
そんな中を牛がのっそりと歩いている。
インドの夕方は毎日がお祭りだ。

●サモサ
カレーで味付けしたポテトをギョウザのように包んで油で揚げたもの。スナックの代表格でインド中でポピュラーだ。

●アルチョップ
マッシュポテトをマンジュウのような形にして油をひいた鉄根でこんがりと焼いたもの。チャトニー(タレ)を付けて食ベる。

●チャナ
チャナと呼ばれる豆をゆでたもの。タマネギのミジン切りと混ぜ、新聞紙にくるみ、スパイスとレモンをかけてくれる。その手つきが面白い。カレー味に煮付けたものもある。

●ゴルガパ
ピンポン球のように丸くふくちませたせんべい。穴をあけて、その中にチャトニーや豆、イモをいれて食ペる。食欲不振時にいい。

●パコラ
カリフラワー、タマネギ、チーズ等にカレー味のコロモをつけて揚げたインド風テンプラ。

●お菓子(ミタワラ)

インドにはあいまいなものがない。中庸の徳も通用しない。
食物においてもしかり。カレーは汗が吹き出て胃が痛くなるほど幸いし、お菓子は思わず吐き出したくなるほど甘い。慣れないうちは頭がシーンとしてきそうな程の辛さと甘さだ。しかしそのうち極限を求めてサデイスティックなまでにエスカレートして行くオノレを発見してガクゼンとするのだ。

●グラブジャモン
シロップに浸してあるこげ茶色をした親指型のお菓子。ダヒに混ぜればうまい。

●ラスグラ
シロップに浸してある白いゴルフボールのようなお某子。お菓子の女王。ケンランたる味と香りがする。

●チキ
ふくらませた米とピーナツをアメで固めたもの。日本にも「おこし」などの同じものがある。

●ジレビー
キツネ色をした満巷型の沸げ井子。沸げたてがうまい。−ロかむとドロリとしたシロップがしたたり出て央る。

●ペラ
白い練り菓子。コクのあるミルク味がする。


●ラルー
表面が粒々の黄色いゴルフポールのようなお菓子。

●アイスクリーム
全般的にうまいが、ブリキの容器に入ったホームメイドのものが特にコクと香りにすぐれている。

これらはごく一部で、お菓子屋さんに行けば実に様々なお菓子が手の込んだディスプレーで陳列してあるのに目を奪われる。

●飲み物
インドで最ももよく耳にする言葉が「アッチャ」と「バーニ一」と「チャイ」。それに「パイサー」と「チョロ」。この事からも水とお茶がいかに深くインドの生活とかかわっているかが分る。

●水(バーニー)
素焼の水ガメからオバさんが水をサービスしてくれる水場が駅や街にある。
インド人は右手の掌だけで深いくぽみを作ってその水を受け、一満もこぼさずにロに持って行く。
絶対に両手では受けない。左手は不浄の手だからだ。水道の蛇口も左手でレバーを押さえ、右手の掌だけで水を飲んだり顔を洗ったりする。
デリーなどには水売りがいて、その仕掛けが面白い。ICE COLD WATER なんて書いてあるが別に水道の水と変わりない。しかし何となくうまいような気がしてくるから不思議だ。1つのショーだ。1杯5パイサは安い。
メシ屋に入るとこぼれる程に木を満たしたグラスが3つ4つ運ばれて集る。役所やホテルなどには水ガメが置いてある。

●チャイ
ミルクティーである。ピリピリのカレーの後で、暑くほこりっぽい汽車の中で、満員のバスの小休止で、このチャイのおかげで何度生き返ったことだろう。
チャイ屋でどんなに多くの出会いと思索と発見があったことだろう。
若葉色の光と、さえすりと、ジャスミンのかおる朝に一杯。しんとした真昼間、手紙を書きながらの一杯。夕方、街の雑踏をぼんやり眺めながらの−杯。チャイのないインドなんて‥‥。
高級レストランのダージリンティーは最高にうまい。
しかし、安物の粉茶をタップリのミルクと一緒に煮出して砂糖をぷち込んだチャイこそ、本当にインドのチャイだ。
あるいは南インドの、見事なショーともいうべき手順を踏んで出されるチャイも本当にインドのチャイである。
そして一杯のチャイを親子で、兄弟で、友達同志で、カップと皿に分け合って飲む光景が実にインドなのである。

●コーヒー
南インドではチャイよりもコーヒーの方が一般的だ。
うすいコーヒーにやはリミルクと砂糖をたっぷり使う。
飲み方がおもしろい。ボーイがコーヒーの入ったカップを小さなボールの中に入れて運んでくる(このカップとボールのセットはステンレス製)。客はカップのコーヒーをボールに移しかえて飲む。
インド人はネコ舌が多いらしい。チャイも、カップから皿に移して飲んでいるのがおもしろい。

●ラッシー
ダヒにミルクと砂塘を加えてよくシェイクした飲物。好みのフルーツを加えればバナナラッシー、マンゴーラッシーなどとなる。味、栄養、冷たさ、すべて言ううことなし。
     
●シェイク
ミルクにフルーツと砂糖を加えてシェイクしたもの。ラッシーの弟分。


●バダムミルク
カシューナッツの入ったミルク。コクがある。
 
●ジュース
色々な生ジュースが安く、ふんだんに飲める。サトウキビのジュースが一番安くてポピュラーだ。(40パイサ前後)レモン汁を多目に加えればさらにうまくなる。ヤシの汁も独特の風味がある。

●リムカ、ゴールドスポットなど
Thums−UP77、Campa−Colaがコカコーラのかわり。


●果物
リンゴ、ミカンからマンゴー、パパイヤ、ジャックフルーツまでありとあらゆる果物の宝庫だ。
3月から6月まではマンゴーが食べられる。豪華ケンランたる風味があつて、「果物の女王」の名に恥じない。その中でもアルファンゾーという品種は絶品で、ピクトリア女王も死を前にして「あぁ、もう一度インドのアルファンゾーが食ペたい」と言った程だ。

●タバコ、ビティ ー、パン
インドには禁煙の人も多いが、タバコの種類も多い。所変れば品も値段も変るのが面白い。バラ売りしていて、1本ずつ買う人も多い。
南インドは葉巻が安く、かなりの人が吸っている。
さて初めてインドの土を踏んだ時、草の焼ける匂いと土ぽこりの混じったような匂いに鼻をひくつかせるだろう。
そして唇のまわりを血で真赤にしたインド人の多いのにギョッとするだろう。実はそれがビデイーの匂いとパンをかんだ時の色だ。
ピデイーは、くずタバコをある種の木の葉で巻き、糸で篇んだ小さな葉巻のようなタバコで、貧乏人やローカーストの人が扱う。501番か30番は工場で作られるが、田舎に行けばじいさんが一人でこれを作つては売っているのが見られる。25本で35パイサ前後。これさえバラ売りしている。
バンと呼ばれる木の新鮮な葉に石灰を塗り、ビンロウ樹などの木の実やスパイスを包んだものがパンだ。味はハッカのようないろいろな薬味が入っていてスッとする。薬味の色で口の中が真っ赤になる。かみ終わると道端に吐き出す。知らないで見ていると口から血を吐いたように見える。作って売る人の街かどで機械のような手つきに注目。


●酒
禁酒の州(タミールタドゥ、カルナタカなど。旅行者はリカーバーミットを取れば良い)があるくらいで都市を除いてあまリ一般化していないが、結構うまいビ−ルがあるしウイスキー、ラム、ブランデーなども国産のものがある。
酒好きな人の多いゴアではワイン、ヤシ、マンゴー、パパイヤ、グァバなどから作った酒も飲める。


ガンジャとチャラス
マリワナはガンジャ、ハッシッシはチャラスと呼ばれる。合法の州と非合法の州があるのでく念の為)調べておいた方がよい。ビハール州ではガバメントショップがあり、ガンガのほとりで警官も吸っていたのを見た事がある。

トイレなどの衛生について

トイレなどの衛生について


   1、 トイレについて考える

 インドでは通常高級〜中級ホテルでしかトイレットペーパーを置いていない。プアートラベラーの泊まる安宿ではなおさらである。列車のトイレにもトイレトペーパーは置いていない。しかし街中の雑貨店やドラッグストアなどで売られているので必要に応じて買うとよい。ただインドの物価からすると上流階級の人々が使う価格帯で、高くてちょっともったいない?気もする。

 一週間ぐらいの旅なら気にすることは少ないと思うが、数週間数ヶ月にわたって旅をする場合、トイレットペーパーも手に入らなくなり、または高くて買う気にならなくなり、いよいよインド式[左手]の出番となる。

 どのトイレにも水道とカップが置いてある。用を済ませた後、右手でカップを持ち水をためて、左手をその水で流しながら左手(数本の指)でオシリをふくのである。
 きたない!と思うだろうが、もしあなたが公園で転んだ時、左手に犬のウンチがついてしまったとする。あなたならどうするだろう。ティッシュでふき取って終わりだろうか?きっと水道の水をかけて手を洗うだろう。その方がずっと衛生的である。気が済むまで洗えはよいのである。ウォシュレットの手動版である。ぬれた手やオシリは暑いインドではあっという間に乾いてしまう。

 このようにして、インドでは左手で食べ物を持たない、握手しないなどなどの左手は不浄の手であることが、実際に体感するのだ。田舎に行くと(都会の街中でも)食事を注文するとスプンが出てこないことがある。右手でカレーとライスをこね混ぜて、その右手で直接食べるのだ。だから左手と右手ではその存在する意味がまったく違っている。左手で握手を求めるなどは、礼儀知らずになるので気をつけたい。

 トイレはほとんど水洗である。もちろん田舎では川原だったりするが。とにかく近くに水がある所がほとんどだ。
 ただ、私がゴアにいた時、安宿(ホテルではなく民宿のような所)に泊まっていた時、トイレが庭の離れに建っていた。和式便器のように溝をまたいでするコンクリートでできた便器で、溝は外に傾斜していてそのまま外に口が開いており、自然に外に流れ落ちると思っていた。しかし、実際にウンチをしてみると傾斜が弱いのかウンチはそこでとどまって外に落ちていかない。どうしようのないのでそのまま外に出た。

 翌日またトイレに入ると、昨日のウンチはきれいに無くなっている。きっと宿の掃除人がきれいに洗い流してくれたのだろうと思った。そしてまた溝をまたいでしゃがみこんでいると、何かの気配がする。おや?と思っていると、またの下で「ブヒ!」と何かの声がする!あわててまたの下を覗くと、なんとブタが三匹口を開けて、私のウンチが落ちてくるのを待っているではないか!!!私は思わず飛び上がって驚いた。なんとウンチの掃除人はブタ君たちだったのだ。しばらくこんがらがった頭をさまし、ようやく事態を把握した私は、ウンチがブタのえさであるという、自然のリサイクル?に感心したりする。

 日本でも昭和の中頃までは、畑に肥料として使われていたのだし、インドでは牛の糞は乾燥させまき代わりにかまどで使われている。確かに人のウンチを食べたブタを人がまたポークステーキなどとして食べるのだから、ちょっと気になるが、日本のようにPCBだとかダイオキシンだとかの科学物質が入ったものを食べて人の体に一生留まって悪影響を及ぼすよりは、ずっと自然ではないだろうか。

 そう思って、ウンチをすることにしたが、せかされているようで何か気が気ではないし落ち着かない。しかしブタも気を使っているのか、私がし終わるまでじっと待っている。そして私が立ち上がると、ようやく体を乗り出しで後始末をし出した。ブタはブタなりに気を使っているのか、それともそのようにし付けられたのかは分からなかった。変わった体験であったが、やはりトイレは一人静かに落ち着いてしたいと思う。


     2、その他
 衛生面でいうと、手洗いとうがいはこまめにした方がよい。水道の水は消毒されているので、水道の水で病気になる事は無いが、飲まないこと。水の質が硬水なのでカルシュウムなどの色々な物が含まれといて、そのまま飲むと胃腸を壊し下痢をする。水を飲むときは必ずボイルドウオーターを頼むこと。インドではチャイならどこでも飲めるので、喉が渇いたらチャイが一番安上がりだ。


     3、女性のパワー
 その他、女性の衛生用品などは普通にドラッグストアで売られているので街であれば困らないだろう。男性の私では詳しい事は分からないが、女性同士で情報交換してうまくやっているようだった。
 どこの美容院がじょうずだったとか、カットはどこがじょうずとか、化粧品はとこのがいいとか、日本人女性同士ならまだしも、現地の女性ともうまく情報交換をすんなりとやってしまう。女性の美に対する意識は全世界共通なのかもしれない。時々女性のパワーには感心させれレてしまう事がある。
 そういえば女性の詐欺師やドロボウはインドやネパールでは、お目にかかったことが無い(もちろん、スケベ男をだますような場合は別、これは引っかかる男が悪い)。ただし油断は大敵であることだけは忘れないように。

ホテル

インドのホテルってどんな所?

(この画像は一般的な安宿です。もちろんマハラジャのお泊りになる超超高級ホテルだってあります。要はお金次第でそれなりのホテルがそろっています。)


 

何はともあれ寝る場所の事を知っておかねば身も心も安まらない。その日どこに寝ぐらを決めるかは旅行における重要な「仕事」の一つである。
世界的に有名なシェラトン、ハイアット、ヒルトンなどのホテルチェーンの立派なホテルが都市や有名観光地にあるが、料金も1泊3万円以上とそれなりに高い。
お金はかかっても安心を選ぶ人は、日本の予約センターからやインターネットでも申し込める。
(しかし、1泊分の2〜300ドルというお金があれば、インドでは安旅行の場合1ヶ月間生活する事も可能である。)

 もちろんあまりお金と緑のない階層(カースト?)は、いわゆる安宿(チープ・ホテル)というスペースにこだわりを持つ事になる。
 安宿というのは文字通り料金の安いホテルの事なんだけれど、ただ安ければ良いというものでもない。汚なくて、日あたりが悪くてシャワーも出なくて、その上どろぼうが多いなんて条件のホテルにはたとえ安くても泊まらない方がいいに決まっている。
 ホテルというのはまず第一に安らげる場所でないと困る。
旅慣れるにつれて、自分の内的なものが少しずつ変化してくるから、カーテンの汚れが目立つとか、ベッドが堅いとか、建物が古いとかいうような事よりも、泊まっている連中のバイブレーションやら、マスターが話のわかる奴でおもしろいとか、旅の情報が集めやすい所という風な事の方が問題となってくる。
だから単に料金が高いから安いからでホテルを決めてしまうというのは惜しい気はするネ。
 何が適している(reasonable)かは難しいけれど個人個人にそれぞれの安宿がある訳だから、あまり「安い」「高い」という事にこだわりを持たない事が何事につけリラックスできる秘訣だと思う。


 安宿といっても都市と地方では相当、料金に差異があり、ドミトリー(相部屋)形式は、デリー、ボンベイカルカッタの大都市に多く、デリーのメインバザール付近ではホテルの屋上をドミトリーにしている所もある。素泊りで4〜5Rs程度。
ボンベイの「サルベーションアーミー」は3食付で20R8程。男女は別々でシャワーも共同だけれども仲々人気があっていつも満員みたい。
こういうドミトリーは合部屋に病院のベッドみたいのがたくさん並んでいるだけだから荷物の管理とかは相当気を付ける必要がある。お金が無いのはなにも自分ばかりではないのだ。
YMCAやYWCAや、現在インド政府がカをいれ始めたユースホステルもこのタイプの宿舎だ。またインド政府が経営するツーリストバンガローやツーリストロッジなども比較的外国人旅行者が多く、「インターナショナル」な感じがあって情報交換なんかするのも便利である。

 インド式ホテルの規模は日本の民宿程度から5楷建て位いのものまで色々あり、石というかレンガというかそういうもので不安定かつ安定感のあるどっしりした造りである!?。地震のない国の建物という感じはする。部屋の広さは8畳から10畳ぐらい。
灯りは裸電球がほとんどである。ベッドは綿ではなくワラなので堅くシーツを変えてもらえるのは比較的高級なホテルである。毛布は布きれの様なものから純毛のものまで様々でなんとか備え付けてある。シャワーは場所によって若干異なるが、ほとんどチョロチョロとしか水は出ない。田舎に行くとトイレは一応水洗便所であるらしいがほとんどこわれていて、使用後バケツに水をくんで流す必要があり、少々あせる。トイレットペーパーなどはあまり備え付けられていないのでインド式に手と水で洗い流すか、持参のペーパーを使うしかない。天井には大きな3根羽根の扇風機がついている所もあり、今にも落っこちて来そうな感じでブンプンと回っているが、少しは涼しくなる。

 どんな小さなホテルでも数人の使用人がいて色々と世話をやいてくれる。
ボイルド・ウォーターやホットウォーターは頼めばポットに入れて持って釆てくれる。
どの部屋にもカギらしきものはついているけれど、信頼感に欠けるので持参のカギに期待をした方が賢明と言える。
食事は、朝食(チヤイにオムレツ)位いは宿でもとれるけれど夕食はやはり外のレストランでしなければならない。またその方が、安くておいしい。

 まあ、なんとなく様子がおぼろげにつかめたと思うんだけれどインドの旅行に関して言えば安宿はいたるところにあり、探すために一日中時間を費やす事はない。リキシヤマンやタクシーに「チープ・ホテル」と言えば適当に案内してくれるから心配御無用。ちまたで言われてる程料金もそんなにぼられる事もない。

注意、この記事の中に出てくる金額は昔のレート(1ルピーが25円)のため、為替の変動で現在がのレートが1ルピー2.5円であるからして、10倍した金額と考えてください。(それでも、世界的に物価が最も高い日本に比べると、インドの物価ははるかに安い)

鉄道

        鉄道

 インドの国土面積は日本の約9倍。したがって一つの都市から次の都市までにの移動の所要時間はとても長くかかる。日本だと大阪東京間が3時間かかるとすると、インドでは9倍の27時間かかると考えて良さそうだ。列車の車内泊が1泊2泊は当たり前と覚悟しよう。そして、目や鼻や口に汽車のススが侵入しても、それをはねかえす強い粘膜と、何時間座り続けても痛くならないお尻を作ることからはじめよう。
 インドの鉄道は、まず都市から都市への距離が長く、非常に時間がかかる。(日本の新幹線の様に15分おきというのは、気違いじみているけれど)週数本しかないのと、インド特有の非合理的(?)さとが相まって、けっこう太い神経を必要とする。
駅に着いても何のアナウンスもなく駅名もあまり発見出来ないから、自分の降りる駅は、自分で責任を持って見つけるしかない。
同乗のインド人に聞くのがてっとり早いのだが…。‥これも保証はできない。まあ、インドタイムをたっぶり楽しむ良いチャンスが列車の旅と言える。

インドの鉄道の営業路線距離数は世界第4位。イギリスの植民地政策により、主要幹線以外はゲージ(レールの幅)が統一されなかったため、幹線をはずれると列車を乗り換えなければならない。最近はかなり整理され、ゲージの統一が進められている。

 列車の種類には、Mail(郵便物兼用急行)、Express(急行)、Ordinary(普通)とがあり、さらに車両のクラスとして、
Air−Conditioned(Accクラス)
〓First(Istファーストクラス)
Air−Conditioned Chair Car(ACCチェアーカークラス)
〓Second(〓ndセカンドクラス)

の4種類に分けられる。料金順に説明すると……

 ACCクラス
全席指定で、4人程の個室(コンパートメント)になっていて、夜間はそのシートに寝ることが出来る。
名前のとおリエアコンが付いているからとても涼しいが料金は飛行機と同じ位高い。

Ist(ファースト)クラス、及び(ACスリーパークラス)
個室になっているがエアコン無しと、エアコン付きの寝台車とがある。

ACCチェアーカークラス
全席指定で、個室にはなっていないが、エアコン付き。リクライニングシートになっていて使い良い。日本のグリーン車の指定席と同じ。

〓nd(セカンド)クラス、及び寝台(スリーパー)クラス
いわゆる二等。三等及び学割が廃止された今となっては、もはやこれに頼るしかない。
3人掛け(一応)のシートに自由に座る。長距離列車なんかは、通路まで足の置き場もないぐらい混雑する。
ひどい時には、3人掛けのシートに8人が身を寄せ合い、さらにその足元のすき間にも人がうずくまっていたり、荷物棚にも人が乗っているといった、戦時中の買出し風景の様になる。
尚、長時間の旅が予想されるならば、スリーパーの寝台車で予約をとっておく事をすすめる。
スリーバーには2段になった2Tier と3段になった3Tierとがある。2Tierの上段は、昼は荷物棚になり下段は座席になる。3Tierは、上段は荷物棚となり、中段は支えを取りはずして背もたれになり、下段は座席になる。
寝台として使用するのはPM9時からAM6時までの間である。席は木でできていてクッションも何もないから、シュラフか毛布を持っていると楽である。


    基本料金
km単位で計算される。詳しくはTime Table(時刻表)の料金表参照のこと。

         予約
長距離列車のほとんどが予約制になっている。予約は、駅のリザベーション・ブッキング窓口で、申込用紙(Requjsition For Reservation)に必要事項(列車名日時、クラスetc)を記入して出し、予約がとれれば、切符が購入できる。
一般に主要幹線の列車は予約が満席になっている場合が多く、特に二等のスリーバーの予約は1週間先の列車まで満席になっていることもある。
リザベーションの窓口は、常に人で混んでいるので朝早く行く事をすすめる。
予約料金は、
ACC  クラス   10Rs
Ist  クラス    4Rs
ACC チェアーカー  2Rs
〓nd クラス寝台  2Rs
座席指定      1Rs
入場券    10Pとなっております。

予約が満席で取れなかった場合
窓口で予約が取れなかった場合、直接その列車の車内で、車掌に席が空いてないかをたずねると良い。数ルピーのチップを渡せば取ってもらえる場合もある。また駅のポーター(赤帽)に頼んで取ってもらう方法もある。


    時刻表の利用の仕方
タイム・テーブルは駅の売店で簡単に手に入る。料金は50P〜3Rsまで色々な種類がある。列車を利用する場合これを買うととても便利。内容は日本の時刻表とほとんど変わらない、便利性を追求すると世界中同じような形式になるようだ。日本の時刻表の英語版と考えてよい。結構よくわかってタイムテーブルを見ているだけでも楽しい。
種類は、セントラル、ウェスタン、イースタン、ノースイースタンetcがあり全図版もある。地方版は巻末に、日本の時刻表のような地図が付いている。
●タイム・テーブルの最初に載っているのはRules for Refund or Unused Tickets&Cancellation Fees(使用してない切符の払い戻しと取り消し手数料のルール)である。
次にPassengerFares(距離あたりの旅客料金)があるがこの2項目はあまり必要としない。
●また予約料金と寝台車の追加料金の欄がある。

     インド・レイル・パス
ヨーロッパのユーレイルパスによく似ている。その期間中何度でも、どこででも乗り降り自由な周遊券
料金は、最初に使った日から7日間、15日間、21日間、30日間、60日間、90日間とあり、さらにクラスが3種類に分かれる。
購入する場合は主要駅6カ所の「レイルウェイ・ツーリストガイド」でUSドルで支払う。
購入場所
●レイルウェイ・ツーリストガイド
カルカッタ、フェアリープレイス、イースタンレイルウェイ内
Eastern Railwa);Fairlie Place,Calcutta
●セントラル・リザベーション・オフィス
カルカッタエスプラナドマンション、サウスイースタンレイルウェイ内
South Eastern Railway,Esplanade Mansion,Calcutta
●セントラル・リザベーション・オフィス
ボンベイ、チャーチゲート駅、ウェスタンレイルウェイ内
Western Railway,Churchgate,Bombay
●レイルウェイ・ツーリストガイド
マドラスマドラスセントラル駅、サウザンレイルウェイ内
Southern Railwa)ちMadras Central,Madras
●レイルウェイ・ツーリスト・ガイド
ボンベイ、VT(ビクトリア・ターミナル)駅、セシトラルレイルウェイ内
CentralRailway Bomba,y VT
●レイルウェイ・ツーリストガイド
ニューデリー、バロータハウス、ノーザンレイルウェイ内
NorthernRailwa〉;Baroda House,NewDelhi



         食事
車内にて
朝食(AM8時〜10時)・昼食(pM12時〜2時)・夕食(pM7時〜9時)の間となっている。
ベジタリアン(菜食)とノンベジタリアン(肉食)とに分かれており、自由席以外は、時間になるとボーイがオーダーを取りに来る。

タリ(定食)について
ベジタリアン(菜食)料金2.5Rsから
ライスとチャパティ
ダル(豆スープ)
野菜2ケ(トマト etc)
カード(ヨーグルト)
チャツネ(カレー漬物)
パパド(薄焼インド風塩味せんべい)
●ノンベジタリアン(肉食)料金3Rsから
ライスとチャパティ
ダル(豆スープ)
ベジタブルカレー
マトン(又は魚・卵)カレー
カード(ヨーグルト)
チャツネ(カレー漬物)
パパド(薄焼インド風塩味せんべい)
このタリは昼食と夕食のみ。地方によって味も微妙に違うから楽しめる。ビン入りの水も付いて来る。

ウェスタンスタイル(洋食)
●朝食       料金5Rsから
コーンフレークかトーモロコシスープ
卵2ケ、もしくはベジタブルカツレツ(野菜コロッケ)
トースト2校とバターかジャム
ティーかコーヒー
フルーツ
●昼食及び夕食   料金8Rsほど
スープ
魚かマトンのサンドイッチかマトンカツとライスのいずれか
プディング
コーヒー
フルーツかデザート

駅にて

ホームにて
●軽食(スナック)
食事時になると駅のホームには、サンドイッチ、カツレツ、サモサなど駅弁スタイルで売りに来る。
●チャイ
紅茶は、「チャイー、チャイー」のかけ声高く、片手にヤカン、片手に素炊きのカップを手にして売りに来る。カップー杯が30P。

駅構内にて
●リフレッシュメントルーム
駅にあるレストランでそれなりの食事ができれる。大きな駅にはこういった設備がある。
駅によっては、ベジとノンベジで部屋が分かれていることがある。

       駅の設備
●切符売場(Booking)
発売窓口、予約窓口。各クラスなどによつて分かれている。
●待合室(waiting Room)
ソファーとテーブルその他シャワー室やベッドルームも備えられている事が多い。女性専用の「レディス・ウェイティンクルーム」がある駅もある。
簡易宿泊所(Retiring Room)
構内にあり、個室が5〜15Rs、ドミトリー(大部屋)が数ルピーでベッドとシャワー室もあり安くて安全である。主要駅のみ。
DelhiMain,New Delhi,Simla,Ahmritsar,Pathankot,Bareilly, DehraDun,Haradwara,Hardoi,Rampur,Najibabad,Jodhpur,Hanvmangarh,Kanpur Central,Allahabad,Lucknow,Varanasi,Ayodhya,Bhatinda,Ludhiana,Ambala Cartt,Faizadad,Bikaner,Jammu Tawi,など
エアコン付きの部屋などもあり、料金は街中のホテルより安いことが多い。

参考文
「ボーダー 国境を越える」の「ナウタンワ」から「ラクノー」まで
ボンベイ」の「大陸横断列車」        

盗難

   盗難

 まず肝に銘じてほしいのは、日本ほど治安の良い国は無いということである。たとえは席を取るために荷物を数秒間席に置いたままにする、とどうなるかと言えば、必ず荷物は消えて無くなる。これはインドでもアメリカでもヨーロッパでも同じである。

 インドは貧しい人が生きるために豊かな人から施しを受ける習慣(バックシーシー)がある。泥棒もそうだとは言えないが、貧しい泥棒が多いため物は盗むが人に危害を与えたという話は私が駐在員をしていた時代は聞かなかった。アメリカのように刃物で人を脅して盗るようなことな無いと思うが、現在はアフガニスタンで日本人が殺害されたりしているので危険は増えていると思われる。

 ただやはりインドでは、目を離した隙に荷物を盗まれる場合がほとんどだ。街中の観光中やショッピングやレストランにおいても場所を選ばず盗難に合う。必ず荷物を身から離さない事。ホテルにカギをかけても安心できない。ホテルの使用人が盗む場合もあるし、同じホテルに泊まっている宿泊客が盗みをする場合もある。もし外出をする時は、身に付けられない貴重品はホテルのフロントのセーフティーボックスに預かってもらうのが一番安全である。サイフやパスポートなどは腹巻とまでは言わないが、とにかくしっかりと身に付けておくこと。

 特に列車で移動中はカバンを狙われやすい。両手で抱えてうとうとしていると、刃物でカバンを切られ貴重品が盗まれる事が多い。しかも盗った後は空いた隙間に詰め物をして気付かれないようにしたりしてあり、被害者に聞くとまるで手品の様だとの事である。

 街中で子供が荷物をひったくる場合がある。その時のために子供を追いかけて捕まえるだけの足腰を鍛えておこう?。それが無理なら荷物はしかりと身に付けひったくられないようにすること。

 その他の詐欺まがいの事は「ニューデリー」の「思い出 コンノートプレイス その2」を見てください。

   特殊な場合
 実話ですが、当社の女性旅行客が日本に帰るためカルカッタ飛行場に向かった時にタクシーに乗りました。途中の人気の無い道路で急にタクシーが止まってしまいました。運転手が車の調子が悪いので車を後ろから押してくれと言われたのです。
 彼女は何の疑いも無く手伝うつもりで体ひとつで車外に出て車を押しました。すると無事車はエンジンがかかりました。「良かった」と彼女は思ったところ、なんと車はそのまま彼女を置いたまま走り去ってしまったのです。あっけにとられて立ちすくむ彼女。すぐに止まってくれるだろうという彼女の思いを無視し彼女の全ての荷物を乗せたまま走り去るタクシー。ただ一人道路に置き去りにされた彼女。頭の中が真っ白になったそうです。
 ようやく後から来た車に訳を言って飛行場まで送ってもらったのですが、飛行機は出た後でした。飛行場のカウンターで訳を言って泣いている彼女。
 するとたまたま隣にいて訳を聞いたインドの青年が、彼女を連れて空港の警察に行き色々な手続をしてくれて、彼女を彼の自宅に客人として泊めてくれたのです。
 なんと彼はインド政府のエリート高官であり、「これはインドの羞じだ」ということで、ものすごく親切にしてしてくれたそうです。その彼の家はものすごーーい邸宅だったそうです。彼のご両親もすごく裕福な方で一家で彼女を親身に世話をしていただいたそうです。
 荷物は戻りませんでしたが、パスポートの再発行や航空券の再発行もしてもらい、無事日本に帰ることができました。
 彼女がTICに来てその話を聞いたとき私は笑ってしまいました。彼女にもとても良い経験だったと笑っていました。捨てる神あれば拾う神ありで、旅行というのはとてもおもしろいですね。彼女はまたカルカッタに行って彼に合いたいと言っていました。