英語の時制シーケンスまとめ

英語文法において時制は最も厄介なルールの一つだ。特に複数の出来事の前後関係を含意するシーケンスは、正確に使うには訓練が必要だろう。"Sequence of Verb Tenses"では、そのルールをロジカルに一覧にしている。とても有用な表なので、以下に紹介したい。

主節の動詞が過去形もしくは過去完了形以外の場合には、従属節の動詞の時制は何でも利用することができて、その時制の通りの意味を表す。しかし、主節の動詞が過去形もしくは過去完了形の場合には、従属節の動詞は、過去形もしくは過去完了形でなくてはならない。例外は従属節が一般的真実として広く知られていることを表現するときである。

  • In the 1950s, English teachers still believed that a background in Latin is essential for an understanding of English.
  • Columbus somehow knew that the world is round.
  • Slaveowners widely understood that literacy among oppressed people is a dangerous thing.

次の表は時間が重要となる一連の節の正しい時制の関係を示したものである。

独立節の時制従属節の目的/従属節の時制
単純現在同時に起こるアクションを示すときには、現在形を使う。I am eager to go to the concert because I love the Wallflowers.
過去に起こったアクションを示すときには、過去形を使う。I know that I made the right choice.
過去のある時点から現在まで続く期間を示すときには、現在完了形を使う。They believe that they have elected the right candidate.
これから起こるアクションを示すときには、未来形を使うThe President says that he will veto the bill.
単純過去別の完結した過去のアクションを示すときには、過去形を使う。I wanted to go home because I missed my parents.
過去の時点よりもさらに前のアクションを示すときには、過去完了形を使う。She knew she had made the right choice.
一般的真実を述べるときには、現在形を使う。The Deists believed that the universe is like a giant clock.
現在完了
or
過去完了
どんな場合でも過去形を使う。She has grown a foot since she turned nine.
The crowd had turned nasty before the sheriff returned.
未来同時に起こるアクションを示すときには、現在形を使う。I will be so happy if they fix my car today.
過去のアクションを示すときには、過去形を使う。You will surely pass this exam if you studied hard.
未来だが、独立節のアクションよりは時間的に前のアクションを示すときには、現在完了形を使う。The college will probably close its doors next summer if enrollments have not increased.
未来完了どんな場合でも現在形ないしは現在完了形を使う。Most students will have taken sixty credits by the time they graduate.
Most students will have taken sixty credits by the time they have graduated.

不定詞(infinitives)

動詞と同様に不定詞構文も時間に関する情報を表現できる。そのため、不定詞構文を利用する際にも、正しい時制に関して注意しなければならない。

不定詞の時制不定詞の役割
現在時制の不定
(to see)

動詞と同時もしくは動詞よりも後のアクションを示す。
Coach Espinoza is eager to try out her new drills.
[熱意(eagerness)は今。使ってみる(try out)のはこれから後。]
She would have liked to see more veterans returning.
[現在時制の不定詞であるto seeは、過去時制のwould have likedと同時。]
完了不定
(to have seen)

動詞よりも以前のアクションを示す。
The fans would like to have seen some improvement this year.
["would like"は現在の状態を示している。"to have seen"はその時よりも時間的に前の事象を表す。]
They consider the team to have been coached very well.
[完了不定to have been coachedは、動詞considerよりも時間的に前であることを示す。]

分詞(participles)

同様に分詞構文も時間に関する情報を表現できる。そのため、分詞構文を利用する際にも、正しい時制に関して注意しなければならない。

分詞の時制分詞の役割
現在分詞
(seeing)

動詞のアクションと同時に起こっているアクションを示す。
Working on the fundamentals, the team slowly began to improve. [beganで表現されているアクションは過去に起こった。同時にworkingも起こった。]
過去分詞もしくは完了分詞
動詞のアクションよりも以前に起こったアクションを示す。
Prepared by last year's experience, the coach knows not to expect too much.
[knowsで表現されているアクションは現在のことである。preparedはその時よりも以前の時間を表現する。]
Having experimented with several game plans, the coaching staff devised a master strategy.
[完了分詞having experimentedは、過去形の動詞であるdevisedよりも時間的に前であることを示している。