実写版『美少女戦士セーラームーン』ファンブログ


最新記事〕 〔過去記事〕 〔サイト説明〕 〔管理人

【第957回】次第に深まる疑惑と蠱惑の巻(泉里香inドラマW『松本清張 眼の壁』10)


 沢井美優が2024年4月30日のSNSで「本日クランクインでした」とか言っていたらしいが、何の話だそいつは?……と探したら『映画ナタリー』がヒットした(2024年4月30日)。



買い物、SNS、アルコール…依存症の人々を描くマンガ「満タサレズ、止メラレズ」がドラマ化



 普通の人々が依存症に陥る姿を描いた駒井千紘のマンガ「満タサレズ、止メラレズ」がドラマ化され、筧美和子、鈴木ゆうか、沢井美優が出演するとわかった。制作は、TikTokを中心にショートドラマを制作しているクリエイター集団・ごっこ倶楽部が担う。



 ドラマでは、依存症と向き合う女性たちのストーリーが展開される。筧が買い物依存症、鈴木ゆうかがSNS依存症の人物を演じ、沢井美優はアルコール依存症に悩む夫を持つキャラクターに扮した。3人から届いたコメントは下記の通り。

……(中略)……



沢井美優 コメント
とてもナイーブな内容かと思いますが、どんな悩みもその人にしかわからない想いというものがあると思います。そしてどのような選択、結果が正解なのかもその家庭や状況によっても異なること。そんないくつもある中のひとつのかたちとして、共感やちょっとした気付きになってくだされば嬉しいなと思います。



 そうですか。沢井美優と「ごっこ倶楽部」のつき合いも、なんだかんだと長い。当ブログではあまりきちんと紹介できていないが、それは私が、スマホの縦長画面でドラマを楽しむ、というスタイルに心から馴染むには、まだもうちょっと時間がかかりそうなジジイだからに過ぎない。



 まあ馴染む前に死んじゃうかも知れないが、今回は地上派テレビ放送を前提としているようだから、現在の16:9のワイドサイズになるのかな。

  • 2024年5月5日追記 その後、朝日放送の公式サイトに、3人の主演のうち沢井情報だけ出ていない、などの不穏な指摘があり、再度調べたところ、「地上波では6月23日(日)よる11時55分~深夜0時55分に「買い物依存症」「SNS依存症」のエピソードを配信予定。「アルコール依存症」のエピソードは配信プラットフォームでのみ視聴可能で、SNSでのバズと地上波の影響力を掛け合わせてコンテンツ制作の新たな可能性を探る試みとなっている」という記事を見つけた(「Mapionニュース」2024年5月1日参照)。この憤懣やる方ない想いをどこにぶつけたらいいのか?だいたいこの記事だけど、地上波で「配信」ていうか?「放送」だろ普通(やつあたり)。


 ごっこ倶楽部といえば、このあいだの『仮面ライダーガッチャード』第30話「ガッチャとジュリエット」(テレビ朝日、2024年4月7日放送)で、文化祭の出し物を演じた「お笑い研究会」の二人が『暴太郎戦隊ドンブラザーズ』のキジブラザー(鈴木浩文)とソノザ(タカハシシンノスケ)だった。どうにも高校生には見えなかったが、あれは何だったのであろうか。



 この二人は「タカハシシンノスケ、鈴木浩文はラジオがやりたい」(ラジオ日本)という番組にプロデューサー補の松浦大悟さんをゲストに呼んだりしたそうで、あと山口恭平監督もここ数年ライダーからスーパー戦隊に出向していたし、そういう関係らしい。公式によると、この回の脚本は長谷川圭一だが、二人の漫才は鈴木浩文が考えたネタだそうだ。それはそうと全編学園ドラマだった今回のエピソード「悩めるりんねちゃん」編、実写版セーラームーンみたいでおぢさんは楽しかったぞ。




 ついでにもうひとつ。こっちも皆さんご承知であろうが、備忘録がわりに。NHK公式サイトより(2024年4月1日リリース)。



『岸辺露伴は動かない』最新作「密漁海岸」&『岸辺露伴 ルーヴルへ行く』5月放送!



▼ドラマ 『岸辺露伴は動かない』第9話「密漁海岸」 (新作エピソード)
[NHK総合] 2024年5月10日(金) よる10:00~11:00
[BSP4K] 2024年5月5日(日) 午後1:00~2:00 ※先行放送



▼映画 『岸辺露伴 ルーヴルへ行く』
[NHK総合] 2024年5月6日(月・祝) 午後3:55~5:54
[BSP4K] 2024年4月27日(土) よる7:00~8:59 ※先行放送



▼ドラマ第3期 第7話「ホットサマー・マーサ」 第8話「ジャンケン小僧」 (再放送)
[NHK総合] 2024年5月5日(日・祝) 午後4:10~5:58


 ただ、今回の新作「密漁海岸」は、脚本が演出の渡辺一貴名義になっているのが気になる(脚本:渡辺一貴/
脚本協力:小林靖子)。渡辺一貴が脚本もやりたかったのか。小林靖子のスケジュールが合わなかったのか。それとも小林先生が、近年のマンガ原作脚本家バッシングの変な影響を被らないよう、あえてこういう表記にして守ったということか?





 さて本編です。『松本清張 眼の壁』第3話レビュー(2022年7月3日放送、原作:松本清張/脚本:深沢正樹/照明:宮脇正樹/撮影:金澤賢昌/監督:内片輝/チーフプロデューサー:青木泰憲・的場政行/制作:WOWOW・ファインエンターティメント)。連休なのでササッと行こう。



 関野部長(甲本雅裕)が亡くなった。もう事件を追う意味もほとんどない。警察に出頭して何もかも喋ってしまおうとした萩崎(小泉孝太郎)を引き止めたのは、絵津子(泉里香)だった。絵津子は萩崎を自宅に匿う。



萩 崎「父親が亡くなったあと、関野さんは本当の父親のように可愛がってくれた。子供がいなかったから、おれのことを息子みたいだって」



萩 崎「……こんなことに巻き込まれる人じゃなかった」



 それにしてもタバコの持ち方がちょっと変な泉里香。そこまでしてタバコを手に持たせる演出は必要だったのか。



 萩崎は絵津子に村木(上地雄輔)の連絡先を伝える。信頼できる友人であり、情報収集能力に長けた優秀な新聞記者である。



村 木「初めまして、村木です」
絵津子「初めまして、上崎です」



村 木「あいつは?」



村 木「連絡ありがとうございます。あいつ危なっかしい所あるから心配していて」


 持つべきものは友人ですね。さてここでようやく、この謎の女の素性というか、手形パクリ詐欺および関野部長失踪へのかかわりが明らかになる。と言ったって事件はまだ進行中である。絵津子の言うことをどこまで信頼していいかも分からない。とにかく話を聞いてみましょう。



萩 崎「警察になにもかも話すつもりだった。間違っていたんだ。何もできるわけがないのに、この手で関野部長を助けようとしていた。もっと早く警察に話せばこんなことにはならなかったんだ」



萩 崎「おれが関野部長を殺した」
絵津子「それは違う」



萩 崎「どうしてそんなことが言える。君は何なんだ? なぜおれの前にいる」



絵津子「……」



村 木「……おれから質問させてください。山杉商事に勤めるあなたがなぜ、あの店で働いているんですか? 岩尾輝輔議員とはどういう関係なんですか?」



絵津子「堀口という男のことを調べるように、山杉社長に言われました」



絵津子「堀口を初めて見たのは、あなたと会ったあのホテルのロビーでした」
萩 崎「気づいていたのか?」



絵津子「はい。私が堀口を調べ始めた初日です。驚きました。知った顔でした。堀口は『月世界』のマネージャーだったんです」



萩 崎「もともと堀口を知っていたのか?」



絵津子「はい。店では田中と名乗っていました」



村 木「そんな偶然あるんか?あなたは偶然その店で働いていたっていうのか?」



絵津子「村木さんは記者さんですよね。」



村 木「ええ」



絵津子「では、月世界やKSビルが、どういう人たちのものなのか、御存知ですね」



村 木「経済犯罪を重ねている組織と聞いています」



絵津子「その組織には山杉商事も被害を受けています。だから実態をつかむために調査を進めていたんです。岩尾先生はその組織と深い関係にあります」



萩 崎「そして君は、岩尾の愛人」



絵津子「まさか。先生は私なんか。ママです。店のママがいい関係なんです」



萩 崎「そうなのか」



村 木「つまり堀口はその組織の手先として関野部長を騙し、真相を突き止めようとした田丸まで殺した」
萩 崎「関野部長を殺したのも堀口か?」



絵津子「そうじゃないと思う。あの人は利用されているだけです!」



絵津子「萩崎さんが警察へ行き、すべてを話せば、堀口が追われることになります。でも、堀口は警察に捕まる前に殺されます」



村 木「口封じ?」



絵津子「罪を着せられて殺されるんです」



絵津子「そして事情を知っているあなたも危険なんです」



村 木「おれも顔を見られている」



絵津子「だから私は堀口を見つけ出します。真実を突き止めるために。力を貸してください」



萩 崎「関野部長を殺した犯人が分かるのか?」



絵津子「……はい……」



村 木「堀口の場所に心当たりは?」



絵津子「もしかしたら長野県」



萩 崎「長野県?」



絵津子「岩尾輝輔の弟が、長野県で岩尾建設という会社を経営しています。そこに匿われているのかも」


 というわけで舞台はいきなり長野県へ。まあ、この時点で絵津子がまるっと真実を語っているとは誰も思わないだろうが、それにしても気になるのが堀口(薮宏太)に対する絵津子の態度。萩崎を心配しているようで、実は何よりも堀口の身を案じている。萩崎への協力依頼も、関野部長を殺した犯人を見つけるためでもあるというタテマエとは裏腹に、堀口を見つけて冤罪疑惑を晴らしたい、という想いがほとばしっている。つまり堀口は絵津子の恋人か? 萩崎としてはいまいち腑に落ちないが、無下に断るには、もうこの謎めいた美女に心惹かれ過ぎていた。だもんで、二人はさっさと長野へ向かう。





萩 崎「……いや……」



萩 崎「ひとつ聞きたいことがあるんだ。……君はどうして堀口が、田丸や関野部長を殺したとは思わないんだ」



絵津子「堀口……田中マネージャーは優しい方です。いつもみんなのことを気にかけてくれて。だから、そんなことするわけないって」



萩 崎「君は彼を信じている」



絵津子「はい。信じています」



萩 崎「君、御両親は?」



絵津子「いますけど会っていません」


 このように絵津子の正体はまだ謎めいてはいるが、でもお話自体はかなりクラシック・ミステリなので、未見・未読の方も、この先の展開について、だいたいの見当はつくのではないだろうか。
 古典とはいえ最後の最後までオチを割るのはルール違反。それでもこのドラマの場合、クライマックスの泉里香の美しさもしっかり記録に留めておきたいような気もするし、『ヒポクラテスの誓い』のときみたいに、エンディングまでやっちまおうかな、とも思っている。なんて考えつつも、物語はいよいよ後半に。


 それでは今回はこの程度で、みなさま良き連休をお楽しみください。