退職代行

今年の流行語大賞に入りそう。

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会社でのハラスメントや不適切な勤務環境から逃れるため、退職手続きを代行するサービスの利用者が5月の大型連休明けに急増している。人事担当者らと顔を合わせずにスピード決着できる点を売りに、社会に出てわずか1カ月の新卒者からも依頼が殺到

会社を辞めるのなど簡単だと思うけどな。ただ賃金の未払いが続いているので退職、それまでの賃金を請求することになったら法律家の助けが必要になるか。でも新卒からも依頼があると書いてあるので、ほとんどは自分で言うのが気まずいとか怖いからなのかも。しかし1か月では仕事のことも会社のことも何もわからないだろうに。日経クロステックに面白い記事があった。これは有料サイトなので一部を抜粋だけする。

新入社員の離職、「ディスプレー2台置き」で防ぐ

なんだそりゃ?

筆者は以前、このような相談を受けたこともあります。「入社5年目・10年目の先輩が、PCに向かってひたすら単純作業をしている。毎日鬼の形相で仕事をしていて、これでは機械のように仕事をこなすだけになるのではないか。自分は5年目にはプロジェクトマネジャー補佐、10年目にはプロジェクトマネジャーになり、プロジェクト全体を取りまとめる立場につきたい。しかしこの環境ではそんなキャリアは望めなさそうなので、離職したい」――。相談の主は、IT企業に新卒で入社したばかりの若者です

すげえ勘違いだな。その「単純作業」は本当に単純な作業か、入社したばかりではわからないと思うな。深遠な思考で生み出された結論も最後は文章に起こすという単純作業でしょ。最先端の科学の研究も最後はデータをまとめて論文を書くという単純作業なんだよね。

こうした相談をしてくる人は、キャリア教育の影響を受け過ぎているケースもあると感じます。大学などでは「未来のキャリアをしっかり考えなさい」と言われますし、場合によっては「60歳に退職するとして自分が何を目指し、どう行動するかを1年単位で考えなさい」と指導されることもあります。就職前からかなり緻密にキャリア設計をしていて、その内容が現実を無視したものになっていたとしても「こうしなければ自分のキャリアは築けない」と思い込んでしまうこともあるのではないでしょうか

そんな教官はクビにしろよ。私なんか2回も会社を変わったけど、そんな未来はまったく想像してなかったよ。そもそも2社目や3社目で携わった技術や製品、およびそれらにまつわる仕事って大学を卒業した時点では存在しなかったからキャリア設計の想定外。いまの学生が40才になったときに就いている仕事だって、いまは想像できないのではないかな。そう考えると大学で言ってるキャリア設計より、初ボーナスで風俗に行く、25才までに童貞を捨てる、30才までに車を買って彼女を作って海に行く*1のが普遍性がある人生の目標になると思う。

新入社員の目には機械的にキーボードをたたいているだけに見えても、先輩がかなり高度な仕事をしている可能性も大です。ただしその内容を詳しく聞くことができず、先輩も説明するのが難しいので、単純作業をしているように映ってしまうのかもしれません。
筆者のクライアントであるIT企業では、先輩の仕事ぶりを可視化するために、先輩のPCのディスプレーを2台用意し、先輩用と新入社員用に分けてもらっています。製造業であれば先輩の仕事ぶりが行動として見えることも多いのですが、それと比べるとIT企業は見えにくいケースが少なくありません。そこで新入社員や後輩などが見るためのディスプレーを置いてもらい、いつでも仕事ぶりを見学できるようにしてあります。
先輩の中には「衆人環視のような状態では仕事をしにくい」と言う人もいます。しかし、「新入社員にはまず、仕事を見て覚えさせたい」というタイプの人にとっては、最も楽な育成方法だと思います

なるほど、これは面白い。先輩も仕事中にエロサイトを見ることができなくなるので、先輩の仕事を後輩が監視している側面もある。あとは他部署に質問や依頼のメールを出すのに、どの程度まで丁寧に、あるいは砕けた表現にするかもわかるね。あるいは他部署のチョンボを発見したとき「てめえ、よけいな手間をかけさせやがって。死ね、いますぐ死ね」とか送ってたら後輩が注意してもいい。やっぱり本当に「だめだこりゃ」と判断するには1年でもまだ足りないくらいだと思うんだよね。がんばれ、新入社員!

*1:昭和か