冬の映画まつり「ゴールド・ボーイ」「ARGYLLE アーガイル」

この2本は近所でも上映されているのだが、公開から1か月近くが経っているので1日1回のレイトショーのみ。時間をずらして同時に観られるのがTOHOシネマズ日比谷だけなので行ってきた。いままで知らなかったが、4階にTOHOシネマズが入っている東京ミッドタウン日比谷、一つ下の3階にけっこう広い喫煙ルームがあったよ。新宿武蔵野館、MOVIX亀有に並んで喫煙者に優しい映画館だったのか。豊洲のユナイテッドシネマ、TOHOシネマズ上野も近かったが、最後に行ったのがコロナ前なのでいまはどうなっているかわからん。喫煙室なんか一銭の得にもならないから「コロナの感染予防のため」といったん閉めたら2度と開かない施設が多いのだよね。

   

岡田将生が演じるのは沖縄でホテルをはじめ多角的に事業を展開する会社の入り婿。だが松井玲奈演じる妻からは離婚を切り出されている。そこで両親を完全犯罪で抹殺したはずだったが、3人の中学生が撮影した動画に崖から両親を突き落とすところが映り込んでしまっていた。中学生たちは家庭の貧困に苦しんでおり、その動画をもとに犯人を強請ることを思いついた...好青年を演じることが多い岡田将生だが、笑顔で非情なことをするのが気持ち悪くて最高。終盤でつぎつぎに畳みかけるどんでん返しも見事。中国でベストセラーとなりドラマも大ヒットした作品のリメイクらしい。先日に見た国産のクソ映画「ある閉ざされた雪の山荘で」との差が悲しい。小説は映像化向きの良作がたくさんあるのに、活字を2時間の映像作品にできる脚本家と監督が少ないのだろうな。

   

名作「キングスマン」の監督だということで期待しちゃうよ。コードネーム「アーガイル」のスパイが活躍するシリーズを書いている女性作家。なぜか彼女の作品が実在のスパイ組織を忠実に描写してしまっていたことで命を狙われる。その組織に敵対するスパイが彼女を救出する。彼の目的は組織を壊滅させることができる情報が入ったメモリを入手すること。組織の動きを完璧に想像できた彼女ならメモリの行方もわかるはずだと...前半はドタバタの逃避行。中盤ではあるきっかけから誰が味方がわからなくなる主人公。終盤で隠されていた真相があきらかになり盛大なアクションになる。これはロバード・ラドラムの有名な小説と同じ構造だったのか。「キングスマン」と同じ真面目なのか不真面目なのかわからない戦闘シーンも素晴らしい。主人公の女優、角度によって誰かに似ているんだよなあ。開始30分くらいでやっとわかった。映画「ヴィレッジ」で盲目の少女を演じた人か。だが胴回りが2倍、体積が4倍くらいになっているが役のために増量したのか。家に帰ってから調べたら「ヴィレッジ」は20年も前の作品だったよ。ブライス・ダラス・ハワードはいま43才で、役のための増量ではなくて実際に太ったのか。どうでもいいことだけどタイトルの「ARGYLLE」って7文字もあるのに母音を表す文字が先頭と最後の2文字だけなのな。