Saudi Cup: G1 Riyadh Dirt 1800m

Saudi CupとしてはBC Classicの1,2着馬、Pegasus World Cupの1,2着馬に加えて、去年のDubai World Cup勝ち馬と日本のダートチャンピオンまで出走してくるのだから大成功である。もう少し現役を続けざるを得ず今年になってサウジアラビアのファイサル殿下がオーナーに加わったWhite Abarrioの状況であったり北米明け4歳の台頭、また引退の遅い日本のダート馬が上位に多いというところは幸運もあるのだが、2月のRiyadh、3月のMeydanはとても都合のいい位置にあるといえる。

また、サラブレッド競馬ではG1格がSaudi Cupにしかないので、芝がメインのDohaがSaudi Cupの直前で大規模開催を打とうとするのもまあ分かる。H.H. The Amir Trophyがパート1のG1格を取れれば、ダート馬はサウジ、芝馬はカタールからUAEに転戦という流れが大きくなるのかもしれない。

こういった情勢の影響をまともに受けているのが日本競馬。賞金額を考えると仕方のない部分は大きいが、川崎記念は開催時期が変更され、フェブラリーSはここを選外となった馬が回ってくるレースになってしまった。これまで川崎記念フェブラリーSが担っていたDubai World Cupへの準備レースとしての役割はSaudi Cupに持っていかれたと言え、去年の勝ち馬Ushba TesoroとLemon Popはいずれもこのレースに遠征している。加えてSaudi Cupの出走ボーダーはアメリカからの遠征馬がどれほど来るかで変わってくるし、名称に縛られて開催時期を動かしにくいフェブラリーSには悩ましいところだろう。

こういった状況も国際化の一側面ではあり、アメリカでもちょっと?賞金の増えたDonn HであるところのPegasus World Cupはまだギリギリだが、Santa Anita Hはいろいろとヤバいか。

さて、アメリカからは去年のBC Classicを勝って古馬トップに上り詰めたWhite Abarrio、直前のPegasus World Cupを勝ってきたNational Treasureと同2着のSenor Buscador、4歳で路線の有力馬とみなされているSaudi Crownが揃った。またBC Classicで2着のDerma Sotogakeもエントリーしており、去年とは一変した様相を見せている。もっとも去年はアメリ古馬戦線がのっけから酷すぎただけであって、通例ならアメリカからこれくらいの遠征馬を出すことはできるというのが今年のフィールドのように思える。

昨年とは打って変わってLuxembourgの回避があってもScotland Yardが補欠一番手で出走枠に入れないメンバーとなった。Lemon Drop Kid産駒とMineshaft産駒がいまさらこんなところで激突するの面白すぎるんだが。

斤量57kgの定量戦で、南半球産の3歳馬は53.5kg、牝馬には2kgのアローワンス。

Carmel Road: Quality Road - Inspired by Unbridled's Song

アメリカ産馬、サウジアラビア調教。レート114、A. Albadah厩舎、C. Ospina騎乗。

4歳馬。前走はリステッドのKing Faisal Cupに出走して1着。2歳時、G1 Breeders' Futurityに出走して13着、G2のLos Alamitos Futurityで2着という実績がある。今シーズンからサウジアラビアに移籍した。サウジアラビアの国内調教馬としては上位だが、遠征馬を相手にするには厳しい。

Crown Pride: Reach The Crown - Emmy's Pride by King Kamehameha

日本産馬、新谷厩舎クラウンプライド。レート117、J. Moreira騎乗。

G1を勝てないまま5歳になった。G2 UAE Derby勝ちの後は上位にいるものの勝てないレースが続き、去年はSaudi CupもDubai World Cupもともに5着だった。Korea Cupで久しぶりの勝利を手にしたが、続くチャンピオンズカップは大敗している。

Defunded: Dialed In - Wind Caper by Touch Gold

アメリカ産馬、サウジアラビア調教。レート116、A.K. Mashref厩舎、L. Saez騎乗。

6歳馬。去年のG1 Awesome Again Sで2着した後にオーナーが変わりサウジアラビアに移籍となっている。現地では出走しておらず、Saudi Cupがデビュー戦となる。

4歳から本格化し、Hollywood Gold Cupを2着、Awesome Again Sを1着の実績を挙げた。2023年の古馬路線を支えた1頭で、この年もG1勝ちはHollywood Gold Cupの1勝のみだったが、Pegasus World Cupを2着、Santa Anita Hを3着、Awesome Again Sを2着とG1路線で上位の実力を示し続けた。Awesome Again SではNational TreasureやSenor Buscadorに先着している。

Derma Sotogake: Mind Your Biscuits - Amour Poesie by Neo Universe

日本産馬、音無厩舎デルマソトガケ。レート120、C. Lemaire騎乗。

4歳馬。去年はSaudi Derbyを3着からUAE Derbyを勝ち、Kentucky Derbyを6着のあと間隔が空いて直行したBC Classicを2着という戦績。Kentucky Derbyの出走馬が総崩れとなっている状況でぶっつけだったとはいえBC Classicで2着は十分な結果だった。

King Abdulaziz競馬場のダートが今年はどのような傾向を示すか分からないものの、BC ClassicでWhite Abarrioと勝負できていたDerma Sotogakeが最も期待できそうと考えている。

Hoist the Gold: Mineshaft - Tacit Approval by Tapit

アメリカ産馬、アメリカ調教。レート116、D. Stewart厩舎、J. Velasquez騎乗。

5歳馬。走りづめですでに27戦のキャリアを持っている。去年はPhoenix SとCigar Mile HでG2を2勝した。やや短距離志向があるものの、前走はPegasus World Cupを4着で、9F戦もこなして見せた。

Lemon Pop: Lemon Drop Kid - Unreachable by Giant's Causeway

アメリカ産馬、田中厩舎レモンポップ。レート120、坂井瑠星騎乗。

6歳馬。去年はフェブラリーSでG1初勝利を挙げると、南部杯チャンピオンズカップも勝って3勝。フェブラリーS時点では1600mでも長いのではと考えられていたが、1800mまでクリアしている。Dubai Golden Shaheenへの遠征では全く合わず10着とキャリアで唯一連対を外す結果となっている。

Lemon Drop Kid産駒でG1を3勝といえばオールウェザーのRichard's Kid、芝のBeach PatrolとダートでのLemon Popとなった。今年活躍を積み増せば、晴れてLemon Drop Kidの最強産駒としてGodolphinの庇護を受けての種牡馬入りという夢が見えてくるのでそうなるべき。

Meisho Hario: Pyro - Meisho Ohi by Manhattan Cafe

日本産馬、岡田厩舎メイショウハリオ。レート117、浜中俊騎乗。

7歳馬。帝王賞連覇とかしわ記念でG1を3勝。去年はJRAのG1でどちらもレモンポップに追い付けないという状態だったので、このレースでもレモンポップを捕えられるかから始まるのではないだろうか。

出走取り消しが発表された。

National Treasure: Quality Road - Treasure by Medaglia D'Oro

アメリカ産馬、アメリカ調教。レート121、B. Baffert厩舎、F. Prat騎乗。

4歳馬。去年はSanta Anita Derby4着でKentucky Derbyの出走ラインに届かず直行したPreakness Sを勝った。その後はBelmont S、Travers Sとパッとしないままで、Awesome Again Sは4着からの出走となったBC Dirt Mileで2着に入って復活した。今年の初戦でPegasus World Cupを勝っての遠征で格好がついた。

Power In Numbers: Girvin - Gold Edge by Eddington

アメリカ産馬、サウジアラビア調教。レート110、A. Mohamoud厩舎、A. Alfouraidi騎乗。

4歳馬。元はアメリ東海岸の馬で3連勝でブラックタイプに出世したところでサウジアラビアに移籍となっており、今シーズンは5戦3勝。G2 Prince Naif Bin Abdulaziz CupとSaudi Cup Qualifierの位置でリステッドになったCustodian of the Two Holy Mosques Cupを勝ってきた。レートではDefundedやCarmel Roadが上回っているが、地元を代表する立場ならこちらだろう。

Saudi Crown: Always Dreaming - New Narration by Tapit

アメリカ産馬、アメリカ調教。レート116、B. Cox厩舎、F. Geroux騎乗。

4歳馬。去年のG1 Pennsylvsnia Derby勝ち。今年はG3 Louisiana Sを軽く勝って、アメリカを出発した。

Senor Buscador: Mineshaft - Rose's Desert by Desert God

アメリカ産馬、アメリカ調教。レート117、T. Fincher厩舎、J. Alvarado騎乗。

6歳馬。古馬になってから台頭し、G1勝ちはまだないが、前走のPegasus World CupではNational Treasureを追い詰めクビ差の2着まで来ている。

Ushba Tesoro: Orfevre - Millefeui Attach by King Kamehameha

日本産馬、高木厩舎ウシュバテソーロ。レート122、川田将雅騎乗。

7歳馬。2022年の末から東京大賞典川崎記念Dubai World Cupという並びでG1を3連勝した。BC Classicでは5着だったが帰国して東京大賞典で4つ目のG1タイトルを手にした。

White Abarrio: Race Day - Catching Diamonds by Into Mischief

アメリカ産馬、アメリカ調教。レート124、R. Dutrow厩舎、I. Ortiz騎乗。

5歳馬。3歳ではFlorida Derby勝ちからKentucky Derbyに臨んだが、特に目立ったところがないまま16着に終わっている。4歳でもさほど有力とは思われていなかったが、10年間の資格停止処分が明けて再開されたDutrow厩舎に移籍してから上向き、Metropolitan Hを3着からWhitney Sを圧勝したことで注目され、BC Classicでは一番人気を背負って先行策からDerma Sotogakeを押さえ切って勝利。

Whitney S勝ちから一気にBC Classicを取ったとはいえ、それまでのキャリアは胸を張れるレベルではなく、血統面でのアピールもないため種牡馬入りには至らず5歳でも現役が続行された。1月にはサウジアラビアのFaisal殿下が所有権の一部を購入したことが明らかにされるとともにSaudi CupからDubai World Cupに転戦する予定であることが示された。

Isolate: Mark Valeski - Tranquil Song by Unbridled's Song

アメリカ産馬、UAE調教。レート115、D. Watson厩舎、J. Rosario騎乗。

6歳馬。去年からドバイに移籍しており、短距離のAl Shindagha SprintとMahab Al Shimaalをともに2着からGodolphin Mile勝ちでシーズンを終えた。今シーズンはG2 Al Maktoum Mileを勝っている。アメリカ時代はAqueductのG3 Nashua Sで8F経験があったが、ほぼ短距離で使われていた馬である。Godolphin MileAl Maktoum Mileの結果から後200mは行けそうに見える。

Scotland Yard: Quality Road - Leslie's Harmoney by Curlin

アメリカ産馬、サウジアラビア調教、レート113、M. Almulawah厩舎、L. Morales騎乗。

メイショウハリオの出走取り消しにより繰り上がりで出走。

5歳馬。アメリカで4戦して未勝利でサウジアラビアに移籍し、現地の未勝利戦、ローカルG1のKing Faisal Cup、リステッドになったかつての国内最高峰レースCustodian Of The Two Holy Mosques Cupまで3連勝して挑戦した去年のSaudi Cupでは期待を集めたが13着と惨敗した。今年も去年と同じ臨戦で来るのだが、King Faisal Cupは6着、Custodian Of The Two Holy Mosques Cupが2着と結果が付いてきていない。

祖母がLeslie's Ladyで母のきょうだいにはMendelssohn、Beholder、Into Mischiefが名を連ねるとびっきりの良血馬。

Red Sea Turf H: G3 Riyadh Turf 3000m

ハンデ戦なので負担重量の順である。斤量は54~62kgの範囲で設定されるので、全体として負担重量は重めである。日本のハンデ設定より2kg重く、基本が60kgに来るようなイメージがある。

Giavellotto: Mastercraftsman - Gerika by Galileo

アイルランド産馬、イギリス調教、斤量62kg。レート114、M. Botti厩舎、O.Murphy騎乗。

St. Legerで3着、G2 Yorkshire Cup勝ちで実績上位。DoncasterやYorkとイギリスではフラットな競馬場での実績を有する。

Breakup: Novellist - Little Jun by Kurofune

日本調教、森田厩舎ブレークアップ、斤量61.5kg。レート113、J. Moreira騎乗。

G2アルゼンチン共和国杯の勝ち馬で、去年はメルボルンに遠征していた。

Iron Barows: Orfevre - Palace Rumor by Royal Anthem

日本産馬、上村厩舎アイアンバローズ、斤量61kg。レート112、C. Demuro騎乗。

G2ステイヤーズSの勝ち馬。

Echt: Rulership - Hela by Deep Impact

日本産馬、森厩舎エヒト、斤量60.5kg。レート111、川田将雅騎乗。

去年もこのレースに遠征しており7着。帰国後にG3小倉記念を勝った。

Al Nayyir: Dubawi - Bright Beacon by Manduro

イギリス産馬、フランス調教、斤量60kg。レート110、G. Doleuze厩舎、C. Soumillon騎乗。

フランスのステイヤーでG2 Grand Prix De DeauvilleはJack Darcyの2着。前走はMeydanの2810m Al Khail TropyでSiskanyの2着。

Big Call: Animal Kingdom - Prettypriceygirl by Scat Daddy

アメリカ産馬、フランス調教、斤量60kg。レート110、C. Ferland厩舎、W. Buick騎乗。

去年の4着馬。帰国後にLongchampのG3 Prix De Barbevilleを勝った。

Libyan Glass: Kizuna - Dilga by Curlin

日本産馬、矢作厩舎リビアングラス、斤量60kg。レート113、坂井瑠星騎乗。

重賞では京都新聞杯の3着までで勝ちはなし。菊花賞4着馬。

Skazino: Kendargent - Skallet by Muhaymin

フランス産馬、フランス調教、斤量60kg。レート110、P. Cottier厩舎、M. Barzalona騎乗。

8歳馬。フランスで長く活躍するステイヤー。Skalletiの全弟で兄より長い距離を得意とする。

Enemy: Muhaarar - Prudenzia by Dansili

イギリス産馬、イギリス調教、斤量59.5kg。レート109、I. Williams厩舎、R. Kingscote騎乗。

重賞では勝負にならずハンデキャップ戦を主戦場とするステイヤー。前走はSouthwellのオールウェザーでWinter Derby Trial勝ち。

Roberto Escobarr: Galileo - Bewitched by Dansili

アイルランド産馬、イギリス調教、斤量59.5kg。レート109、M. Appleby厩舎、M. Ghiani騎乗。

イギリスでG3勝ちがあるステイヤー

Tower of London: Galileo - Dialafara by Anabaa

アイルランド産馬、アイルランド調教、斤量59.5kg。レート112、A. O'Brien厩舎、R. Moore騎乗。

O'Brien厩舎所属でSt. Legerの4着馬。

Diva Donna: Cima De Triomphe - Grande Synthe by Dunkerque

フランス産馬、フランス調教、斤量58kg。レート106、J. Carayon、J. Moutard騎乗。

G1 Prix De Royallieuで2着の実績がある6歳牝馬

First Minister: Galileo - Naples Bay by Giant's Causeway

アイルランド産馬、サウジアラビア調教、斤量57.5kg。レート108、J. Jerkens厩舎、L. Saez騎乗。

G1 Grand Prix De Parisの4着馬。その後サウジアラビアに移籍し、前走はNeom Turf Cup Qualifierで6着。

Pin Your Hopes: Rock Of GIbraltar - Izola by Beat Hollow

アイルランド産馬、サウジアラビア調教、斤量57kg。レート104、Na. Almindeel厩舎、A. Moreno騎乗。

Neom Turf Cup: G2 Riyadh Turf 2100m

短距離がDark Angelの舞台なら、中距離以降はSadler's Wellsの支配下である。ちょっと笑ってしまうくらいに欧州系の出走馬の血統が変わる。

ここにLuxembourg出すのは反則よ。

斤量57kgの定量戦で、南半球産の3歳馬は53kg、牝馬には2kgのアローワンス。

Alooqaal: Zoffany - Natural Bloom by Galileo

アイルランド産馬、サウジアラビア調教。レート107、F. Alabdmonim厩舎、L. Morales騎乗。

5歳馬。Neom Turf Cup Qualifierの2着馬。

Astro King: Kingman - Astroglia by Montjeu

アイルランド産馬、イギリス調教。レート112、Daniel & C. Kubler厩舎、R. Kingscote騎乗。

7歳馬。

Bolthole: Free Eagle - Weekend Getaway by Acclamation

アイルランド産馬、カタール調教。レート111、A. De Mieulle厩舎、M Barzalona騎乗。

5歳馬。去年はフランスのG3で2着がある程度の実績。

Calif: Areion - Cherry Danon by Rock Of Gibraltar

ドイツ産馬、バーレーン調教。レート112、F. Nass厩舎、A. De Vries騎乗。

5歳馬。BadenでG3 Badener Mile、G2 Oettingen Rennenとマイル重賞を2勝している。2000mでの実績はない。

Grocer Jack: Oasis Dream - Good Donna by Doyen

ドイツ産馬、サウジアラビア調教。レート108、J. Jerkens厩舎、J. Velasquez騎乗。

7歳馬。ドイツ、イタリアで重賞を勝っている活躍馬で、2022年シーズンはWilliam Haggas厩舎に移籍しているが結果を残せなかった。今シーズンからサウジアラビアで出走し、Neom Turf Cup Qualifierを勝っての参戦。2022年にNeom Turf Cupに遠征してきたときは5着。

Hearts Concerto: Heart's Cry - Nasuno Sibelius by Unbridled's Song

日本産馬、武井厩舎ハーツコンチェルト。レート114、J. Moreira騎乗。

ダービー3着の4歳馬。

Jack Darcy: Gleneagles - Pretty Face by Rainbow Quest

アイルランド産馬、イギリス調教。レート115、John & T. Gosden厩舎、K. Shoemark騎乗。

G2 Grand Prix De Deauvilleを勝っている5歳馬。クラシックディスタンスあたりでの出走が多いもののG2 Prix Dollarの2着もある。

Killer Ability: Deep Impact - Killer Graces by Congaree

日本産馬、斎藤厩舎キラーアビリティ。レート112、C. Demuro騎乗。

2年前のG1 ホープフルSを勝って以降は期待外れな結果が続いているが、G3中日新聞杯の勝ちがある。

Luxembourg: Camelot - Attire by Danehill Dancer

アイルランド産馬、アイルランド調教。レート123、A. O'Brien厩舎、R. Moore騎乗。

なんでこんなとこにまで走りに来るんだ。Saudi Cupとのダブルエントリーになっていたが、こちらを選んだ。欧州中距離のトップコンテンダーでこれまでにG1を3勝している。前走のG1 Hong Kong CupではRomantic Warriorと僅差の2着。普通に走ったら負けはないくらいに差があると思う。

Spirit Dancer: Frankel - Queen's Dream by Oasis Dream

イギリス産馬、イギリス調教。レート118、R. Fahey厩舎、O. Orr騎乗。

7歳馬。ハンデキャップホースだったが、YorkのG3 Strensall Sを勝った。去年のシーズン後にはバーレーンのG2 Bahrain International Trophyも勝っている。前走はG1 Jebel Hattaで4着。

Starcat: Lope De Vega - Purr Along by Mount Nelson

イギリス産馬、サウジアラビア調教。レート103、Sa. Nawaf厩舎、A. Alfouraidi騎乗。

7歳馬。

Studley: Harbinger - Win Floraison by Fuji Kiseki

日本産馬、奥村厩舎スタッドリー。レート114、W. Buick騎乗。

6歳馬。重賞で上位の実績は持っていない。W. Buick余ってるとか何それ感。

The Foxes: Churchill - Tanaghum by Darshaan

アイルランド産馬、イギリス調教。レート113、A. Balding厩舎、O. Murphy騎乗。

G2 Dante S勝ちの4歳馬。

1351 Turf Sprint: G2 Riyadh Turf 1351m

欧州は短距離、中距離、長距離の各戦線で乖離が激しく、殊に短距離はDark Angelの天下にMuhaararらが挑む別世界になりつつある。G1馬Art Powerが参戦するものの、現状の欧州短距離はあまり信用が置けない。アメリカからは今年もCasa Creedがスタンバイしていたが、直前回避となってしまった。

斤量57kgの定量戦で、南半球産の3歳馬は54.5kg、牝馬には2kgのアローワンス。

Aguri: Caravaggio - Old Time Waltz by War Front

日本産馬、安田厩舎アグリ。レート111、C. Lemaire騎乗。

連勝してG3阪急杯を勝ったものの、その後は勝ちきれなくなっている。G1ではちょっと結果を落とすことを考えると高松宮記念ではなくこちらを狙うのはありなのかもしれない。

Annaf: Muhaarar - Shimah by Storm Cat

アイルランド産馬、イギリス調教。レート110、M. Appleby厩舎、R. Ryan騎乗。

6FのG3 Bengough Sを勝った5歳馬。G1 King's Stand Sで3着の実績も持っている。

Art Power: Dark Angel - Evening Time by Keltos

アイルランド産馬、イギリス調教。レート117、T. Easterby厩舎、D. Allan騎乗。

G1 British Champions Sprint勝ちのある7歳馬。実績は一番だが、安定しているようには見えない。

Bathrat Leon: Kizuna - Bathrat Amal by New Approach

日本産馬、矢作厩舎バスラットレオン。レート116、坂井瑠星騎乗。

去年の勝ち馬で遠征経験が豊富だが、去年の後半はKorea Sprintが3着程度しか結果を残していない。Casa Creedが回避したことで連覇濃厚と見ることはできるが、若干不安なところもある。

Byline: Muhaarar - Lauren Louise by Tagula

イギリス産馬、バーレーン調教。レート109、A. Smith厩舎、G. Mosse騎乗。

7歳馬。去年はNeom Turf Cupに出走して8着で、バーレーンに戻ってマイル戦で4連勝中である。イギリス時代は6F戦で走っていたので短距離の経験はあるがその頃のレベルは高くないので、このレースに対応できる保証にはならないだろう。

Cold Front: Lope De Vega - Cloud Line by Danehill Dancer

イギリス産馬、サウジアラビア調教。レート106、S. Al Harabi厩舎、R. Ferreira騎乗。

7歳馬で、2022年にこのレースに出走して8着、去年はTurf Sprint Qualifierで3着で本戦に出走しなかった。今年はQualifierを勝って参戦してくる。

Dr Zempf: Dark Angel - Souvenir Delondres by Siyouni

イギリス産馬、サウジアラビア調教。レート107、B. Alsubaie厩舎、L. Saez騎乗。

5歳馬。イギリスでデビューし、去年はアメリカのChad Brown厩舎に移籍してアメリカで走っていた。前走がサウジアラビア移籍初戦で一般戦を3着だった。

Jumby: New Bay - Sound Of Guns by Acclamation

アイルランド産馬、イギリス調教。レート109、E. Houghton厩舎、C. Soumillon騎乗。

6歳馬。G2 Hungerford Sの勝ち馬で、去年はHeydockのG3 John Of Gaunt Sを勝った。7F得意といえるが、夏以降の結果が散々である。

King Gold: Anodin - Miss Gandelia by Kingsalsa

フランス産馬、フランス調教。レート111、N. Caullery厩舎、S. Pasquier騎乗。

フランスの7歳馬で去年はG1 Maurice De Gheestを勝った。前走はMeydanのG2 Al Fahidi Fortで8着。去年からドバイでの結果は良くない。

La La Christine: Mikki Isle - Super Madame by Tanino Gimlet

日本産馬、斎藤厩舎ララクリスティーヌ。レート111、C. Demuro騎乗。

6歳牝馬。1400mがベストっぽいのでこのレースを選ぶのは悪くないか。

Matilda Picotte: Sioux Nation - Hallie's Comet by One Cool Cat

アイルランド産馬、アイルランド調教。

4歳馬。DoncasterのG3 Sceptre Fillies' Sの勝ち馬。短距離で走るSioux Nation初年度産駒の筆頭格である。

Mysterious Night: Dark Angel - Mistrusting by Shamardal

アイルランド産馬、UAE調教。レート111、C. Appleby厩舎、W. Buick騎乗。

4歳馬。カナダの2歳芝G1 Summer Sの勝ち馬で前走はMeydan G2 Al Fahidi Fortを勝って来た。Godolphin所属。

Raaed: Dark Angel - Ambassadrice by Oasis Dream

アイルランド産馬、サウジアラビア調教。レート112、H. Al Rasheed厩舎、J. Rosario騎乗。

7歳馬。去年3着で、Al Quoz Sprintは12着だった。その後は一般戦を走って12着が1回あるだけである。

Win Greatest: Screen Hero - Great Catty by Sakura Yutaka O

日本産馬、畠山厩舎ウイングレイテスト。レート112、松岡正海騎乗。

G2スワンS勝ちの7歳馬。

Riyadh Dirt Sprint: G3 Riyadh Dirt 1200m

アメリカのダートスプリントはElite PowerとGuniteの時代が終わって、次の王者が現れるのを待っている状況。アメリカからサウジアラビア遠征に踏み切ったのがG3勝ちまでのBold JourneyとSkelly程度であれば、他にダートスプリントでまともな戦力を投入できるのは日本馬となるのでRemakeには大きなチャンスである。UAEからTuzが来ているが、こちらも今年ようやくG3を勝った程度の7歳馬。

現地の前哨戦であるDirt Sprint Qualifierは勝ったRebellious Stage、2着Bakeelが揃って出走する。

3歳馬以上に出走資格があり、4歳馬以上は59.5kg、北半球産の3歳馬は52kg、南半球産の3歳馬は58kgの設定が本来だが、北半球産の3歳馬が出走しない場合は4歳馬以上57kg、南半球産の3歳馬55.5kgに変更され、今回はこちらでの出走である。というか南半球産も含めて3歳馬は出走しない。牝馬にはアローワンスが2kgある。

Alfaisaleyah: Rajasinghe - Wotatomboy by Captain Rio

イギリス産馬、サウジアラビア調教。レート109、F. Alfehaid厩舎、A. Alfouraidi騎乗。

4歳の牝馬。1200mと1400mで勝ち鞍があるものの、4勝全てが牝馬限定戦である。前走はDirt Sprint Qualifierに出走して6着。

Bakeel: Sioux Nation - Volute by Rock Of Gibraltar

イギリス産馬、サウジアラビア調教。レート101、T. Aldaihani厩舎、R Ferreira騎乗。

4歳の騙馬。前走Dirt Sprint Qualifierでは2着だが、勝ったRebellious Stageには4馬身差を付けられている。

Bold Journey: Hard Spun - Polly Freeze by Super Saver

アメリカ産馬、アメリカ調教。レート109、B. Mott厩舎、J. Rosario騎乗。

Mott厩舎の5歳牡馬で、去年11月にG3 Fall Heighweightで重賞初勝利とし、12月末にもリステッドのGravesand Sを勝って連勝中。条件戦がほとんどとはいえNYで出走して20戦7勝、2着6回とこのメンバーにあっては上位の実績。

Cairama: Cairo Prince - Sadie Be Good by Big Drama

アメリカ産馬、サウジアラビア調教。レート107、S. Aladhayani厩舎、W. Ramos騎乗。

5歳の牡馬。アメリカ時代に2勝しており、今シーズンからサウジアラビアで出走して2勝を挙げている。G3 Equestrian Authority Cupは3着だった。サウジアラビアでは1400mや1600mに出走しているが、アメリカでの2勝は6.5Fと6Fであった。

Jasper Krone: Frosted - Fancy Kitten by Kitten's Joy

アメリカ産馬、森厩舎ジャスパークローネ。レート110、団野大成騎乗。A. Dannoって誰だよ。

去年はBC Turf SprintからHong Kong Sprintに転戦し、興味深いチャレンジであったが結果にはつながらなかった。ダートは初出走となるのでKing Abdulaziz競馬場のダートトラックが合えば面白いかというところ。

Keiai Dorie: Espoir City - Alvena by Seeking The Gold

日本産馬、村山厩舎ケイアイドリー。レート109、C. Lemaire騎乗。

G3 北海道スプリントカップを勝ったダートスプリンター。

Power Of Beauty: Slade Power - Beautiful Filly by Oasis Dream

アイルランド産馬、サウジアラビア調教。レート102、M. Almulawah厩舎、A. M. Almussa騎乗。

5歳騙馬。昨シーズンからサウジアラビアでダート戦を4勝したが、1400mから1600mで勝っている。前走は距離を考えてかTurf Sprint Qualifierに出走したが6着でDirt Sprintを選択した。ひとつ前のマイル戦King Faisal Cupは2着だが、勝ったCarmel Roadには大きな差をつけられている。そのあたり、更に200m延びるSaudi Cupが無理なのも分かる。

Rebellious Stage: Justify - Spark by Speightstown

アメリカ産馬、サウジアラビア調教。レート109、A. Albadah厩舎、C. Ospina騎乗。

4歳牡馬。アメリカで3歳の5月にデビュー勝ち。その後もう1戦してからサウジアラビアに渡った。今シーズンから出走し3戦3勝。前哨戦のDirt Sprint Qualifierを快勝して地元のエースとして出走する。

Golden Trailの血を引く4-r族で、JustifyにSpeightstownは悪くない構成だろう。

Remake: Lani - Sariel by King Kamehameha

日本産馬、新谷厩舎リメイク。レート114、川田将雅騎乗。

5歳になったリメイク。去年はElite PowerとGuniteには及ばなかったものの3着。ドバイに転戦してGolden Shaheenを5着したあと帰国して、プロキオンSを2着からクラスターカップ勝ち、遠征したKorea Sprintを勝ってJBCスプリントはイグナイターの2着と安定して上位である。出走メンバー中の実績は最上位。

Skelly: Practical Joke - Adande by Bwana Charlie

アメリカ産馬、アメリカ調教。レート112、S. Asmussen厩舎、R. Santana騎乗。

Asmussen厩舎の5歳騙馬。G3 Count Fleet Sprint Hを含め7連勝中でアメリカ馬ならこちらだろう。前走が2月3日のリステッドKing Cotton Sで、そこから1ヶ月もなく遠征して出走はやや慌ただしい。

Sunset Flash: Flashpoint - McKella by Autocracy

アイルランド産馬、サウジアラビア調教。レート111、NA. Almindeel厩舎、A. Moreno騎乗。

サウジアラビアで43戦19勝と長く活躍している8歳牝馬牝馬戦での実績がほとんどとなるが、今でも安定した成績である。

Tuz: Oxbow - Suede Shoe by Pulpit

アメリカ産馬、UAE調教。レート115、B. Seemar厩舎、T. O'Shea騎乗。

7歳騙馬。UAEの重賞戦線のプレイヤー。去年のDubai Golden Shaheenは7着、一昨年は12着と上位戦は厳しさがある。今年はMeydanのG3 Dubawi Sを勝っている。去年のGolden Shaheenの時にも触れたが、ロシアのPyatigorskでデビューするなど経歴が謎すぎる。

Saudi Derby: G3 Riyadh Dirt 1600m

地元の路線は12月のG3 Ministry Of National Guard Cupから1月末のSaudi Derby Qualifierとなるが、Saudi Derby Qualifierを勝ったAlwaqqadは出走してこない。どちらも2着のSaudi NeomとMinistry Of National Guard Cupを勝ったAjwadiが地元の上位となっている。去年は地元のCommissioner KingがHavnameltdownとDerma Sotogakeを下しており、地元馬も軽視はできないレースである。

上位馬は中東など見ている余裕がないアメリカからはリステッドクラスの2頭が遠征してきている。どちらかというとBook'Em Dannoが上だろうが、それほど強いとは思われない。こうなるとForever Youngが出走馬中の最上位ではないだろうか。日本で2歳からダートで実績を挙げているようなタイプにはハマるレースなのは間違いない。アルゼンチン産馬のOasis BoyはPalermoのG2勝ちと実績があるものの、UAE移籍後はUAE 2000 Guineasで5着に敗れており、いまいちか。

3歳馬限定で北半球産馬は55kg、南半球産馬は59.5kg、牝馬には2kgのアローワンスの設定である。また南半球産馬が出走せず北半球産馬のみのレースとなる場合は57kgに変更されるが、今回はOasis Boyが出走するので発動しない。

Ajwadi: Dutch Art - Falaise by War Front

イギリス産馬、サウジアラビア調教。レート102、T. Aldaihani厩舎、M. Aldaham騎乗。

2歳のG3 Ministry Of National Guard Cupを勝っている。その後は出走せずSaudi Derbyに直行してきた。このMinistry Of National Guard Cup勝ちから直行というのは前年のCommissioner Kingと同じ臨戦である。

Almotahed: Bobby's Kitten - Be My Angel by Dark Angel

イギリス産馬、サウジアラビア調教。レート100、T. Alqintash厩舎、A. Alfairouz騎乗。

3連勝で臨んだMinistry Of National Guard Cupで9着、Saudi Derby Qualifierが3着と上位戦で苦しい結果となっている。

Bentornato: Valiant Minister - Her Special Way by Put It Back

アメリカ産馬、アメリカ調教。レート101、J. D'Angelo厩舎、L Saez騎乗。

Jose D'Angelo厩舎で去年デビューから4連勝し、5戦4勝で2歳戦を終えた。フロリダ産馬で高額賞金のFlorida Sire Stakesシリーズに参戦し、Dr. FagerとAffimedまで勝ったものの、最後のIn Realityでは不利が多く3着がやっとであった。とはいえどのレースも荒い印象である。

Book'Em Danno: Bucchero - Adorabella by Ghostzapper

アメリカ産馬、アメリカ調教。レート108、D. Ryan厩舎、I. Ortiz騎乗。

Derek Ryan厩舎のニュージャージー産馬。5戦4勝で、Belmontの代替開催だったAqueductでダート変更されたリステッドのFuturity Sを勝っている。8FでもリステッドのNashua Sで2着の実績がある。

馬名は”そいつらぶちこんどけよ、Danno”くらいの意味だから団野が乗ったら勝てるんじゃないでしょうか。

Forever Young: Real Steel - Forever Darling by Congrats

日本産馬、矢作厩舎フォーエバーヤング。レート113、坂井瑠星騎乗。

3戦全勝、JBC2歳優駿から全日本2歳優駿勝ちということで、世代のダートトップである。リステッド実績しかないアメリカ馬に負けるようなレベルではないだろう。

Roamin Rachelに由来し、祖母がDarling My Darlingという血統馬。従弟のSierra LeoneがアメリカでG2 Risen Star Sを勝ったばかり。この先どちらも勝ち進んでKentucky Derbyで勝負となれば熱い展開になる。

Haayeet: Outwork - Riddon Taffy

アメリカ産馬、サウジアラビア調教。レート96、A. Albadah厩舎、C. Ospina騎乗。

1200mのGulf Cup勝ちで2戦2勝。

Mashhur: Creative Cause - Astaria Street by Street Sense

アメリカ産馬、サウジアラビア調教。レート97、B. Alsubaie厩舎、J. Velasquez騎乗。

2勝馬。Ministry Of National Guard Cupを5着、Saudi Derby Qualifierは9着といまいち。

Oasis Boy: Asiatic Boy - Olinka by Giant's Causeway

アルゼンチン産馬、UAE調教。レート106、J. Olascoaga厩舎、C. Soumillon騎乗。

PalermoでダートマイルのG2 Classico Miguel Caneを勝っているが、前走のUAE 2000 Guineasでは5着に敗れている。

Salam Alkhair: Enticed - Ever Queen by Colonel John

アメリカ産馬、サウジアラビア調教。レート97、L. Gaitan厩舎、A. Moreno騎乗。

デビュー戦ではSaudi Neomに負けたが、Saudi Broadcasting Authorities Cupを勝って2戦1勝。

Satono Phoenix: Henny Hughes - Mermaid Tiara by Symboli Kris S

日本産馬、西園厩舎サトノフェニックス。レート106、J. Moreira騎乗。

兵庫ジュニアグランプリを2着、全日本2歳優駿は5着で少し見劣りがする。

Saudi Neom: Connect - Dazzling Contrast by General Meeting

アメリカ産馬、サウジアラビア調教。レート100、A. Alathaab厩舎、A. Alfouraidi騎乗。

2勝馬。Ministry Of National Guard Cupは2着で、条件戦勝ちを挟んでSaudi Derby Qualifierに出走してここも2着。

Set Up: Declaration Of War - Three Arrow by Aldebaran

日本産馬、鹿戸厩舎セットアップ。レート108、横山武史騎乗。

札幌2歳S勝ちの芝馬で2勝はともに芝1800mでのもの。ダートで1600mの距離短縮という2つの課題を抱えている。Declaration Of Warは芝のイメージが強いのだけど、どうかな。

Al Mneefah Cup: PA-G1 Riyadh Turf 2100m

レース体系によるものか芝とダートの違いがよくわかるのでSaudi Cup前日の金曜開催のメインとなる純血アラブの芝G1も見ていきます。去年はG2でしたが、G1に昇格しました。

一言で言えば純血アラブで芝だとフランスがとても強い。各出走馬のキャリアについてJockey Club of Saudi Arabiaの他に、フランスはFrance Galop、カタールはQREC、UAEはERAで調べられるところまで見ている。France Galopも国外レースはちょっと信用を置きかねるところがあるっぽい。

サウジアラビアでも芝のレース開催はあるのだけど、メインとしての位置づけはなくこのレースはAlkhalediah Stables所属の3頭のみの出走となった。それでも去年のObaiya Arabian Classicを勝ったTilal Al Khalediahが芝に回ってきて格好がついている形。去年の勝ち馬Asfan Al KhalediahはダートのObaiya Arabian Classicに出走する予定でこの2頭の立場が入れ替わったのではないかと思われる。

欧州勢はレース体系からも充実しているフランスが主体で芝G1馬が複数参戦している。中東は芝戦だとカタールのDoha開催が大きく出てくることになり、H.H. The Amir Swordとは出走馬を取り合う関係だろう。カタールはフランスで走らせている分も含めてアラブ競馬にもかなり力を入れており、Al Shaqab RacingのトップホースはDohaに行ってしまうことを考えると、このレースの立ち位置自体はちょっと難しいか。とはいえ2400mと2100mという距離の違いによる適性や使い分けもあるのでGhadahは来た。

斤量61kgの定量戦で、4歳馬は56kg、牝馬には2kgのアローワンス。

Bint Ghaliat Al Khalediah: Hatim Al Khalediah - Muneerah Al Khalediah by Khalid El Biwaibiya

サウジアラビア産馬、サウジアラビア調教。レート123、N. Mutlk厩舎、N. Alanazi騎乗。

6歳の牝馬。去年のこのレースはG2で開催されているが、その時には2着だった。その後ダートで勝ち切れないものの上位で安定した結果を残しており、前走で芝の前哨戦Al Mneefah Qualifierに出て2着。同陣営のTilal Al Khalediahには全く敵わないが、2番手としては十分である。この辺り現地の純血アラブの芝戦にあってはAlkhalediah Stablesが制圧しているというような状況ともいえる。

Ghadah: Azadi - Majida by Majd Al Arab

フランス産馬、カタール調教。レート119、J. Mieulle厩舎、C. Soumillon騎乗。

去年までフランス調教の5歳牝馬。イギリスでのアラブダービーにあたるDoncasterのG1 UAE President Cupを2着からLongchampのG1 Prix Dragonを勝っている。次のG1 Qatar Arabian Trophy Des Jumentsを3着が最後でカタールに移籍した。12月のG2 Qatar International Derbyは2着。前走情報がQRECとFrance Galopで対立するがFrance Galopが明らかに変なので無視してQRECで確認するとSheikh Joaan Bin Hamad Al Thani Trophyを勝っている。Dohaは芝メインなのでこれまでのキャリアは全て芝戦である。

カタールのAl Shaqab Racingがオーナーだが、Amir Swordではなくこちらに出走する。2000mまでしか走っていないというのが大きな理由だろう。また、今年ならあっちはAl Ghadeerに任せておけばよいという状態だったのも理由の一つか。

Joe Star: Al Mourtajez - Guest Del Falot by Djorman

フランス産馬、UAE調教。レート112、H. Alalawi厩舎、C Demuro騎乗。

5歳馬で2022年のSaint-CloudのG1 Qatar Arabian Trophy Des Poulainsで3着の後にUAEに移籍した。Abu DhabiのG2 UAE Arabian Derbyの勝ち馬。

Moshrif: Dahess - Tashreefat by Bengali D'Albret

フランス産馬、フランス調教。レート117、T. Fourcy厩舎、M. Guyon騎乗。

6歳馬。フランス調教で、2021年のSaint-CloudのG1 Qatar Arabian Trophy Des Poulainsと2022年のToulouseのG1 HH. Sheikh Zbs Al Nahyanの勝ち馬。カタールへの遠征もしており、Dohaで3勝を挙げその中にはG3 Qatar Derby、G2 Qatar International Derby勝ちが含まれる。また去年のG1 H.H. The Amir Swordで2着と実績は豊富。

Munir Du Soleil: Munjiz - Rahab by Amer

フランス産馬、UAE調教。レート112、I. Al Hadrami厩舎、S. Albalushi騎乗。

7歳馬。Toulouseでリステッドを勝っているが、重賞勝ちはない。2000mはギリギリかちょっと長いくらいだろう。

Mutbahy Athbah: Jalnar Al Khaldiah - Mandragore Al Maury by Dormane

フランス産馬、フランス調教。レート121、J.F. Bernard厩舎、J. Eyquem騎乗。

4歳馬。去年のToulouseでG1 H.H. Sheikh Zbs Al Nahyanを勝った。前走はAbu Dhabiの芝G1 Jewel Crownを2着。

Soko: Nieshan - Saka by Tornado De Syrah

フランス産馬、UAE調教。レート114、H. Alalawi厩舎、A. Al Balushi騎乗。

7歳馬。DeauvilleのG1 Prix Manganateを2021年と2022年で連覇している。2022年のAl Mneefah Cupに出走して2着の実績がある。オマーンのRoyal Cavalry of Omanがオーナーとなっているため、Omanでも出走している。

Sultana: Af Al Buraq - Tawaazun by Monsieur Al Maury

イギリス産馬、フランス調教。レート112、J.F. Bernard厩舎、O. Peslier騎乗。

6歳牝馬。イギリスでデビューし、UAE、フランス、モロッコ、ベルギー、サウジアラビア、イタリアと各地で出走履歴がある。去年のAl Mneefah Cupでは3着だった。他にUAEでArabian Triple Crown R3というG3で2着の記録があり、この辺りが上位の実績だろう。また去年はベルギーのMons-GhlinにあるWallonie競馬場で芝2100mのWinter Championshipを勝っている。

Tilal Al Khalediah: Laith Al Khalediah - Aaseyat Al Khalediah by Khalid El Biwaibiya

サウジアラビア産馬、サウジアラビア調教。レート128、N. Mutlk厩舎、A. Alfouraidi騎乗。

6歳馬。去年の開催ではダートG1 Obaiya Arabian Classicを勝った。その後はレースから離れており、フランス系のメディアの記事では1月になってPrince Sultan Bin Abdulaziz Cupに出走して2着になっているらしいのだが、肝心のJCSAではその記録が出てこない。ただし、YouTubeのJCSAチャンネルにはレース映像がアップされており、直線で逃げ切りを図ったところをVizhirに差されたことが確認できる。

前哨戦のAl Mneefah Qualifier勝ちで、Bint Ghaliat Al Khalediahに5馬身1/2差を付けて芝への対応力とその力を示している。なお3着のTurki Al Khalediah IIまでが本戦であるこのレースに出走してくる。JCSAは明らかな芝戦なのにTrackのところにDirtって書いてるのも信用できないところなんよね。

Turki Al Khalediah II: Laith Al Khalediah - Wasil

サウジアラビア産馬、サウジアラビア調教。レート119、N. Mutlk厩舎、A. Alawfi騎乗。

5歳馬。前走のAl Mneefah Qualifierが初めての芝戦で3着だった。とはいえ勝ったTilal Al Khalediah、2着のBint Ghaliat Al Khalediahに大きく離されている。