テアトル梅田 シネマ1にて。
2022年ドイツ・フランス合作映画。
原題:Rabiye Kurnaz gegen George W. Bush
監督:アンドレアス・ドレーゼン
出演:メルテン・カプタン(ラビエ・クルナス)、アレクサンダー・シェアー(ベルンハルト・ドッケ=弁護士)、チャーリー・ヒュブナー(マーク・ストッカー)、ナズミ・キリク、他。
グアンタナモ収容所に収監されたトルコ系ドイツ人の息子を救おうとするドイツの母の実話を描いた作品です。
そもそも、ドイツ人女性とトルコ人男性の間に生まれた息子のようで、息子はドイツ国籍ではなく、在留許可でドイツで暮らしているようです。その辺も問題をややこしくしていたようですね。
おまけに在留資格の更新手続きがされていないとして、ドイツ政府は息子の再入国を認めないという声明まで出すし・・・。これはアメリカからの圧力ですかね?
最終的には息子は帰還できたわけですが、何年もの歳月を要し、婚約者(?)は待ちきれずに息子の元を去ってしまいました。
ということで、人種問題やら在留資格問題やらも絡んで、一筋縄ではいかなかった訳ですが、そもそもグアンタモ収容所の法的な扱いが不明確なのが最大の問題ですね。
戦闘時の捕虜であれば、軍の管轄下で、軍の規則によって扱われ、ジュネーブ条約に従う必要があります。犯罪者であれば、法務省の管轄下で証拠や令状に基づいて拘束されることになる訳ですが、そのあたりが曖昧なまま、米国外ということもあって、米国の法の適用外(?)みたいな感じで、非常に曖昧な感じの施設です。国外にあっても在外公館や軍事基地であれば米国の法に基づいた管理が行われるのですが、キューバという特殊な場所にあるため、曖昧に扱われてきたのですかね。
【ヨダン】誰かも書いていましたが、エンドロールに出たご本人さんの写真を見ると、クルナス夫人も弁護士さんも感じがよく似ていましたね。もっとも、弁護士さんは細めの顔立ちでメガネに口髭を付ければ誰でも似ているように見えるかな。(^_^;)