汁もの系のBocadilloは諸刃の剣
今日は書くことが雑多なので、端折って書く。
誰かに爪を切られる(切って貰う?)夢をみて目が覚めた。切られた爪はありえないくらいの大きさだった。なんか変な夢だ。
なんか小腹が減ったので、昨日作ったTortillaで朝食をとろうとCocinaへ・・・。
昨夜、ManoloやSantiがTortillaを食べたのは知っていた。でもって、まだ半分くらい残ってるのも確認してあった。
が!!
見事に無くなっていた。
おいら16分の1しか食べてないよ〜〜〜!!自分で作ったのに〜!
まぁ、我が家は早い者勝ちなのでしょうがないのだが・・・みなより遅く起きるおいらは、いつも先を越される。チキンラーメンも1人1つの配分だが、早めに食べておいた良さそうだ。危険すぎる。
しょうがないので、これまた昨日作って微妙に残っていた鶏料理を食べることにするが、白米を炊くのは面倒くさい。そこまで待っていられない。
Cocinaのテーブルの上にはBocadilloにちょうど良いくらいのパンがおいてある。誰かが食べた残りだろう。
汁もの系のBocadilloは諸刃の剣とはおいらの言。Pisto(野菜とかをトマトソースで煮込んだ、スペインではよくある料理)のBocadilloとか、羊肉のトマトソース煮込みのBocadilloは半端なくうまいのだが、気をつけないとBocadilloのおしりの方からドロドロと汁が落ちてきたり、手がむちゃくちゃ汚れるのだ。そして、早く食べないとパンが汁っけを吸ってしまい、ぼろぼろに崩れてしまうのだ。
が、他に朝食にするようなものはないので、アルミホイルをさ〜〜っ!と広げ、そのうえに割ったパンを広げ・・・素早く汁系鶏料理を載せる。その後、同じ素早さでアルミホイルで包み混み・・・
脇からえぐり混むようにして、喰うべし!喰うべし!喰うべし!!
と食べる。
汁は垂れてないし、手も汚れてない!これはいけるか!?と思ったが、最後に調子に乗って残り汁を全部かけてしまったので、後半はかなり柔らかいBocadilloになってしまった。無念。
Bocadilloを食べて空を見上げるとすこぶる良い天気。
こりゃ日焼けだな・・・
とパンツ一枚になり、タバコと読みかけの本を持って行ってTerrazaへ行く。春も暇なのか一緒についてきた。
Valenciaはスペインでは湿気がある街なのだが、この時期はまだカラっとした暑さで汗は全くといっていいほどかなない。
ほんとうに日本と同じ太陽?と思うくらいの日差しを浴びながら、優雅に読書。
Viva!La vida de Valencia!
部屋に戻ってぼ〜っとしていると、ふと先日郵便局にいったときに遭遇した、恐ろしい数の団体観光客のことを思い出す。添乗員らしき人が旗をもち、その後ろを・・・たぶん100人近くいたんではないだろうか・・・ぞろぞろと観光客がついてあるく。
その数にも驚いたのだが、添乗員がもっていた旗が気になる。
・・・どこの旗?
別においらは国旗にそれほど詳しいわけではないが、、その旗はおいらの人生の中で一度も目にしたことのない旗だった。
青・黒・白の横縞で、旗のデザインから、なんとな〜くヨーロッパっぽいことはわかったのだが・・・。
で、すごい気になったので早速調べてみたら・・・
エストニアには申し訳ないが・・・なんか妙に納得してしまった・・・。
こりゃしらんわ・・・バルト三国っていうとなんとなくのイメージはあるが、国旗まではしらなんだ。
ついでなので、ラトビアとリトアニアの国旗も覚えておいた。リトアニアのは目がちかちかした。
もったいなくて、最近はちびちびとしか飲んでいなかった素敵な箱のVinoがそろそろ尽き果てようとしてきたため、久しぶりにMercadonaへ言ってVinoを購入。
最近は安ワインのストックやら通い婚Bodegaのおかげで、めっきりMercadonaでVinoを買ってなかったことに気づく。飲んでる量は以前の倍以上なのに・・・。そして、同時にVino日記が全く進んでないことも思い出す。う〜ん、いかん・・・。
るんるん気分でVino売り場へ。久しぶりだから、べたなヤツにしよう!とVin~a Enterizoを探すがない。ふとALBALIに目をやると・・・
2.5euros!!!
30centimo近く安くなってるじゃないか!
即買い。
万が一に備えて、1.25eurosの安ワイン、Gran Vin~edo de Hacendadoも買っておく。何が「万が一」なのかはよくわからないのだが・・・。
おうちに帰ってきて夕食の準備を始める。今日のメニューは梅パスタ。貴重な梅干しを結構使うメニューなのだが、Santiが以前興味を持っていたので、作ってみることにする。
彼らは梅干しは好きとはいえ、そのままだともしかしたら厳しいかもしれないと思って、ネットでなんか違った使い方はないか調べてみる。
で、みつけたのがこれ。
少し洋風にしているようだ。
たまたま冷蔵庫にバジリコの葉っぱがあったのでそれを刻んでいれてみる。紫蘇の代わりというかなんというか・・・。
実際作ってみたら恐ろしく簡単で、なんかやることなくて料理って気がしなかったが、味はうまかった。少しバターを入れすぎた気がしないでもないが・・・。
Santiはとても気に入ったようだが、Manoloはもっと味がきつくても・・・梅干しの味の方がいいといっていたので、次回はシンプルに梅干しだけにしてみようと思う。
それにしても、他の梅パスタを紹介しているサイトは「イタリアンドレッシング」を使っているところが多いようなのだが、イタリアンドレッシングってどんなんだったっけ?こっちはサラダにドレッシングを使う習慣はないので(っていうか、売ってるのかもしらん)完全に忘れてしまった。サザンアイランドはわかるんだが・・・どんなんだっけ・・・あ〜気になる。
料理中、なにやら食料庫をゴソゴソやっているSanti・・・突然・・・
S「ガリガリ君!」
お「え???Santi・・・なんていった?」
S「おれガリガリ君!」
お「おれ宇宙を彷徨う五分狩り頭のガリガリ君♪」
もう大爆笑。
Santiと一緒にMadrid旅行にいったときに、電気グルーヴのカセットをもっていって車内でかけたのを覚えていたようだ。なにやらとても気に入ったが、まだ覚えていたとは・・・。Santiって恐ろしく耳がいい。
いつかSantiが日本に来たら「ガリガリ君」を食べさせてあげたいものだ。
食後はいつものように映画を見る。
ってことで、映画の感想。
【Canciones para despues de una GUERRA】4.0点(5点満点) スペイン語わかりやすさ度:0(10段階評価)
監督はBasillo Martin Patino。先日みた「Madrid」と同じ監督と。タイトルは直訳すると「戦後のための歌」みたいな感じ。20世紀前半の市民戦争からフランコ時代をテーマにした映画だ。
この映画、正確には映画ではなくドキュメンタリー。スペイン語のわかりやすさ度を0にしているのは、なぜなら台詞がほぼ皆無に等しいから。たまにナレーションが入るがそれは何をいってるのかさっぱりわからない。聞き取りづらいのだ。
ストーリーがあって、俳優がでてきて・・・なんて映画ではなく、ひたすら1時間半くらい、当時の映像や写真が流れる。当時の新聞の記事のアップなんかもでるが、早くて読み取れない。その映像のBGMとして、後ろでは、当時の曲が流れる。雰囲気としては、美空ひばりとかリンゴの歌とかそんな感じ。そして、時には戦中の国歌やら、士気をあげるために作られた曲なんかもかかる。
この映画は1971年の作品なのだが、当時はその「諷刺」的なところから、発禁になっていて10年ほどスペインではみれない映画だったらしい。たとえば、「ドイツでは戦死者が増加している」というような新聞記事のあと、「スペインではフラメンコに喜劇・・・」という記事をだし、後ろでは明るい曲調の歌が流れるといったような部分だ。そういえば、広島や長崎・・・そして何故か「HARAKIRI」と書かれた新聞記事まであった。
今でこそ、学校の教科書にフランコ時代については掲載されているが、たとえばManoloの年だとフランコの時代についてはまったく載せられて居ていない。日本の教科書もそうだが、まだ「歴史」になっていない時代は掲載されない。フランコが死んだのはちょうど30年前の1975年・・・スペインにはその当時の記憶を持つ人がごまんといる。彼はまだ人の記憶の中で十分生き続けているわけだ。
この映画・・・このあたりの時代に詳しい人、または興味がある人ならとにかくおすすめの映画だ。映像をみているだけでも、十分面白い。知識欲をむちゃくちゃ刺激してくれるイイ映画だと思う。当時のスペイン語どんな雰囲気で、どんな情勢で、どんな国だったのかがよくわかる。そして、日本の戦時中とほとんど変わらないこともよくわかる。すごい似たような風景を何度も見た。
残念なことに日本にこの映画はないようだが、スペインの歴史を勉強してやってくる留学生はたくさんいるだろうから、彼らには是非とも見て貰いたい映画だ。
とにかく、おいらにはぴったりの映画で、最後まで食い入るようにひたすら映像だけを眺めていた。
その後、ManoloとSantiによるスペインの歴史の講釈もとても興味深いものだった。Falanfeと呼ばれる独裁政権のことやら、市民戦争による被害(これがスペインにとっては一番大きな戦争)、第二次世界大戦のこと(ボランティアでロシアに派遣したが、周りから文句をいわれまくった)、その間の各国との国交、アメリカとのつかずはなれずの状況などなど。日本語で書かれた本からでも学べるのだが、やはりスペイン人の彼らから見た視点、感じることを聞けるというのはとてもいい。
日本人は自国の歴史をよく知らない人が多いが、彼らは学校で勉強しただけとは思えないくらい自国のいろんなことを知っている。こういうのって愛国心から来るもんなんだろうか?それとも日本人が自国のことを知らなさすぎるだけなんだろうか?