驚きました
すっかり訃報メモ欄のようになってしまいましたが(汗)
推理小説作家・今邑彩さんが亡くなられたそうです。
57歳ということで、まだまだ書いていける年齢だったのに……と思うと寂しく、惜しい気持ちがしてなりません。
乳ガンを患っておられたそうで、たしかに最近では新作をお見かけすることも少なくなっていたように思います。
もし、切除術などを受けられていたとしたら、腕の動きにも妨げが出ていたでしょうし、書きたくとも書けない、という状況にあったのだとしたら、さぞかし作家として口惜しく思われていたことでしょう。
まして、一人暮らしをしておられ、亡くなって随分と経ってから発見されたとか……
様子うかがいをする編集者の一人もいなかったのかと思うと、どうしようもない怒りのようなものが湧いてきます。
変にトリックや何やらに頼るのではなく、ごく普通に、すこし「怖い」話を淡々と書いていた作家さんというイメージがあり、そういう人が減ってきているなぁという思いも持っているので、余計にそう思うのかもしれませんが……
御冥福をお祈りいたします。
薄命な職業とは思わないけれど
声優・本多知恵子さんが亡くなられました。
49歳という若さだったそうで、驚いています。
「声優薄命説」などというのも出ているそうで、まさかそんなことは……と思いはするものの、12年前の塩沢兼人さんの死以来、若くして亡くなった声優さんの話を聞くと、どうも胸騒ぎがしてしまうんです。
しかし、その反面、70代、80代でも現役で活躍してらっしゃる声優さんも多くいらっしゃるわけで、一概に夭逝しやすい仕事というわけではないでしょう。
それにしても、本多さんの死はショックが大きかったですね。
過去に、彼女が演じたキャラから自分の作品に登場するキャラの名前をもらったことがあるぐらい、彼女の声には愛着、というか、シンパシィのようなものを感じていたので、よけいにそう感じます。
転生だ何だということを軽々しく口にしたくはないですが、できることなら、もう一度この世に生まれかわってきて、あの声で様々なキャラクターを演じてほしい、と思うのです。
御冥福を心より、お祈りいたします。
早逝
十八代目・中村勘三郎氏が亡くなられました。
五十七歳は、あまりに早い死ではないかと思います。
救いがあるとすれば、息子が六代目・中村勘九郎の名跡を継いでおり、中村屋の血統が途切れることなく、済んだことでしょうか。
六代目に嫁いだ前田愛さんは、しっかりした性格の持ち主だと思いますし、立派に梨園の一郭を担っていけるだろうと思います。
実は私、五代目・中村勘九郎だったころの勘三郎さんと、肩を並べてお酒を呑んだことがあります。
いま、六代目が襲名披露をしている京都・南座ちかくのショットバーでのことでした。
若い私にとっては、年に何度か、思いきって散財しに行く店だったのですが、勘三郎さんにとっては当然のことながら、行きつけのお店のようでした。
お店に電話が掛かってきては、マスターが苦笑まじりに、
「五代目、○○(お茶屋さんっぽい名前)の女将が、お待ちしてますって言ってらっしゃいますよ」
と伝え、勘三郎さんが、
「あら、ここに居るの、もうバレたのかぁ」
と頭を掻く繰りかえしでした。
そのうち、綺麗どころの芸妓のお姐さんたちが数人、つれだって現われ、
「もぉ、五代目ってば、こないなところに隠れてはって……あてら、ずいぶん探しましたんえ♪」
と華やかな嬌声とともに、勘三郎さんを囲んでお店を出ていきました。
勘三郎さんは、
「ごめんねぇ、マスター」
と手を振り、マスターも、
「いえいえ、またお待ちしてますから」
と笑顔で返事をしていて、すごく良い雰囲気だったんです。
「やっぱり雰囲気からして違うかたなんですねぇ」
と呟いたら、マスターが、
「そりゃあねぇ、なにしろ役者さんですからねぇ」
と言ったときの『役者さん』ということばの響き、今も忘れません。
普通の俳優さんとかを表わすことばではなく、まさに歌舞伎の舞台に立つ人のことを指す『役者さん』でした。
六代目の勘九郎氏が精進を重ね、いつか、十九代目・中村勘三郎の名跡を継ぐことができれば……と思います。
それを楽しみに──
ご冥福をお祈りいたします。
手を振るべきだったんだろうか。
「民主王国」と呼ばれた、私の住む地域でも、民主党の先行きは暗い。
その暗さを払拭しようと云うのか、私が住んでいるあたりを選挙区にしている民主党の議員さんが積極的に活動を始めた。
まだ若い議員さんで、有権者との話し合いの場や国会での活動報告の場を頻繁に設けている。
真面目で熱心な政治家、というイメージだ。
今日も、その議員さんの宣伝カーが走っていった。
私は歩道にいて、宣伝カーが走ってくるのを見ていた。
助手席に人影が見える。
いつもなら、スピーカーから流れる、
「○月×日△時より、国政報告会を行います。
皆さま、◇◇までお揃いでお運びください」
という案内だけが走りすぎていくところだが、助手席に人がいるってことは、議員先生、自ら手を振りに来たのか?
そう思って、しばらく様子を見ていた。
だが、助手席の人影が動く様子はない。
はて……?
首を傾げているうちに宣伝カーが近づいてきて、さーっと私の前を走り抜けていった。
助手席に、議員先生の等身大上半身ポップを乗せて。
いや、そりゃ何もないより良いかもしれないけどさ。
えろげの宣材じゃあるめぇし、上半身のみのポップってどうよ?!
生真面目にシートベルトを掛けた上半身ポップを乗せた宣伝カーを見送り、私はガックリと脱力して仕事場へ向かったのだった。
あぁ……暑いのに、なんだか疲れたよ……
考えてはいたらしい
こないだうちから、文句たれてたラノベの校正についてだが。
どうやら出版社のほうも、
「このままではヤバい」
と思ってはいたらしい。
先日、出版されたラノベを読んで校閲を入れる、という仕事をする人材を募集していた。
知ったときには募集が終わってしまっていたし、月に一度は東京へ出てかなきゃならないみたいなので、自分でできる仕事ではないけれど、これで少しはまともになってくれたら良いなぁ、と思う。
もっとも、募集要項を見るかぎりでは、出版されたラノベをチェックするという仕事のようなので、初版本はどうしようもないってことではあるんだが。
どっちかってーと、世に出る前に何とかしてほしい、というのが読者の本音ではある。
でもまぁ、何刷も間違ったままで出版しつづけるよりはマシなのかな──と思っておこう、うん。