民主党岡田克也代表と維新の党の松野頼久代表が31日、国会内で会談し、通常国
会終了後に両党間で政策や選挙について協議の枠組みを作ることで合意した。野党勢
力の結集に向けて緊密な関係を構築する狙いがある。両代表はほかに、政府の安全保
障関連法案について協力して対応する、今週後半に他の野党党首にも会談を呼びかけ
ることでも合意した。

 

民主党にとって維新の党と組む理由は何なのだろうか。単なる数合わせなのか、最終
的には合併することを目的とするのか、単に選挙協力で留めるのか。橋下氏がいたら、
労組を母体とした民主党とは組むことは無かっただろうが、松野氏はあっさりと取り
込まれてしまった。野党結集とは聞こえは良いが、それは単なる野合に過ぎないと、
そろそろ誰かが忠告すべきではないか。

 

維新の党の松野頼久代表は30日、民主党岡田克也代表と両党の合流に向けた協議を
加速させる考えを強調した。両氏は31日、国会内で会談する。松野氏は、東京都内で
記者団に「岡田氏と野党再編について胸襟を開いて話す機会を作りたい。一強多弱の状
況を変えていくため、強い野党をつくっていかなければいけない。岡田氏も同じ思いで
はないか」と語った。

 

松野氏は橋下氏の新党を「反党行為だと思うが、冷静に話し合っていきたい。もう1回、
党を割らないことも考えるべきではないか」としたものの、松野氏自身も野党再編志向
を強めており、どっちもどっちではないか。民主党出身の松野氏なら、野党再編の話も
進めやすいかもしれないが、そもそも民主党が野党再編に乗り気ではなく、あくまで民
主党を中心とした吸収合併くらいにしか考えていない。こう言った状況で誰が得をする
のか、そろそろ考えるべきではなかろうか。

 

維新の党を離党した橋下徹大阪市長は29日夜、大阪府泉佐野市で、大阪府内を地盤
とする同党国会議員10人と会談し、新党を結成する方針を確認した。欠席の2人を
含む衆参計12人が合流を了承。「国会議員5人以上」の政党要件を満たすのは確実
だ。年内にも結党し、来夏の参院選に候補者を擁立する見通し。会談には維新の党の
馬場伸幸国対委員長や東徹総務会長代行らが参加。

 

維新の党を離党し、維新の「純化」を進める橋下氏。松井氏は新党での橋下氏の役割
を「精神的支柱。ボランティアで応援して頂く」と説明しているが、期待されるのは
総大将として党を率いてもらうことではないか。国政進出も十分に考えられ、それを
見越して新党への合流を決めた議員もいることだろう。日本維新の会が分裂し、さら
に維新の党が分裂する、合従連衡の続く政界の中でも、ここまで動きの激しい政党は
珍しいのではないか。

 

大阪維新の会松井一郎幹事長は28日午後、「大阪都構想に再挑戦するスタートに
する」として、11月の大阪府知事大阪市長のダブル選挙で、5月に廃案となった
大阪都構想を再び掲げて戦う方針を明らかにした。維新は両選挙に独自候補を擁立予
定で、ダブル選での最大の争点となりそうだ。政令指定市大阪市をなくし、五つの
特別区に再編する大阪都構想は5月に行われた大阪市での住民投票で、反対が70万
5585票と賛成を1万741票上回り、廃案となった。

 

住民投票からわずか3カ月で再度、都構想を掲げることには反発も予想されるわけだ
が、僅差での敗北だったために諦めきれないと言うことだろうか。ただ、維新の会の
顔である橋下氏が政界引退を表明した中で、後任として誰が市長選に臨むことになる
のか。その辺りが橋下氏頼みだった維新にとって、最大の課題であろう。ダブル選で
市長、知事のいずれかでも維新が取りこぼせば、大阪都構想は一気に破綻する。維新
はかつての勢いを取り戻せるだろうか。

 

自民党は27日、9月末の安倍晋三総裁の任期満了に伴う総裁選について、9月8日
告示、20日投開票とする方針を固めた。また、岸田派と石原派は27日、安倍首相
の再選支持を正式に決定。党内の7派閥すべての支持を集めた安倍氏が無投票で再選
されるとの見方が強まっている。谷垣禎一幹事長と、党総裁選挙管理委員長の野田毅
税調会長が27日に党本部で協議し、総裁選日程を確認した。28日の選挙管理委員
会で正式に決める。

 

安保法案で野党の攻勢に晒される中、自民党は総裁選を回避することで、このまま安
倍政権のままで乗り切る構えのようだ。他に有力な候補がいないのが大きいが、野党
が相変わらずバラバラな状態の中、そう簡単に安倍政権が揺るがないとの判断だろう。
最後まで旗幟を鮮明にしなかった岸田派、石原派が支持を表明したことで、自民党
一枚岩との姿勢を見せることが出来た。野党が再編に乗り出そうにも、まとまりに欠
くのと正反対である。

 

9月の自民党総裁選で、石原派は25日夜、東京都内で幹部会を開き、対応を会長の
石原伸晃環境相に一任することを決めた。石原氏は27日に安倍晋三首相の再選支
持を表明する。これまで石原派と岸田派が態度を表明していなかったが、岸田派も2
7日に安倍氏支持を決める見通しだ。石原氏は2008年と12年の総裁選に立候補。
第2次安倍内閣で入閣したが、14年9月の内閣改造で退任した。

 

現在、石原派からは閣僚や党役員に1人も起用されておらず、完全に干されている状
況である。ただ、そのような状況を作ったのは、領袖である石原氏が原因なのではな
いか。自民党の野党時代、幹事長として谷垣氏を支える立場にありながら、寝首を掻
こうとした。さらに環境相の時には舌禍を引き起こし、被災地の反感を買った。もと
もと小派閥なのだから、独自色を出そうにも限界はあるだろう。何処かの派閥と合併
するなり、数の力で対抗するしかないのではないか。

 

維新の党の柿沢未途幹事長は25日午前、自身の山形市長選の対応をめぐる問題に絡
み、大阪府庁で松井一郎顧問と会談した。松井氏は、地元の反対を押し切り、民主、
共産などが推す立候補予定者を応援した柿沢氏に辞任を要求。柿沢氏は「考える」と
回答を留保したという。柿沢氏の山形市長選での対応では党内に批判の声が上がって
おり、松井氏は20日、辞任を求める発言をしていた。柿沢氏はこの日、事前の申し
入れなしに大阪府庁を訪ねてきたという。

 

柿沢氏は「地元の同意を得ずに応援に行ったのは、幹事長として瑕疵がある」としつ
つ、「処分対象には当たらない。なぜ辞めなければならないのか」と反論しているよ
うだが、党内をまとめようという空気は、もはや何処にも感じられない。このことが
きっかけで分裂していくのだろうが、子供の喧嘩のような状態ではないか。幹事長と
言う立場を考えれば、如何に自分の信念があろうとも、それは表に出して行動すべき
ではなかった。せめて地元の同意を得てから行動すれば、少しは違った結果になって
いたのではなかろうか。