小説感想

◆神託学園の超越者<トランセンダー> (GA文庫)
著者:秋堂 カオル


というわけで、GA文庫奨励賞の受賞作「神託学園の超越者(トランセンダー)」
ベタな学園異能バトルを読みたかったので買ってみたのだが、なかなかに面白かった。
第一印象どおりに、世界観や能力などはどこかで見たような感じであり、実にベタな内容。
ではあったのだが…ひとつ大きな特徴があり、それは主人公が非常にメタ的な能力を持っていて、それゆえに「メタフィクション」になっているところである。
本作品は、そのメタ的なギミックを多分に生かして書かれており、その一点突破な作りが普通の学園異能バトルとは一線を画す内容となっていた。
正直、「メタフィクション」はちょっと苦手なところもあるのだが、そのギミックを最大限に使いつつテンポよく綺麗にまとめて終わらせていたので、読後感はなかなかに良かった。
キャラクター描写やバトル描写などの文章表現もこなれていて、勢いがあるのもラノベらしく非常に良い。
とはいえ、個人的にはキャラクターや世界観が結構気に入っていたので、メタ視点なしでのベタな学園異能バトルで長期で続けて欲しかったところもある。
でもそれだと、「メタフィクション」という特異性がなくなり、凡庸な作りにもなってしまうので、まあ仕方ないか…ちょっと、もったいない。

この「物語」自体はきっちり完結しているので、続編とかは難しいとは思うのだが、キャラクターとかがかなり好きになってたので、「学園ラブコメ」とかで続きが読みたい気はするが…まあ、まったく別物になってしまうから、これも仕方ないか。
彼らの未来は、読者の心の中で始まるというのも、美しくはある。
そんなわけで、なかなかに力量はあると思うので、この作者の次回作には期待したい。



神託学園の超越者<トランセンダー> (GA文庫)

神託学園の超越者<トランセンダー> (GA文庫)

映画感想

アニメミライ2013を見てくる。
4作品共に非常にバリエーション豊かな内容となっており、面白かった。
若手育成という目的だけでなく、一映像作品として「面白い」ものを作り上げるという目的も達していて、非常に意義ある企画だと思った。
今後もぜひに続けて欲しいと切に願う。
以下、各作品感想。


◆「龍-RYO-」
歴史時代モノ・・各所の丁寧な画作りなどは良い感じだったが、やはり尺が短い。
劇場映画のダイジェスト的な感じとなっていて、一番物足りなさを感じてしまった。
できれば、劇場映画にしてもらって見たい作品。


◆「アルヴ・レズル」
未来SFモノ・・原作小説付きのためか、ちょっと説明不足なところがあり。
しかし独特の彩色などのある画面作りが面白く、設定方面もSFしており良い感じだった。
というか、完全に1クールアニメの第1話みたいな構成で、非常に続きが気になる内容。
なので、思わず帰りに原作小説を買ってきてしまった(笑)
できれば、これも1クールアニメにしてもらって見たい作品。


◆「デスビリヤード」
現代ドラマモノ・・今回の中では短編としては一番完結しており、話は一番面白かった。
マッドハウスらしい丁寧な画作りに、一話の中に起承転結のしっかりあるドラマとバトル(笑)と、非常に完成度が高かった。
しかし今回で話は完結しているが、続きもちゃんと作れる感じになっており、ホントによくできている。
できれば、これもTVアニメなどで見たい作品。


◆「リトルウィッチアカデミア
異世界ファンタジーモノ・・個人的には、特に素晴らしかった。
監督の吉成さんらしい作画アニメぶりで、動画的躍動感に満ち満ちていて、これを若手の方と共に作ったというのは感慨深い。
キャラクターも生き生きしていて、世界観も王道な魔女っ子モノとなっており、モロ好みの内容であった。
できれば、この企画だけで終わらせるには非常に惜しいと思うので、ぜひ続きを(笑)

映画

スタードライバー THE MOVIE
http://www.stardriver-movie.net/
劇場版スタードライバーを見てくる。
思ってた通りに総集編映画だったので、まあまあという感じ。
個人的にスタドラの好きなとこは、個々人の濃い目のドラマに熱いロボバトル、特に業の深い女性陣だったりしたので、仕方ないとはいえ、そこら辺がバッサリと切られていたのはやはり残念だったなあ。
まあ、メイン3人と巫女関係は描かれていたので、総集編としては悪くなかったけども。
いつか本編を見返したくなりました。

感想

ドキドキ!プリキュア
http://www.toei-anim.co.jp/tv/precure/
ついに10年目に突入したプリキュアシリーズ最新作、「ドキドキ!プリキュア
2話目まで終了したが、なかなか良い感じである。
初期で描くべきとこはきっちりポイントを押さえて描いており、かなり丁寧な印象。
流石は、山口亮太の脚本というところか。
特に、プリキュアに「幸福な王子」ネタを持ち込んできた辺りは非常にセンスを感じた。
それにしても、「幸福な王子」といえば究極の自己犠牲がテーマでもあり、そのオチがちょっと悲劇的なところもあって、その辺どんな風に落とすのか気になるところである。
あと、前作のスマイルプリキュアでは、良くも悪くも安定した5人の関係だけを描く「キャッキャウフフ」な世界だったわけだが、今回はソリッドな仲間関係だけでない、ちょっと揺らぎのある内外の関係性を描いてくれると良いな、と思う。
スマイルは個々の話の出来は良かったが、どうにも全体的な話の躍動感みたいのには欠けたところがあり、その辺ちょっと不満だったりもしたので。、

日記

ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q」を上映初日に見てくる。
感想としては、「またかよ…」という感じ。
確かに、旧エヴァとはまったく違う「外身」の展開などは新鮮味もあり、そこは良かったのだが、「中身」である内容自体は旧エヴァとたいして変わらず、「謎と鬱」っていうあの流れにはもう辟易。
わけのわからん話に、カタルシスのない展開にもうただただガッカリした。
エヴァは、「ちょっと男前で前向きなシンちゃん」って感じで、旧エヴァとは違う方向性で作っていて、そこに旧ファンも新ファンも惚れ込み始めたと思ってたのに、再度の「ハシゴはずし」に呆れた・・もう、それは前にやったよ・・。
こういう「どうしようもなさがエヴァだ」って言うのかもしれんが、それならもう一回やる意義なんてないよな、前ので十分じゃん、とも思う。
まあしかし、次の「完結編」で落として上げるのかもしれんから、それを待つか・・期待しないで(笑)

日記

というわけで今週は、「伏」と「マクロスFB7」を見に行く。
なんか最近、アニメ映画を見るのがマイブーム。


「伏 鉄砲娘の捕物帳」
http://fuse-anime.com/
映像などは良い感じだったのだが、話がちょいいまいち。
中盤までは良かったのだが、後半がいまいち説明不足でなんか消化不良に終わった感じ。
設定とか世界観とか良かったんで、1クールのTVアニメとかで見たかったなあ。



マクロスFB7 銀河流魂 オレノウタヲキケ!」
http://www.macross30.com/fb7/
思ったとおり、「マクロス7」の総集編であった。
今見ると、やっぱメチャクチャな内容だったなと再確認(笑)
とはいえ、やはりファイアーボンバーの歌は熱く、ミレーヌの可愛さは鉄板であった。
最後のシェリルとランカのFBメドレーライブシーンは、もう一回見たいな。