DRAGONFORCEが「バンド史上最速」の新曲を公開

イギリスを拠点に活動する多国籍バンドDRAGONFORCEが「バンド史上最速」と自負する新曲"Fallen World"を公開した。

でもこのバンドなら、この程度のスピードの曲は他にもあるよな。メタルの「速さ」っていうのは往々にして主観で判断される(客観的な基準がない)ものだが、それでもこの曲よりは"Fury Of The Storm"のほうが早いと思う。でも確かにドラムは相当タイトに叩きまくっている。そして"Where Dragons Rule"に似ていないか。

わたしに関して言えば、新ヴォーカリスト、マーク・ハドソン(Marc Hudson)が唄う新曲を初めて聴いた。上手いとは思うが、やはりフツーに上手いメタルシンガーで、個性はないな。新ヴォーカリストが無個性であることについては、彼の加入直後にもわたしは言及している(id:RYUSUKE:20110303#p1)。

カナダのINTO ETERNITYが新曲"Fukushima"を公開

カナダの「エクストリーム・プログレッシヴ・メタル」バンドINTO ETERNITYが新曲"Fukushima"をインターネット上で公開した。この曲は、言うまでもなく、福島県にある東京電力福島第一原子力発電所東日本大震災における事故をモチーフにしているという。

わたしはこのバンドの名前を知ってはいたが、音源を聞いたのは恐らく初めてである。曲はなかなか良いと思ったが、コーラスラインにおける「フ〜ク〜シ〜マ〜」がいちいち鬱陶しい。ちなみにこの曲のヴォーカルは、昨年(2011年)アメリカの中堅バンドICED EARTHにも加入し、同バンドに新風を吹き込んだステュウ・ブロック(Stu Block)。

まあ、この曲もヘヴィメタルの「核」好き(核兵器、核戦争など)の現れの一つと言ってよかろう。例えば、わたしの知る限りで言えば、スウェーデンのASTRAL DOORSは"Black Rain"(2006年)で太平洋戦争における広島への原爆投下について唄っている。またドイツのPRIMAL FEARには"Nuclear Fire"(2001年)があり、2006年の広島でのライヴの際にはヴォーカルのラルフ・シーパース(Ralf Scheepers)が「平和の祈りを込めて唄う」と一言断りを入れてから演奏した、というエピソードがある(コチラを参照)。

ちなみに、フィンランドでの原発から出た放射性廃棄物を処分し、貯蔵するための施設を撮ったドキュメンタリー映画「100,000年後の安全」(2009年、日本は2011年)があるが、原題は"Into Eternity"である。単なる偶然かもしれないが、もしかするとこの言葉には原子力開発に因縁があるのかもしれない。

まあこのバンドも、現在世界で一番ホットなスポットである福島でライヴがやれたらホンモノかな。まあ来日経験があるかどうかも疑わしいバンドじゃ、カナダの片隅で唄うのが関の山だろう。

ドイツのPARADOXからギタリスト脱退

ドイツのヘヴィメタルバンドPARADOXは、ギリシャ人ギタリスト、ガス・ドラックス(Gus Drax)が脱退したことを明らかにした。脱退の理由は「個人的なもの」とのこと。後任人事についてはまだ明らかにされていない。なお最新アルバムは2012年夏の発売を予定しているそうだ。

新作でも作詞は手がけるという、本職はなんと弁護士である前任ギタリストのカイ・パーゼマン(Kai Pasemann)を呼び戻すのが一番手っ取り早いと思うけれど、本職のほうが忙しいし儲かっていると思うから難しいかもね。ホルツヴァルト兄弟(Oliver & Alex Holzwarth)(B.& Ds.)の人脈でとんでもない凄腕ギタリストを連れてこられないかな。

そういえば、リーダーのチャーリー・シュタインハウアー(Charie Steinhauer)とホルツヴァルト兄弟は、元GRAVE DIGGERのウヴェ・ルリス(Uwe Lulis)とメタルプロジェクトBRUTAL GODZをやっているから、そのままPARADOXに加入してもらえばいいのではなかろうか。元GRAVE DIGGERという肩書きは、結構話題になるだろう。

それにしても、日本でPARADOXに注目しているファンって、わたしの他に誰もいないだろうな(だからこそわたしが報じる価値がある)。

フィンランド/スウェーデンの伝説的バンドOZが20年ぶり再結成

今回の論稿は単なるメタル談議ではなく、メタルを通した比較文化論を行っている……つもりである。

フィンランドで結成され、1982年にデビューし、1991年のアルバムを最後に解散した「伝説的」ヘヴィメタルバンド、OZが昨年2010年再結成を果たし、復活後第1作アルバムBurning Leatherを今年2011年11月16日に発表した。再結成のラインナップには、バンド創立メンバーのエイプ・デ・マルティーニ(Ape De Martini)(Vo.)とマーク・ラフネック(Mark Ruffneck)(Ds.)に、ジェイ・C・ブレイド(Jay C. Blade)(B. & Backing Vo.)という黄金期の3人が含まれている。

わたしはOZというバンドがかつて存在し、そして20年ぶりに再結成したことを今回初めて知ったのだが、それは彼らの所属レーベルであるAFMレコーズがサウンドクラウド上にアップロードした楽曲"Turn The Cross Upside Down"を偶然聴いたからであった。この曲はもともと1984年に発表されていたが、今回の再結成に当たって再レコーディングされたものである。最初聴いたときは「こういうオールドスクールなメタルをやっているバンドがまだまだいるんだな」と思い、同バンドの情報を求めてインターネット検索を行ったところ、彼らが20年ぶりに再結成したことに驚かされ、しかもその間上記の3人はメタル業界ではほとんど全く沈黙していたことにまた驚かされた次第である。

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RAGEのニューアルバムは2012年3月発売予定

ドイツのヴェテランヘヴィメタルバンド、RAGEの21枚目となる最新アルバムが来年2012年3月に発売される予定であることが明らかになった。バンド唯一のオリジナルメンバーにしてリーダー、シンガー兼ベーシストのピーヴィ・ヴァーグナー(Peavy Wagner)によれば、アルバムタイトルは"21"になるであろうとのこと。このレコーディングにチャーリー・バウアーファイント(Charly Bauerfeind)が関わっていることが明言されているので、彼は恐らくプロデューサーかミキサーとしてクレジットされるであろうと予想される。

すごく楽しみなんだけど、個人的には前作Strings To A Webはあまりはまらなかったな……。ヴィクター・スモールスキ(Victor Smolski、ギタリスト)の曲はかなり好きだが、RAGEのカラーはやはりピーヴィの作曲だと思うので、彼の単独曲を増やしてもらいたい。

POWER QUESTヴォーカリスト脱退

イギリスに拠点を置くヘヴィメタルバンドPOWER QUESTから、ドイツ在住のスリランカ人ヴォーカリスト、チティ・ソマパラ(Chity Somapala)(元FIREWIND)が脱退したことが明らかになった。ソマパラは、今後メタルを離れて、よりロックとブルースをベースにしたソロ活動をしていきたいとの意向を示しているという。後任人事は既に決定している模様で、今年(2011年)11月25日と27日のショーで初お披露目されるとのこと。

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IRON SAVIORの新譜は2011年11月18日発売

ドイツのヘヴィメタルバンドIRON SAVIORの新作アルバムThe Landingが今年(2011年)11月18日にリリースされることが明らかになった。また同作にも収録されると思われる新曲"Heavy Metal Never Dies"も、アルバム発売に先駆けてインターネット上で公開された。

アルバム制作のためにスタジオ入りしたのが8月で、11月にもうリリースって、随分早くない? また公開された新曲のタイトルも同バンド「らしく」て笑える(笑)。

新曲はサウンドクラウド上で聴くことができる。プレーヤーの埋め込みがうまくいかなかったので、コチラのリンクからどうぞ。

同バンドは、過去にこんなタイトルの曲も作っている。"H. M."というのは、もちろんHeavy Metalの略である。歌詞の最後、「これ(=ヘヴィメタル)が、俺たちが俺たちであるために選んだ道なんだ」という一節もイカしている(笑)。

IRON SAVIOR "H. M. Powered Man" (from Battering Ram)