特別な1日  

-Una Giornata Particolare,Parte2-

これは恋愛映画じゃない:映画『パスト ライブス/再会』

  楽しかったゴールデンウィークもお終いです。ああ(嘆息)。
 この時期 お天気も良く、新緑が美しい。これは映画を見に行く途中に通った邪教神社(笑)、明治神宮

 マンションの中庭ですら、普段より美しく見えます。日頃の憂さを新緑に慰めて貰っている(笑)。

 昨日の子供の日はもう、こんな感じなんですね。子供の日、という言葉も死語になりつつある。

そういえば町で鯉のぼりを見かけることも随分減りました。

 少子化になれば、経済は悪化する。経済が悪化すれば婚姻や出産も減り、更に少子高齢化が進むという負のスパイラルに今の日本は突入しています。おまけに国民の頭も劣化している。
 40年も前からこうなることは判ってきたのに、誰も手を打たなかったわけですからね。政党や役人だけでなく、殆どの男どもも家事すらしなかった。声を挙げることすらしなかった。

 自民党への逆風が話題になってますが、国民はどうせ直ぐ忘れてしまう可能性も大、じゃないですか。

 どんなタレントだか知りませんが、こんなバカにつける薬はさすがにない。

 それに自民党が酷いのは勿論にしても、野党に代わってもどうにかなるわけじゃありません。

 仮に野党に優秀な政治家がいてアベノミクスの後始末ができたとしても、あと10年はかかる。まして少子高齢化なんて今から対策をしても効果が出るのは50年後です。まして自民党も酷いけど野党の思考停止だってロクなもんじゃありません。

 新緑でも眺めながら、せめて静かに朽ちていく、というのが、これからの日本のあるべき姿でしょうか(笑)。 

 まじで日本人なんか地球上に存在する必要ないんじゃないの(笑)。


 と、いうことで、渋谷で映画『パスト ライブス/再会

 ソウルで暮らす12歳のノラとヘソンは互いに惹かれ合っていたが、ノラ一家が海外に移住したことで離れ離れになる。12年後、ニューヨークとソウルでそれぞれの道を歩んでいた二人はオンライン上で再会するが、遠距離ゆえのすれ違いでまた、離ればなれになってしまう。さらに12年が経ち、36歳で舞台作家になっていたノラ(グレタ・リー)はユダヤ人作家のアーサーと結婚する。ヘソン(ユ・テオ)はそれを知りながらも彼女に会うためにニューヨークを訪れるが

happinet-phantom.com

 ベルリン国際映画祭ゴールデン・グローブ賞、アカデミー作品賞&脚本賞などにノミネートされるなど非常に評価が高い作品です。監督は韓国系カナダ人のセリーヌ・ソン。これが初監督で、ソウル出身でNYに移住した監督本人の実体験が元になっているそうです。

 お話は3つに別れています。
 12歳のノラとへソンが互いに惹かれあうも、ノラの一家がカナダへ移住することによって離ればなれになるまで。

 その12年後 二人がネット上で再会するも遠距離のすれ違いで疎遠になってしまうまで。

 更にその12年後 NYで結婚しアメリカ市民権を取得したノラの元をへソンが訪れる。

 詳しい説明はありませんが、へソンは優秀な成績で大学を卒業、それなりの大企業に就職している。大企業とそれ以外には処遇がずいぶん差があると言う韓国社会の格差の大きさはよく言われるところです。
 ヘソンはプレッシャーに耐えながら兵役に就き、大企業に就職し、韓国人男性に要求される『一人前の男性としての責務』を果たしている。恋人ができたこともありましたが、遠く離れたNYにいるノラのことを忘れられない。

 ノラの夫のアーサーはアメリカ国籍のユダヤ人。作家です。

 彼は舞台脚本家のノラと同じクリエイターとして彼女の意志と自由を尊重している。家事も分担、同居人のような関係でもある。ソウルからへソンがやってくるとノラから聞いて心配はするものの、彼を喜んで家に招き入れ、夕食も共にする。

 若い女性を中心に映画館はお客さんは結構入っていました。きっと韓流の純愛もの?みたいなイメージでお客さんが入っているのでしょう。ボク自身はそれ自体はピンと来なかった(笑)。監督が描きたいことは、恋愛ではないと思ったからです。

 終始 映画で語られているのは主人公ノラのアイデンティティの問題です。
 3つのエピソードにはどれも、韓国特有の社会の現状が色濃く反映されています。
 軍事独裁政権が続いた韓国の将来を悲観して多くの韓国人がアメリカへ移民として渡ったこと。70年代、80年代から移民は盛んだったようですが、ノラの場合は90年代の通貨危機も関係しているのかな。
 現代は民主化はされましたが、今度は過度な学歴社会で子供の時から競争に追われている。大企業に就職するかしないかで、社会的な格差も大きい。中国との繋がりが韓国にとって重要になり、今度はアメリカではなく中国の影響力が強まってくる。
 そうやってグローバル化しつつある中でも儒教の男尊女卑的な発想が残っていて、男は充分な収入がないと結婚できない、という奇妙な強迫観念に囚われている。

 映画の中でノラが夫のアーサーに、ヘソンが持っている韓国人男性特有の男性性の魅力について語るシーンがあります。彼女はまんざらでもなさそうです。アーサーは思わず物憂げな表情を見せるのですが(笑)、元々ノラの気持ちは決まっている。

 劇中 24歳の時のノラの『韓国語なんて母親にしか使わない』と言うセリフがあります。彼女は韓国を捨ててアメリカで暮らすことを選びました。郷愁はあっても、自由に生きたい自分は韓国的なものを否定しなくては生きていけない。
 だけど、郷愁に多少は心が揺れる。人間ですから(笑)。

 この映画、そのノラが抱える矛盾が面白いんです。純情な韓流イケメンの恋物語に見えなくもないけれど、主人公の心の揺れの描写と比べたら、へソンのイケメンぶりとか純情ぶりとか単純すぎてつまらない(笑)。善人ではあるけれど、ただのバカじゃん(笑)。いや、へソンだって判ってはいるんでしょうけど。

 ま、ボクは、ヘソンの抱える『稼ぎが悪いと妻を養えないんじゃないか』と悩むような(マヌケな)『男性性』みたいなクズの発想が死ぬほど嫌い(笑)というのもあります。所謂 『マチズモ』ですかね。ボク自身はそういった『男性性』とは絶対に両立できない。死ぬまで闘ってやる(笑)。

 題名のPAST LIVESとは前世のことで、映画では前世からの宿縁のことが何度も語られます。ノラもヘソンも、そしてアーサーも自分たちの過去を肯定し、お互いが知り合ったことに感謝すらしている。でもノラの気持ちは最初から決まっているからこそ、そんな話が出来るんです。

 ラストシーンは登場人物たちの間の開け方といい、感情の爆発といい、本当に素晴らしい。この、心の揺れの表現はなんと言って良いのでしょうか(笑)。ノラはヘソンではなく、自分の過去のために泣いているのです。それを敢えて言葉にしない、これぞ映画です。
 この映画、恋愛映画ではありません。人間を描いた映画。だから普遍性がある。

 完成度は非常に高いです。脚本も良く練られているし、テンポも良い。ノラを演じるグレタ・リーが可愛かった(笑)。瑞々しいばかりの24歳と落ち着きがでてきた36歳の演じ分けもお見事。

 何と言っても出色なのが、映像も音楽も非常に美しいこと。音楽は全然知らない人ですが、『ドライブ・マイ・カー』の石橋英子ジム・オルークなど近年の邦画でよく使われるような、美しくクールな現代音楽で一発でボクは気にいってしまいました。アメリカっぽくない。

 普遍的なテーマを問う、美しい映画です。良い映画の常として、人によって色々な感じ方ができるとは思いますが、一人の女性のアイデンティティの物語としてボクはとても共感できました。


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『自家用車も書店も時代遅れ?』と『海の幸のパフェ』

 爽やかな朝、いよいよゴールデンウィークも後半です。
 3連休や4連休くらいで、こんなに嬉しいのだから普段自分がいかに精神的に貧しい生活をしているか、を実感してしまいます。住んでいる国自体がずいぶん貧しくなってしまいましたけど(笑)。


 なんか、元事務次官前川喜平氏もボケちゃったみたいです。山本太郎の支援を受けて東京15区に立候補、落選した須藤元気を『野党共闘で活用したらどうか』と言っている。

 須藤元気は、’’バシャール’’という宇宙人との対談本を出した、そういう脳味噌の人です(笑)。

 元官僚の孫崎享や古賀茂明は退官して発言を始めた当初は頭脳明晰でさすが官僚、と思いましたが、浪人生活が長引くとボケたり、陰謀論に走ってしまうらしい。
 役人のトップ、事務次官まで行った前川氏はさすがに違うと思ったのですが、どうも怪しい(笑)。
 彼がまだ文科省に居たころ 実際に会ったときは『立派な人』と思ったんだけどなあ。人は変わるものですけど。


  
 当たり前のことですが、右でも左でも玉石混交、色んな人がいます。
 以前『TPPはバカのリトマス試験紙』というお話をしましたが、当時『TPPはアメリカの陰謀』と嘘八百並べてた中野剛志や藤井聡みたいな右寄りの学者、社民党共産党や一部の議員、それに山本太郎堤未果などが典型で、リベラルかどうか以前にただのバカも多い

 左の学者でもアホの白井聡なら判るけど内田樹ですら、訳の判らない理由でTPPに反対していた(笑)グローバリストを信じるな - 内田樹の研究室
 要するに右も左も根拠のない『排外主義』井の中の蛙なんですよ。田吾作の国(笑)。

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 事実として、TPPはアメリカの陰謀でもなんでもなく、アメリカは加入すらしなかったのはご存じの通り(笑)。東南アジアの関税が下がって、ボクの勤務先も含め、多くの日本企業は大喜びです(笑)。それが労働者の給料に還元されています。
 今回の『須藤元気』も、バカのリトマス試験紙かもしれません(笑)。

●立憲民主だって、ディープステートがどうこう言ってる原口を筆頭に陰謀論に取りつかれたアホ議員がいます。右は反中、左は反米というだけで、根拠がない陰謀論という点ではどっちもそっくり(笑)。


 アリゾナへ行ってきた人の話を聞きました。今 大勢の日本人が視察に行っているそうです。
 既にアメリカではAIによる自動運転のテストが始まっています。特にアリゾナ州フェニックスではグーグルやGMがタクシーやウーバーイーツ配達の自動運転テストを始めているそうです。  
 テストを行っているサンフランシスコやフェニックスでも当初は関係者、グーグルやGMの社員に限っていましたが、フェニックスでは一般人でも自動運転車をアプリで普通に使えるようにしたそうです。試してみたら『何の問題もなかった』と聞きました。

www.itmedia.co.jp

japan.cnet.com

 テストでは人身事故は起きているし、サンフランシスコではホームレスに自動運転車が襲われたそうです(笑)。それでもテストを進めているところが日本とは違う。先に自動運転のノウハウをソフト化した企業が次の時代の勝者になるからです。
 飛行機でも自動車でも今はソフトが最も重要です。トヨタは本体だけで2万人近くもプログラマーがいるんです。

monoist.itmedia.co.jp

ホンダやトヨタ、なぜソフトウエア人材増員? - 日本経済新聞


 既に事故率は機械の方が人間の運転より低いそうです。トラックドライバー不足や高齢者の危険運転のことを考えれば、自動車の運転なんか機械の方が良いに決まっています。
 
 自動運転は過疎地での利用が先行?と思っていたら、関係者に聞くとセンサーなどを道路際に整備する関係上 都会での利用が先、だそうです。過疎地ではインフラを整備しても、とてもペイしない(笑)。ちなみにアリゾナと言っても、フェニックスは人口160万人の大都市です。

 日本でも、あと10年したら自動運転が普通になる可能性はありそうです。少なくとも都会では自家用車なんか時代遅れになっているかも
 昨日のニュースで2030年代前半開業を目標とする築地の再開発で『空飛ぶ車の発着場』を作ると言っていました。
news.yahoo.co.jp
news.yahoo.co.jp

 空飛ぶ車の成否は知りませんが、自動運転は本当に普及しそうです。
 タクシー運転手さんの失業など負の側面はあるでしょうが、自動運転で事故率が下がって人手不足も解消するなら社会全体としては悪いことではない。そもそも、都会で自動車の運転なんか事故リスクはあるし、カネもかかる。おまけに渋滞や駐車場探しでイライラするし、運動不足にもなる。まさにくだらない。
 今のところボクは自動運転や空飛ぶ車どころか、徒歩で充分(笑)。都内だったら渋谷でも六本木でも銀座でも1時間も歩けば大抵の所は行けますもん。

 先週27日の報道1930で日本政治の劣化で経済成長を阻害する例として、4月に導入されたばかりの日本型ライドシェアが挙げられていました。

 ボクはライドシェアのような規制緩和は失業者を増やすだけで何の役にも立たない、と思ってます。民営化や規制緩和何か新しい価値を生み出すわけではありませんから、そんなもので実態経済が成長するはずがない。今回ライドシェアがタクシー業界の利権を守るため『日本型』になって骨抜きにされたのは自民党の立派な功績(笑)です。これはマジ(笑)。

 先週の報道1930はアベノミクスの失敗を追求したのは立派でしたが、

 解決策として安直な規制緩和を取り上げたのはマヌケでした。

 ただライドシェアはスルーでも、一足飛びに自動運転で勝負する考え方はデジタルで敗戦した日本の活路として充分、ありえる。
 かっての日本の高度成長の最大の要因は単に若い人が多かったからですが、加えて工場が焼け野原になって設備が新しくなったのも大きい。自動運転自体はどうでもいいけど、変化を先取りして活路を開く可能性は考えるべきです。


 世の中が変わりつつあると言えば、既に書店がゼロの自治体は全国の約3分の1弱を占めているそうです。

 これにはビックリ。そこまで進んでいたんだ。
 確かに地方の県庁所在地へ出張すると、街にあるのは良い本を取りそろえた昔からの本屋が1軒か2軒、あとはクズみたいな雑誌やベストセラーしか置いていない郊外のロードサイド店ばかり、という印象があります。高知でも高松でも盛岡でも長野でもそうだった。そんなロードサイド店ならネットの方が良いに決まっています。

 最近は東京の渋谷や新宿ですら、大型の書店は減っています。東京駅前の八重洲ブックセンターもなくなった。書店やCD屋という業種は最早 絶滅危惧種かもしれません。


 時代の変化のスピードは自分の想像より早い、最近はそう感じることが多いです。自家用車や書店、CD屋などボクが隠居する頃には廃れてしまうでしょう。
 紙の新聞もそうでしょうし、

president.jp

 所謂 戦後民主主義、安保で言えば一国平和主義=排他的な独善固執する共産党社民党、それに一部の市民運動も廃墟でしょう(笑)。高齢者ばかりだから、あと10年も保つはずがない(笑)。

mainichi.jp

 旧来の戦後民主主義を支えた新聞も政党も学者も役割はもう終わっています。宮崎駿が『君たちはどう生きるか』で描いている通りです(笑)。あとは環境の変化に合わせて、選択していくしかない。

 せめて本物のバカを総理大臣にしたり、

 維新やれいわみたいなクズや共産党のようなファシストがのさばらないようにしないと(笑)。

 変化することは止められないし拒否することもできません。人間にできることは環境変化にどう対応するか、そして変化をよりマシなものにしていくことしかありません
 

 あとTPPにしてもアベノミクスにしても、とにかくバカは相手にしないことでしょう(笑)。


 さてゴールデンウィーク前半、日ごろの憂さ晴らし第1弾で久方ぶりに北参道のフレンチへ出かけました。半年ぶりかな。

 ボクは創作料理、いわゆる『映える』料理は嫌いです。たいていはコケ脅し。まずいからです。
 ところが、裏通りのマンションの地下にあるこの店は基礎がちゃんとしていて美味しい。その代わり、連日満員でなかなか予約が取れません。
 子供の時 この辺りを自転車で走り回っていた時はこんな店なかったんですが(笑)。

 最初はシャンパン。テラスで飲むのはいい気持ちです。

 この日はいきなり、ご焼香の香炉が出てきました(笑)。上には線香を模した?チュイール。中にはパプリカのムースが入ってます。

 香炉の蓋を開けるとドライアイスの煙の中からウニ、生のホタルイカと牛肉

 爽やかなピュイ・フュメに合わせて、

 アミューズです。

 これがアミューズのお品書き。

 ワインも変わりました。アルザスワインというと『まずい』(笑)というイメージですが、これは美味しかった。さすがグラン・クリュ。

 それに合わせて出てきたのが海の幸のパフェ。ウニ、ズワイガニ、キンメダイ、つぶ貝がクリームとコンソメで和えられています。こんなもの、美味しいに決まってます(笑)。

 パフェを食べ終わると、ヘビーなムルソーの登場です。

 白アスパラとリードボー&フォワグラ。ボクの大好きなものばかり(笑)。ソースはフキノトウ

 次はブイヤベース。お鍋の湯気でレンズが曇ってます。

 南仏料理のブイヤベースに合わせるのは南仏のワイン、コンドリュー。料理にピッタリだったし、花の香りがして実に美味しかった。ムルソーに勝ってました。

 中身はイセエビ、アワビ、カサゴ、のどぐろ、ホタテと豪華版です。

 メインの赤はここから選べ、と(笑)。ボクはオー・ブリオンにしました。アルコールはもう限界ですが、絶対残さない(笑)。泥酔して中身の写真を撮るのは忘れました。

 赤城牛の赤身、ということでしたが、これは脂っこかった。たったこれだけでも全部食べるのは苦労しました。

 

 付け合わせの山菜。もちろん全部じゃありません(笑)。

 最後に炊き立てのストーブご飯。ここから、一つ選びます

 ボクは白エビにしました。美味しかったけど揚げてあるとは思わなかったので失敗しました。もうお腹いっぱいです。

 でも、デザートは別腹(笑)。
 最初はベルモットの香りをつけた八朔のゼリー。中に苦味があるムースが入っていて秀逸でした。

 やよいひめのデザート。イチゴを模したチョコ、イチゴのクッキー、イチゴの香りの泡、マスカルポーネ、抹茶クリームと凝りに凝ってます。

 右端のイチゴの中身はこの通り。チョコの皮の中にラズベリーソースが入ってます。

 とどめのお茶菓子。この中に3種類のお菓子が入ってます(笑)。

 フレッシュのハーブティーを出せるのも回転が良い店だからでしょう。生だと味も香りも全然違います。家のベランダでレモングラスやミントを育てたいくらいです(笑)。

 この店は見かけだけじゃなく味も美味しいし、店の人の感じも良いし(20席ちょっとの小さな店に10人近く人がいる)、お腹もアルコールも一杯になり過ぎてしまうのが珠に瑕です。
 アルコールは半分の量にしてもらっているのですが、それでも半死半生(笑)。ボクは普段 勤務先では一滴もアルコールは飲めないことにしているくらいで、まずいものは飲みません。逆に美味しいものは残したくない(笑)。
 いつまでも、こういうものを食べられるように元気でありたいです。

『#入管法改悪反対 4/28全国一斉アクション』と映画『ブルックリンでオペラを』

 やっとゴールデンウィーク、気持ちが良いお天気です。

 昨日の選挙の結果自体は良かったとは思います。しかし中身を見れば全然良いことはない。

 特に驚いたのが投票率です。この期に及んで選挙に行かない人の知能指数を疑ってしまいます。

 3選挙区とも前回の選挙より大幅に下がっているのですから、勝った野党も国民の不満の受け皿にはなっていないのでしょう。

 野党共闘がどうの、というのもくだらない話です。確かに野党が乱立していたら勝てませんが、消費税や安保など立憲民主と他の党は根本的なところで政策が違います。結果として共闘になるのなら良いですが、共闘を目的にするのは間違いです。
 それで勝っても長続きしないだけでなく、共産党と組んでも、最も数が多い無党派層には浸透できない前回の選挙で判っていることです。

 立憲、国民、共産など地方組織同士の関係が比較的良いところは共闘すれば良い。

 前々から言われていたこととはいえ、東京15区は酷かった。
 立憲民主の酒井という人はまともだと思いますが(腰が据わらない立憲のなかでどこまで正気を保てるかは不安ですが)、

 それ以外はマジで狂人が揃ってた。

 得票2位が山本太郎が応援した須藤元気というのも酷い。数年前 宇宙人との対談本を出した人でしょ(笑)。

 百田尚樹河村たかしと組んで、陰謀論を吹聴してた飯山陽が2万も得票したのにも驚いた。乙武より多いんです。

 右も左も老人のノスタルジーに引きずられているのですから、そりゃあ、日本が落ち目になるわけです(笑)。

 
 と、いうことで、昨日は上野へ改悪入管法施行反対のデモへ行ってきました。

 日本はまともな難民審査も行っていないくせに改悪された入管法では難民申請者の強制送還や監理制度など危険な制度が盛り込まれ、時として収容者を死にまで追い込む入管の体質も改善されないスリランカ人のウィシュマさんが医療を受けられず名古屋入管で殺されたことだって誰も責任を取っていないじゃないですか。

 法律は6月から施行されますが、人々が黙らなければ運用に影響を与えることはできるかもしれません。

 この日のデモは全国各地で行われました。東京は上野。主催は若い学生さんたちが中心でした。彼らは普段から留学生に接していますから他人事ではないのでしょう。

 良いお天気でデモ日和(笑)ではありました。デモの参加者は180人だそうで、日本人が8割くらい。テーマがテーマですから沿道の関心は必ずしも高いとは思いませんでしたが、明日は我が身なんですよね。
 上野は観光客だけでなく、働いている外国の人が多いですから、デモを見ている人は大勢いました。
 

 歩いていて気が付いたのですが、沿道には肌の色が異なる子供を連れてデモを見に来ている人がいる。この日は入管から移動許可が下りずに参加できなかった人もいたそうですが、当局の嫌がらせなど様々な理由でデモに参加できない人もいる訳です。
 なんの制約もないボクのような人間には微力でも声を挙げる義務があるなーと思いました。

 ウィシュマさんの妹さんもいます。マイクを持っているのは32年間 難民申請をし続けているエリザベスさん。自身も不安定な立場にありながら同じような立場の人の手助けを続けています。牛久市議会は自民党も賛成して、国に彼女の在留許可を出せという決議を出しています「オブエザさんに在留特別許可を」茨城・牛久市議会が意見書を可決 感謝の女性「私の国、私の県、ありがとう」:東京新聞 TOKYO Web

 マイクを持つ指宿弁護士。『国や法務省は改悪入管法を施行しても、どうせ市民は忘れてしまうと思っている』、『法律が施行されても、市民が黙らなければ影響力を削ぐことができる』と。

 指宿氏の隣にいるパキスタンの人は10年以上申請して、先週やっと在留許可が出たばかりだそうです。

news.yahoo.co.jp

 ちなみに指宿氏はアメリ国務省から『人身売買と戦うヒーロー』として表彰されています。日本政府はアメリカの言うことはなんでも聞くんじゃないのか(笑)。


www.tokyo-np.co.jp

 東京新聞はこの日のデモをちゃんと報じました(笑)。 


 と、いうことで、新宿で映画『ブルックリンでオペラを

 潔癖症精神科医、パトリシア(アン・ハサウェイ)と現代オペラ作曲家のスティーブン(ピーター・ディンクレイジ)はニューヨークのブルックリンで暮らしている。もともと非社交的でプレッシャーに弱いスティーブンはスランプに陥り、曲が全然書けなくなる。パトリシアの勧めで気分転換のために愛犬と行くあてのない散歩に送り出されたスティーブンは寂れたバーで飲んだくれていたタグボートの船長、カトリーナマリサ・トメイ)と出会う。スティーブンは彼女に誘われてタグボートに乗り込んでみるが。

movies.shochiku.co.jp

 監督は『50歳の恋愛白書』、『マギーズ・プラン 幸せのあとしまつ』などのレベッカ・ミラー。『レ・ミゼラブル』などの大スターのアン・ハサウェイ、大ヒットした『ゲーム・オブ・スローンズ』や昨年の素晴らしかった『シラノ』のピーター・ディンクレイジ、『レスラー』のアカデミー賞俳優、マリサ・トメイと、キャストも豪華です。アン・ハサウェイはプロデューサーも兼ねています。

spyboy.hatenablog.com

 現代最高のロックバンド、ザ・ナショナルの中心人物のブライス・デズナーが音楽を担当、主題歌「Addicted to Romance」はブルース・スプリングスティーンということで、ボクとしては昨年から手ぐすね引いて公開を待っていた作品です。ちなみに「Addicted to Romance」は昨年のゴールデングローブ賞の歌曲賞にノミネートされています。

 しかし原題「She Came To Me」が「ブルックリンでオペラを」なんて訳の判らない邦題に変えられていたので、危うく見逃すところでした(笑)。ふざけんなよ。
 ボクが見たのは公開後3週目でしたが、小品ながら評判は良いようで、映画館にお客さんは結構入ってました。

 パトリシアとスティーブンはブルックリンで暮らす夫婦です。パトリシアは精神科医、スティーブンはオペラの作曲家。

 パトリシアが若い時に産んだ息子を含めた3人家族です。多様なバックボーンはありつつも経済的にも恵まれた、仲良し家族です。

 社交が大嫌いで引っ込み思案のスティーブンは深刻なスランプに陥いり、曲が書けない状態が続いていました。一方 病的な潔癖症のパトリシアは周囲に嫌悪感を覚え、修道院通いを始めています。理想的なカップルのように見える二人の間にはどことなく隙間風が吹き始めています。

 高校生の息子は成績は優秀、ハーバード大に推薦されてもあっさり断るくらい自分の意志がはっきりしています。母とも継父のスティーブンとも表面上はうまくやっています。

 18歳の彼には16歳の彼女がいて深い仲です。彼女も優秀で高校を飛び級で進んでいる。家庭環境は大きく異なり、彼女の父は裁判所のお堅い速記者、悪人とは言えないけど超保守主義者(容赦のない描写がなされています)、一方 母は北欧からの移民ですが、偶然 パトリシアの家の家政婦だったことが判ります。これはひと悶着ありそうです(笑)。

 スランプのスティーブンは精神科医のパトリシアの勧めで犬を連れて、行き先を決めない散歩に出ます。途中立ち寄ったバーで昼間から飲んだくれているタグボートの船長、カトリーナに出会います。

 カトリーナはスティーブンを自分の船に誘います。そこで思わぬことが起きます。

 いかにもNYが舞台のドラマらしい、人種も家族の形態も階級も思想も多様性に富んだ人たちのお話です。

 お話は前半はアン・ハサウェイ、後半は息子たちカップルとマリサ・トメイがフィーチャーされています。
 アン・ハサウェイは超きれいで、ファッションもすごいんだけど、パーティーならともかく、普段の街角でこんなハイファッションで着飾った人がいるんだろうか?とも思ってしまいます。NYなら居るのかもしれませんが(笑)、違和感は否めない。目の保養ではあるんですが。

 マリサ・トメイはいつもどおり、ワーキングクラスの役柄がお似合いです。

 この映画、わざわざオリジナルのオペラのシーンを二本も作っています。スランプを脱したスティーブンが作ったという設定ですが、さすがブライス・デスナーだけあって、本気でかっこいい。説得力がある。ただ彼が音楽を担当した昨年の「シラノ」みたいなミュージカルならいいけど、コメディで使ってしまうのは若干勿体なくもあります。舞台演出も含めて、オペラシーンはこの映画の見ものです。

 ラブコメ、ロマンスの映画ではあるけれど、最新型で多様性に富んだ作品です。突飛なところもあるけれど、若い二人に導かれて大人たちが新しい家族の形を作っていくのもユニークだし、希望を持てます。

 監督の前作「マギーズ・プラン」でもスプリングスティーンの歌が2度も使われ、強い印象を与えていました。今作ではスプリングスティーンのオリジナルが主題歌です。その「Addicted to Romance」はコメディの主題歌としては名曲過ぎるのですが(笑)、この曲が流れるシーンでは映画のランクがもう一段引き上げられるような気がしました。曲を聴きながら、画面を見ると意味が全然違う。それだけの力がある曲でした。


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 登場人物たちの事情があまりにも多様で前半は判りにくかったところもありましたが、後半は良く練られたプロットでさすが、と思いました。美しいラストシーンは忘れがたい。小品ですが、良い映画でした。


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