特別な1日  

-Una Giornata Particolare,Parte2-

『昨今の転職事情』と『麻辣湯』

 あと、数時間の我慢でゴールデンウィーク(笑)。
 桜も散って、色とりどりの花が目を楽しませてくれるようになりました。

 マンションの中庭にも沢山の花が咲いていますが、ボクには花の種類はさっぱり判りません。単なる記号である花の名前自体には興味はない。でも心は慰めらます。

 花が咲く時期はそんなに長くないですが、その短い期間のために手入れをしてくれている人がいるんですよね。

 それにしても1ドル150円で驚いていたら、今日はもう156円を超えた。34年ぶりだそうです。

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 これでは少しくらい賃上げしても物価高には届かないでしょう。


 さて、ボクが朝日新聞を許しがたいと思っている理由はいくつかありますが、これもまた、典型的な例です。エール大でイスラエルに抗議している学生の活動を一方的に『過激』と決めつけている

 コロンビア大でイスラエルに抗議した学生が逮捕されたことを受けて、エール大の学生が連帯のキャンプをしただけです。誰も暴力をふるったわけではない。
 これのどこが『過激』なんだよ。死ね、くそ朝日。『過激』と書いている新聞は朝日だけですから、朝日の記者は『政府への抗議は過激』と決めつけているのに違いありません。これも朝日のいつものやり口です。

 東京で数千人が集まるデモがあると、毎日は(熱心な記者がいるので)夕刊+ネット版にほぼ必ず(朝刊には載らない)、東京は時折朝刊に載ります。一方 朝日にデモの記事が載ることは殆どありません。朝日は市民の動きには極端に冷淡です。

 検察に媚を売ってリークしてもらうことはあっても、現場へ出て事実をありのままに確かめてみようという発想は朝日には薄い。左翼にありがちな話ですが、連中は現実を自分たちが作ったストーリーに当てはめることばかり考えているからです。

 朝日新聞のような連中こそが実は、日本人の奴隷根性を醸成している、保守反動の空気を広めていると言えるでしょう。イデオロギーに囚われて自由な発想がない、のですから。

 自分たちは正義ぶっていますが、左翼の大多数も所詮は権威に盲従しているに過ぎない。連中も本質的にはバカウヨと大きな差はない。
 

 例えばこんなニュース↓が朝日に載ったことはないでしょう。朝日の記事は警察関係の不祥事は控えめだし、検察の不祥事が載っているのは殆ど記憶にない。

 ちなみにエール大に連帯してデモを始めたニューヨーク市大ではこんな光景が見られたそうです。


 ちょっと前 ある大手銀行の人から、最近は入社した人の3割が5年で辞めてしまう、という話を聞いてビックリしました。

 遠い昔 ボクが就職活動をしていた頃は銀行は大人気の就職先でした(笑)。クラスの半分くらいは銀行や保険会社へ行きましたから、メーカーに就職したボクなんかバカか変わり者扱いされてました(笑)。でも、その頃からボクは『銀行なんて世の中の役に立ってない』と思ってたので、全く気になりませんでした(笑)。

 今や、当時存在した銀行は合併・吸収で殆ど名前が変わってしまいましたし、同級生で銀行に残っている人は多分、いない(笑)。我ながら先見の明があった(笑)。

 確かに今だったら銀行なんて将来性はないし、世の中にも大して貢献していないことは誰の目にも判ります(笑)。就職した人が辞めたくなる気持ちは判ります。
 でも、電通に入ってブラックだと文句を言ってるのと同じで、そんなんだったら最初から入らなければいい(笑)。ブタに空を飛べと言ったってムリだよ(笑)。

 少し前 週刊文春に『いなば食品の今春の一般職採用の新入社員19人のうち、少なくとも17人、実に9割が入社を辞退』という記事が載って炎上していましたが、それは極端な例と思ってました。

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diamond.jp

 しかし、厚労省の調べでも最近の新入社員は入社3年以内に3割が辞めてしまうそうです。


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 ブラック企業がそんなに沢山あるとは思えません。一時期のサラ金なみに転職会社のTVCMはバンバン流れているし、退職代行会社も盛況なようです。自ら辞めてしまう人が大多数でしょう。
 今は売り手市場だし、ネットに登録するだけで簡単に転職できます。就職した先が自分に合わないと思ったらさっさと辞めてしまう、は判らないでもない。『配属ガチャ』という言葉もあるらしい。

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 一昔前まで、『雇用の流動化』や『解雇の金銭解決』は組合や左派の市民運動がそれこそ目を剥いて反対していました。今の日本では雇用が守られているのは大企業や公務員だけで中小では解雇は事実上フリーなのが実情ですが、それでも『解雇の金銭解決』は企業の思うツボではないか、とボクも思っていました。

 しかし簡単に転職してしまう若い人の意識を考えると、雇用の流動化はむしろ労働者が望んでいるのかもしれません。

 労働力不足はこれからも続きますから、企業の側は労働者に選ばれるようにならなくてはいけない。それは悪いことではない。

 しかし、企業が欲しいのは優秀な労働者だけです。新しい技術やサービスを開発したり、環境変化をとらえながら様々なデータを分析し、自ら難しい判断ができる人。こういう人は国籍を問わず不足しています。

 それ以外の労働者は発展途上国の労働者に加えて、これからは機械やデジタルとの競争になりますから、賃金は一層 買い叩かれることになります。まだ大した専門性もないのに『配属ガチャ』なんて視野の狭いことを言っている奴が本当にいたら、その子は企業の使い捨ての道具にされてしまうでしょう。ロシアの囚人部隊みたいなものです(笑)。
 アメリカで起きているのはまさにそういうことで、トランプに投票するのは繁栄から取り残された業種や低学歴の人が多い、と言われています。

 いずれにしても、これからは世の中の格差は大きくなる。それを拒否してかっての昭和流を押し通し日本人が皆一緒に貧乏になっていくのか、の2択のように見える。

 国民が自ら望むこととはいえ、雇用の流動化が良いことなのかどうか、ボクは疑問でなりません。雇用の流動化で活躍できる人もいるけれど、落ちこぼれる人もどんどん増える

 かってのソ連や今の政治が良い例で、(市場)競争や雇用の流動化がなければ人間は怠けて腐ってしまいます。でも競争や流動化が激しすぎるのも不幸になる。規制緩和が過ぎるのも問題でしょう。
 我ながら日本人的発想かもしれませんが、格差拡大や悪平等といった極端なことは良くない、とは思うんですけどね。それこそ不幸になる人が増える。

 でも物価高をもたらしているアベノミクスですら、いまだに与野党含めて反省できない。

 山本太郎は1ドル250円でも大丈夫って言ってるんでしょ(笑)。

 安倍晋三山本太郎がアホなのは仕方ないにしても、国民も似たようなものなんだから日本が沈没するのは自業自得なんだよなあ(笑)。

 


 さて、最近東京の街を歩いているとファストフード形式の『麻辣湯』の店が増えてきました。

 麻辣湯とは中国で親しまれている春雨や野菜などの具材を煮込んだスープで、辛さを選べる、具を選べる(選んだ具の量によって量り売りだったりする)、小麦の麺ではなく春雨なのでヘルシー、などの特徴があって、女性客で賑わっています。場所にもよるかもしれませんが最初は中国の人ばかりでしたが、今は日本人の客の方が多いかも。
 確かにハンバーガーなどのファストフードを食べるくらいなら、この方が遥かに良いとボクも思っています。

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 ただ、ちゃんとした麻辣湯も食べてみたいと思ってました。これはマツコの何とかとかいうテレビにも出てきた新宿の有名店、麻婆王豆腐で食べた麻辣湯。

 豚肉、鶏肉、野菜、イカ、エビなどがたっぷり入っています。それもさることながら、スープにコクがあるんです。ベースとなる鶏のスープがよほどしっかりしているのでしょう。

 辛いといえば辛いけど、めちゃくちゃ辛い、というわけでもない。それでいて辛さが複雑です。3種類までは確認できましたが唐辛子が何種類も入っていると思います。それに花椒やアニス、山椒など様々なスパイス。和食でも洋食でも同じですが、やっぱりちゃんと作ったスープは美味しい、と思いました。

 昨日のBS-TBS『報道1930』で経済評論家の加谷珪一氏が『今のような円安がこれ以上続くと物価上昇どころか、いずれ国民の健康な食生活すら脅かされるのではないか』と言ってました。

 TVだから彼は言葉を選んでましたが(笑)、要するにアメリカの貧困層のように生鮮食料品が買えずにファストフードばかり食ってブクブクに太って早死にする人が増える、ということです(下は違う番組)。こんなスープもいずれ飲めなくなるかも(笑)。

映画『コール・ジェーン -女性たちの秘密の電話-』

 毎度のことながら週末が過ぎるのは早い、です。楽しいことはあっという間に過ぎてしまうのは不思議です。とりあえずゴールデンウィークまでの1週間、『我慢』です(笑)。
 人生は我慢の連続だな(笑)。


 と、いうことで、新宿で映画『コール・ジェーン -女性たちの秘密の電話-

 1968年のアメリカ・シカゴ。ベトナム反戦運動が盛んになり、民主党大会でも逮捕者が出る時代。弁護士の夫と高校生の娘と共に幸せに暮らす専業主婦・ジョイ(エリザベス・バンクス)は、2人目の子供の妊娠が原因で心臓の持病が悪化する。夫妻はジョイの生命を守るため、医師に中絶を相談するが当時は法律的に許されておらず、病院の評議会も中絶を却下する。そんな中、街で偶然見つけた張り紙を頼りに、違法だが安全な中絶手術を行う女性たちの組織「ジェーン」(ジェーン・コレクティブ)にたどり着く。彼らの手助けにより命を救われた彼女は、自分と同じ状況にある女性たちを救うため、ジェーンの一員として活動し始めるが。

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 初監督を務めるのは『キャロル』などの脚本を担当したフィリス・ナジー、プロデューサーには『バービー』や『ダラス・バイヤーズ・クラブ』などに携わってきたロビー・ブレナーが参加。主人公を最近は監督にも進出している女優、エリザベス・バンクス、ジェーンのリーダーを『エイリアン』シリーズのシガーニー・ウィーヴァーが演じています。

 余談ですが、昨年公開されたエリザベス・バンクスの初監督作品『コカイン・ベア』、くだらないけど、なかなか良くできた作品でした。麻薬の密売人が飛行機から落とした大量のコカインでキマッたクマが大暴れする。という実話(笑)をもとにした作品でした。ボク、動物モノは必ず見るようにしているんです。
 


 この映画、主人公は架空ではありますけど、これもまた実話ベース、いくつもの実話を組み合わせて作られたお話です。
 舞台は1969年のシカゴ。ベトナム反戦運動が盛んな時代です。シカゴで行われた民主党大会も流血の惨事になりました。
 映画は、目の前で警官に殴られる若い反戦活動家を見て主人公のジョイがショックを受けるところから始まります。弁護士の妻、専業主婦として優雅に暮らしていたジョイはそんな世界があるとは夢にも思わなかったからです。

 当時は職業を持っている女性もほとんどおらず、女性は自分名義のクレジットカードや銀行口座も持てなかった。現在のように何でも金に換算される新自由主義とは違うにしても、資本主義とは思えないような世界です。ほんの50年前の話です。
 何よりも女性には妊娠中絶を決める権利がなかった。母体の安全や暴行を受けたなどのやむを得ない事情があっても、原則として中絶は違法でした。

 第二子を妊娠したジョイは心臓を患い、出産した場合、命の危険が50%もあることを医師から告げられます。夫も同意してジョイは中絶を希望しますが、それを決定する権限がある病院は許可しない。ちなみにメンバーは全員おっさんとジジイ、男性です。

 途方に暮れるジョイですが、電話ボックスに貼られていた『妊娠?困ったらジェーンに電話して』という文言と電話番号が書かれた貼り紙に気が付きます。

 彼女が電話すると、そこは女性の安全な中絶を援助する秘密の女性団体’’ジェーン’’でした。もちろん違法な活動団体です。

 秘密を守るため目隠しをさせられた彼女は’’ジェーン’’の手助けで医者の所へ連れていかれ、安全に中絶手術を受けることが出来ました。

 それをきっかけに彼女は’’ジェーン’’の活動に引き込まれていきます。
 市民運動など全く縁がなかった彼女でしたが、現実に困っている女性が沢山居ること、彼女たちが助けを求めていることを知ると、放ってはおけなくなったのです。彼女のような恵まれた立場の主婦だけではなく、貧困家庭の黒人女性、親に言い出せないティーンエージャー、事情は様々です。

 女性の送り迎えのドライバー役から始まり、中絶手術の手伝い、やがては自ら中絶手術を行うようになります。

 今までは高額の費用を取る闇医者に医療するため助けられる人の数には限りがありました。特に黒人、ティーンエージャーなど本当に助けが必要な人を救うことができない。

 自分たちで安全に施術を行うことができれば、より多くの人たちを助けられるようになります。

 専業主婦だったジョイが突然 家を空けるようになって、夫や娘はいぶかるようになります。やがて彼女の秘密は家族にも知られるようになるのですが- - -

 

 ジョイはより多くの女性たちを救うため、また自分の生活のため、ある決断をします。

  やがて73年 女性たちの活動が実を結び女性の中絶の権利は保証されるようになります。’’ジェーン’’もめでたく解散。彼女たちは1万人以上の女性の中絶を助けましたが一度も事故を起こさなかったそうです。

 60年代ポップスが多用され、終始 明るい雰囲気でドラマは展開されます。全然暗くならない。そこは特筆すべき点です。
 シガニー・ウィーバーが’’ジェーン’’のリーダーを好演していますが、団体の中の路線対立を話し合いで乗り越えるところなど非常に興味深い。女性たちを助けるという目的のためにお互いが妥協点を探していく。自分の『正しさ』ばかりに固執して、直ぐ内ゲバが始まる日本の運動体や政党とは大違いです。

 国家は信用しない。他人に頼らず自分の力で自分の身体を守ろうとした実話をもとにしたお話は同じプロデューサーが手掛けた『ダラス・バイヤーズ・クラブ』によく似ていると思いました、

 この映画でも女性たちがあくまでも独立独歩であるのも気持ちがいい。専業主婦だった主人公と保守的な価値観の家族との関係が変わっていくところも感動的です、民主主義は自分たちで作っていかなければ存在しないことを、この映画は声高ではないけれど雄弁に語っています。

 また主人公が最後に下す決断も素晴らしいと思いました。まさに大人の判断で、精神論に引き摺られる日本の市民運動とは随分違います。

 映画が作られたのは22年。ところがその後トランプに選ばれた保守派の最高裁判事たちが中絶手術を禁止する州の法律は合憲である、という判断を示します。テキサスなど一部の州では中絶ができなくなりました。

 それに対して女性団体だけでなく、オラクルやセールスフォース、ディズニーなど一部の大企業も反対声明を出したり、手術が可能な他の州への旅費支給を行うなど従業員の中絶を支援していますが、州によっては支援者まで罪に問うような法律が施行されています。

 時代はまた、逆戻りです。どうなっているのでしょうか。統一教会日本会議の手先の政治家がのさばっているのですから、似たようなことは日本だってやりかねない。夫のDVがあっても女性や子供が逃げることができなくなる可能性がある共同親権なんかその典型です。

 過去に女性たちがどうやって問題を乗り越えていったのか、思い出すことに意味がある時代になってしまいました。酷いものです。そういうことも含めて、今見るべき良い映画だと思います。結局 自分たちで戦い続けていないと民主主義は維持できないということが良く判りました。


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『デジタル小作人』と『朧月夜の筍』

 ベランダから見た夕空がきれいでした。澄んだ青色とオレンジが入り混じっているのは、寒さが緩んだ解放感と牧歌的な雰囲気が入り混じっているようにも見える。
 この歳になるまであまり気にもしなかったけど(笑)、春の宵は美しいです。

 


 岸田の 訪米に合わせてマイクロソフトが日本に2年間で4400億円、グーグルが1500億円も投資すると発表しました。昨日はオラクルが10年で1.2兆円の投資、少し前にはアマゾン(AWS)が5年で2兆円もの巨費を日本に投資する、と発表しています。

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 政府は『2030年までに対日直接投資残高を100兆円へ高めることを目標』にしています。このことについてはいずれ別の機会に書きますが、今回の巨額投資も岸田は自分の手柄にしたいのでしょう。

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 ここ数年、『デジタル小作人』という言葉を良く聞きます。アメリカの巨大IT企業に利用料を吸い取られる日本を『デジタル小作人と言うのです。

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 グーグルやアップルのスマホだけでなく、社会のデジタル化、クラウドサービスや生成AIなどの利用が進むと、GAFAを中心とするデジタル企業への利用料がかさんでいきます。しかも殆どの支払いはドル建てですから、今の円安は余計に効きます。
 数年前 ボクも勤務先の情報システムを全てAWSへ移したのですが、その時は円安がここまで酷くなることまで考えてなかった(泣)。

 日本のデジタル関連の赤字は23年に5.6兆円、という予測が出ています↓。実際 財務省が2月8日に発表した国際収支統計によるとデジタルサービスの赤字が2022年の4.8兆円から2023年には5.5兆円に膨れ上がったそうです。
 日本人は毎年 消費税2%くらいをGAFAに上納しているわけです(笑)。

 企業だけではありません。省庁や地方自治体だって、全情報システムを25年度末までに政府が作った『ガバメント・クラウド』というクラウドに移そうとしています。クラウドとは自分でコンピュータを購入するのではなく、データセンターに置かれたコンピュータを色々なユーザーが共同利用するサービスのことです。


ガバメントクラウドとは?自治体が得られるメリットや仕組みを解説|クラウドテクノロジーブログ|ソフトバンク

 ガバメント・クラウドは最初はアマゾンのAWSだけでしたが、グーグル、マイクロソフトやオラクルも対象に追加されています。日本企業も最近一社(さくら)が追加されましたが、技術的にも市場シェアでも全く問題になりません。

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 ついでに公立の小中校も生徒の出欠、成績をクラウドへ移して管理するそうです(笑)。

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 これからは日本の政府も自治体も学校も、情報システムとデータはアメリカ企業のデータセンターに置かれることになります。もともと、ウィンドウズを使っている以上 マイクロソフトの奴隷でしたが(笑)、もっと甚だしい状況になってきた。
 まあ、アメリカ軍もFBIもCIAもシステムはアマゾンやマイクロソフトクラウドの上で動いているから、日本だけの問題ではないのですが。

 60年安保の時代から今に至るまで、日本のオールド左翼の皆さん、それに三島由紀夫のような純朴な右翼(笑)はよく日本の独立とか対米自立と仰います(笑)。でも、コンピュータのこと一つとっても対米自立とか言ってもお笑い草、であることが判ります。ここまで差がついたら、どうにもならない。オールド左翼の発想は昔の日本軍と一緒で、スローガンや精神論だけで現実なんか見ちゃいない(笑)。

 先のコロナの際も政府が作ったワクチン予約システムがうまく動かず、アメリカの某IT企業がシステムをボランティアで無料提供、あっと言う間に動かしたことがありました。みっともないので流石にニュースでは流れませんでしたが(笑)、日本の実力なんて、その程度です。

 生成AIだって同じことで、全てアメリカ企業のクラウドの上で動いています。今後 生成AIが上司になったり、政治をつかさどることも充分あり得ると思いますが、AIの利用が増えればGAFAへの支払いはどんどん増えていきます。

 また、そのAIがどのような性質を持つかもブラックボックスのままです。どんなAIだって読み込ませるデータ次第で政治的バイアスがかかります。例えばチャットGPTは自由主義で左翼的、メタ(フェイスブックやインスタ)のLlamaは権威主義で右翼的だそうです↓。やろうと思えば、AIの政治的傾向は幾らでもコントロールできます。


www.technologyreview.jp
 
 ちょうど今朝 メタがそのLlamaを無償開放するというニュースが流れてましたが、おっかない話です。

www.nikkei.com


 いずれにしても(笑)日本はデジタル小作人、というのは正に正鵠を射た例えです。斎藤幸平が言うように、確かに『召使い』って言い方もある(笑)。


 余談ですが、日本がデジタルで勝てない理由として、先ほどの日経の記事は『日本は不確実性を回避する傾向がロシアなどに続いて高く、世界で2番目に完璧さを好む国だ。逆に変化を恐れない傾向が顕著だったのは北欧。デジタル競争力ランキングの上位に名を連ねる。』と、言っています。スイスの有名ビジネススクールの調査です。

 例えばフィンランドは『国を代表する製造業だった携帯大手ノキアスマートフォンとの競争に敗れると、フィンランド政府は延命ではなく創造的に「壊す」ことを選んだ。巨艦を離れた技術者の新興企業立ち上げを支援し、産業の新陳代謝有機的に起こす戦略に国が舵(かじ)を切った。

 寂れた商店街や米作に縋りつく農協を潰すことすらできない日本とは全く対照的です(笑)。
 
 ここまで来ると政府がどうの、と言うより、日本人の民度の問題のように思えます(笑)。
 一つ言えるのは具体策もなしに対米自立なんて悲憤慷慨(笑)しているようじゃどうにもならないってことです。そんなくだらないことにかまけているヒマがあったら、環境変化にどうやって対応し活用するかを考えた方が良い

 かって吉田茂が『アメリカ軍を日本の用心棒として使えばいい』と言っていたように、環境変化に応じてどうやって自国の利益を図るかという戦略的な発想は今の野党やオールド左翼にはない
 ボクは絶対反対ですが、先に挙げた対日投資残高100兆円のような戦略的な発想は自民党の一部や役所にはある。そこが与野党の差です。
 60年代末から60年間思考停止したまま、お経のように『平和』、『対米自立』と唱えるだけで具体策はない(笑)。だからダメなんですよ。国民だって、そんなバカに政権を任せようとは思わない。

 今だったら中国の脅威だけでなく、AIやデジタルの覇権を海外に握られた中で、資源もなく少子高齢化の日本がどうやって生きていくのか、そういう発想が必要です。それこそが安全保障、平和を守る事でもある。

 円安じゃ日本の経済は弱まる一方だし、いずれ安全保障だって危うくなる。ボクの勤務先の人がコペンハーゲンへ出張した際 『デンマークではなるべく石油を輸入しなくて良いようにするために都市部では多くの人が自転車移動をしている』と、驚いていました。通貨安を防ぐために、普段からそれくらいの緊張感がある訳です。

 デジタルを活用しながら、如何に効率的で高付加価値の産業を作っていくか。そのためには農業のように、農協や技能実習生頼みの旧態依然とした構造を変えなければならない産業も出てくるでしょう。ゼネコンを頂点とした建設業界もそうです。規制に守られているにもかかわらず、多くの会社が赤字になっている新聞やテレビなどマスコミも解体・再編でしょう。

 一昨日も経産省が書店の振興策を作る、なんて言ってましたが、税金の無駄でしかない。ボクは特徴があるリアル書店は残ってほしいと思うけど、経産省が何かやってうまくいくとは思えない。全国に無駄金をばらまいた商店街と一緒です。

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 これらは地方経済をどのようにしていくか、という問題でもあるし、原発の問題でもあるし、女性の社会進出の問題でもあります。摩擦は避けて通れない。
 頭の悪い奴には理解できないかもしれませんが、男女の賃金差を固定化する第3号被保険者制度や配偶者特別控除も廃止すべきです。

 その結果がこれ、なんだから。

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 そのためにはまず、政治的立場がどうより、事実を直視し、まともな議論が出来るようにならないと前へ進みません(笑)。

 産業のスクラップ&ビルドを進めて、国際競争力がある高付加価値の産業や経済を作っていくことが日本の最良の安全保障です。それこそが、本当の平和主義だと思います(笑)。


今年の桜 もそろそろ終わりです。葉桜を眺めながら、

 また、近所の和食屋へ行ってきました。料亭の菊乃井の元料理長が独立して開いた小さな店です。

 勿論 最初はシャンパン。何で店で飲むと美味しく感じるんでしょうか(笑)。

 突き出しは朝取れの筍と海鼠、こごみを木の芽で和えたもの。

 前日の朝に京都で掘った筍だそうです。

 八寸。生のホタルイカ紹興酒漬け、桜の葉を巻いた鯛寿司、カラスミを散らした菜の花、初物の枝豆、みょうがの醤油漬け、そら豆etc

 お造り。中央から時計回りに、べったら漬けのペーストを載せたヒラメ、黄身醤油を載せたマナガツオ、煎り酒と一緒に食べるホウボウ、生のホタルイカのペーストを載せたアオリイカ、北海道の毛ガニ。真ん中は新玉ねぎの酢漬け。

 お造りにはやっぱり日本酒です。日本酒はボクにはアルコール度数が高すぎるのですが、こういう時は仕方がありません(笑)。

 お椀。先ほどの筍がどっさり。上にはこごみや独活などの山菜。この時期の筍は甘いそうです。朝取りだからあくをとるための下茹でをせず、そのまま使えるから甘みが残っているそうです。春先の柔らかい穂先と違って、4月の大きな筍なんて敬遠していましたが、この筍は確かに甘かった。

 箸休めは土佐酢のゼリーを載せたタコと黒豆。

 。小田原で獲れたものだそうです。昔は立派な鰆と言えば常磐モノでしたが、原発事故以来 常磐モノという言葉は死語になってしまいました。付け合わせは筍の姫皮煮。

 中がレアなのがポイント(笑)。

 甘鯛。これも小田原で獲れたもの。珍しいそうです。この時期にも関わらず立派な甘鯛でしたが、ボクにはちょっと塩が足りなかった。下にはアスパラのペースト。

 筍と桜エビ、花山椒の炊き込みご飯。うーん、良い香りです。筍も白アスパラと同じで、元来は冬に蓄積した食べ物の解毒のために食べるんだそうです。

 お茶碗に盛ると品が良くなります(笑)。

 付け合わせは筍の土佐煮と筍のすり流し、お新香。筍のすり流しは、ポタージュみたいで美味しかった。

 最後はいつも通り、出来たてのわらび餅

 一流料亭だったら複数の料理で材料が被るのはあり得ませんが、筍もこれくらい食べると満足感があります。ボクはちょこちょこ出てくるより、ドカッと材料を味わう料理の方が好き(笑)。今回の筍は甘くて、美味しかった。

 店を出ると、暖かな春の夜、朧月夜でした。

 葉桜と朧月。今年の桜もお終いです。