『弾丸ティアドロップ』 第2巻

弾丸ティアドロップ(2) <完> (アフタヌーンKC)

弾丸ティアドロップ(2) <完> (アフタヌーンKC)

惚れた女は命を懸けてでも救い出せ!!
真夏のジェットコースター・ラブストーリー、終幕。


はじめてみたとき、彼女はひとりで泣いていた。
もういちど僕の歌を聴きたいと、彼女は言ってくれた。
その女の人は殺し屋だった。
その女の人は、僕のカノジョになった。
でも突然、カノジョは僕の前から姿を消した。
彼女の住んでる世界のことは、僕にはわからない。
でも彼女がその世界に苦しんでいるのなら、
そんなもんはオレがぶっこわしてやる!!!


アレはもともと気の優しい子でな、
わしゃこの仕事は向いとらんと言うた。
まぁアレが自分で決めたことや、いまさらどうこう言うまい。
それがいま産後の猫みたいに気が立っとる。
お前を殺すなと言うとる。
そしてわしはアレを怒らせたないんや。
みゆきという女のこの世におったこと、今日かぎり全部忘れてもらおかい。
それがでけへんのやったら、そんときゃわしとお前で戦争や。


まぁ嘘ついてんのは間違いねぇわな。
でもあのガキはしめ上げても何もしゃべらねーよ。
刑事に尋問されてんのにてんで人の話なんざ聞いちゃいねぇ。
ヤクザに追われて死にかけたってのにまったく肝が据わってやがる。
あのガキが何か知ってるのは確かだ。
自由になったらあいつはきっとなにかしら行動に出るはずだ。
女に惚れてんのは確からしいからな。
俺たちの探してるもんもそこにあるかもしれんぜ…。


少年、ヤクザ、警察。
女をめぐる三つどもえの争いから、あなたもきっと目が離せない。

『りとうのうみ』

りとうのうみ (WANIMAGAZINE COMICS)

りとうのうみ (WANIMAGAZINE COMICS)

小波間 海(こはま うみ)、
離島育ちの18歳。
ダイビングサービスのインストラクター見習いです。


遥か南の群島。緑あふれるのどかな風景、そして珊瑚の海。
乏しい交通手段に加え、観光振興もほとんどされていないこの島は、
知る人ぞ知る…ダイビングスポット。。


インストラクターといっても、スキューバダイビングはまるでダメ。
素潜り(スキンダイビング)に身体が馴染みすぎてしまって、
海中でうまく呼吸ができないのです。


島の暮らしは平穏で、雲のようにゆっくりと流れてく。
島の男の子の海パンを一緒に探したり、
実家が島唯一の商店の友達を手伝ってあげたり。


横浜で働くねぇねぇが帰ってきたときは、
女の子っぽい服装を準備するのに島中を駆け回って。
でも結局「ふらふらしてないでもっとおしとやかになりなさい」って怒られる。


店の先輩たちはいい人で、洋服だって貸してくれる。
店長は島の女の子の写真集をつくったりする
ちょっと変な人だけど。


そんなこの島が、大好きになりました。

『高校球児ザワさん』 6巻

高校球児 ザワさん 6 (BIG SPIRITS COMICS SPECIAL)

高校球児 ザワさん 6 (BIG SPIRITS COMICS SPECIAL)

進化し続けるマンガ、ザワさん。
季節は巡っても、高1という時間は終わらない。


始まりは身体的描写が特徴的なフェチマンガとして。
それから妹属性を付加するなど、
じっくりとキャラを掘り下げてきたが、
ザワさんの魅力は、それだけでは説明できない。


それはやはりこの空気感だと思う。違和感と言ってもいい。
普通の野球部に、女の子が混じっている。
もちろん現実においてもそういう状況はある。
けれど、ザワさんみたいな子はいない。
違和感の原因はそこだ。
この作品は、ファンタジーなんだ。


そこにリアリティを持たせているのが、ザワさん以外のすべて。
周りの部員も、そこで起きる出来事も、
どこにでもあるようで、どれもどこか懐かしい。
そして極めつけは綿密な背景。
あだち充作品の最終回ばりの演出で、
このマンガは背景に語らせる。


季節がいくら巡っても進級することがなく、終わりがない。
高校生という特別な時間が、特別であり続ける。

『星屑ニーナ』 第1巻

星屑ニーナ 1巻 (ビームコミックス)

星屑ニーナ 1巻 (ビームコミックス)

人とロボットの心?の交流を描いた、
せつなポップ系 神話、誕生。


『少年少女』『機動旅団八福神』の福島 聡による新シリーズ。
前作の鬱な雰囲気からはうってかわって、めちゃポップです。
可憐で破天荒な女子高生ニーナと、少年型ロボットの星屑。
ふたりは出会い、容赦ない時の流れの中で未来へと突き進む。


ロボットとは、人の身勝手な夢を一緒にみることを許された存在です。
だからこそ星屑は、ニーナのわがままにも全力で付き合うし、
それが自らの存在意義であると信じて疑わない。
そしてふたりは強い絆で結ばれる。


でも、人は死ぬが、ロボットは死なない。
ここに人の一生の儚さと、ロボットの悲哀があります。
ニーナとの思い出を宝物のように抱える星屑。
こうして出会いと別れが繰り返される。


谷川俊太郎さんの「百三歳になったアトム」という詩に、
こんな言葉があります。


もう何度自分に問いかけたことだろう
ぼくには魂ってものがあるんだろうか
人並み以上の知性があるとしても
寅さんにだって負けないくらいの情があるとしても


まだ星屑は気づいていない。
大切な過去のために、未来を生きる。

夜のミッキー・マウス (新潮文庫)

夜のミッキー・マウス (新潮文庫)

『ふうらい姉妹』 第1巻

ふうらい姉妹 第1巻 (ビームコミックス)

ふうらい姉妹 第1巻 (ビームコミックス)

ひと昔前の少女漫画みたいな絵柄で、
阿呆な姉妹の超シュールな日常を描く4コマ。
クセは強いんだけど、ハマると一気に読んじゃいます。


とにかく阿呆で残念な姉と、
そんな姉を心から愛し尊敬する勿体ない妹。
基本的にはツッコミ不在のなか、ふたりの阿呆が垂れ流し。


普段、4コマを読まない人にも、
型通りの4コマをよく読んでる人にも、
おすすめできる作品です。

『弾丸ティアドロップ』 第1巻

弾丸ティアドロップ(1) (アフタヌーンKC)

弾丸ティアドロップ(1) (アフタヌーンKC)

これぞ、ボーイ・ミーツ・ガール!!(レディ!?)という物語。
脳天気なバンド少年が恋したのは、孤独を抱える殺し屋の女。
二人の日常が交わったとき、
少年は、彼女の日常を破壊することを決意する。


迫り上る入道雲、鼓動のように響くセミの声、
照りつける陽の光に、陽炎をみせるアスファルト
そして、硝煙の匂い。
あぁ、焦がれる。物語の予感が漂う、これが夏だ。


ある日、たまたま立ち寄った古本屋の女主人に
一目ぼれしてしまった主人公の高校生・七瀬。
実はその直前に拾ったケータイが、
なんとその女主人の殺し屋としての仕事道具だった!!


物語の序盤は、お互いがお互いの正体を知らぬまま。
七瀬にとっては、すごく気になる古本屋の女主人が日常で、
ケータイを拾われてしまった誰だかわからない、
始末すべき高校生の男。それが彼女にとっての日常だ。


だが事態は急を要する。とにかくケータイを回収しなければ。
そしてお互いの正体を知ってしまった二人の日常に、ヒビが入る。
そのヒビを恋のパワーで自ら破って闇の世界に飛び込んだのは七瀬。
一方、ヒビの間から差し込む明るい光に戸惑う彼女。


マンガなんだけど、まるで良い映画を観ているよう。
決して重苦しくはなく、ユーモアたっぷりでキャラが生きてる。
銃弾飛び交う世界の中から、少年は彼女を奪い取れるか!?
決死の青春ジェットコースター・ラブストーリーが開幕する!


表紙からはちょっと想像できない、綿密な構成。
てか絶対に表紙で損してるよ…、これ。

『ドラゴンジャム』 第1巻

DRAGON JAM 1 (ビッグコミックス)

DRAGON JAM 1 (ビッグコミックス)

どこでこんなに差ぁついた
恵まれなかった環境のせいか
そん中でオレは何やってきた…
いつか…… いつかって、いつだ?


立花龍也、16歳。中卒、プー。
金無し、職無し。夢だけはデカい。
それは、バスケで飯を食っていくこと。
とりあえず今は、仲間と賭けバスケで生活費を稼ぐ日々。。


普通に学校行けてバスケできて、
あんなマネージャーまでいるとか……
ケッコーな青春ですなーーー!!たはー!!
あんなもんに負けたら、オレの人生が割に合わん!


練習試合で龍也の地元に来ていた、
強豪校のバスケ部との3on3マッチ。
しかし、結果は惨敗。実力差を見せつけられる。
その一部始終を見ていたのが、TJと名乗るストリートボーラー。


悔しいか?
優等生なお利口さんのバスケ部に
トリプルスコア以上も、差ぁつけられちゃってさーーー!!
むっふっふ…☆


欧米風のあやしいおっさんだが、実力は本物。
龍也に一方的にシンパシーを感じ、
飯までおごってくれるいいおっさんだ。
龍也たちのバスケを気に入り、導いてくれる。


ドゥーーワチュゴナドゥーー
成すべきことを、成せ……
お前達なら ポッシブルトゥードゥー!!
お前達ならできんじゃん!!? Dooooo it!!!!!


かくして「ストリートボール」と出会った龍也。
絵は力強く、キャラクターは個性的で人間味あふれる。
そしてストリートのノリが漫画に乗り移ったようなテンポの良さ。
ここから、彼らの運命が変わり始める…!!