「Perfumeはちょっといいと思うけど」

 「AKBとかかわいいけどさ、ぜんぜんなにがいいかわかんないよね。Perfumeはちょっといいと思うけど」(大意)と日曜日に近所のカフェで行われたトークイベントで大友良英さんが言っていた。
 といっても最後の質疑応答コーナーで、ぽろっと口をすべらせた感じの発言なのでここだけを抜き出すと怒られそうだけど。話の流れとしては「現在世間で流れているような音楽の九割五分は大嫌い。残りの五分は大好きだけど」という内容からの余談。
 もちろんそれ以外にも、大手レコード会社がなぜアーティストの海外進出を嫌うかとか、たとえばライブハウスやホールでのライブがいかに大音量で他の音を遮断しているのかとか、あるいはCDというメディアで作品を発表していくことにほとんど興味が持てなくなっているとか、個人的に気になる話題も多かった。大友さんの話がおもしろいのは、常に視点が現場から離れないからだ。その現場にいない(いなかった)人間による現場についての解説や批評ほど観念的でつまんないものはないじゃない(現場にいさえすれば興味深い話ができるかというとまたぜんぜん別だけど)。
 あと、大友さんは今、KBS京都で30分のラジオ番組を持っていて、これがもうなんだかすごく楽しそうでいいんだな。大友さんはAMラジオ音質がすごく好きだと言っていて、それに対して「mp3の音が悪いという人がAMラジオの音が好きだとはなにごとか。それもAMラジオはモノラルじゃないか!」みたいなメールをもらったそうで、「モノラルってすごく音がいいんだよ。それにモノラルでミックスするのはステレオよりもずっと難易度が高い」というようなことも話していた。あとは「もちろん好みの問題になるけれど、やっぱりAMラジオの音は好きだ」とも。ご本人がKeyHoleTVを使えば京都以外でも聴けると言っているので、みなさんそういう方法でどんどん聴いたらいいと思うよ。きっと十年後には伝説の番組として語られることになることでしょう。放送後に、音楽部分はカットされているけれどトークのみPodcastで配信もされてます。恋愛相談も絶賛募集中!

大友良英のJAMJAMラジオ|KBS京都ラジオ

 

23:30ガールは今日も部屋でひとり

 23:30ガールは今日も部屋でひとり、外に降る雨をぼんやりながめている。こんな雨の日に街でばったりキミと奥さんが仲よく手をつないで歩くところに出会ったらきっと……。仕合せそうな二人。キミはあたしに気がつかず目もくれない。急に傘をしまって雨に濡れるのにまかせてみたらどうだろう。キミはあたしに気がついてほんの少しおどろいた顔をする。もちろん奥さんにばれないようすぐ目をそらして知らんふりだ。奥さんもふしぎそうにあたしを見て通り過ぎる。「あの子どうしたんだろうね。傘持ってるのに濡れてたよ」なんてくすくす笑いながらキミの耳元で囁くんだろう。そう考えるといたたまれない気分になって、今日は一日奥さんと過ごさなければならないはずのキミに思わせぶりなメールを送ってみる。



 今日は二人の結婚記念日だ。せっかくの休日で二人一緒にいられるのに外は雨。昨日あたしから言い出すまで記念日のことすら忘れているし、けっきょく雨だからって家で過ごすことになってしまった。キミは最近ぜんぜんがんばってくれない。今日みたいな記念日のサプライズだけじゃなくて、たとえば二人で過ごす夜の親密な時間ですら。仕事が忙しいという理由で帰りも毎日遅い。疲れているのはわかるけど。キミはテレビのチャンネルを替える。「あ。おれ、この映画見たかったんだよね」またなんだかむずかしそうな映画。恋愛映画のほうが楽しいのに。ナチュラルなガールがキミの肩を枕に難しい単語ばかりの字幕をうわの空でながめていると、携帯メールの着信音が鳴った。



 さりげなく携帯を見るとそれは彼女からのメールだった。休日昼間のこんな時間に、それも今日は一日妻と過ごすことを知っているはずなのに。「予定日を10日も過ぎてるのに今月まだ生理がこないの。どうしたらいいと思う? 相談したいよ。今日ちょっとだけでも会えない?」急いで短いメールを返しなにごともなかったかのように携帯をしまうが、もう映画の字幕は無意味な記号の連なりにしか見えない。「ねえ、どうしたの? なんか恐い顔してる」「なんでもない。ちょっとこの映画暗いよね」チャンネルを替えながら無理に笑顔を作って妻を抱き寄せキスをする。手のひらが汗ばんでいる。



 窓の外は暗いけれどメールを読んでキミがうろたえるのを想像するのはそれほど悪い気分ではない。生理が予定通りにこないのは今までもときおりあったが、今回が遅れているだけなのかは自分でもよくわからない。もうどちらでもいいような気さえしている。いつだって煮え切らないやつ。奥さんにばれるのが恐いくせにあたしと別れるつもりもない。臆病者のキミは結婚記念日をすっぽかしてあたしに会いにくるだろうか。どうせまた「もう苦しめないで」とか「惑わさないで」なんて勝手な返事を送ってくるんだろう。安全圏でほどほどに楽しみたいと思っていたかもしれなけれどもう手遅れ。23:30ガールは鏡に向かって決然とメイクを始める。


    • -

 まず不自然なガール=23:30ガールであると解釈したい。今回のシングルは『23:30』の後日談でもあるのだ。

 『不自然なガール』/『ナチュラルに恋して』の舞台はふたつの部屋だ。どちらもそれぞれの室内で完結する密室劇で、外に視点が移動することはない。ナチュラルなガールはキミの妻で、不自然なガールはキミの浮気相手だ。

 『ナチュラルに恋して』は妻の視点からのみ語られるが、『不自然なガール』二つの視点で交互に語られる。地の文は不自然=23:30ガールの視点、サビの部分はキミがあわてて送ったメールの返信ととるべきだろう。中田ヤスタカという人は、作詞家としてかなりにスタイリストなのだ(ファッションの話ではなく文章のスタイル)。

 違う見方をするなら、不自然なガール中田ヤスタカ、キミ=Perfume、と読んでもいい。『I still love U』も同じ構造を持っている。不自然なガール中田ヤスタカは、キミ=Perfumeナチュラルなガールなんておつむが弱くて悪趣味なつまんない女といつまでもろくでもない結婚生活を続けていることにいらだっているのかもしれない。いつまでも煮え切らないやつ、とかね。それが言いすぎだとしても、なにか大きな決断を促しているように見える。中田ヤスタカが歌詞を通じて送り続ける遠回しなメッセージに彼女たちはいったいどう応えるのだろうか。

 

カップリング妄想

 4/14発売予定のニュー・シングルについてはまだいろいろとはっきりしないことがある。例えばamazon.co.jpでは、限定盤は「ナチュラルに恋して(初回限定盤)(DVD付) Perfume (CD - 2010)」となっているのに、通常盤のほうは「タイトル未定(通常盤) Perfume (CD - 2010)」のまま。すでにいろんな人が言っていることだろうけれど、このシングルのタイトルとなるのは『ナチュラルに恋して』ではなく、そのカップリング曲のほうなんじゃない?ということなのだ。カップリング曲の全貌は4/1のPerfume Locksでの宇宙初オンエアまで確認するすべがなさそうなので、『ナチュラルに恋して』について思うことなどを少々。
 まず歌詞。ここしばらくのシングル曲にしてはめずらしく、歌詞の行間に暗示されている内容、明示されていない部分に妄想を膨らませられる余地がほとんどない。これはタイアップ曲ということも関係しているだろうけれど、妄想家/深読みストにとってはなんとも物足りない由々しき事態だ。ただし曲自体はポップでキュート。PVも楽しいし、CMソングにふさわしくたいへんキャッチーでよろしい。
 次に曲調。Perfumeの曲としては圧倒的に少数派な非4つ打ち。ちょっと気になるのは、いわゆる「Perfumeファン」というような言葉で一括りにできるような層にとって、こういう非4つ打ちミドルテンポのファンク・チューンっていったいどうなの?ということなのだ。ライブでもっともファンが盛り上がるのは『チョコレイト・ディスコ』『ポリリズム』など鉄板4つ打ち曲で、それに対して棒立ち率が高いor演歌テイストの手拍子がせいぜいなのが新曲同様非4つ打ちファンク・チューンの『Kiss and Music』なわけだし。これはたぶん、Perfumeのライブに来るような層(おそらく年齢的に若い人たち)にとってそういう音楽体験が乏しいからなのか、いやもちろんこれは単なる推測、違ったらごめんなさい。現在十代二十代の人たちがどういう音楽を聴いて育ったかなんて、TVも見なけりゃヒットチャートにも関心ゼロな人間にとって正直なところ想像すらできなくて、ただ彼らにとっていちばん盛り上がるのがわかりやすい4つ打ちだということだけはライブに行けば歴然としている。これはいかなる音楽文化圏に生息しているかとかそういう話で、4つ打ち文化圏に生まれ育った住人をいきなり非4つ打ち文化圏に放り込めばそりゃ戸惑うだろう。『ナチュラルに恋して』も、ファンクラブ・トゥワーではお披露目的な意味もあってかなんとなくもやっとした盛り上がりをみせていたけど、今後のライブではどんなものか。
 さて次はカップリング予想、というよりむしろ妄想。まず言えることは、中田ヤスタカがシングルのカップリング曲をセットで一つの作品として提示する傾向が強いということ。少なくともここしばらくのPerfumeに関しては。例えば『Dream Fighter』のカップリングに、あのなんとも残酷で苦い『願い』を持ってくる人なのだ。ならば非4つ打ちという以外はおおむねわかりやすい『ナチュラルに恋して』のカップリングは、よほどひねくれた曲になるのではないかと期待するのがへそ曲がりの定石というものだろう。その方向性は『Edge』とも『願い』ともまったく違うベクトルにねじれるような気がしている。これは個人的な願望。とはいえニュー・シングルのメインはカップリング曲の方に違いないという印象は変わらないし、そうとう過大な期待をしてもいいように思う。はてさて。
 そうそう、ぜんぜん関係ないけれど、ナチュラルに恋して』の「『フォー』という音の部分(大本談)」、どっかで似たようなものを聴いたことがあると思って記憶をぐるぐると辿っていたら、Ambitious Loversの『Copy Me』だった。『Greed』は今聴きなおしても掛け値なしの傑作。

違法?

 「Perfume楽曲がiTunes Storeに違法アップロード」と話題になってるみたいですね。
 Tokuma Japanは「違法にアップロードされたもの」と言っているけれど、これを購入したら違法ダウンロードになるんすかね。iTunes Storeで販売されているものなのに? まさか!

 あ、でももちろん購入なんてしませんよ。mp3で音楽聴く習慣なんてないですから。
 

David Grubbs/Noël Akchoté@六本木superdeluxe

 寒いですね。数日前台所に室温で保存しているオリーブ・オイルがこの冬初めて凝固しました。
 1/16(土)に年明け初めてのライブに行ったのでその記録、というか文章にまとめる気力がなさそうなので写真を何枚か貼り付けてお茶をにごします。


2010年1月16日(土) 六本木superdeluxe
デイヴィッド・グラブス/ノエル・アクショテ
出演: デイヴィッド・グラブス (vocal, guitar, piano)、ノエル・アクショテ (guitar) / ゲスト: 大友良英 (guitar)



Noël Akchoté





David Grubbs





 iPhoneのカメラ(手ぶれ防止のアプリのみ使用)でトリミングや色の調整はまったくしてない撮りっぱなしなんだけれど、なんとなくそれらしく写るものなのだな、思ったよりも。


 アクショテはたぶんこの三人のなかで演奏家としてはいちばんのプロフェッショナルできっととても器用な人なのだろう。その器用さのために録音されたものだけ聴いているといったいどこに向かっているのかわかりづらい部分があって、生の演奏を聴けばそれもすっきりするかと思っていたらさにあらず。今回は基本ポップ・ソングのカバーで演奏はもちろん悪くない。この人にとってはソニー・シャーロックもカイリー・ミノーグも同列なのだ。なんとも一筋縄ではいかない。ううむ。


 グラブスはE.ギターでの弾き語り中心に、Gustr del Sol時代の曲もやったりでたいへんうれしい。場所が悪かったのかせっかくのヴォーカルがギターの音にかきけされてしまっていたのが残念。後ろで聴いていればもっとバランスよかったのかも。グラブスは演奏家というよりもむしろ作曲家という印象で、細かく枝分かれした道を立ち止まり立ち止まりどちらに行くかを吟味しながら進んでいくような演奏だった。


 大友さんは『Song for Che』に始まり『Misty』やNHKドラマのための自作の曲など。


 三人での即興は、グラブスがピアノを弾いたパートがよかったかな。


 ライブが終了して六本木通りで渋谷行きのバスを待つあいだ、ビル風のせいか恐ろしく寒い。これがもうじっとしていられないほどの寒さで、東京でこんなに寒い思いをしたのはちょっと記憶にないぐらい。どうしたものか。



ライブ前。Akchotéの椅子。

 

変態丈

 いまさらながらというかようやくというか、ベストヒット歌謡祭ワンルーム・ディスコ』の映像を確認した。
 ちょっとびっくりしたのは、変態担当樫野さんにはもちろん及ばないものの、西脇さんのスカート丈が今までになく短かったこと。正確なことはわからないけれど、インディーズ時代は別にしてメジャー・デビュー後のステージ衣装ではいちばん短いんじゃないかという気さえする。膝上15cmぐらい?
 ステージ衣装で足は膝から上、腕も肘から上は極力露出しないというのは本人の好みおよび意向だと勝手に解釈していたのだけれど、なにか心境の変化でもあったんでしょうかね。
 三人のなかでもっとも地上的・人間的な身体をもっているのが西脇さんで、それは彼女の魅力のひとつなのだから、本人がそのリアルな肉体性みたいなものをきっちり肯定していくのはよいことなんじゃないかと思う。などと限りなく見当外れなことを書いてみる。
 

ニコニコ動画お客様サポートとのやりとり

 前回エントリで触れた、ニコニコ動画での不可解な動画削除の件、ブックマークコメントをいただいたようで興味のある方も若干いらっしゃるようなので、一応ニコニコ動画お客様サポートとのやりとりを公開しておきます。

    • -


■まずこちらからの最初の問い合わせ

お世話になります。
2009年11月25日 01:41:12 にアップロードした動画
http://www.nicovideo.jp/watch/sm8908049
が、2009/11/25 13:53に確認したところ削除されていました。
動画ページでは、その削除理由について「この動画はアップロード者が削除した為、ご覧になることが出来ません」という表示がされています。
該当動画は、削除を確認した少なくとも1時間程度前までは問題なく再生されていたのを確認しています。
そして昨夜動画をアップロードして以降、アップロード者である私はSMILEVIDEOにログインしておらず、また私の以外の何者かが同アカウントにログインして勝手にユーザー側から動画を削除することが可能だったとは考えづらい状況です。
通常、動画の規約違反等でSMILEVIDEO運営側による削除がなされる場合、削除理由も含めてその旨メールで連絡があるはずです。
少なくとも、アップロード者である私本人が該当動画を削除していない以上、「アップロード者が削除した為」という正しくない表示がされていることには納得がいきませんし、さらにもしSMILEVIDEO運営側がなんらかの理由で削除したのであれば、その削除理由が開示されてしかるべきだと考えます。
今回の動画削除がどのようにされたのか、またもしその削除がSMILEVIDEO運営側から行われたのであればその削除理由をぜひ明確にしていただきたいと思います。
以上、確認および回答をお願いいたします。


 
■それに対するニコニコ動画お客様サポートからの回答

お問い合わせありがとうございます。
こちらはニコニコ動画お客様サポートでございます。

こちらで確認致しましたところ、「sm8908049」は11月25日13:22にアップロード者様により削除された状態となっております。
誠に恐れ入りますが、動画が削除されてしまう不具合は確認されておらず、弊社にて動画の削除は行っておりません。

お客様ご自身で削除されていないとのことでしたら、お客様のご利用環境がわかりかねますため詳細はこちらで把握できかねますが、考えられる要因と致しましては、パソコンを共有してご利用されている、または、インターネットカフェ等でご利用された際にログインされたままの状態ですと、第三者にアカウントを使用される可能性がございます。

ご自身のパソコンであっても、ログインされたままであれば、ご家族やご友人がログインして、操作することができる状態となりご自身が知らない間にアカウントを利用可能となります。
恐れ入りますが、お客様のご家族やご友人等にお尋ね頂けますでしょうか。

以上宜しくお願い致します。


■その回答に対する再度の問い合わせ

お世話になります。
迅速な返答ありがとうございました。

> > こちらで確認致しましたところ、「sm8908049」は11月25日13:22にアップロード者様により削除された状態となっております。

とのことですが、自宅はPCは起動中ではありますがブラウザは起動しておらず一人暮らしのため日中私以外の人間が立ち入ることは考えづらく、11月25日13:22は職場のPCの前に降りましたが、少なくとも席から離れておりませんし、さらに職場PCからSMILEVIDEOにログインはしておりません。またネットカフェ等からログインしたことはありません。
アップロード者による削除ということが確認できたというのであれば、それはそれで仕方がないのですが、もし不正に私のIDでSMILEVIDEOにログインされた可能性があるのであれば、それについてはできる限り状況を確認しておきたいと思います。
もし可能であれば、動画が削除された時間帯に、SMILEVIDEOには何時から何時までログインした記録があるのか、また削除を行ったIPアドレスの確認がもし可能であれば教えていただけるとたいへん助かります。
お手数ですがセキュリティ上の事情もありますので、なにとぞよろしくお願いいたします。

■それに対するニコニコ動画お客様サポートからの回答

こちらはニコニコ動画お客様サポートでございます。
度々ご返信いただき恐縮です。

誠に恐れ入りますが、該当動画が削除をされた経緯について、こちらで調査、確認することはできません。 また、ログイン履歴についても調査することができなくなっております。
ご期待に添えず誠に申し訳ございません。

まったくご記憶がないとのことでございますので、第三者によってアカウントを不正利用された可能性も考えられますが、調査をいたしかねる事と、アカウント情報はお客様ご自身で管理頂くものとなりますため、ご不安でありましたら、今後につきましては、第三者に不正利用されることのないよう、頻繁にパスワードをご変更いただくなどをして頂けたらと存じます。

以上、何卒ご理解のほどよろしくお願い致します。

    • -


 こちらの状況を補足するならば、まず動画の削除はSMILEVIDEOにログインしないとできないはずなのだが、昨夜動画のアップロードが完了して以降、11:53頃動画の削除を確認するまでの間、ニコニコ動画にはログインしたがSMILEVIDEOにログインしていない、少なくとも私の認識としては。かつ動画を削除するためにはSMILEVIDEOにログインし、「アップロード動画の管理」画面で削除ボタンを押し、「削除してよろしいですか?」という確認メッセージに対して「OK」ボタンを押さないと削除は完了しないはずで、たとえSMILEVIDEOにログインしていたとしても、マウスの操作ミス等で気づかないうちにうっかり削除してしまうことはないだろう。
 また家族や友人がログインして削除したという可能性は当然考えられるところだが、まず自宅は一人暮らしで日中は鍵もかかっており本人以外は立ち入ることは基本的にない。
 動画が削除された13:22には私以外も出入りする仕事場所のPC前にいたが、やはりSMILEVIDEOにログインしたという認識はないし、PCの前を離れたのは12:00ちょっと過ぎの10分間程度で、それ以降14時過ぎまでPC前からまったく離れていないので、そのPCから本人以外がログインして削除したともやはり考えづらい。もちろんログインのパスワードはブラウザに保存しておらず、かつSMILEVIDEOにログインしていたわけでもないので、そこから誰かが動画削除をすることはやはり簡単にできることではないだろう。
 「アップロード者様により削除された状態となっております」というのが虚偽の回答だとは思わないけれども、特定の時間帯の特定のアカウントがどのIPアドレスからアクセスしていたか、またログインとログアウト時間ぐらいは記録が残っているんじゃないかな。もちろんその情報をこうした問い合わせに対していちいち開示するかどうかというのはまた別の問題で「こちらで調査、確認することはできません」という言葉でそれを婉曲に表現するということは一般的よくありそうなことだ。もちろんそれが必ずしも悪いと言うつもりもないんだけれどね。
 というわけで、今回の動画削除については原因は結局わからずじまいで藪の中。これ以上問い合わせても有用な回答があるとは思えないのでここまでとしておきます。